モモンガ通信2025年(第1期) フルートとかオートバイとか動物園とか・・・のどかさんの日常ヨタ話


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#1
2025年1月3日(金)
「2025・新年ごあいさつ」


モモンガウオッチャーの皆様、本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。皆様にとって素晴らしい一年となりますよう祈念しております。

まったく満を持してない、今年最初のモモンガ通信であります。

本日の構成は
・去年みごとに散った壮大な計画について(失敗の結果報告)
・今年の雑な目標
というかんじで書こうと思います。


まず、去年私が割と本気で試みたものの非常に残念な結果に終わったネタを新年早々に総括したいと思います。

ご存じのように私は2022年11月に交通事故にあいました。歩行中だった私のすぐ後ろで車が自転車をはねる交通事故があり、はねとばされた自転車が歩いていた私にクリティカルヒット、私は後方から突き飛ばされるようにして前のめりに倒れて気づいたら病院のベッドの上というピタゴラ装置のような事故だったらしいです(本人は意識がないから全く記憶にない)。

この事故の後遺症で頸椎から左腕(肩から手のひらまで)にダメージが残りました。

私は箸を持つのも字を書くのも右手ですので左利きという訳ではないのですが「ドアのノブをにぎる」「カギの開け閉めをする」「水道の蛇口をひねる」「スイッチ操作をする」「とっさに物をつかむ・つまむ」「財布から金を出す」といった日常のありとあらゆるちょっとした動作を左手でやるクセがあり、左手(左腕)がメインアームといっても過言ではないほどに活躍の場が多いので、年がら年中痛くてだるくてシビレていて力も入らない状態というのはけっこうなストレスなのであります。

神経の修復には時間がかかると言われたので気長に回復を待ちつつリハビリに励んだものの、結論から言いますと1年以上たった今もほとんど改善しておりません。恥ずかしい話ですが茶碗をしっかり持って食べるのもしんどいのです。味噌汁のお椀を支えられないレベル。普通に持とうとして食事中に何度ひっくり返したかわからない。独り暮らしだから家では多少行儀の悪い食べ方を何とかなるけれど、人前で食事をするのがすごい精神的プレッシャーになってしまいました。この人の食べ方は行儀が悪いな、と思われたら恥ずかしさの極みで生きていけないですよ。

なによりも精神的に一番こたえたのは楽器の演奏が思うようにできなくなってしまった事です。痛くてだるくてシビレて、フルートが構えられません。当然ながらギターを構える気にもなれません。左手の指で弦がおさえられない。

そんなわけで去年の2月末をもってフルートのレッスンも辞める気でいたのです。どうせもう続けられないのだから先生に教えを乞う意味もない。これまでの半生でもいろいろな事にチャレンジしては途中でヤメるという行動を繰り返してきたのだから、こんどは音楽をやめる時が来たという、ただそれだけの話ではないか。そんなふうに思っていました。

しかしながらここで先生から強烈な引き留め工作がスパークしました。新型ころ奈の大流行はあったし物価高も止まらないこのご時世、趣味で音楽教室に通う人は激減していると聞くから先生としても金づるの生徒を一人でも失いたくはなかったのであろう(笑)。「音楽が好きで好きでたまらない人間が音楽を捨ててこの先どうする」っていう先生の熱弁というか説得工作はすさまじいものがありました。

「ミュージシャンは死ぬまでミュージシャンよ」
「片手がまともに動かせないなら、残った部分でできることを全力でやるのだ」
「どうしても辛い時は手ぶらでもいいから、とにかくここに来なさい」

みたいな。

で結局はその後も何もしない(っていうかできない)まま、ズルズルと教室に籍を置いて先生の金づるとして生存している私がいるのであった。腕の状態的にまるまる一曲を通して吹くのは無理でも、バンド楽曲の間奏部分だけでも担当してソロパートを吹ければいいじゃんみたいな。

こんな感じ。参考映像。


The Moody Blues - Nights In White Satin







イングランドのプログレバンド、ムーディ・ブルースの『サテンの夜』ですよ。私もフルート担当のレイ・トーマス(映像中のヒゲのアニキ)みたいに神妙な顔をしてフルートを持ってステージに立ち、間奏の時だけスポットライトを浴びて吹けばいいか、という決意で今後は温(ぬる)い音楽的スタンスに軸足を据えて生きていこうと思って今日に至っております。もう従来のようにギターで遊ぶとかはちょっと無理だけど、出来なくなった事を数えてもしょうがないのだ。先生に言われたように出来ることだけをやって、音楽活動を続けられたらいいなと思っています。



おっと、ここまでは前置きであります。相変わらず長いな。今日の本題は失敗に終わったプロジェクトの報告であった。

何に失敗したのかというと、ずばり右投げへの転向という計画であります。以前演奏会でご一緒した友人のお嬢さん(といっても年齢は私よりちょっと下ぐらい)と初対面で一緒のテーブルで食事しながらアレコレ話をしたときに、なんと彼女が草野球をやっていて守備はショートだというのである。え?マジで!と私はものすごい衝撃を受けたのでありました。まずもって草野球チームって男の人しかやらないもんだと思い込んでいたから女の人が当然のように参加しているという情報がエキサイティングであります。しかもポジションがショートとかいって、どれだけ運動神経が良いのだろうかと思う。いいねえ。私は野球は見る専門だけど、自分もプレイできたらどんなに楽しいだろう。

私は・・・そうだなあ。まずもって目が悪いので子供のころから球技は苦手でありました。そもそも野球なんて球が見えないですもん。バット持って打つのも無理だし、バッターが売った打球を追いかけてキャッチする守備とか絶対にできる気がしない。外野手なんて打球の行く先にダッシュしてあらかじめ落下地点で構えて捕球するんだよ。あんなの神業じゃん。どう考えても自分にできるポジションは無いと思う。

でもまあ、もし仮にまっすぐ球が投げられるぐらいのコントロールを身につけて、あわせて確実に捕球できる能力を備えたらキャッチボールぐらいはできるんじゃないか。やがて年老いたときに、ボーイフレンドとキャッチボールでデート出来たら楽しそうじゃん(←謎の妄想)。

去年の春、2024年4月8日にアップしたモモンガ通信で「右投げ転向で復活を誓う」というタイトルの文章がありました。


モモンガ通信 2024年(令和6年)4月8日(月)
「右投げ転向で復活を誓う」


要するに左手でボールが投げられなくなったので、右投げに転向する努力を通じて運動不足の解消を目指そうと考えたのでありました。すぐに柔らかいボールを買って不自由になった左手でニギニギしてリハビリというのをはじめました。それから、区内でキャッチボールOKとなっている公園の視察に行ったりしました。

さらに間髪を入れずにグローブも購入。うむ、左手にグローブをはめるのは本当に変な感じがしますな。違和感がハンパ無い。自由が利かない手でボールなんてキャッチできるのであろうか。

そして勢いにまかせてバットまで購入。ここまでくるとかなりの熱の入れようであります。



バット

庭で素振りをするとか、どうでしょうか?




ちなみにバットなんて買ったことがないので、そもそもどれを買えばいいのか分からない。ネットで調べていたら「ティーボール」という競技が存在することを知りました。本格的に野球やソフトボールをはじめる前の子供たちが楽しめるように考案されたスポーツらしいよ。


NPO法人 日本ティーボール協会(公式)ティーボールについての説明あり
http://www.teeball.com/


で、結論としてはティーボール用のバットが黄色くてかわいいので買ってみたという訳ですよ。



ティーボール用バット

黄色というだけで即決







説明書き

小学生・女性用らしい




長さ約75cm、重さは500gぐらいでしょうか。人生初Myバットとしては、なかなかに良い感じです。さっそく庭に出て軽く振ってみたら腰がグキッとなって4日間寝込んだ。



バット

毎日素振りするつもりだったけど秒で挫折




このように、揃えたいものは全て揃って(何しろカタチから入るタイプですからね)あとはもう練習あるのみ、という段階まで歩みを進めたのですが思わぬところから横やりが入りました。早い話が整形外科の主治医から野球とか無理に決まってるだろ馬鹿者と言われて即ドクターストップがかかってしまったのであります。私の場合は腰と股関節が悪いので薬で痛みをしのぎながらこれ以上悪化しないようにひたすら現状を温存するという方針でここ数年過ごしているのですが投球練習もバッティング練習も厳禁レベルなのに何をやってるんだお前は!と怒られてしまったのよねん。

かくして、私もゆくゆくは草野球チームに所属してエース級にはなれなくとも中継ぎ投手のひとりとして手堅いピッチングでチームに貢献するような活躍をしたいと企てた壮大な計画はあっけなく頓挫したのであった。



夢破れて

野球選手にはなれなかったよ、かあさん




以上が去年味わった最大の挫折でしたな。我らの横浜DeNAベイスターズが日本シリーズを制して日本一に輝いたその陰で、ひとりの選手(いや、選手ですらないか)が一球も投げることなく消えていったんだよ。泣ける話じゃないっすか。

去年はそんな体験もあった。そういう年でありました。できない事はできないのだから仕方がない。チャレンジする気を起こして志を高く持って行けるところまでは行ったのだ。それでヨシとしようではないか。人生、こういう事もあるよね。願ったものが全て叶うとは限らないのだ。できることをやるしかない。

年明け早々に挫折の話をするというのはなかなかに痛快であります。いい意味で、去年味わったいやな思いで凝り固まった毒を出し切ったようなすがすがしさ。

では、今年はどうするか?という話ですな。前にも書きましたがあまりギチギチな目標を立てる気はありません。これだけはキチッとやり遂げよう、みたいに自分を追い込む目標は立てません。とはいえ、なんとなくやりたい事はあるし方向性が決まっているネタであればそれなりに真面目に取り組みたいという気力はあります。

楽器練習はできる範囲でちょっとやってみて楽しむ。できない事はしょうがない。先生に言われた通りです。私自身は、どうにかしてフルートを保持できるような良い方法はないだろうかとあれこれ試行錯誤しています。たとえば腕を骨折した時に三角巾で首から腕を吊るじゃないですか。あんな感じで、首にストラップをかけてそこに左腕を胸の前で固定させるイメージでフルートを保持できないかと思いながらネックストラップに手首を載せる方式を試してるんですけど今のところは上手くいってません。本当は手首を固定するのではなく不自由を感じて一番つらい部分(肩、二の腕から肘までの部分)を何らかの方法で固定できるといいんですけど。

詩生活は既にゆるゆると再開してます。鉛筆と一筆箋、そして歳時記を持ち歩いています。俳句に限らず短歌も散文詩もなんでも書きたい。生涯の目標としてはオートバイに関する用語をひとつでいいから季語の地位に高めたいと思っています。俳人の水原秋櫻子が野球用語の「ナイター」を夏の季語にしたように。「オートバイ」と「旅」を結び付けた世界観の俳句をひとつのジャンルとして成立させたいなあと思う。

発狂して精神病院送りになってから本が読めなくなりまして(文章を読んでも内容がまったく頭に入らない珍現象が起きている)、もう10年近く読書をしていません。なんでもいいから、一冊でいいから本を読めたらいいなと思っています。まずは老眼鏡を新調しないとダメかもしれません。とりあえず手元の文字が見えるようにしないと話がはじまらない。

あとは動物園に行くとか原付欲しいネタとか、そのへんはもう風まかせというか「良い風が吹いたらその瞬間が船出の時である」ぐらいに考えて、あまり目標やノルマを決めずに適度な温度感で楽しめたらいいなと思います。原付についてはもう何年も「中古原付を買う買う詐欺」みたいなネタをモモ通で書き続けていてますが、こればっかりは巡り合わせの問題だから自力ではどうにも解決できませんからね。

そもそもですね、発売から10年以上経ってるオートバイの中古価格が新車の頃とたいして変わらない!みたいな状況がここ数年ですっかり定着してしまっているのがキツいのです。年式の古いポンコツでも信じられないような高額な値段がついているのが当たり前になってしまいました。そんなご時世にサクッと車種を選んでポンと購入に踏み切るなんて下層民には無理ってもんです。どうしても慎重になりますよ。

まあ、そんな感じでウダウダしている間に50cc原付の新車はタマ数がなくなりつつありますし(メーカーはすでに製造をやめているという噂もある)中古相場もジワジワ上がってきています。もうバイクが安く買える時代は終わったのだろうと思います。つらいけどしょうがない。

そんな感じで今年は例年以上にユルユルのガバガバ体制で日々を過ごそうと思っています。あまり頑張りすぎず、カラ元気を装うこともせず、欲張らず、それでいて邪(よこしま)な事は考えずに柔らかく暮らしていきたいものです。笑う門には福来る、と言うではないか。人間だれでも同じ時間が等しく流れてゆくのだから腹を立てたり怒ったり文句を並べてストレスまみれで生きるより、毎日アハハと笑って暮らした方がよい。

生きていると悩みは尽きないものです。しかし悩みすぎると白髪が増える一方ですから、難しい問題で頭を抱えるのはほどほどにして日々のささやかな幸せを存分に味わいたいと思っています。目標はそれだけですよ。毎日楽しくやってるうちに何かいいニュースが舞い込んできたり、よい風が吹いてくるかもしれない。不意にめぐってきたチャンスを逃さぬようにして、上昇気流に乗れたらあとは予期せぬ未来に胸をおどらせればよい。

天国を先取り!という姿勢で明るく行きましょう。










#2
2025年1月10日(金)
「頭の中の地図と、お菓子のいただき方について」


友人と会ったときにいつも同じ話をしてしまうのですが、その内容は「地図」についてです。基本的に私の脳内の地理的感覚というかおぼろげな位置関係は鉄道路線と駅によって成立しています。

自分が詳しくないエリアについては「最寄り駅はどこですか」と訊ねることで場所を把握する、という流れが習慣として身についています。

他方、私の友人はふだん電車を利用する機会がほとんど無く、脳内の地図というか地理的感覚は道路網で構成されているというのです。

たとえば神奈川県の茅ヶ崎市といったら私はまずJR東海道線の「茅ヶ崎駅」が頭に浮かぶのです。東海道線の北側か南側(海に近い方角)か?というおおざっぱな区分をしつつ、茅ヶ崎市でも相模線の香川駅の近くです、と言われれば「あーハイ、なんとなくわかります」みたいな感じで位置関係をイメージするのです。

逆に「県道45号で寒川方面、大曲のあたり」などと言われるとサッパリわからないのであった。

私は横浜で生まれて東京都西部の山岳地帯で育ち、社会人になってからは職がかわるたびにアッチにいったりコッチにいったりしながら最終的に品川区に流れ着いて現在に至るという遍歴です。

幼少期はウチに車がありませんでしたから、車で移動する生活スタイルを現実的に体感したのは高校を卒業する頃であります。ゆえに、どこかに出かけるといったらバスや鉄道を使うのが当たり前でしたから道の名前(何号線とかナントカ街道とか)はもちろんのこと交差点の名前なんて意識したことも無かったのです。

ということで鉄道路線網によって私の頭脳の地図は構成されている、という前提で今日の本題に入ります。

先日モモンガ母からお菓子が届いたのですが、包装がこんなかんじのイラスト入りでした。



お菓子の包装

なにか動物キャラがいるぞ




上の部分をよくみるとタイトルのようなかんじで「おいでよ!カシワニ(柏の葉っぱのイラスト)」と書かれています。なるほど、このキャラはワニということですな。頭に葉っぱがのっていますが、端午の節句にいただく「柏もち」のあの葉っぱであることはピンときました。



拡大図

私が苦手な、あの爬虫類のワニですな




裏面を見ると「カシワニのマドレーヌ」とあります。そして製造者は「株式会社 モン.シェフ」というところで、住所が千葉県柏市になっていていろいろ納得。あー、なるほどねえ。



製造者

千葉県柏市!




おいでよ!柏に(柏に来てください)



おいでよ!かし ワニ(←爬虫類のワニ)

というダジャレになっているのだな。千葉県の柏といったら、サッカーチーム「柏レイソル」の本拠地ということですよね。ええと、はい。

名前は知ってるけど

場 所 が よ く ワ カ ン ネ



ここで恥を忍んで申し上げますが私は正直、名前は聞いたことがあっても地図上で場所を示せと言われたら正答できません。まったく把握できていません。仙台が宮城県にある、とか、島根県といったら松江ですよ、みたいな認識はすぐに出来るのですが目の前に宮城県の白地図をポン!と置かれて「仙台はどこにありますか?印をつけてください」と言われたら完全にお手上げ状態になります。気仙沼とか石巻とか蔵王とか言われると宮城県だったかな、と思えるとしても位置関係(どの市町村がどの場所に位置しているのか)はサッパリわかりません。

鉄道網といっても自分が利用したことがあるエリアは漠然としたイメージが浮かびますが、縁のない路線であればやっぱりわかりません。たとえば自分がウロチョロしがちな西武鉄道、小田急、京王、東急、あと馴染みのある京浜急行あたりは落ち着いて対処できますがほとんど利用しない東武鉄道や京成電鉄になると随分と脳内地図が怪しくなります。

私がわかってる千葉県は市川市までが限度です(断言)。なぜって私がふだんメインで使っている都営地下鉄新宿線が本八幡(もとやわた)まで行きますから、その関係で地図が完成しているのです。

しかし市川市の向こうに船橋市があって、次は千葉市でしたっけ。あれ?習志野市って言うのは千葉市の向こう側?いや手前だったかな??

という感じになって、しっちゃかめっちゃかになります。当然のことながら、こんな奴が柏市の位置を認識できている訳がない。ということで千葉県の公式サイトを見てカンニングしてしまったわ。


千葉県(公式)市町村マップ/千葉県
https://www.pref.chiba.lg.jp/kouhou/map.html



千葉県市町村マップ

上記公式サイトより引用




やばいっすね。もちろん市町村の名前を見ればおおよそ聞いたことがある場所は「千葉県のどこか」というふうにわかるんですけど、位置関係はまったくわからんです。

さらに恥を忍んで言いますけど、東京都民と名乗りながら東京都の白地図をポンと目の前に置かれて「市区町村名を記入しろ」と言われたら赤点まちがいなし。自分がいま住んでる品川区の周辺とか、昔うろちょろしていた西多摩郡とかそのへんは即答できるけど西東京市って何?あれ?田無市はどこにいっちゃったの?ってなります。

どうやら平成13年1月21日に田無市と保谷市が合併して西東京市となったそうですが、ちょっと待てと言いたいのであります。形状的に横に長い東京都で、あの場所で「西東京」を堂々と名乗られたら、もっと西にある立川市とか福生市とか羽村市とか立場ないじゃん。西西西東京市、とかウルトラマックス西東京市とかアルティメット西東京市とか名乗らないといけないぐらいバツが悪いじゃん。アンタそんなに東のエリアに位置してるクセに軽々しくウエスタンを名乗るんじゃないよ!と言いたい。

話がだいぶ脱線してしまったので「おいでよ!カシワニ」のマドレーヌに話を戻そうと思います。この「カシワニ」が気になったのでネットで検索したら、柏市インフォメーション協会のウェブサイトがすぐに見つかりました。オフィシャルキャラクターとして活躍中なのが判明してスッキリ気分であります。


おいでよ!カシワニ 柏市インフォメーション協会
https://kashiwainfo.net/

クロコダイルにしろアリゲーターにしろ、爬虫類のワニはまったくもって恐怖の生物でしかないのでありますが、こんなキャラクターになれば許せる感じになりますな。まあ私は哺乳類じゃなきゃヤダ派というか100歩ゆずって鳥類が限界という流派に属していますので、爬虫類だの両生類だのは勘弁してほしいところです。水中にいるようなニョロニョロとかグジグジ系も無理。虫などもってのほか。ゲジゲジとかブジョブジョ(なんだそれ)とかマジでヤメてください。

そしてカシワニのマドレーヌは、ちゃんとカタチが「カシワニ」のキャラクターになっているうえに、しつこくなくて美味でした。私は洋菓子はバターくさいのとか小麦粉全開とかいろいろしつこいように感じて正直苦手であります。私は甘党・あんこ派。あずきマン。ようかんとかおしるこが大好き。



マドレーヌ

ちゃんとカシワニの形になっています




そしておいしく食べ終わる頃には、もう既に柏市の場所がどこであったのかを思い出せないのであった。えーと、千葉市の左ナナメ上あたりでしたっけ?(←適当)



さらに凄まじかったのは、食べ終わってからモモンガ母に電話を入れたときの返答であった。

のどかさん:カシワニのマドレーヌありがとう。おいしかったよ!!
モモンガ母:あー、あれけっこうサッパリ系でおいしかったよね
のどかさん:パッケージにワニのキャラクターのイラストがあったよ
モモンガ母:あれ?カエルじゃないの?
のどかさん:いやいやいや。柏に、っていうのと爬虫類のワニをかけたダジャレだって
モモンガ母:なんでカエルなんだろうなって思ったんだよねえ
のどかさん:カエルにはギザギザの歯とかシッポとかないでしょ!
モモンガ母:カエルなんて気持ち悪いから知らないよ
のどかさん:あとマドレーヌがちゃんとワニの形してたよ!
モモンガ母:え?そうなの??
のどかさん:食べる時に見なかったの?
モモンガ母:味しか覚えていない
のどかさん:マジかよ・・・マジかよ・・・

ということで、今日の結論。別に市区町村の位置とか覚えなくても困らない。だけど、何かを食べるときはちゃんと目で見て、じっくり味わって食べましょう。優雅に楽しむお茶タイムを、ただ目の前の食物を摂取する作業におとしめてはならぬ。どんな境遇にあろうとも、食べるときぐらいは王侯貴族のようにふるまい、豊かな時間にしたいものであります。










#3
2025年1月14日(火)
「Windows11が起動しなくなったノートPCをLinux Mintで復旧」


昨年の夏にメインで使っていたデスクトップPCが壊れ、本来であれば思い切って新型に買い替えたいタイミングではあったのですが、大規模な入れ替えを延期して安い中古PCで一時しのぎをしようと考えました。秋葉原のいかがわしい店で9,800円のノートPCを買ってきました。


モモンガ通信 2024年(令和6年)9月26日(木)
「実力的にイマイチ頼りない中継ぎ投手を登板させる」


製品としては下記の通り

富士通 LIFEBOOK U938/T /8GB/256GB Windows11Pro

【メーカー】富士通
【商品名】 LIFEBOOK U938/T
【CPU】Celeron3965U 2.20Ghz
【メモリ】8 GB
【ストレージ】256GB SSD
【光学ドライブ】なし
【画面サイズ】13.3インチ 1920x1080px
【OS】Windows11Pro
【その他機能】
・USB・HDMI端子等搭載
・Webカメラ搭載


こちらを購入したのが2024年8月17日。まだ5か月経ってないぐらいですが、2025年の1月はじめになって急に作業中に固まる、アプリケーションソフトが落ちる、といったトラブルが頻発するようになりました。PCを購入してすぐに回復ドライブを作っていたので、セットアップしなおすことに決めました。

ところが。再セットアップ作業の途中で「回復できませんでした」などという残念感あふれるメッセージで終了を余儀なくされる展開になりました。何度やりなおしても同じです。セットアップ画面を見つめながら松岡修造ばりの熱い声援を送るのですが「回復できませんでした」という非情ののメッセージが表示されるだけです。

そして、当然の流れとしてWindows11が起動しなくなりました(涙)

再セットアップ作業の途中まで進んでいましたから、SSDの中身が消されちゃったのでしょう。駄目なものはしょうがない。

普通の人ならここで途方に暮れると思います。何しろ起動しないわけですからね。

しかし今更申すまでもなく私はオタク的属性の持ち主であり、いまでこそ「PCに金をかける時代は終わった」と言ってのけるクチでありますが、ヤング時代は熱烈Apple党でマッキントッシュをしょっちゅう買いまくる人だったのであります。なぜかマックも98もTOWNSも持ってるみたいな属性だったのです。工房のウェブサイトを開設した時のメインOSはBTRON(ビートロン)だったのです。

そんな私の手元には、去年の今頃につくったLinux Mintのインストールディスクがありました。

Windowsユーザーの方はご存じのように今年10月にWindows10のサポート終了がアナウンスされています。で、Windows10が使えなくなったらどうする?みたいなテーマで古いPCにインストールして使える代替OSを提案する動画が去年あたりからポツポツとYouTubeにあがっていました。ChromeOSをインストールしてChromeBookとして使うとか、Linuxでも比較的Windowsに近い操作体系のディストリビューションがあるとか、そういう情報が割と活発に取り上げられていて世のオタク達が人柱として試しにインストールして使い勝手をレビューするという動画をたくさん見ておりました。

そんな中で目を引いたのがLinux Mintでありまして、いろいろな人の動画を見る限り「これは良さそうだな」と思えるOSでした。私は20年ぐらい前にVine Linuxを使ったりした時期がありましたが、さすがにメインで使えるものではなかった。しかしLinux Mintはインターネットブラウザもオフィス系アプリケーションソフトも普通に使えて充分にメインを張れそうな仕上がりです。

ということでたまたまLinux Mintのインストールディスクを作成したものが、奇跡的にまだ手元に残っていたのであります。「知らないOSをインストールして遊ぶ」という、一見すると世の中に対して何の役にも立たない風味がつよいオタク趣味を持っている過去の自分のたわむれの行為が、まさかのタイミングで役に立つ時が来たのであります。

Linux Mintについては、多くの人がYouTubeで紹介しているので興味のある方はそちらをご覧になった方がよいと思います。私が中途半端な説明をするよりも、はるかに有能な人が分かりやすく簡潔に紹介する動画がたくさんあります。


Linux Mint(公式)
https://linuxmint.com/


私は起動しなくなったノートPCにLinux Mintのインストールディスク(必要なファイルを書き込んだUSBメモリ)をサクリと差し込み、そのUSBメモリから起動しました。あとは放っておいてもインストールされますから耳の穴をホジホジしていればよいのであります。唯一の不安は自分のノートPCに必要なドライバ類がきちんとそろっているのか?という点ですが、これはやってみないとわからない=インストール完了前に考えても仕方がないことです。

はい、インストール完了ぅ。USBメモリをはずしていざ!起動。



起動

よっしゃあ!起動したZE




やったね。この時点でもうフィーリング的にざまあみろな気分になるわけですよ(←わかります?この「ざまあみろ」っていう感じ)。最初に起動した後はおそるおそるタッチパッドに触れてみると普通にマウスポインタも動くし何の問題もなさそうであります。Wi-Fi接続もあっけなく完了して胸をなでろす。初期状態で入っているウェブブラウザはMozilla Firefoxですので、こちらを起動していつも使っているGoogle Chromeをインストール。これに自分のアカウントでログインすればハイ、ネット環境は復活ですよ。



画面

GUI(グラフィカルユーザーインターフェース)はWindowsと変わらん







ブラウザ

とりあえず自分の工房を表示してみる




ブラウザのChromeが起動しますから普段Androidスマホを使ってるGoogle奴隷な皆様は何の不自由も無いだろうと思います。いつものアカウントのGmailも使えるしGoogle PhotoをはじめあらゆるGoogleのサービスが使えます。当然ですがYouTubeも普通に見られるので存分に「チャージマン研!」を見ればOK。



ブラウザその2

ネットさえつながれば事実上なにも困らない




Office系については私は普段から(Windows11で)フリーソフトのLibreOfficeを使っていますから、そのLinux版を使えば良いのであります。デジタルカメラで撮った画像の処理はちょっと困りますが、いろいろ調べてみると無料の画像編集ソフト「GIMP(ギンプ)」というのがPhotoshopの代替として使えるっぽい。あとは個人的に音声データ(ICレコーダーで録音したmp3ファイルなど)を編集するアプリケーションが要りますが、おいおい探してみるとしましょう。

モモ通の原稿については、普通にテキストエディタが使えますので心配ご無用。



テキストエディタ

良いと思います




あとはHTMLファイルを更新してFTPソフトでサーバにアップロードすればウェブサイトの更新は勝ったも同然。テストしたら文字化けするのでネットでいろいろ調べて解決しました。

かくして、オタクであるがゆえに過去の自分が楽しんだ遊びによってイザという時の危機から逃れた私であった。OSをインストールして遊ぶ、という傍から見ればキチガイじみた趣味であろうと、それが巡りめぐって人生のピンチで役に立つときが来ることもあるのだという真実を証明できたことでちょこっとだけ生きる自信を取り戻した次第です。家族から「逃げるし恥だし役立たず」(←かつてそんなタイトルのドラマがあったらしい。私はテレビを見ないので知らない)とこき下ろされた私ですが、少なくとも過去の自分の行いが現在の自分の役に立ったのだからこれは胸を張っていいですよね?おおざっぱに見ると100パーセント無能に見える存在であっても、それは断じて100パーセントではないという事です。0.000001パーセント程度かもしれないけど、私にも有能な成分が含まれているということです。

オモテ面から見たら私は無能の人に見えのるかもしれないけど、ウラにはちゃんとこういう才能があるということで今回は素直に自分をほめたいと思います。まあ今回はたまたまですが、オタク趣味も時には役に立つということを分かっていただけますと幸いでございます。オタクを責めないでください。










#4
2025年1月21日(火)
「今年最初のお出かけ先はやっぱり動物園」


早いもので新年を迎えて既に20日が過ぎてしまったのです。いまいちヤル気が出ない、などと言っているうちに時は光のように流れて、こんなふうに過ごしているとあっという間にクリスマスが来てしまいます。

年末年始は基本的にひきこもりがちな生活を送り(おかげでインフルエンザにならずに済んだ)、その後もPCのリカバリーなどで時間をとられてやっぱり家に居たのであります。外出するのは大好きだけど家に居ても退屈しない性分なので用が無ければ家にたてこもっていても不満はありません。外は寒いし。

などと言っているとモモ通で話すネタもなくなりますから、最初のお出かけはやっぱりいつもの夢見ヶ崎動物公園だな!という気分になってカメラをもって出発しました。動物たちに新年のあいさつをしようではないか。

サラリと動物園に着いたのはいいのですが早速やらかしました。今年最初のポカが発生。な、なんと。デジタルカメラの充電を忘れてきました。マーコールを1枚撮っただけでバッテリー切れ。膝から崩れ落ちましたよマジで。



マーコール

この日最初で最後の写真(涙)




いつもは予備のバッテリーを持ってくるのですが、なぜか今回に限って荷物を減らしたくてあえて家に置いてきた(カメラ本体だけケースから出して持ってきた)という素晴らしい展開が今回の偉業につながったのであります。その場の思いつきで普段と違う行動をすると失敗する例ですな。

カメラが起動しなくなったので、今回の散歩は動物たちを眺めてまわるだけ。いちおうスマホのカメラ機能があるけど、動物園の撮影では望遠が使えないと歯が立たない。

カメラと言えばパナソニックから昨年「DC-FZ85D」という新型が発売されました。これは私が今使っているFZ70(2013年発売)の後継モデル、FZ85(2017年発売)のマイナーチェンジ版であります。一番の売りはUSB端子がいまどき主流のUSB-Cに変更された点でしょうか。逆にそれ以外はこれといって目立った進化はない。ヨドバシで6万4千円ぐらいでした。公式のオンラインストアでも同じぐらいの金額です。けっこうしますね。

爆発的なスマホの普及とともにデジタルのコンパクトカメラはあっという間に駆逐されましたが、このカメラのようにレンズ交換せずに広角から超望遠まで撮影できるタイプが今でも販売されていることが嬉しい。一般人はスマホで充分だし本気の人はレンズ交換式の本格的なカメラを使うでしょうから、この手の中途半端な機種はそれほど台数も売れないだろうけど、無くなると困るのよね。


パナソニック デジタルカメラ DC-FZ85D(公式)
https://panasonic.jp/dc/c-db/products/DC-FZ85D.html


まあ私自身はすでに大げさなカメラを振り回す気力も体力もすでになくなっていますので、かつてのようなカメラ物欲は皆無です。今使ってるFZ70が壊れてダメになるまでは現状維持でいいやって感じ。ああ、こういう発言をすると直後にカメラが故障したりするのが世の習いですから、余計な事は言わない方がいいかもしれません。去年はスマホの液晶画面を割ってPCも壊れて、こんどはカメラも昇天とかいったらシャレになりません。大事に使わなくちゃ。

夢見ヶ崎ではnamiemiさんのお正月イラストが最高でした。おお、これならスマホでも撮れるぞ。



羽子板

namiemiさんの可愛い動物イラストが見られるのは夢見ヶ崎だけ!




羽子板の構図といい新春の雰囲気をたたえた色彩が素晴らしいですね。控えめなのに華やか、この色づかいは見事というほかはありません。かわいいなあ。


晴れ着のホンドタヌキ

あらゲンマイちゃん、あでやかなよそおい







男前のヤマシマウマ

アースくんも粋だね




ということで今年最初の写真散歩としては初戦敗退(1回コールド負け)という感じでしたがnamiemiさんの新春イラストを堪能できたので大満足です。次はちゃんとカメラのバッテリーは充電してくるんだYO!










#5
2025年1月25日(土)
「シンプルにいきたい」


普通自動車免許にAT限定というのが登場したのは1991年11月、ずいぶん前の話ですが私が免許を取得した時はまだ存在しませんでした。老若男女とわずみんなMT車で教習を受けて問答無用でMT車の運転技能を身につける時代でありました。

いまはAT限定の免許を取得する人が多いそうで、友人は「カミさんと娘たちが全員AT限定だからマニュアル車は購入候補にできない」とボヤいていました。実際、自動車メーカーの現行ラインナップを見るとMTを選べる車はほとんど無い。

タクシーや路線バスなんかでも普通にAT車を見かける時代になっています。

運送業界の人手不足に対応するため、という理由で警察庁が道路交通法の施行規則を改正し2027年からトラックやバスなんかの中・大型車に対しAT限定免許を導入する方針を明らかにしています。


道路交通法施行規則の一部を改正する内閣府令等について(通達)
https://www.npa.go.jp/laws/notification/koutuu/menkyo/menkyo20240701_02.pdf


そうかそうか、プロフェッショナルのドライバーにもATしか乗れない人が増殖するのだな。一体どうしてこういう発想になるのか私にはわからないけど「ATならトラックを運転したい」と思う人が日本にはいっぱいいるってことなのかな。よくわからんなあ。

ATしか乗れない人を侮蔑するつもりはないけど、MTを運転できる人はクラッチを介したシンプルな変速機構を理解したうえで運転技法を身につけるから「話が通じる」ので良いのです。一般教養が身についている。逆にAT限定の人たちはクラッチって何?っていうレベルなのでメカ的な面で話が理解できない人ばっかりなのだ。これは、自家用車レベルなら許されるけどプロフェッショナルのドライバーとしてはちょっとどうかと思う。半クラッチが理解できないというのはいろいろな意味で相当にマズい。そういう人が自動車という危険なシロモノに乗れてしまうのは心底怖いと思う。

さて、自動二輪の世界では「普通のカタチをしているオートバイはマニュアルなのでATに乗りたいならスクーターを買え」という時代が長かったのですが、確実にAT化の波が押し寄せているのは間違いありません。排気量250ccクラスで絶大な人気を誇るホンダ・レブル250が今年のモデルからクラッチ操作なしで変速操作が可能な "Honda E-Clutch" を搭載するとのニュースが報じられました。


2025.01.17
ニュースリリース
軽二輪クルーザーモデル「Rebel 250」の一部仕様変更と
「Honda E-Clutch」搭載タイプを設定し発売
https://global.honda/jp/news/2025/2250117-rebel.html?from=RSS



レブル250のニュースリリース

ついに軽二輪クラスにもクラッチ操作不要の波がきた




(以下引用)

Hondaは、軽二輪クルーザーモデル「Rebel 250」の一部仕様変更を行い1月30日(木)に発売します。

また、Rebel250をベースに、電子制御技術「Honda E-Clutch」を搭載した、「Rebel 250 E-Clutch」「Rebel 250 S Edition E-Clutch」をタイプ設定し3月13日(木)に発売します。



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このクラスで人気No.1の爆売れモデルがクラッチ操作不要になるって




しかも販売計画台数がシリーズ合計・国内年間10,000台とかなりデカい数字です。このうち「Honda E-Clutch」搭載車がどれぐらいの比率なのかはわかりませんが、割と真面目に半分ぐらいを想定しているのではないかと思ったりします。



販売計画台数


SエディションはE-Clutchしか選べません




ここで要となる「Honda E-Clutch」については、私が無駄に説明するよりもホンダの公式を見ていただいた方が話が早い。


2023.11.07
ニュースリリース
世界初の二輪車用「Honda E-Clutch」を開発
https://global.honda/jp/news/2023/c231107b.html?from=motorcycle_technology



E-Clutch


上記サイトより引用




端的に言えば高度に電子化された変速システムを採用することで「クラッチ操作をやりたい人は従来通りにやってもいいし、やらなくても変速ができますよ」という選択肢の幅をもたせる時代が到来したという事です。けっこう画期的ですよね。

他方、ヤマハは "Y-AMT" という名称で、クラッチレバーとシフトペダルを備えず指先操作だけで変速または完全なATとして使える新機構を上級モデルに搭載して新時代をアピールしています。こちらはクラッチレバーそのものが無いのでAT限定の大型自動二輪免許で乗れてしまいます。

さて、このような「非・マニュアルシフト」の勢力が拡大するにつれ、ありがちなのがMT愛用者とAT愛用者の論争であります。オートバイ愛好家にも言えることですが世にユーザーの多い四輪の世界だと割と激論に発展するパターンがあります。とはいえ今はATに乗る人が人口比でいうと圧倒的多数派を占めていて、メーカーもMT車をつくらない方針になっていますからもう勝敗は決したというか、MT派はすでに絶滅危惧種となりその力は残りわずかな感があります。

私自身はMT大好きですけど別にATが悪いわけでもない。実際問題として品川区に暮らして近所でちょい乗りしている分にはスクーターのほうが楽ですから。ATのスクーターもいいよね、っていうかMTもATも両方乗るよね、両方持ってるのがいいんじゃないの?みたいな感じでMT原理主義者とAT擁護派の異論・反論の応酬につきあう気はサラサラない。

これは個人的に感じるのですが、MT派とAT派の論争ってそれぞれが別の尺度で焦点をしぼっているから根本的に「どちらが正しい」というものでもないですよね。雑に言いますとこんな感じで対立構図ができて意見が割れる:


操作が楽しければ他に何もいらない(MT派)



なんで不便なものを使う必要があるんですか(AT派)


MT好きの人たちが「自分が運転して楽しいと感じるかどうか」を論じているのに対し、AT派は「利便性」を語っているのです。そもそも論点が違うのです。これでは永遠に話がかみ合うはずがない。どちらの主張も理にかなっているので優劣も正誤もない。このように考えると、ホンダのレブル最新モデルが搭載した「Honda E-Clutch」というのは


高度に電子制御化することにより「楽しさ」と「利便性」の両方を実現した


ということなのだろうと思います。うまいぐあいに「いいとこ取り」しているメカニズムなのは間違いありません。人気の車種に「Honda E-Clutch」のような最新技術を搭載すれば間違いなく売れることでしょう。新車価格が70万円というのも納得価格ですよ、たぶんね。

しかしここで「MT派」でも「AT派」でもない、新たな勢力としてワタシが登場してしまうのです。そう、私は「シンプルなメカが好き派」なのであった。当然、高度に電子制御化されたいまどきのオートバイ(や車)に、なんともいえないストレスを感じるのであります。ずばり


もっとシンプルな構造のものを、つくってもらえませんか


と強く言いたくなってしまうのであります。昔から「シンプル・イズ・ベスト」と言います。レオナルド・ダ・ヴィンチの言葉として "Simplicity is the ultimate sophistication."(単純であることは究極の洗練である。) というのが知られていますが、私はこれは真実だと思っています。デカルトは「難問は分割せよ」と言いましたが、これは意味合いとしては表裏一体の考え方です。物事の本質は常に単純であります。これを応用して考えるなら、あらゆる物はシンプルにつくるのが望ましいのであります。しくみが単純なものは理解しやすく、トラブルを少なくするものとなり、かつイザという時には修復がしやすいという利点があります。

車にも言えることですけど今時は「環境性能」や「安全装備」を追求するあまり過剰サービスのようなメカを満載するのが当たり前になってしまいました。車で衝突回避のための自動ブレーキ、というのはまあわかる。でも今は高速道路などで前の車を追尾して自動で加減速するオートクルーズコントロールだの、車線からはみ出ないように制御するだの、カメラでモニターしながらバック駐車をサポートするだの、やりすぎではないのか?と思うような珍装備のオンパレードです。ヘッドライトのハイ・ロー切り替えを自動でやってくれる、って正気なのかと疑いたくなります。そんなものを機械任せにしてドライバーはスマホをいじっているとか阿呆の極みですよ。

趣味性の高い、高級なオートバイが電子制御てんこ盛りになるのは良いと思うのよ。勝手にやってクレ、という気持ちで終わります。しかし世の中には私のように趣味といいつつも実用の道具としてご近所ちょい乗りの小さい原付が欲しい、みたいな人間には「フルカラー液晶メーターとかマジで要らないのでもう少しシンプルで安い原付、つくってもらえませんか」という気持ちがどうしてもぬぐい切れないのよね。

最初から付いていない部品は、壊れない。っていうかもともと存在しないのだから壊れようがない。無駄な装備は要らないのよ。構造が単純で部品点数が少なければ、日常の手入れが楽になるし分解整備の手間も大幅に減らせます。エレキ仕掛けで複雑にしても、問題が発生した時のトラブルシューティングがいろいろ面倒になるだけで正直メリットは無いのです。

でもシンプルでスパルタンなものを欲しがる人というのは少数派になっているのだろうと思います。多数決をやったら負けるんです。それが現代日本の価値観ですよ。いまどきの最新オートバイを買えばそれはもう電子制御まみれなのは当然であきらめるよりほかにない。どうしてもシンプルなメカにひかれるのなら。もう補修部品が手に入らないような昔の車両に乗るしかない。それはそれでイバラの道だ・・・

今思うと愛車ヤマハTDR80はシンプルな乗り物でありました。電子制御のデの字もなかった。いまどきのオートバイに比べたらメカ的には本当に単純で、でもそれでいて跨ってみればめちゃくちゃ面白い乗り物だった。本当に自分の好みにぴったりだった。ああいうのはもう出てこないんだ。

そういう気分にひたる私としては「トランスミッションなんてMTもATもどっちも良いモノなのだから騒ぐことないよ。それよりも、過剰なエレキ仕掛けをやめてくれよォ!シンプルな乗り物を返してくれよォ!」というセリフを声を大にして叫びたくなるのであります。

私は何に乗れば幸せになれるんでしょうか。グスン。










#6
2025年1月29日(水)
「現時点ではたいして重要でもないカメラどうするよ問題」


かつては暗室にこもるのを至上の喜びとし、フィルムや印画紙を湯水のごとく消費していた日々に明け暮れていたのも昔の事。変人級のカメラマニアと呼ばれた私も今は完全に情熱を失い、安物スマホのカメラ機能を「現代の写ルンです」と呼んで満足するレベルまで堕落しております。

とはいえ動物園大好きっ子ですから、いちおう望遠の撮影が可能なカメラをかろうじて手元に残してあるという状況です。あともう一台、マイクロフォーサーズのレンズ交換式カメラ(パナソニックのGX1という化石みたいな古いカメラ)もありますが、ほぼ出番はなくなりました。かといってこれを処分してしまうと文字通り過去に積み重ねてきた実績をすべて捨て去るようなものなので、なんとなく手放せないままズルズルと持ち続けているというのが実情です。

やはり動物園ではある程度望遠レンズが強力でないとマトモに撮れないのは真実です。向こうの方にいる獣をスマホで狙ったところでしょせんは豆粒サイズでしか写せません。ズームアップできてナンボ、みたいな部分は非常に大きいのであります。

私のメインカメラはパナソニックのLUMIX FZ70という「コンパクトとはいいがたいコンパクトカメラ」です。レンズ交換式ではないのですが、広角から超望遠までズームが使えるというのが最大の特徴です。北米仕様なのでメニュー等は日本語表示ができず(英語とスペイン語のみ)、しかも距離表示がメートルではなくフィート表示ということで日本人にはキツすぎるモデル。投げ売りされていた中古品を格安でゲットしたのでありました。言い換えますと、仮に売りたいと思っても買い手がいない=永遠に売れないという糞です。

ひとまずこのFZ70が壊れるまでは現状維持でいいや、と決めていますが世の中というのは不条理に満ちていて「できることなら長く使いたいな」と思う物に限って予兆なく突然壊れたりするものです。あくまでも個人的見解ですが、神様はなかなかに性格が悪いと思っています。

皆様もご存じのように庶民がデジタルカメラを持ち歩く時代というのはとっくの昔、スマホの登場によって終焉を迎えました。いまどきコンパクトカメラを持ち歩いている一般人なんていません。そして私が愛用しているようなレンズ交換ができない、中途半端にデカいカメラというのも同様に歴史的役割を終えた感がハンパないのですが、ありがたいことに各メーカーはこの手の機種を細々とラインナップにつらねています。スマホのカメラじゃ物足りないけど、かといって本格的なレンズ交換式カメラに高級高性能レンズを買うのは勘弁してほしいという極めて少数派のために、中途半端なカメラがまだ生きながらえているのです。これは本当に感謝しかない。

パナソニックは昨年、前モデルとほぼ変わらない小変更を行っただけの新型LUMIX FZ85Dを発売しました。私の愛用カメラFZ70の流れをくむ後継モデルと言う感じになります。


Panasonic デジタルカメラ DC-FZ85D(公式)
https://panasonic.jp/dc/c-db/products/DC-FZ85D.html



DC-FZ85D


パナソニックの現行機種




USB端子が現在主流のType-Cに変更されるなど、それなりに時代の要請にあわせたアップデートが行われているので喜ばしい話です。とはいえ、やっぱり我々を絶望の谷底に叩き落すのに充分な値段がついています。



ヨドバシ価格


ヨドバシ価格は64,350円と高い




ひとくちに6万円とか言うのは簡単ですし、6万円ぐらいなら使いきるのはほんの一瞬なのですが、いざ6万円を稼ぐとなるとなかなかの苦役であります。この30年で日本人の生活水準は考えられないスピードで下落しました。なんか中流の水準がズルズルと下がっているなあ、と思いながら政治がなんの手も打たずに問題を先送りしまくった結果、今では「貧困」という単語が常態的に使用される時代です。日本をディスカウントして海外に売りまくってる国賊政治家と官僚の罪は重いよね。いまだに自民党や公明党を支持する人がいるというのがちょっと私には信じられない。

話をカメラに戻しますが、さすがに6万円台半ばの値段がついた上等カメラなど買えないですから、まあFZ70が壊れたら中古で同じものを探すしかないだろうな、と思っているのであります。ただ機種自体がもう古いので、マトモな中古品が入手できるかどうかはかなりの博打になります。

そんなさなか、コダックのAZ405BKというカメラの存在を知り、ちょっと気になってヨドバシ店頭にリサーチに行ってきました。



Kodak AZ405BK


これが今回リサーチしたコダックのカメラ




コダックのデジタルカメラと言えばかつては日本のカメラメーカー、チノンが製造をしていた時代があります。私はフィルムカメラ時代に熱烈チノンファンでしたから、チノン製造のコダックブランドカメラには並々ならぬ愛情を注いでいました。しかし斜陽産業であったカメラ事業がいつまでも続くはずもなくチノンもコダックも砕け散りました。コダックは印画紙や薬品の製造販売から撤退した時に完全終了でしたね。フィルム愛好者界隈では大変な騒ぎとなりまして、私自身もこのタイミングで銀塩写真から撤退したのであった。

その後もコダックはブランドだけは残っていたので謎のメーカーが安物のどうでもいい糞カメラをつくってはコダックブランドで販売する、という時代が続いていました。独自マウントでレンズ交換式システムを新たに構築し熱烈なファンから今も圧倒的に支持される富士フイルム(かつては富士写真フイルムという社名だった 涙)とは明暗がクッキリわかれました。天下のコダックも地に落ちたというか、底辺ブランドに成り下がったのは泣けました。

まあコダックのカメラAZ405BKが目にとまったのはほかでもない。ズームレンズは35mm換算で24mm相当の広角から960mm相当の望遠まで継ぎ目なく使用できるうえに、なんと単三形乾電池4本仕様だというのであります。今時珍しい!


Kodak AZ405BKの主なスペック

有効画素数:2068万画素(1/2.3インチBSI CMOS)
焦点距離[35mm換算]:4.3mm-172mm[24mm-960mm]※40倍光学ズーム
開放F値:F3.0(広角端)-F6.8(望遠端)
液晶モニター:3.0インチTFTカラー液晶モニター(460kピクセル)
AF方式:シングルAF、マルチAF(TTL9ポイント)、自動追尾AF、顔検出
測光方式:AiAE、スポット、中央部重点、顔AE
露出補正:+/-3EV(1/3ステップ刻み)
シャッター速度:1/2000秒〜30秒
連写:可
フラッシュ方式:ポップアップ(手動)
記録メディア(別売):SDカード/SDHCカード/SDXCカード(512GBまで)
サイズ:約114.3W×81.6H×84.4Dmm(CIPA標準)
質量:約436g(本体のみ)
電源:単三形アルカリ電池(4個使用)、単三形ニッケル水素電池[別売]


いま私が使っているFZ70は35mm換算で20mm-1200mm相当のズームレンジです。コダックAZ405BKはそのレベルには達していませんが望遠960mmというのはなかなかのものです。何よりも素敵なのは単三形乾電池に対応しているという今時ありえない仕様です。

私はリチウムイオン充電池が嫌い、というかむしろ憎んでいるレベルであります。世の中には充電池をありがたがる人々が大勢溢れる時代ですが、もう一度中学の理科からきちんと勉強し直した方がいいんじゃないかと思っています。リチウムイオン充電池が原因となる爆発事故や火災のおそろしさは人類の敵と呼ぶにふさわしいと思います。自己陶酔してEVを買うのは個人の自由ですけど隣の家がEVを買って発火でもされたら目も当てられない。

ということで個人的に「脱・リチウムイオン充電池生活」というのを心がけているので、単三形乾電池(ニッケル水素電池)が使えるカメラというのはそれだけで存在価値がオオアリクイ。もしコダックAZ405BKが使い勝手的にすぐれた性能であるならばFZ70の次は乗り換え候補として最高なのではないか?と思ったのであります。

そしていざ、ヨドバシに突入してみると展示してある場所がよくわからない。いまはミラーレス一眼に関してはソニーやパナソニックや富士がヤル気まんまんな空気感であって、ニコンの凋落っぷりが悲惨な印象であります。デジタル時代になってからもキヤノンは強い存在感を放っていますが、OM SYSTEMと名をかえた旧オリンパスはもはや空気のような感じですし、我らがペンタックスにいたっては葬式会場のムードがたちこめております。

そんな売り場のすみっこ、どさくさにまぎれる感じでコダックのAZ405BKが置いてありました。ちゃんと電池が入ってるのかな、と不安になりながら手に取り電源を入れると無事に起動。よかった。これで電池が入ってない「ただの展示」だったら動作スピードや使用感のチェックができないですからね。

期待に胸を膨らませて触れたAZ405BKでしたが、結論から言いますと絶望的にダメなカメラでありまして、動作の全てがトロすぎてFZ70のように動物園カメラとして活躍できるほどの実力はないだろうという残念な印象でした。電源スイッチを入れてから起動に時間がかかるし、ピント合わせも遅すぎる。これでは素早いミナミコアリクイの動きを追う事はできない。値段は48,180円だけれども、いやコレに4万8千円は出せないだろう!と言いたくなる悲しさがあった。

残念ではありますが、購入候補としてはナシです。こうして考えてみると私自身もカメラならなんでもいいという訳ではなく、動いているミナミコアリクイを撮りたいなどと言う割と厳しい条件をサラッと言ってのける鬼畜レベルのマニアなのだという自覚をあらためて確認したのであった。動作のトロいカメラは無理、というのはけっこう贅沢なリクエストであって、そういう面倒な事を言う奴はケチらずに高額な上等モデルを買わないと満足できないというのは否定できない真実であります。



パンフレット


店頭でパンフレットをもらった




ネットの公式ウェブサイトを見れば商品概要はわかるので紙のパンフレットなんてもらっても意味ないのだけど、なんとなく受け取ってしまいました。昭和時代の人間は画面を見るよりも紙の資料を手に取ってじっくり読んだ方が理解度が深まるんだよなあ。電子書籍で読んだ本って印象が残らないもん。



日本総代理店表記


日本総代理店はマスプロ電工だった




裏面をみてびっくり。ほお、いまのコダックのカメラはマスプロ電工が扱っているのか。ケンコー・トキナーあたりがやっているのだろうと思っていたけどマスプロ電工というのは想定外でした。製造国についてはもういろいろな意味であきらめていますが、代理店が「〇〇有限公司」などと書いていないのがせめてもの救いでしょうか。

まあ、とりあえず今使っているLUMIX FZ70が壊れないことを願うしかないっすねえ。










#7
2025年2月4日(火)
「今年最初の物欲爆発!万年筆を買う話」


2月に入ってまた急に寒くなりました。身体中の古傷が痛んで実に辛いものがあります。古傷と呼ぶには新しい、2022年11月の交通事故のダメージで首から左腕が痛いしダルいしシビレるし、気分的にはかなりヤケクソ風味となっています。高熱を出したり喘息などで苦しくて眠れなかったりというような、病気に起因する苦しみは絶望的なものがありますが、怪我によるダメージの後遺症というのも大きなストレスであります。

そうは言ってもアッチが痛い、コッチが痛いと嘆いているだけでは人生が闇に閉ざされる一方ですから、どんな境遇に陥ろうとも気高さを失うことなく毎日を優雅に過ごしたいと思う訳ですよ。同じ時間が流れてゆくのだとすれば「つまらん、つまらん」と愚痴りながら過ごすよりも「楽しくてしょうがないZE!」と喜びにあふれた楽しい日々に明け暮れたほうがよいに決まっています。自分の機嫌は自分がとる、これ大事。

ということで身体がシンドいながらも今の自分に全力で楽しめる事を水面下ですすめているのであります。現時点ではどうあがいても不可能なことを並べて絶望を深めてもしょうがない。出来ないことは、無理にやらなくてもよい。

ちょいと話はとびますが皆様、最近「手書き」で文字を書くことってあります?私は正直、ほとんどなくなっていました。文字を書く、文章を綴るという動作は完全にPCでキーボードをたたいて行うものになって何十年も経っています。これにより「漢字をド忘れする」「読めるけど書けない漢字のオンパレード」というのが定着してしまいました。さらにマズいことに、読めない漢字や意味を知らない言葉をスルーする(読み方を調べる、意味を調べるという手間を怠る)という悪癖まで身につけてしまい、実際問題としてかなりの白痴化が加速しています。

年齢を考えるとすでに人生の秋も深まっており、これから身体の自由がどんどん利かなくなる将来を思ったときに「家にいても静かに楽しめる趣味を持ちたいな」と考えたりしたわけです。そして去年から、また少しずつ「詩生活」を取り戻しているのであります。で、その一環として「手書きで文字を書く贅沢をふたたび味わおう」と企み、クリスマスに中古の万年筆を入手したのであった。


モモンガ通信 2024年12月26日(木)
「ノドカサンタさんからのプレゼント2024」



以前掲載した画像


モモ通にのせた画像




自分へのクリスマスプレゼントとして日野ポンチョのトミカとペリカンの廉価万年筆ペリカーノ・ジュニア(中古品)を購入したのよね。

ペリカーノ・ジュニアはボディやキャップにヒビありの使い古した中古品ということで700円であった。もともと黄色の同型モデルを愛用していたのでこの赤い中古品は実用の道具としてガンガン使い倒そう!と思ったのですよ。

モデルとしては「子供用の書きかたペン」といいますか、万年筆の使い方を習得するための子供用教材みたいな位置づけなのですが、だからこそ値段が安い割に非常に使いやすい、書き心地が気持ちよいのです。まったく筆圧をかけなくても潤沢にインクが流れ出て紙の上を滑るように書ける感触は「極上」といっても差し支えないほどでありまして、何十万円もする高級万年筆への物欲が消失するレベルで素晴らしい筆記具なわけですよ。

同時に私は「縦書き」というのをひとつの贅沢な遊びとして楽しむことを覚えました。もう横書きが当たり前の時代を生きている自分は封筒のあて名書きすら横書きでのりきるスタイルですから、もう何年も縦書きから遠ざかっています。選挙の投票用紙で縦書きがうまくできずにダサい字を書いてしまうほどに横書き人生です。

でも思い起こしてほしいのですが、世界広しといえども縦書きも横書きも可能な言語・文字体系を有する文化というのは少ないのであります。日本は古来縦書き文化圏であり、私にはできませんが筆で書くとか続け字みたいな作法とかもありますから、せっかく日本語をネイティヴで使える人間なのだから縦書きで生きていくのもアリクイ!と思う訳ですよ。そういえば私が学生時代にオーストラリアに行ったときにあえて縦書きをしていたら周囲のウケが良かったもんなあ。そう思うと駅で柱に「ごたんだ」と縦書きの札がついているだけで誇らしい気持ちになったりするんだ実際。

で、プラスチック製の赤い万年筆を使い始めたのは良かったのですがいかんせん、中古品ということもありキャップが割れていてカチッとはまらずスコスコと抜けてしまうのよね。家で机に向かって使う分には支障はないけど、ちょっと持ち歩いたりするのは危険です。カバンの中でキャップがはずれてインクどばどば事件とか発生したら目も当てられません。

あと、ペリカーノ・ジュニアはキャップにクリップが無いというのも外使いに向かない弱点の一つと言えます。人によってはポップな見た目が恥ずかしいでしょう。まあ、子供用ですからね。

ということで私はペリカーノシリーズの大人向けモデル、ペリカーノアップに白羽の矢を立てました。ペリカーノジュニアとペン先や中身は一緒だけど見た目がちょっと上質っぽく仕立ててあるモデルです。ペン先が共通なら書き味は変わらず、それでいてアルミボディというのだから良いではないか。新品の希望小売価格は税込3,300円ですからしょせんは安物であります。実売価格はさらに安くてAmazonだと2,400円ぐらいだったりします。

しかしこの上位モデルのペリカーノアップ、いわゆる万年筆マニアの間ではすこぶる評判が悪い。書き味はジュニアと一緒だから評価はそれなりなのだけど、問題は上質感をアピールする軸というか本体部分であります。誰一人褒めている人がいないというおそるべき状況です。


・新品を買ったのにアルミボディに傷がありまくりじゃないか(怒)
・キャップの脱着が固いのに、しっかりはまらず妙にグラグラする
・ついでにインクカートリッジもグラグラする
・使う時に外したキャップを後ろに挿そうとすると・・・おい!ハマらないのかよ(怒)


みたいな。そんなこともあってか「買ったものの常用するには至らず」みたいな人が多いようで、私は「3年前に買ったけど使用頻度少ない」みたいな中古品を999円で入手できました。千円なら贅沢とまでは言えないでしょう。筆記具としては安いもんです。



中古品購入


999円なら衝動買いも許されるでしょう




すぐに手元に届きましたので興奮しながらあけてみる。ちゃんと元箱に入っているので気分的には新品を買ったのと変わりません。すごい得した気分だあ。



届いた


イヤッホォォオオオゥ!!衝動買い




私は学生時代にモンブランのマイスターシュテック146という万年筆が欲しくてならず、アムステルダムに寄った際に規模がデカくて有名だったスキポール空港の免税店でモンブランの店に突入し、意を決して購入した熱い思い出があります。どこでどんな知恵を吹き込まれたのか、モンブランが至高だと信じておりました。

しかし超高級万年筆など常用するはずもなく、ただのオブジェになりさがったのは言うまでもない。身の丈に合わない高級品など持つものではない。数十年たってペリカンのペリカーノ・ジュニアを買ったときに「カジュアルな万年筆っていいなァ」と思いましたね。モンブランには子供用モデルなんてありませんから、その時点でペリカン派に鞍替えしました。15年ぐらい前の話でしょうかね。

ペリカンはマークがかわいいのよね。親ペリカンが子にエサを与えている図、という解釈でよいのでしょうか。



ロゴとマーク


子ペリカンがいい味出していて、可愛いね




肝心の中身チェック!ペリカーノアップの実像に迫るッ。



万年筆


かぐやまくん大喜び




おう、おうおう。パッと見た感じは非常に素敵であります。3メートル離れて見れば廉価モデルには思えない雰囲気をまとっている。シャンパンゴールドのアルミボディは良い色です。カタチもなかなかに凝っています。キャップの先端は四角くて、それが軸の中心部に向かうにつれて円柱状になり、そして後端に向けてまた四角いカドに変化してゆき「だから何?」という次元で正直どうでもよいデザインが無駄な個性を放っております。おお、本当だ。キャップがすごいガタついているけど外すには力がいるぞ。



キャップを抜いた状態


ペン先やグリップ部はペリカーノ・ジュニアと同じ設計で使いやすさは100点満点




評判通りのクソ仕様で、抜いたキャップをうしろにハメようとしてもグラグラして固定することはできない。無駄に凝った形状が仇(あだ)となって使用中はキャップのやり場に困るというナイス設計です。ペリカーノ・ジュニアはキャップをうしろにハメると割れる仕様でしたが、上位モデルのペリカーノアップはうしろにハメること自体を拒否する仕様で「割れ」を回避したということでしょうか。莫迦じゃないですかね。

そして、これまた評判通りにインクカートリッジがグラグラであります。どうやら前のオーナーはこれを嫌ってショートタイプのカートリッジを使っていたと思われます。



外見


なるほど、これを3千円で買った人が怒り狂うのも頷ける




確かにこれを定価で買った人は「あんまりだぁ」と思ったであろうと感じられます。天下のペリカンともあろうブランドがこんな製品を世に送り出してしまったのは正直「やらかしちゃった感」がMAXIMUM。しかし、実際に手にとってサラリと紙の上をなぞれば書き心地の良さはまごうことなきペリカン品質(というかペリカーノ・ジュニア品質)であり、そこに惚れている私には最高の逸品というのが結論であります。ほとんど使用感のない中古美品をわずか千円で買えたのはラッキーとしか言いようがない。3千円で買う価値があるかと問われると微妙ですが、千円で入手できるならマジでおすすめ。

まったく筆圧をかけずとも潤沢に流れ出るインク、見た目は武骨ながら固すぎず柔らかすぎず滑らかに手の動きに追随するペン先は極上の筆記感をうみ、さすがペリカン!と唸ってしまうのであります。工芸品みたいな万年筆など要らない(←緊張して存分に使えない)私のような野人には、こういう実用性重視の万年筆がジャストフィットという事でありましょう。

上等な品というのは金額で決まるものではなくて、使用目的や財力や価値観によって人それぞれ違いますから、世の中の万年筆マニアがどんなに酷評しようとも私にとってはペリカーノアップは類まれなる上等品という事になります。私とペリカーノアップの組み合わせが絶妙に決まった、という事ですな。物の価値っていうのは組み合わせで決まるという私の持論がまた証明されたねえ。心の底から満足のゆく物を入手するというのは人生でそうめったにあるものではない。久しぶりに良い感触を味わっています。うれC。



書いてみた


落書きが止まらない




余談ですが私は自らの俳号(雅号)として「ようかん」を名乗っております。ご存じのように私は甘党あんこ派であり、おしるこだの、ようかんだの、あん団子だの、大福だの、まんじゅうだの、あの手の和菓子が大好物なのであります。目の前にチョコレートケーキとようかんを並べてどちらか一方を選べと言われたら迷わずようかんを取ります。事と次第によっては「ようかん縦食い」も辞さないのであります。ある日突然、空から巨大なようかんが降ってきて偶然通りかかった私の頭に直撃し即死することになったとしても恨みはないレベルです。あんこで死ねるなら本望、女子の本懐であります。

本当は俳号を「羊羹」って漢字で書けたらかっこよかったんですけど、書けなかったんですよ「羹」の字が。さっきも言った「読めるけど書けない漢字」ですよ。さりとて「羊かん」というのはイヤだ。ニュース記事の見出しとかで、どういう理由によるものか一つの単語を漢字と平仮名を混ぜて書く例があるじゃないですか。私はあれが大嫌いなのよ。たとえば:


ら致(拉致)
えい航(曳航)
かい離(乖離)
耕うん機(耕耘機)
警ら(警邏)
ふ頭(埠頭)
どう猛(獰猛)
けん銃(拳銃)
だ捕(拿捕)
まん延(蔓延)
せん滅(殲滅)


などのパターン。すると阿呆が謎の上から目線でしゃしゃり出てきて「キミ、常用漢字って知ってる?」などと言ったりするのですが、じゃあなんで子供を「子ども」って書くんだよ!!と反論したくなります。本を読まずに育った教養の劣る人に限って妙な屁理屈をこねくりまわして文化を破壊するんです。難しいから書けないので平仮名で書いちゃいました、って正直に言う奴のほうが素直でかわいいじゃないか。日本人なら教養として必要な漢字を覚えて、ちゃんと書いて、読めるようにしろよ。

・・・というセリフが「羊かん」ではブーメランとなって自分にブッ刺さるでしょ。だから全部平仮名で書いちゃったのよねん。

今年の夢ですけど「ようかん」の落款(らっかん)をつくって、歌を詠んだり詩を書いたら最後にバン!と押すのが目標です。秋の誕生日とかに自分へのプレゼントとして落款を完成させるのが夢です。たぶん何を書いても最後に雅号の落款をバンと押せば達成感が味わえると思います。ひとつの作品を仕上げた満足感みたいなものが脳内にほとばしるだろうと想像します。晩年、野菜の絵に「仲よきことは美しき哉 実篤」と書いてはバン!と落款を押していた武者小路実篤先生は毎日さぞかし楽しかったであろうと思うのです、はい。



幸せの万年筆


赤い方は家で使って旅にはシャンパンゴールドのペリカーノアップを持ってゆこう




自分の手を使って字を書くというのはなかなかに気分が良いものであります。非常に優雅な道楽だと思えるのであります。まあ私は字が綺麗ではなく「子供の字」とバカにされているクチですから他人に見せびらかすようなものではないのですが、他人の評価などどうでもよくて私自身が楽しいからそれで良いのであります。そしてあまりにも多くの漢字を忘れている(読めるけど書けない)という事実に毎日直面しまくっていますので、そこを面倒くさがらずにきちんと調べたりする習慣も根付いてきました。加齢とともに痴呆化一直線かと思われた私の脳みそも、ギリギリのところで踏みとどまったような心地がして嬉しいであります。

あからさまに衝動買いではありましたが、結果的にペリカーノアップという万年筆を入手できたことはいろいろな意味で私に新しい感動と喜びを与えてくれました。紙とペンがあれば、それだけでワクワク感みたいなものがこみあげてくるのですよ。そして「かぐやまくんLove」とか書いて一人頬を赤らめたりしているとなかなかに味わい深い時間が流れるのであった。

筆記用具は2B鉛筆派だった私が、このたび万年筆を持つことで一層楽しい毎日になりましたよ。こうやって考えるとやっぱり私は単純な人間なんだなって思うのです。たかが万年筆で縦書きした程度ですごく幸せになれるんだから、我ながら御目出度い人生だなと感じる次第です。










#8
2025年2月8日(土)
「人相の悪い車やオートバイが増えたのは何故なのか」


車を正面から見ると「顔」に見えるというのは昔から変わりません。ヘッドライトが目、あとはグリルやバンパー周辺のデザインが鼻と口みたいな感じで、車はそれぞれ個性的な顔面で存在感をアピールするのであります。

しかしここ数十年の傾向として、やたら怖い顔をした(ように見えるデザインの)車が増えたように感じます。目が吊り上がって怒りの表情をあらわにしている、というタイプが多いのです。ミニバンやSUVというのが時代の潮流になると、さらに付け加えてギラギラした派手顔も増殖しています。



デリカD:5


三菱のデリカD:5(画像は公式より引用)




最初にデリカD:5が登場した時は普通に素敵なデザインだったのが、マイナーチェンジで上の画像のようなフロントマスクに変更して登場してきたときは腰を抜かすほど驚きました。さすがに何年も経っているから今は見慣れた感じがしますが、最初は殿方がヒゲをそる電気シェーバーのようなギラギラグリルに度肝を抜かれました。三菱の軽自動車eKクロスがまったく同じテイストの顔で現れたときは泣きそうになりました。

これは日本メーカーに限った話ではなく、BMWなんかは俗称「キドニーグリル」と呼ばれる極めて特徴的なデザインのグリルを長きにわたりアイデンティティとして保っていましたが、キドニー(腎臓)がどんどん巨大化してブタの鼻を突破し今では目も当てられないキツい外見になっています。このあたりは個人の好みで評価が分かれるでしょうけど、私は現行デザインは生理的に無理!というのが正直な気持ちです。

ここ数年は車のヘッドライトにLEDが採用されるのが主流になって、やたら「細い目」の車も増えてきました。横筋一本みたいな。現行のクラウンがまさにそんな感じ。源氏物語絵巻の人物画ですらもうちょっと愛嬌があるのに、あんな顔の車がこっちに向かってくるのは怖いわ。

まあ人相の悪さでいったら個人的にはトヨタの高級ミニバンが文句なしで横綱だと思っていますが、他の車はちょっとだけマシぐらいなもので路線としては同じだと思います。

自動二輪の世界でもこの「人相の悪いデザイン」は勢力を拡大しています。ヘッドライトが横にふたつ並んで、怖い顔をしているものはけっこう多い。



CB1000ホーネット


ホンダのホーネット(画像は公式より引用)




ヘッドライトの形状が吊り目で、しかも丸く光るのが露骨に怖いであります。子供の頃に「ザ・カゲスター」という特撮ヒーローがいましたが、そのカゲスターがこんなかんじの顔(目がそっくり)でしたよ。

凄味をきかせた排気量1000ccのホーネットだからこんなのもアリだよなあ、などと思うようでは認識が甘いのです。排気量160ccクラスのスクーターですら怖い顔をしています。



ADV160


ホンダADV160というスクーター(画像は公式より引用)




今年モデルチェンジしたばかりの超絶人気スクーター、PCXも似たような吊り目デザインです。誰もかれもが凄い目を吊り上げまくって街を行き交う時代なのです。

このような流行はいったいどういう経緯で発生し、現在の主流となったのかが気になり、ネットでぐるぐるふにふにしていたら下記のようなサイトに到達しました。ホンダの2005年9月のニュースリリースです。お時間のある方は面倒かもしれませんがぜひご一読願いたい内容です。


2005年09月02日
ニュースリリース(ホンダ公式)
先進安全研究車「Honda ASV−3」を完成
https://global.honda/jp/news/2005/4050902.html



公式掲載画像


上記サイトで公表している画像(公式より引用)




(以下、本文の一部を引用)


二輪車技術 被視認性向上デザイン FACEデザイン

・人間の脳は、目や口など「顔」のパターンに高い反応を示す。これを利用して二輪車の前面を顔に似せ、より発見されやすいデザインとした。

・(株)本田技術研究所基礎技術研究センター、朝霞研究所、(株)ホンダ・リサーチ・インスティテュート・ジャパンの共同研究の成果。fMRI(機能的磁気共鳴映像法)による脳機能測定でも、FACEデザインが、人の顔を見たときと同様の脳反応を引き起こし、二輪車の被視認性が大幅に向上していることが確認された。


(引用ここまで)


つまり「顔のように見えるデザインは周囲の人に強い印象を与える=外部からの視認性が向上する」という内容です。これが、正式に「顔のようなデザインの必要性」について文章として明らかにした最初のソースではないかと思います。誰もがうすうす感じていたことを、ホンダが一番最初に研究成果として明言したという事です。すべてはここがスタートなのだろうと思います。

そして人相の悪い車やオートバイをあえてつくるようになったのは、上記の研究結果を各メーカーが応用した結果だろうと思います。まさにその点を突いたページも見つかりました。


日経クロステック 「日経ものづくり」2005年10月号
ホンダ,人の顔に似せたデザインで2輪車を見つけられやすくする
2005.09.25
https://xtech.nikkei.com/dm/article/HONSHI_LEAF/20050925/108875/

端的に言えば「怒った顔に見える方が一層視認性が上がる」という事ですよ。これはもう人間の本能的な部分に触れている話なのだろうと思います。ちょっとナナメからの言い方で毒を含むのを承知で結論づければ、メーカーは「公道では威圧感のあるデザインが優位」と考えているわけですな。

そりゃあ、人相の悪い車やオートバイが増える訳だ。

でも私はコレって逆に人間が本能的に抱く恐怖感を悪用しているように思えてちょっとヤダなって思います。各ドライバーの運転までもが威圧的になって公道の空気感が殺伐としてゆく、悪いイメージしか浮かびません。

右を見ても左を見ても怖い顔の車ばっかりだから、愛嬌のある表情の車を見かけるとホッとします。ダイハツのムーヴキャンバスやスズキのハスラーは大好きです。こちらまでニコニコ顔になるような優しさに溢れています。私の好きなバスである日野ポンチョも同様です。街の風景を穏やかな空気にしてくれる存在ですよ。



ムーヴ キャンバス


ダイハツのムーヴ・キャンバス(画像は公式より引用)







ハスラー


スズキのハスラー(画像は公式より引用)




こういうデザインの車がもっとたくさん走っていたら街の雰囲気もホンワカするんじゃなかろうか、などと思ってしまいます。かつてリトラクタブルのライトが合法だった頃、ライトを閉じている時はいかにも空気を切り裂いてスピードを出しそうな鋭いデザインがキマっているのに、いざライトがパカッと出てくると急に可愛くなってしまう車なんかがあって、そのギャップが魅力みたいなパターンもありました。初代RX-7とか、初代ユーノスロードスターとか。威圧的=かっこいい、などと短絡的に考えてしまうようでは感受性が乏しいのではないかと疑われますぞ。かっこいいものは、同時に可愛いものだったりするあたりに美学が宿るのであります。



ストラトス


私の大好きな車!超かっこよくて、そして超可愛い




うーん。そうやって考えると怒り顔デザインのオートバイは個人的には乗りたくないなと思えます。かっこよいけど愛嬌もある感じ、そのあたりを大事にしたいなァなどと考えてしまう。しかし、こんな面倒くさい趣味嗜好を持ち込むとこれまで以上にオートバイ選びが困難になりますから、あまり余計な事を深く考えない方がいいかもしれません。



ER-6n


こんな感じが理想よね(ぼそっ)




というふうに改めて見るとカワサキER-6nが素敵すぎて惚れ惚れするのであった。私は自動二輪免許を取得するのが30年遅かったと自覚していますから、このような過去の素敵なオートバイを見ては胸をときめかすのであります。体力のある30代40代あたりでER-6nのような大型車に乗っていたら、また一味違った人生だったのだろうな。時すでに遅しですけどね。

結論。自分は愛嬌の感じられる車両に乗って、街の雰囲気をホンワカさせる存在になりたい。










#9
2025年2月12日(水)
「EV購入の補助金は廃止しろ(本当に良いものは放っておいても売れる)」


結論から言いますけどEV購入に補助金を出す制度というのはあまりにもバカげているので即刻ヤメていただきたい!というのが今日の話です。

有色人種差別意識が猛烈に高いEU諸国の皆様はスポーツの世界で自分たちが日本人に勝てなくなると自分たちに都合の良いようにルールを変更するというのは遠い昔からの伝統芸であります。

最近だとスキージャンプの高梨沙羅ちゃんが距離を伸ばして優勝しそうになると「スーツが規定違反」などと後出しでイチャモンをつけて失格にしまくっているのは露骨すぎるレベルです。

かつて1994年にリレハンメル冬季オリンピックが開催されたころは日本はノルディック複合で荻原健司選手をはじめ強豪が顔をそろえて無双状態でありました。日本選手の持ち味は前半のスキージャンプで飛距離をかせいでポイントを貯め、このアドバンテージで後半のクロスカントリースキーで外国選手とのスタート時間差を有効に使い切って欧州選手の追い上げをかわす「先行逃げ切りスタイル」でありました。

日本人選手が連戦連勝、という展開が続くと連中は前半のジャンプの特典配分を減らして後半のクロスカントリースキーが強い選手(←欧州の選手はほとんどこのタイプ)が有利になるようにルールを変更しました。日本人選手は変わらずジャンプで圧倒的な強さを誇ったものの、このルール変更により後半のスキーで逆転負けを喫するようになり長きにわたり低迷する時代に突入しました。

思えば1988年のソウルオリンピックで競泳男子100メートル背泳ぎで鈴木大地選手が潜水時間の長い「バサロ泳法」で優勝したときも「平泳ぎの潜水泳法は禁止した過去もあるから背泳ぎのバサロ泳法も禁止にしようZE」といって、すぐにルール変更されたのを忘れてはいません。

日本人に負けるのは癪だから自分たちに都合の良いルールに変更するという「欧州人しぐさ」は今に始まったことではないし、今後も永遠に消えることはありません。

さて自動車業界では「日本車憎し」「トヨタのハイブリッド技術許すまじ」と怒りに猛り狂った欧州メーカーが「これからはクリーンディーゼルじゃないとダメ!」と言い出してトヨタつぶしを試みた時代がありました。ところがフォルクスワーゲンをはじめ欧州メーカーがデータ改ざんなどのズルをしていたことが露見して大恥をさらした珍事は「ディーゼルゲート事件」と呼ばれて語り継がれる笑い種となっています。

この時の悔しさで更に発狂した欧州は「ガソリン車禁止!」などと叫んでEVシフトに大きく舵を切ったのであります。このあたりの話はごく最近、ここ数年の流れですから皆さんもよくご存じの通りです。エレキ自動車は排気ガスを出さないからCO2排出ゼロで環境保護には唯一の選択肢、というのが彼らの言い分だった訳です。

テレビや新聞など、日本のオールドメディアはこぞって「他国に比べてEVシフトが進まない日本は時代遅れ」みたいな印象操作をして日本の自動車メーカーを叩き、EVを選ばない消費者を環境保護意識の低いダメ人間であるかのようなプロパガンダを流しまくっていました。

さすがにモモ通を読みに来てくださるような方が「EVは環境に良い」などと盲目的に信じていることはなかろうと思いますが、2024年に入ったあたりから欧州主導のEVシフトが失速状態なのが現実です。国をあげてEV普及をすすめたノルウェーでさえ過ちを認めていますし、そもそも欧州の自動車メーカーが日本車を排除する目的で旗振りしていたもののフタをあけてみたら支那製の安物EVが市場を席巻して目論見はみごとにハズレてしまいました。今ではドイツのフォルクスワーゲンがドイツ国内工場を閉鎖しないと立ち行かなくなるほどに業績悪化しています。

私はEVを敵視する訳ではありません。乗りたければ乗ったらいい、という個人の自由だと思っています。車の使用目的なんて人によって様々なのだから、自分の使い方に合っている乗り物を選べばそれで正解なのであり「EVが正しくてガソリンは間違い」とかその逆とかは無いのです。正解も無ければ優劣も無い。決めるのは自分自身ですから他人がとやかく言うものではないでしょう。

そもそも車の動力源として「電気モーター」「蒸気機関」「内燃機関」のどれが総合的に優れているか、なんていうのは100年以上前に結論が出てしまっている話ですよ。内燃機関が主流になったのは端的に言えばみんなが「内燃機関が一番良いなァ」って思って使うようになったから放っておいても普及しちゃった、というだけの話です。

さて。自動二輪業界でもエレキ化の流れと言うのはじわじわと進行しています。支那からスクーターなどを輸入販売する業者はポツポツと見かけましたが、ニュースとしてインパクトが絶大だったのは2024年3月にカワサキが125ccクラスのエレキ二輪「Ninja e-1」を発売した事でした。何年も前に出したモデル「eビーノ」を改良もせずダラダラと売り続けているヤマハや、とりあえず様子見と言う感じで原付スクーターを投入したホンダとは明らかに本気度が違います。本格的なオートバイを完全電動化したのはカワサキが一番乗りだった、という事です。



カワサキのEV


Ninja e-1とZ e-1の二車種を発売




排気量400ccクラスの車体に高出力の電動モーターを装備し、脱着可能なリチウムイオンバッテリーパックを2個用いてカタログ上の航続距離は55kmということです。区分としては排気量125ccクラスに該当するとのことで、桃色のナンバープレートをつけて公道を車と同じルールで走行可能だけど高速道路や自動車専用道路は乗れない、という位置づけになっています。



バッテリー収納部


通常はガソリンタンクやエンジンがある部位に巨大な充電池を二基搭載する







充電方法


家庭用コンセントから充電する




なお今回のモモ通にて掲載している画像はすべてカワサキ公式サイトから引用しています。


Ninja eー1(カワサキ公式)
https://www.kawasaki-motors.com/ja-jp/motorcycle/hybrid-electric/ev/ninja-e-1/2025-ninja-e-1#


コンセントのある屋内ガレージをもっている人なら車体にケーブルを挿して直で充電できます。駐車場が屋外の人はバッテリーパックを外して家に持ち込む感じですね。専用のドックにガチャッ!と差し込んで充電またはバッテリーパックに直接ケーブルをつないで充電ですね。こう聞くと「電動アシスト自転車みたいなモンだな」と思えますが、驚くなかれこのカワサキのバッテリーパックは重さが1個あたり11.5kgあるのだ。これを2個使うのです。家から離れた屋外駐車スペースに車両を停めてバッテリーパックを外してアパートの2階の部屋に持ち帰って充電、なんていうのは現実的ではないことがわかります。リチウムイオンバッテリーは水濡れに弱いですからちょっとした雨すら禁物です。よほど住環境に恵まれた人じゃないとちょっと維持できない仕様となっています。

で、皆さんに知っていただきたい話はここからが大事なのです。ここまでの話は前置きで、いよいよ本題に入ります。相変わらず前置きが長いモモンガ通信。

ポイントは車両の価格です。メーカー希望小売価格を見てみましょう。と、その前にこちら。



注意書き


気になる注記を発見







拡大


充電器や充電アダプターは別売りです




では全部でいくらするのですか?という疑問にサラリと答えを出してくれるカワサキ公式サイト。



総額


合計金額1,144,369円(税込)




たかが125ccクラス、道路運送車両法でいえば「原付二種甲」ごときが114万円というのだから驚きですよ。しかし、問題はこんなシロモノに対して補助金が交付されるという点です。

たとえば東京都に住民票があるワタシの場合は次のような補助金が交付されます(2025年2月11日現在)。

(1)次世代自動車振興センターの補助金(CEV補助金):12万円
(2)東京都電動バイク普及促進事業補助金:46万円

交付される補助金の合計金額 (1)+(2)= 58万円



CEV補助金たぁ何だ?という方はぜひ下記サイトを見て怒りに震えてください。


一般社団法人次世代自動車振興センター
https://www.cev-pc.or.jp/

EV(普通・小型・軽自動車)一覧
https://www.cev-pc.or.jp/newest/ev.html


あろうことか、日本メーカー車だけでなく海外メーカーの輸入車にも補助金が適用されるという運用がなされています。世界中で火災爆発炎上をしまくっている悪名高いBYDやHyundaiにも補助金が出るのよ。要するに日本メーカーを支援するという意図はないのです。低価格戦略でシェアを拡大しようとする粗製乱造メーカーの製品を買っても補助金が出るのです。正直、頭がおかしいんじゃないかと思います。

あとは各地方自治体の補助金制度は金額に差がありますが、東京都は大盤振る舞いでカワサキNinja e-1に46万円も出すというのです。なんで趣味のモノ、それも贅沢品といってもいいような製品にこれほどの大金を補助するのか?疑問しかないのであります。

Ninja e-1の希望小売価格なんてカタチばかりのモノです。実際にはほとんど半額で買えてしまうのだ。


ひどい話だと思いませんか?


国民は皆、止まらない物価上昇で生活苦にあえいでいる状況ですよ。ノータリンな政治家がまともに仕事をせず、選挙で選ばれたわけでもない官僚どもが何を勘違いしたのかやりたい放題、そんな中でEVなんていう金持ちの道楽みたいなアホ製品を買う人が優遇されるのはどういう理屈なのでしょう。燃料代の高騰で寒さに震える人が続出し、物流コストの上昇でありとあらゆる分野が壊滅的な打撃を受けているのに、いや、それよりも何よりも大変な災害で甚大なダメージをこうむった能登半島は見捨ててEVに補助金というのは筋が通らないですよ。

東京都知事も慎太郎さんのあとはイノセ、マスゾエと情けない連中がグダグダ路線に堕して、いまはユリコがプロジェクションマッピングに大金を投じたり新築の家にソーラーパネル設置を義務付けたり、ワケがわからない。なんでもエレキ化すれば地球上の問題は全部解決すると思っている阿呆どもがリニアモーターカーだのEVだのと騒ぐけど、その電力はどうやって得るつもりなのか?

上でリンクを貼った「一般社団法人次世代自動車振興センター」なんて正直いって何の役にも立たないクソ団体ではないのか。そんな団体が本当に必要なのか。本当にEVが国民の利便性を高め生活の質を向上させてくれるのなら、たとえ値段が高かろうとも飛ぶように売れるはずです。補助金なんて必要性は微塵もないのです。

Ninja e-1を実際に見て、さわって、試乗して、ああこれは間違いなく自分の使用目的にピッタリと合致する、この車種がベストだ、と本当に思うのならは100万払って買うべきじゃないですかね。それはお前の貧乏人的ヒガミ根性もろ出しのダサい発言だ、と言われても否定はしない。実際今の私にはNinja e-1なんてとても買えないのは本当の話です。でも、私が買えるか買えないかは別問題であって、EV補助金の必要性・正当性を証明するものにはならんのよ。

EV補助金だけじゃないよ。エコカー減税とか、古い車の自動車税と重量税が重課される制度とか、到底納得できないような珍奇な制度をなし崩し的に導入して何の疑いも持たずに運用するのは日本の悪しき風習ですよ。官僚どもは複雑な制度をつくるのが趣味なのかもしれないけど、世間の評価ではそういう奴は「阿呆」と呼ばれるんだよ。本当に頭のいい人はシンプルな解を求めるもんだよ。ちったぁ常識を身につけて出直せや。

結論。EVごときに補助金出すな!お金は無駄遣いするもんじゃねえヨ。










#10
2025年2月18日(火)
「視線の先には無線機」


日本海側の各地をはじめ多くのエリアで大雪が続いていると報じられています。毎日のように屋根の雪をおろしたり家の周辺や道路に降り積もった雪をかいたりするのは大変な重労働だろうと思います。厳しい寒さの中で苦労をされている皆様には本当にお見舞いのことばをかけるより他にありません。

その点、私が生息している南関東の平野部は本当に恵まれていまして、ここ数日は昼間は相当な暖かさで穏やかに晴れていました。通常であれば2月といえば一番寒い季節ですから、貴重な晴れ間はおおいに満喫したいものです。

ということでいつもの徘徊コース、川崎市の夢見ヶ崎動物公園に行ってきました。休日をゆったりノンビリ過ごせる最高のお気に入りスポットですから、行けるものなら毎日でも訪ねたいレベル。

今回はいつも使っている「メニュー画面で日本語表示ができない珍カメラ」ではなく、よりコンパクトなタイプを持ってゆきました。望遠ズーム性能は大幅に劣るし操作レスポンスもイマイチなのですが、カメラも軽いほうが旅の荷物が減らせて楽ですからね。

ポカポカ陽気のなかでレッサーパンダもまったり過ごしていました。レッサーパンダは本当にかわいいよねえ。



れっさー


カメラは古くてショボいけど、まあまあ狙える







れっさー2


もこもこフサフサの体毛がタマンネ




マーコールの檻の前のベンチに座ってランチタイムとする。スーパーで調達したおにぎりを食す。最近は米の価格が爆上がりという事もあってコンビニのおにぎりなんかも超絶に高額ですよね。しかもサイズがすごくちっちゃくなってます。うむ、とりあえず2個買ってきたけど正直こんな大きさでは全然お腹がふくれません。あっという間に食べ終わって、それでも全く満たされていない空腹感がキツい。

マーコール展示場では飼育員さんが分担してエサやり&掃除・敷地の水まきをしていました。思い思いのポジションに散り散りになっていたマーコールたちを上手に導いて一か所に集めてエサをやり、その傍らで別の飼育員さんが手際よく掃除。さすがの連係プレーです。仕事ができる人のてきぱきとした動きというのは見ているだけで感動しますよ私は。自分が何をやってもダメな人間なので、ただただ尊敬してしまいます。



エサやり


ごはんだよー




それにつけても、このマーコールという動物はいくら眺めていても飽きません。最初に夢見ヶ崎に来てその姿を見たときはあまりにも素敵すぎて失神しそうになったものです。成長したオスの角の見事な形状はまさに芸術です。らせん状に巻きながらのびてゆく三次元的曲線が実に美しい。そして立派な体躯を機敏に動かし文字通り「ふわり」という感じで急峻な断崖絶壁をのぼってゆく姿はこの世のものとは思われません。拍手喝采をおくりたくなる。



マーコール


飼育員さんとマーコール




ということで私はマーコールにエサをやる飼育員さんの横でムホムホと興奮していたのですが、ついうっかり飼育員さんの左手のトランシーバーに目が行ってしまった。これはもう無線マニアという属性であれば仕方のない流れと言うか当然の行動であって、無線機を見ればそこに注意が向いてしまうのは避けられない本能的な動きとしか言いようがないのであります。



トランシーバー


チラリと見えた赤いトランシーバー




はい。瞬間に「機種名」とか「使用中のチャンネル」とか、そういう情報が電流火花のように頭をよぎるのはマニアならではの反射的行為であります。おお、ケンウッドのデミトスLM20じゃないか!!と爆速で分かってしまうんだ。そんなものを特定できる能力が世の中にとってナンの役に立つのか?などと野暮なことは考えないでいただきたい。鉄道マニアが車両を見た瞬間に型番をそらんじるのと同じです。ただの条件反射なのです。



トランシーバー


ご名答!ケンウッドUBZ-LM20です




なんでこんなのが解ってしまうのかというと、要するに自分も同じタイプを持っている(というか間もなく手放す)からであります。なかなかに優秀な性能を持つ特定小電力トランシーバーであります。ちなみに私のは黄色。ちょうど現時点でネットオークションに出品しており、すでに入札があるので売却することが確定している状況です。そうか、夢見ヶ崎動物公園で使用しているトランシーバーと同型だったのか。そうと知っていたら出品しなかったかもしれないな、チッ。



私のLM20


私は黄色の同型機を使用(していた)




聞いて嬉しくない趣味情報で恐縮ですが、特定小電力トランシーバーは出力が微弱で電波の飛距離に制約があるため誰でも免許不要で使うことができるものです。その昔は携帯電話なんてありませんでしたから、こういうモノをスキー場に持参して友達と連絡を取り合ったりしていたのですよ。あとはパチンコ屋さんとかイベント会場とかで使われていたイメージでしょうか。

テレビ放送が地上デジタル放送にきりかわって(アナログからの完全移行=アナログ放送の終了)から14年ぐらい経っていますが、テレビに限らず総務省はすべてのアナログ電波の使用を禁止する方針を貫いてきました。加えて、決められた周波数からちょっとでもズレた電波を出したらアウトという基準がかなり厳しく改定されて古い無線機がことごとく使用不可になるという事態が発生、年齢層が高いアマチュア無線愛好家の間では大騒ぎになったものです。

そんななかで、この特定小電力トランシーバーだけが何故か使用禁止の措置から免れたのであります。まあ出力が微弱なのでいてもいなくても正直どうでもいい、ぐらいの扱いなのかもしれません。それでもデジタル簡易無線という新しい機材が登場してあっという間に普及したようですし、特定小電力トランシーバーもある程度新しい機種じゃないと厳しい基準をクリアできなくなったので昔の機種は事実上ゴミと化した現実は変わりません。携帯電話回線網が充実しほとんどの人がスマホでコミュニケーションをする時代ですから、特定小電力トランシーバーの存在意義そのものが消滅しつつありますな。

生まれたときから世の中に携帯電話が存在するのが当たり前の現代において「免許無しで電波が出せる」というのがどれだけ凄いことなのか、若い人たちには全く理解できないであろう。Amazonでは日本の電波法に準拠しない違法な支那製無線機が平然と売られていたりして、何も知らずにそれを買い使ってしまう人もいるぐらいです。違法電波を出すことがどれほどヤバいか(電波法違反はシャレにならない)、そういう事を知らない、知ろうとしない、いい年した大人も同様、という現代は本当にやっかいだと思います。テクノロジーの進歩と、人間がそれにあわせて賢くなっているかは別の問題です。

動物園でトランシーバーに目が行き「機種を識別」ぐらいはいいとして、マニアのやばいところは業務で使用しているチャンネルを特定して通信内容を盗み聞きする、みたいな事をやってしまう事ですね。かくいう私も今だから正直に告白しますと「広帯域受信機」をもっていて鉄道無線とか航空無線とか聴いてました(←出たよ罪状告白)。昔は無線通信はアナログが当たり前でしたから、周波数を網羅している受信機があれば聴けちゃうのであります。自分から電波を出してしまったら電波法違反だけど、飛んでる電波を受信して聴くだけなら罪にはなりません。あえて受信して知り得た情報をなんらかの行為に悪用すれば「盗聴した」という扱いになりますが、本人がひそやかに鉄道無線を聴くだけ(聴くだけで何もしない)なら合法なのであります。これが無線趣味の、えもいわれぬ暗黒面でありますな。

さすがに今の私が飼育員さんの業務上の通信を傍受してニヨニヨする、みたいな気はさらさらないですけど「やろうと思えばできる(ニヤリ)」というあたりが本格的にヤバいっすね。そういう意味で、上に掲載した画像では無線機の重要面部分にはボカシを入れてます。悪用ダメ!絶対。

もう私はアマチュア無線局の免許も返納しちゃったし、仮に今後また無線関連の娯楽に手を染めようとするならデジタル無線機材をゼロから揃えなきゃいけないので、とてもじゃないけどヤル気にはなれません。山に入ることも船で海に出ることもないから今後の人生に無線機はなくてもかまわない。今回はケンウッドのトランシーバーをオークションで手放すけど、いちおうお気に入りの特定小電力トランシーバー(アルインコ製)は手元に残してあります。冷静に考えて使い道は無い=通信相手がいないのだけど、そういう問題じゃないのよ。好きな機械を手元に残しておく、それだけでいいの。

ということで、まさか動物園に行って無線機について語る日が来るとは思わなかったという謎の展開となりましたが、逆に言うと昔はなんであれマニアックな世界というのは一歩足を踏み入れるだけでなんともいえない大人の嗜(たしな)みという感じでいろいろ面白かったなと思います。逆に今は情報過多、ネットで聞きかじった知識で世の中の全てを見通したような気分にひたれる時代だからある意味うすっぺらい世界を生きてるなァと思ったりします。やっぱり、私財をなげうって自分の手を黒く汚しながら楽しんだ体験というのは貴いよね。「やったつもり」「知ったつもり」で頭でっかちクンになるのは人生の無駄遣いですよ。傍から見ると何が面白いんだかわけがわからないような事を全力で楽しむのが自分の性分には合ってるんだと思うのでありました。

無線機の話はこれぐらいにして動物園散歩のネタに戻りますが、本気カメラじゃなくてもそれなりに撮影を楽しめたのでヨシとしたいと思います。いくらスマホのカメラ機能が普段使いには充分といっても、私にとってはスマホカメラはしょせん「デジタル写ルンです」にすぎない。やっぱり単体のデジタルカメラのほうが動物園の撮影ではテンションが上がります。



プレーリードッグ


プレーリードッグ




飼育舎の奥の方にいるプレーリードッグがこれだけ撮れれば個人的にはおっけーですよ。スマホのカメラ機能では米粒サイズでしか撮れないであろう。

そして2月も半ばを過ぎればまもなく3月、ということで私が熱烈応援しているnamiemiさんの新作イラストも見ることができて最高でしたよ。



namiemiさんのイラスト


なんと可愛いおひなさま




このあと南関東にも寒気がおとずれて平年並みの寒さが戻ってくるようです。まだ2月ですからね、寒いのはしょうがない。無理せず冬を乗り切って、春になったら出かける計画でも立てようではないか。







春はもうすぐ。










#11
2025年2月22日(土)
「さすらい人(←ただの放浪癖)」


皆様も中学生のときに古文の授業で松尾芭蕉の『おくのほそ道』なんかを読まされて「古典の授業うぜえ」などと思ったりした経験があるのではなかろうか。

私は今の自分と違って知的好奇心が旺盛で勉学に対しては割と真面目であったから古典の授業は決して嫌いではなかった。ただ、テストになると一文のみを抜き出して品詞分解して動詞の活用形を答えろ!みたいなどうでもいいような側面をほじくる問題ばかりだし、これが受験勉強になってくると「要約しろ」みたいな面倒くさい話になるので成績は全くふるわなかった。国語の授業は文章を味わうのではなく訳の分からない作業に追われるイメージでしばしば納得のゆかない後味の悪い気分になった記憶があります。「この時の作者の気持ちはどのようなものであったか次の四つの中から選びなさい」とか、知るかよ他人の気持ちなんてそう簡単にわかるわけないだろ、などと思ってしまってトンチンカンな回答をしてしまうのだった。

成績がまったく伴わないとはいえ、『竹取物語』も『伊勢物語』も『枕草子』も『平家物語』も『方丈記』も『徒然草』も、読むのは好きであった。

そんな中でも松尾芭蕉の『おくのほそ道』はかなりの衝撃を受けるレベルでシビレたのであります。授業では冒頭の部分を読んで訳せ!というのをやらされましたね。


青空文庫 松尾芭蕉『おくのほそ道』杉浦正一郎校註
https://www.aozora.gr.jp/cards/002240/files/61619_78128.html


月日(つきひ)は百代(はくだい)の過客(くわかく)にして、行ゆきかふ年(とし)も又(また)旅人(たびびと)也(なり)。

というアレです。月日は百代という長い時間を旅していく旅人のようなものであり、その過ぎ去って行く一年一年もまた旅人なのだ、みたいな感じで旅への憧れを見事に表現した名文であります。常人にはこんなふうに書けるもんじゃない。まさに古典と呼ぶにふさわしい、練りに練られたあっぱれな文章ですよ。

私は幼少期から目が悪く球技も苦手だったこともあり運動はどちらかというと嫌いでありました。運動神経が鈍くて球技がダメな人間は水泳か自転車かマラソンかというあたりに落ち着くのが世の習い。私は高校の時に自転車競技をはじめたことで人並みにカラダを動かす習慣みたいなものを手に入れたのでありました。

自分で漕ぎ続ければそれだけ遠くへ行かれるのが自転車というものですから、これを旅の道具にするというのは当然の流れとして私の生活に入り込んできたわけです。そのあたりから私のさすらい旅人生がはじまったのですが、ストレートに言えば私には放浪癖があるというのを自覚した瞬間でもあった。自分で言うのもナンですが放浪癖のある人間は本当にダメだわ。家庭を持つ資格がない、これは断言できますね。何しろ突発的に蒸発しますからね。いきなり行方をくらます、逃げてしまう、というのはマトモな大人のやることではありません。

どこにも逃げ場所なんてないし、仮にどこか遠くに出かけてもしょせん帰ってくる事になるのだ。結末はいつも同じ、結局は戻ってくるわけですよ。若いころならともかく、この年になると「見聞を広める」というのも今さら情けない話でありまして、本来であればフラフラしてないで腰を据えて後進の指導にあたるような「人間としてのお手本」になるのが年齢相応でありましょう。

まあいいのよ、私はそういうあれこれを総合的に考えてこうして独りで暮らしているんだもの。これからも風に吹かれて気ままにさすらいの旅を続けるのさっ。

しばらく前に友人と「訪ねてガビーン!がっかりスポット」について語り合ったときに、どんな人でも絶望できる超絶なんだよこれ的残念スポットの横綱ということで(かつての江戸の)日本橋が挙がりました。

江戸から各方面にのびる街道の出発点、文字通りの起点、ここが江戸の中心とでも呼ぶべき場所でありながら、戦後の「無計画すぎる都市計画」のおかげで真上に高速道路が通る実になさけない風景となってしまいました。私もその昔「東海道をゆく」という旅計画を練り、スタート地点はやっぱり日本橋だよなあ、日本橋から京都を目指して走りたいなあと心に決めて日本橋とはどんな場所かと視察に行ったら期待していた風景とはあまりにも違う絵巻が目の前に見えて心が砕け散ったものです。

あれから数十年の歳月が流れてますけど、今現在の日本橋はどんな風景なのでしょうか。政府が発狂して観光を日本の産業にするというトンデモ方針を打ち出したせいで外国人が大量に入国しているから、意外と観光地的に進化していたりするのかな?というような点も気になりました。

ということで、いつもの用事で出かけるツイデにちょっと来てみた。



にほんばし


あれが江戸の起点だ




ああ、全然変わってなかった。もうココはどうしようもないな。この圧迫感ですもの。せめて高速道路がもうちょっと高高度をつきぬけていれば雰囲気も違ったでしょうに。



にほんばし その2


ダメな都市計画の最高峰っていうかんじの風景よね




まあせっかく日本橋に来たのですから、ここを出発点に今回は遠足に行こうではないか。久しぶりにJR京浜東北線に乗る。おお、珍しく鶴見行きが来たぞ。モモンガ母の実家が横浜だったこともあり、京浜東北線は幼少時から馴染みの路線であります。

といっても横浜の祖父母も叔父もみな亡くなっていて訪ねてゆく用事もありませんから、駅の改札を一歩出れば景色が全く見知らぬ空間に変貌を遂げており、怒涛のように押し寄せるウラシマエフェクトで思わず立ちすくんでしまうのであった。



バスターミナル


すっかり見知らぬ街と化している中、途方に暮れつつバスを待つ




室生犀星(むろうさいせい)の「ふるさとは遠きにありて思ふもの そして悲しくうたふもの」というあの詩句が胸にこみあげるのであります。月日が流れて風景そのものが一変してしまうと、そこにはもう「ふるさと」を感じなくなります。あちこち流れ流れているうちに、私はどこに行っても浦島太郎ですよ。ここはあの頃のまま変わらないな、と感じられるのは横浜の山手通り(カトリック教会のあたり)ぐらいですよ個人的には。あとは山下公園をぬけて「山下橋」をわたって、かつてバンドホテルがあった場所のMEGAドン・キホーテを見て一瞬憂鬱になるものの、その向こうの新山下あたりに行くと懐かしさを感じます。横浜でも元町なんかはもうだめだ。往年の居心地の良さを感じられない。私の愛した元町はなくなってしまったんだな、と思ってしまう。

まあ今では銀座の一等地も全部異国人に買い占められてる始末ですからこの国の未来は暗いわ。数年前から銀座は日本の銀座ではなくなりました。私としてはすでに行きたくない街の筆頭ですよ。『銀座の恋の物語』なんて今では考えられませんね。戦争で負けてしまったというだけでGHQからクソみたいな憲法を押し付けられて骨抜きにされて、この30年は売国奴や反日日本人のやりたい放題。帝都も汚染されてるなあ、と思うと祖国の栄光を信じて南洋に散った英霊に申し訳ない気持ちになる。

やめましょう、こんな話をしても厭世的になるだけですからね。

さて、そうこうしているうちに密かに狙っていた目的地に到着。ヨットハーバーが見下ろせると噂に聞く公園ですよ。



公園入口


公園は坂を上ったところにあります




これは愚痴ですけど日本政府が主導する観光立国なる愚策のせいで入国者公害がどんどん酷くなっています。「オーバーツーリズム」なんていうカタカナで表記するメディアは事の重大さを分かりやすく正確に報道する義務を怠っていると私は言いたい。自称観光客を名乗る害人のせいで日本人の生活の質が劇的に低下している現状はまさに「公害」としか言いようがない。観光地には素行の悪い入国者がウジャウジャいてうるさいし臭いし汚いし、変な病気や虫を持ち込むしで救いようがないレベルで近隣の住民はウンザリしているのです。どこに行っても外国人観光客だらけなので私は気分が悪くなっているので、害人のいない静かな場所を求めてさすらっている日々なのです。



公園


おお、すごくいい公園ですぞ




やったZEマジで誰もいません。独り占めです。ああやっと独りで静かに過ごせる場所にたどり着いた、という気持ちがしみじみと喜びをもたらしています。ふだん日当たりの悪い長屋の奥の狭い部屋から周囲の建物の隙間に見える平行四辺形の空を見上げている私ですから、こういう解放感にひたるのは最高の贅沢です。気持ちいいね!!



ヨットハーバー


ヨットハーバーが見下ろせます




私はすでに船舶免許の更新をヤメようと決めていつもお世話になっていた海事事務所の方にもご挨拶を済ませてしまいましたので、もう船に乗ることはないのです。青春の楽しい思い出ということでヨシとしています。今後はこうやって船の見える風景を時々眺めることができれば充分シアワセですよ。船を降りて陸にあがり、ラジオ局の免許も返納したし、余生はちっちゃいオートバイに乗って過ごせればもういいや。

オートバイといえば、こちらの公園にはフルフェイスヘルメットみたいな形の植木があります。なんというか見事なまでに横から見たフルフェイスヘルメットそのものでした。



植木


うわさの「ヘルメット植木」は期待以上だった




こちらの公園は強いて欠点をあげれば「屋根が無い」という点でしょうか。突然の雨に降られたら終わりですし、真夏は陽射しから逃れるすべもない。そういう意味ではかなり上級者向きのスポットですね。いちおうベンチはあるから、私は持参したサンドウィッチ&ホットコーヒーで一息いれました。出かけるたびに外食したらお小遣いがいくらあっても足りないですから、持ってゆくのがビンボ人の流儀であります。



休憩


冷たい海風にさらされながらつかの間の休憩




ほんの思いつきで遠足に出ちゃいましたが、やっぱり放浪癖というのは治らないもんだなと改めて思いました。断言しますが今日のような旅に何か実利的なメリットがあるのかと問われたら皆無であります。他人に自慢できるような有名なスポットを訪ねたわけではないし珍しいものを見たわけでもない。それでも本人は誰もいない寂しい場所でひたすらに静かな時間を過ごし、心の余白に戯れのような落書きをして存分に満たされたのであります。こんなひと時に幸福を見いだしてしまうのが根無し人生というものです。



最後の風景


実によい遠足であった




これから春に向かってゆくのであります。花も咲く。もう少ししたら南房総のあたりは一面に菜の花が咲きどこまでも黄色が埋め尽くす懐かしい風景になるであろう。そして山梨県の勝沼あたりは桃色に染まるのであろう。桃源郷とはよく言ったものです。いいですねえ。暖かくなったらお出かけしよう。あちこち訪ねてみよう。そして雅な時間を過ごそう。そんな感じで未来に希望を抱きつつ、さすらい人は家路についたのであった。










#12
2025年2月26日(水)
「落款が完成しました」


かねてから「つくりたいである」と思っていた雅号(俳号)の落款印が出来上がりました。

「らっかん」って何?という方もおられると思いますので雑に解説すると書家や画家、歌人などが用いるサイン印であります。友達のうちにお邪魔してお手洗いを借りたら「相田みつを日めくりカレンダー」がドアの内側にかけてあって


けれど
けれどで
なんにも
しない

みつを


とか書いてあって「うるせえ!」みたいな気分になるじゃないですか。あの、最後に朱肉でバン!と「みつを」の印が押してあるアレが落款です。

古いトランシーバーをオークションに出品したところめでたく売却することができましたので、吹けば飛ぶような売却益をいつのまにか生活費で使ってしまったという最悪の事態を避けるべく、売上金をすべて注ぎ込んでハンコを注文したのであります。

駅前に昔からあって「この店、客が来ることあるのかなあ」と心配になるような老舗のハンコ屋なんぞに足を踏み入れたら安い買い物などできませんから、今回はお店との面倒なヤリトリを全力回避するためにネットショップで注文しました。

まあハンコなんて使用目的で仕様はほぼ決まるようなモンですから、あとは記載する文字表記だの材質やサイズやフォントだのを具体的に指示すればお店の方で適切なレベルのものを造ってくれるでありましょう。

私ごときのファッション俳人が分不相応の高級な印など持つ必要性はゼロですから、ゴム印ですよゴム印。悩ましいのはサイズをどうするか?であります。これはストレートに言ってしまえば作品の物理的サイズにあわせてつくるのが王道で、ひとつ用意すればオールマイティに使えるというものはありません。はがきサイズの用紙にデカすぎる印を押せば不釣り合いになるし、逆もまた然りであります。とりあえず一般的な色紙サイズに使えるもの、というイメージでいくことにしました。

具体的には標準色紙(大色紙)を想定します。有名人のサイン色紙などでつかわれる最も一般的なタイプです。寸法を調べてみたら242mm×273mmとのことでした。ああ、あれは正方形ではないのだね。縦長の向きに使うことが前提で、横向きには使わないのが正式のようです。知らなかったYO。

標準色紙に一句書いて名前と日付。ここから逆算して「7号」というサイズの落款をつくることにしました。21mm×21mmのサイズです。はがきサイズとかに押すにはチトでかいですが、まずはこれぐらい派手に大きい方が所有する喜びも大きいであろう。

注文してすぐに仕上がりサンプルの画像をおくってきて、OKを出したら速攻で手元にハンコが届きました。実に便利な時代ですなあ。



届いた


届いたぞ




以前、経理の部署にいた時なんかはこういう佇まいの社印をパンパン押していたので、ついに私もこんな立派なハンコを持つまでになったかと感激する。無職はハンコをつくってはならぬ、という決まりはありませんからね。テンションが上がります。



サイズ感


そんな画像じゃサイズ感が全くわからん




さっそく出してみると興奮がさらに高まるイカした仕上がりのハンコでありまして、謎の達成感にひたる。言うまでもないことですが私は何も達成していません。ただ注文しただけです。



落款印


自分がすごく偉くなったような気がしてきた




なお今回、落款をつくるという決意を固めたときにふと「やっぱり押印マットも欲しいよねぇ」などと閃いたわけですが、たまたま立ち寄った100円ショップでライムグリーンの携帯押印マットを発見したので即購入。ほかにはブルートピンクがあったけど私の好きな黄色は無かった。普通は濃い緑色のマットを敷きますよね。このライムグリーンでも充分すぎるほどにポップですからOKですよ。



マット


カワサキか・・・




とりあえず押してみたいよね。なんでもいいから書いて押してみようZE!ということで早速試してみた。といってもいきなり色紙に書くとかあり得ませんし、ひとまずいつも持ち歩いてるメモ用ノートでテストするしかない。小さいノートですからバランスが悪そうだけど、今日に限っては押すことに意義がある。

緊張感のあまり手に力が入っていつもの更に下をゆくダサい文字を書いて終了。いいの。今日は落款を押すことが大事なの。では、さいごに署名して、バン!!どうだ。



落款テスト


落款がデカすぎました




ここで宣言しておきますが私の雅号(俳号)は平仮名で「ようかん」であります。甘党あんこ派あずき大好きっ子としてはやはり「羊羹」ということになるのですが、さてはお前「羹」の字が書けなくて平仮名にしたんだろう?と思ったそこのアナタ、図星だよ!!読めるけど書けなかったんだよ。

これからは「さすらいのバイク旅俳人」として生きていくのだ。神代の昔から日本では多くの歌詠みが和歌や俳句をひねくり倒してきたわけですが、歌人あるいは俳人としての道を志す決意を固め、じっさいの詩作をはじめる前に先に落款印をつくった「ザ・形から入るマン」は日本文学史上私が初めてではなかろうか。もしもそうであるならば、私もこの世に生まれてきた甲斐があるというものです。私は常日頃より、社会に一石を投じるように生きていきたいと思っているのであります。


落款はつくったけど俳句はつくれませんでした


みたいな生き方が出来たらそれはそれで味わいのある生涯といえるように思います。ハンコひとつつくっただけでこんなに幸せになれるんだと思ったら意外と人生も捨てたものではありません。

毎日たのしいっすね。今日は以上!










#13
2025年3月3日(月)
「感動力を高めよう」


子供の頃にスーパーカーブームというのがありまして、ランボルギーニ・カウンタックだのフェラーリ512BBだの怪物ような超絶性能を持った車が日本にも紹介されて子供から大人まで夢中になる社会現象を体験しました。

モモンガ兄が部屋にカウンタックのポスターを貼っていて、オモテにスーパーカーの写真があり裏にスペックが書かれたカードをたくさん持っていて、テーブルに並べてこれがかっこいい、私はこっちが好き、などと話していた思い出があります。

私は幼少時から黄色が大好きだったので車の形よりも色に目移りしてしまうレベルでしたので、鮮やかな黄色のマセラティ・ボーラという車が気に入っていました。私と違って心のやさしいモモンガ兄は気前よくそのカードを私にくれたのだった。大切なコレクションだったであろうに、何もわかってないアホな妹にサラリと「あげる」って言えちゃうのは凄いと思う。思い出すと今でも感動する。同じ家庭に育ったきょうだいでも兄と私とでは出来が違うのであります。私は性格がねじ曲がってヒネクレているし欲が深い。きりょうが悪いうえに中身もドス黒いのだから悲惨としか言いようがない。まあ、きょうだいというのは得てしてそういう物であります。

すごく雑に言うと私がイタリアという国に接点を持った最初の事件はこのスーパーカーブームであり、ランボルギーニもフェラーリもマセラティもみんなイタリア!ということで「どんな所かは知らないけれど漠然と憧れる国」という感じでイタリアが私の心に根付いたのであります。そんな幼少期から数十年経って、全世界への布教を志して来日したイタリア人司祭から洗礼を受けてカトリック教徒になってしまったのだから人生というのは何がどう繋がってゆくのかわからないものであります。

スーパーカーにはいろいろな国のいろいろなモデルがあって百花繚乱という感じなのですが、黄色のボーラから入門した私が一番惚れこんだのがこれ。



ストラトス


ランチア・ストラトス




車が好きな人ならだれでも一目見ただけでわかるイタリアの車、ランチア・ストラトスであります。この車は世界ラリー選手権で勝つことを目的に開発されたという「目指す方向があまりにもピンポイントすぎる奇天烈なプロダクト」なのであります。

・点検・整備が容易なメカにしましょう
・ラリーで勝てるタフさと信頼性をそなえましょう
・レースで勝てる運動性能を追求しましょう

みたいな感じのコンセプトで車をつくって、何よりも凄いのが本当に世界ラリー選手権に参戦してしっかりと優勝を重ねている事です。開発理念をそのままに実現し、実際に結果を出してプロジェクトの正しさを立証したというのが実にかっこいいではないか。

写真はアリタリア航空がスポンサーについていた頃の、まさにストラトス円熟期の実車であります。実はこの写真、今年はじめに富士モータースポーツミュージアムに行ってきたときに撮ったものでして、私は写真で見て憧れていた往年の名車を目の当たりにして転げまわりたくなるほどに興奮していたのでした。



ストラトスその2


超かっけえ




今は無きアリタリア航空のカラーリングが実に似合っています。改めて思うのはイタリア三色旗(Tricolore italiano)の色って本当に素敵よね。子供の頃、アリタリア航空の旅客機の模様もいいなあと思ったしオートバイでもイタリア三色旗のカラーリングだと抜群にかっこよく見えたりします。



ストラトスの後部


後ろから見た姿もイカしてるんだあ




それにつけても、私は初めて富士モータースポーツミュージアムという場所を訪ねたのですが往年の名車が多数展示されているだけでも凄いのにカワイ子ちゃん(死語)がガイドしてくれるというご褒美までついているのだから感激MAXIMUM。しかも、さすがにストラトスを見た後では他の車が色あせて見えるZE、と思いきやさらに個人的に度肝を抜く車両が展示してあったので過呼吸になりそうなほどにシビレました。

まさかのマツダ787Bとご対面。



787B


おぼえているかい1991年のル・マン24時間レース




私は基本的に市販車のシルエットを色濃く残した車が競走するたぐいのモータースポーツが好きなので、このような露骨にサーキット専用な外見の競技用車両はほとんど興味がありません。私がフォーミュラ1(F1)をあまり好まないのも、ようするに車の見た目が市販車とかけ離れすぎて親近感を持てないという個人的な好き嫌いレベルの理由によるものです。

しかし787Bだけは特別で、なんといっても1991年のル・マン24時間レースはあまりにもインパクトが大きかったのであります。あの伝説的な優勝をまのあたりにして「好きになるな」と言われても無理です。なにしろ「日本の自動車メーカーの初優勝」かつ「まさかのロータリーエンジンで優勝」という嵐を呼んだのですから、これはもう無駄に神格化しつつ伝説にまつりあげないと気が済まないのであります。



787Bの後部


これまた美しい後ろ姿




マツダというのも不思議なメーカーで浮き沈みが激しすぎて凄いメーカーなのか駄目なメーカーなのか評価が難しい存在であります。おそらくフルタイム4WDの車が登場するとすれば間違いなく富士重工(今のスバル)が最初だろう、と誰もが思っていたらまさかのファミリアでフルタイム4WDを発表してみんなびっくりしたのも今は昔。バブル期に多チャンネル販売網作戦を展開して「マツダ店」「オートザム店」「アンフィニ店」を全国規模に設置。初代ユーノスロードスターが世界的ヒットとなり一躍時代の寵児となるとなりました。しかしバブル崩壊により急激な業績悪化で大失速、長期間にわたって工場が操業停止に陥ったこともありました。誰もがみんなもうダメかと思ったのに初代デミオが爆発的にヒットして奇跡のV字回復、ロータリーエンジンの灯は消さないとRX-8などという珍車を出して盛大にコケたりしてとにかく乱高下が激しい。このところ存在感が増してきたと思ったらプレミアム路線をきわめた最新SUVのCX-80が盛大に爆死している模様。本当にマツダはどう評価していいのかわからない。日本自動車界のふしぎちゃん。

私は787Bが好きすぎてトミカも持っていたのだ。高校時代のクラスメイトでマツダ派の子がいて「これいいね、ちょうだい!」と言われたのであげてしまったのでもう手元にはない。



トミカ


むかし持ってたトミカの写真が残っていた




なんでしょうかね、ロータリーエンジンにはロマンがあります。レシプロエンジンの、ピストンの往復運動を回転運動に変える機構も素晴らしいと思うのですが、回転運動を回転運動にするロータリーエンジンのあのオニギリの動きは本当に芸術的です。カットモデルとかでエンジン内の動く様子、見たことあります?あの動きは不思議な美しさがあって、一生見ていられますよ私は。



ロータリーエンジン


外から見るだけではあの美しい動きを知ることはできない




しかもロータリーエンジンは独特の音が良いのよね。特に787Bが走行するときのエンジンサウンドはちょっと他では聴けない唯一無二の世界であります。興味のある方はYouTubeなどでぜひ走行動画を見ていただきたいと思います。

ロータリーエンジンは燃費が悪すぎるなどと言われますが当たり前の話で、通常の4ストロークエンジンが2回転しつつ1回点火するのに対してロータリーは1回転で3回点火してますからね。いくらなんでも燃焼させすぎでしょ!というのは私レベルの知能でも理解できます。メカ的には本当におもしろい物です。あれを執念でつくっていたマツダは日本で一番尖った自動車メーカーと言っても過言ではないように思えます。

ということで「ランチア・ストラトス」と「マツダ・787B」を見て血圧が上がりまくった次第です。自衛隊やべいぐんの基地祭に行って飛行機を見たりするのと同じような興奮を味わう素晴らしい体験となりました。

それ以外の車もいろいろ見ごたえはあったけど、何しろ好きなのを2台も見せられてしまったから「その他大勢」の記憶はまったく残らなかったのよね。あとになって写真をじっくり見返してみると、ああこれも見たんだったな、と改めて感動したりします。とにかく展示内容は隅から隅まで素晴らしい車で埋め尽くされていましたよマジで。



サンクターボ


これも好きな車なのよね




ルノーのサンクターボとかいって、これだけでも展示の主役を張れるレベルの名車ですよ。モモンガ兄のカードでしか見たことのない車が目の前にあったのだから凄い経験でした。昔の車はかっこいい、というのは単なる「思い出補正」のせいではないと確信しますね。実際、昔の車は機能を見事にパッケージングしたデザインが圧倒的な個性を放っていますもん。今の車が全部同じに見えるのとはずいぶんと違うよ。きっと、昔のデザイナーの方がめいっぱい自分を解き放つチャンスに恵まれていたのだろうなと思います。



エボ3


三菱党にはたまらないエボ3




今回は「あこがれの車を見る喜び」「好きな車を見る幸せ」にじっくり浸ることができたのですが、こういう体験で得る感動というのは全身でしっかり受け止めるのが本当に大切だと思う次第です。なんであれ、誰であれ、好きなものは心の中にあるはずですが実物を見ることができるものばかりとは限りません。普段から五感を研ぎ澄ませて、好きな物と対面した時は全力でその魅力を感じ取るぐらいの「積極性」が大事だと思います。「目の保養」という言葉もあります。絵画や音楽を味わうのと同じですよ。何かを見たときに、その対象の出来・不出来を評論することに頭を使うよりも「より大きな感動を味わうことのできる自分自身の能力」を高めた方が得るものが多い気がしますね。

加齢と共に感受性はすり減って情熱の量も減る。そんなふうに思っていた時期がありますが、自分の内側の「感動力」(※物事にふれたときに感動をあじわう力)はいくらでも高めることができると思います。極端な話、何を見ても感動できるぐらいに単純な人のほうが幸せなんじゃないかと思います。いちいち派手に感動したふりをする必要なんてありませんから、いいな!と思ったらそれを素直に喜びとしてとらえてしみじみする、ぐらいでも良いのではないでしょうか。

家にたてこもって独りで過ごすよりも、外に出て、人と会ったり話をしたり、惹かれるものがあったら積極的に近づくような時間が持てる方が感動のチャンスは増えるのだろうなと思います。そういう経験をつみかさねていけば私のメンタルも向上するのではないか。

もう3月に突入しちゃっていますけど、これからたくさんの感動を味わいながら今年を良い一年にしたいな、と改めて思ったのでありました。










#14
2025年3月7日(金)
「耳を守ろう」


去る3月4日の「今日のひとこと」で、私の身体でこれまでダメージを受けたことがない健康なパーツは耳だけという話をしました。これは大きな発見でした。あっちこっち怪我だの病気だのでズタボロになっている私にとって、耳だけは無事という事実を素直に喜びつつ今後も耳を大事にしてゆこうと決意をあらたにしたところです。

身体のパーツはどれも寿命のある消耗品なので聴力も加齢によって衰えていくのは避けられません。耳の中にある聴毛(有毛細胞の一部)が音を感知する役割を果たしていますが、これがダメージを受けて減ったり抜けたりして失われると二度と戻らない=失った聴力は治らないのであります。

年がら年中デカい音にさらされるなど外部から強い刺激を受けた状態でより深刻なダメージを受けると考えて間違いないのですが、特にそういう事はしなくても年齢を重ねていけばイヤでも聴毛が減ってゆくのは避けられないのであります。人によって生まれつき身体の各パーツが頑丈な人もいれば、私みたいに病弱すぎて年齢の割にヨボヨボな人もいる。何にせよ身体のパーツを死ぬまで使い続けるというのは本当に大変な事ですよ。

そんな中、私の音楽仲間でも人生折り返し地点にしてヘッドホン難聴を患っている人がいたりします。エレキギターで爆音を鳴らすようなロック系の音楽だと、ライブに行って耳がおかしくなって帰宅するなんていうのは日常茶飯事。実際問題としてロック系爆音ミュージシャンには難聴を発症している方がけっこういるようですぞ。

重度の難聴になってしまったUKのロックバンド "The Who" のギタリスト、ピート・タウンゼントが自分の経験から全ての音楽好きに向けてヘッドホン難聴の危険性を警告したのはAppleのiPodが発売されて爆発的にヒットした頃でありました。ソニーのウォークマンが登場した頃からヘッドホンは耳によくないと言われていましたが、超一流のミュージシャンが「お前らヘッドホンを使いすぎると本当に取り返しがつかなくなるぞ」と呼び掛けるのは説得力がハンパない。

私自身もかつては依存症レベルでヘッドホンを使っていましたが今はほとんど使っていません。ここ数年はあえて使わないように、できるだけ最低限にとどめようと心掛けているレベルです。理由はただひとつ。聴力を失ったら大変に困るからとにかく耳だけは大切にしよう!と思っているからです。

ただでさえ目が悪いのだから、これで耳まで不自由になったら生活の質がどん底まで堕ちてしまうのは明らかです。加齢で衰えていく分はあきらめるとして、無駄に耳にダメージを与えるような「爆音」「騒音」からは耳を守るように心掛けたい。繰り返しますが耳の中の有毛細胞がダメージを受けたら二度と元には戻らないのです。そう思えばで、傍から見たら「過保護じゃないか」「神経質なのではないか」と笑われようとも、できるかぎりの防衛策は講じておきたい。

いちおう、どうしても必要な時(録音機材の操作時に録音レベルを設定する作業など)は最低限で使いますが、それ以外ではヘッドホン、イヤホンのたぐいは一切用いることはしません。家で音楽を聴くときは隣の住人に迷惑をかけないレベルまで音量をしぼってスピーカーでじっくり聴く。

以前は外出時にウォークマンやiPodを携行して電車の中などで当たり前のように外で音楽を聴いていましたが、今はまったくやっていません。

オートバイ運転中にナビの音声ガイドを聴くためにヘルメットの耳の部分にスピーカーを仕込んできましたが、最近はヘルメット装着スピーカーはまったく使っていません。オートバイ運転中に音楽を聴くこともしません。昨今の流行でヘルメットに通話可能なインカムを装着してツーリング中に一緒に走っている仲間と会話できるシステムなんかもありますが、そもそも私は友達がいないので(以下略)。

私はほとんど使わない、と言いつつヘッドフォンについて紹介し画像を掲載してゆく理由は今日のモモ通を最後までお読みいただければなんとなく理解をいただけるだろうと信じております。

まず私が録音作業などのモニター用としてメインで使っているのがKOSS(コス)のKTXPro1というもの。出たよマニアしか知らないブランドを容赦なくブッ込んでくる変な奴。KOSSは合衆国ウィスコンシン州ミルウォーキーに本拠をおくヘッドホン製造メーカーです。この製品はチタン製の振動版を使ったタイプで音の表現が実に豊かな逸品であります。フィット感がイマイチで外に音がもれまくる構造ですが部屋で使う分にはこれ以上ないほどの満足感です。



KOSS


惜しまれつつ生産終了したそうです




続いて、かつて私を感動の渦にまきこんだおそるべきノイズキャンセリング・イヤホンを紹介いたします。ノイズキャンセリング機能と言ったらソニーが最高、などと聞きましたが私が使っているのはものすごく古いモデルであり、今時こんなの使っている人はいないでしょう。最近は誰もかれもが耳からうどんを垂らしたようなセパレート型のワイヤレスイヤホンを使っていますよね。私のは両耳のカナル型イヤホンがBluetoothレシーバー(充電端子はmicroUSBですよ!)に有線でつながっている平成時代風味のデザインですよ。



ノイズキャンセリング機能付


ソニーMDR-NWBT20N




なんでこれを買ったのかきっかけが全く思い出せないのですが、とにもかくにも人生初のノイズキャンセリング機能付のBluetoothイヤホンですよ。公式では「周囲からの騒音を約98%カット」などと謳っていましたが、その優秀な性能には本当に度肝を抜かれました。ガタゴトと大音響が鳴り響く地下鉄の中では会話するのもままならないレベルですが、そんな車内でもこちらのイヤホンをオンにするだけで「それなりの静寂」が得られるのであります。ゆえに、音量を上げなくても普通に音楽が聴けるのであります。



本体


うるさい地下鉄の車内でも小さい音量で音楽が聴けるおそるべきノイズキャンセリング機能




どうしてもヘッドホンやイヤホンを使いたい、というか使う必要がある人は耳の健康を考えてノイズキャンセリング性能の高いものを選んで音量を可能な限り絞って聴くというのが最終的な解答になるのかな、と思います。外部の騒音を打ち消しつつ昇温量でも音楽を楽しめるノイズキャンセリング機能付ヘッドホンorイヤホンというのは「ひとまず音楽が聴ければよい」というニーズには充分応えるものです。

とはいえノイズキャンセリング機能というのは意図的かつ直接的に再生音に介入するわけですから、忠実な音を再生するモニター用としては不向きでしょう。純粋に使い分けが必要ですね。騒音の激しい地下鉄の車内でわざわざ音源をモニターしながらマスタリング作業をする阿呆はいませんから大丈夫でしょう。あと、ノイズキャンセリング機能付の良い製品は当然ながら値段が高いので購入には思い切りが必要です。オーディオマニアならともかく我々一般人はヘッドホンごときで5万円だの6万円だのと言われると一瞬たじろぐわけですが、安易にケチるとろくな結果になりません。おとなしくソニーの最新モデルを買いましょう。今なら黙ってWH-1000X M5を買うのが良いと思います。2025年3月6日現在、ヨドバシで53,290円となっております。


ソニー(公式)
1000Xシリーズコンセプトサイト
https://www.sony.jp/headphone/special/1000Xseries/?s_pid=jp_/headphone/special/1000Xseries_hptop


話は私のヘッドホンに戻りまして、次に紹介しますのはトチ狂って色だけで選んで買った謎の中共メーカー製ヘッドホンです。黄色が大好きな私が発作的に黄色いヘッドホンが欲しくなり闇市Amazonで地雷を踏みにゆく覚悟で注文したシロモノ。



大陸製ヘッドホン


黄色いのが欲しくて買った




まあ絶望的なヘッドホンでありました。第一に、Bluetooth接続でワイヤレスで使えるのですが技適マークがついておらず日本国内で使用すると電波法違反でお縄になってしまう違法製品であります。ただし、ジャックにケーブルを挿して有線でも使える仕様である事、あるいはファイル形式がmp3の音楽データを格納したmicroSDカードをスロットに挿入すれば単体で音楽プレーヤーとして使えるヘッドホンであるという事の2点で使い道は残されています。後者の、音楽プレーヤー内蔵ヘッドホンとして使うのはなかなかに便利なのですが、ノイズキャンセリング機能がないので地下鉄の車内ではボリュームを上げないとまったく聞こえません。まさに耳を破壊するためだけの道具でしかない。あと音楽を再生しているとヘッドホンの耳を覆う部分の外側が無駄にピカピカ光るので人前で使うのは罰ゲームというほどに恥ずかしい。加えて、音が糞。高音はこもるし低音は鳴りません。つまり糞。

という感じで、ほかにも私の手元にはいくつかヘッドホンやイヤホンがありますが耳の健康を守りたい私にとっては出番など無いので3つも取り上げれば充分でありましょう。

そして、いよいよ本題です。ここまでの話は前置きです。

私はすでに「これからは絶対に耳の健康を死守するマン」になる決意を固めていますから、今後の生活で大切なのはヘッドホンやイヤホンよりもむしろ耳栓なのであります。

ギターを持った野蛮人だった頃からライブの時などは耳栓持参という習慣を持っていました。「耳栓してライブに来るとかロックじゃねえよ」などと言われたりしましたが結果論から言えば私が正しかったのです。楽器屋さんに行けば普通に耳栓売ってますからね。

指先でクシュクシュッとつぶして耳に入れると中でポワワワーンとふくらむタイプのスポンジみたいな耳栓を、渋谷のイケベ楽器あたりで買っては使い、買っては使いというパターンでした。いつの間にかなくなっちゃうんだ。ほぼ使い捨てみたいなもんでしたね。

値段が高いものは防音力も高いのだろうと奮発して買ってみたら性能はスポンジと変わらなかった、みたいなのもありましたね。期待して耳に入れてみたらアレ?みたいな。あの、やり場のない悲しみはなんとも言いようがなかった。



耳栓


値段が高い割に性能は残念だった耳栓




そんな中で、私の最終兵器はまさにこれ。割と真面目に本気のイヤーマフです。耳を守るための防音保護具。



イヤーマフ


スウェーデンから取り寄せた逸品




これは音楽を聴くヘッドホンではなく、耳を覆って外部の騒音から耳を保護する器具であります。飛行機ファンの方なら滑走路で機体を誘導する担当者がこういうのを装着して耳を保護しているのをご存じでありましょう。ジェットエンジンの音なんて間近で聴いてたら一発で耳を破壊されて人生終了ですからね。



ハスクバーナ


ハスクバーナ製




17世紀後半にスウェーデンで設立した名門の銃メーカーであります。現在はチェーンソーや芝刈り機などの農林・造園機器や建設機械を製造しています。


ハスクバーナ(日本の公式)
https://www.husqvarna.com/jp/


チェーンソーはすさまじい音がしますから、このイヤーマフが必要になるのであります。あの爆音から耳を保護する目的でつくられた物ですから防音性能は見事ですよ。これを着けるだけでどこでも静寂にひたれるレベル。家の前で道路工事がはじまってもこれがあればストレス知らずです。耳を保護するなら一番だと思いますが、逆にこれを着けてしまうと外で何が起きているのかまったく分からない状態になり恐怖すら感じるほどです。いやはや、私はどうしてこんなものを持っているのでしょうか。

ちなみにハスクバーナと聞くとオートバイを連想する方もおられると思いますが、オートバイ部門はだいぶ前に切り離されて(今は無きイタリアのカジバの傘下になった)、現在は別会社です。


ハスクバーナ・モーターサイクルズ(日本の公式)
https://www.husqvarna-motorcycles.com/ja-jp.html



ヴィットピレン401


ヴィットピレン401(画像は公式より引用)




まあ個人的にはハスクバーナのオートバイには全く興味がなく、私のイヤーマフはあくまでもチェーンソーとか芝刈り機のほうのハスクバーナという事でご理解いただければ今日の私は満足なのであります。そんな話をきかされても誰が得をするのかわからないという、あいかわらずのモモンガ通信であった。



スウェーデン製


MADE IN SWEDEN




思えば米ソ冷戦たけなわの頃、東西どちらの陣営にも属さず「重武装中立」という路線をとっていたスウェーデン王国のありようは幼い私に強い衝撃を与えたのでした。どちらかと言えば西側寄りでありつつも、あくまでも中立というスタンスでひたすら重武装で自国の存続を貫くというのは並大抵の覚悟ではありません。もしも攻撃をしかけてくる敵があれば24時間以内に反撃を開始し48時間以内に敵の首都を殲滅する、ということであらゆる兵器を自前で調達、山をくりぬいたトンネルに戦闘機を隠してイザとなれば高速道路を滑走路にして運用するというのだから驚きました。

かつてサーブ(SAAB)というブランドの自動車がありましたがこれは戦闘機の製造メーカーでありまして、スウェーデン語で稲妻を意味するサーブ37ヴィッゲンという個性的でイカした戦闘機(ぜひともSAAB Viggenで画像検索していただきたい。一回見ただけで覚えるレベルで翼の形が変)はべいぐんの戦略偵察機SR-71をインターセプトした世界で唯一の機体なのであります。

自分から攻撃することは決してないけれども、もし攻撃されたなら必ずやり返すという強い意思を普段から表明しておく」というのは非常に大事だと思います。私はあまり「舐める」とか「舐められる」とかいうチンピラみたいな話はしたくないのですが、こちらがおとなしいと見るや侮ってくる質の悪い人間というのは世の中にけっこういますから、ただ下手に出て弱々しくしているだけではダメだと個人的に思う次第であります。


にこやかで
いつもおだやかで
心は優しく
それでいて、相手から舐められないオーラを放つ


というのが大事だと思っています。優しくなければ生きていく資格がないというのは事実ですが、強くなければ生きられないのもまた真理であります。

ということで、最後はいったい何の話をしているのでしょうか?という感じになってしまいましたが、要するに今日はハスクバーナのイヤーマフを自慢したかっただけであります。いや、違う。耳の細胞は消耗品なので皆さん耳を大切にしましょう、というのが今日のモモ通の主旨であります。

今後も音楽活動を楽しむためにも、過度なダメージで聴力を失う事が無いよう自分の耳をこれまで以上に大切にしようと思います。










#15
2025年3月11日(火)
「ストロー付の水筒を追加で購入」


季節を問わず水筒を携行して、こまめに給水できる環境をつくっております。暑い季節は必ず熱中症にきをつけるようにと呼びかけがあるし、冬は冬で関東地方南部は乾燥しがちですから、いつでも水を飲めるようにしておくのは大事。

病弱な私の場合は薬を服用しなければならない事情もありますので、手の届くところに水筒を常備しているのであった。いちいちコンビニで水なんて買っていたらビンボ人の家計は崩壊しますからマイボトルを持ち歩くのは当たり前の行動パターンと化しています。

休みの日に動物園に行く時なんかはもう一本別の水筒を用意して、温かいコーヒーを入れています。食パンにピーナッツクリームをぬって半分に折ってランチで食す、というタイミングでコーヒーがあるのと無いのとでは幸福感が段違いです。

私はヤング時代に自転車トレーニング中に下り坂で盛大な落車事故をやらかして全身すりおろした経験がありますが、外傷はとにかく頸椎を痛めたのが後遺症としてみごとに残ってしまい年がら年中首が痛いのであります。加えて2022年11月の交通事故でダメ押し的に首が破壊されたようで左腕が絶望的な状態になっているのは皆様ご存じの通りです。

そんな状態の私は、カップやボトルに入ったドリンクを飲み干すために上を向くという何気ない動作が割と苦痛だったりするのであります。首が痛いのと腕にシビレが走るので首を反らせるというか上に向く姿勢が本当につらい。あまり前傾姿勢の強いスポーティなオートバイはもう乗れないだろうなと思います。

このような背景があるので私が普段使っている水筒はサーモスのストロー付のボトルであります。スイッチを押すとフタがパカッと開き、ストローがピコンと立ち上がるタイプです。ストローを咥えてチューと吸えば水が飲めるので首に負担がありません。



ストロー付ボトル


冷たいドリンク専用です




使用後にストローの部品を洗うのが意外と面倒なので、中に入れるのは水(冷水)だけです。



フタをあけた状態


使い込まれて外見は相当にヤレています




暑い季節はいつでも冷たい水が飲めて本当に素晴らしい水筒、さすがサーモス!と思うのですが薬を服用する際などは常温の水でいいんだけどなあ、などと思ったりします。以前は常温の水専用にキャメルバッグというブランドのプラスチックの水筒を使っていましたが、さすがに古くなってストロー部分のパーツも入手困難になってしまったのでそろそろ新しいのが欲しいなと思っていました。

新宿に用事がある時にヨドバシの水筒売り場にちょっと寄って、何かいいのは無いかなといつも目を光らせていたのです。あくまでも常温の水を携帯したいだけなので、保温性能・保冷性能などで高度にスペックの高い製品は要らないのです。


・常温の水を入れるので「温かい」「冷たい」をキープする性能は不要
・ストロー付タイプであること(必須条件)
・ベルトというかストラップで肩から提げられるとうれしい(強い要望)
・水の残量を外から見てわかるスケスケ水筒が希望(軽い要望)


という感じで見ていくと、シャレオツな大人が持ち歩く上位モデルよりも子供用水筒コーナーにおいてある乳幼児用に希望のタイプがいろいろあることがわかった。キャラクターの絵がかいてあったりするような水筒です。とりたてて値段が安いというわけでもないけど、なんとなく私の要求性能をクリアできそうな製品がいくつかありそうだと分かりました。

私はディズニーキャラクターで夢が見られない天邪鬼だしサンリオはシナモロール以外は苦手だしアンパンマンだのポケモンだのはさすがに持ち歩くのがキツい。特定のキャラクターではなくてもヂャイアントパンダやクマの絵なんかは無理。クマなんてあんなに恐ろしい動物なのになんでみんなクマのキャラ絵が好きなんですかね?かわいいクマのイラストを見ると「いやそれは違うんじゃないでしょうか」っていつも思ってしまう。

というふうに、なんだかんだでいつもの調子でノドカ的好き嫌いが発動してしまうのであります。強いていえば「パウ・パトロール」のグッズだったら割とOK出せるわ。皆様「パウ・パウトロール」はご存じでしょうか。パトカーとか消防車とかブルドーザーとかに乗った子犬たちがレスキューチームとして街のピンチを救うアニメですよ。あれは一時ハマりそうになってやばかった。つい、おもちゃ売り場でパウ・パトロール玩具をハンターの目でリサーチする怖いオバサンと化した時期があったわ。まあ、その危機的状況はなんとか乗り越えましたけど。


パウ・パトロール PAW PATROL(公式)
https://pawpatrol.jp/


あ、なんか久しぶりに公式を見たらこんどはオートバイに乗ってるじゃん。まずいな、またあの世界に引きずり込まれそうだな。おもちゃの予約をしないように身を引き締めないと何かやらかしそうな自分がいます。


話を水筒選びに戻しますが、じゃあこれはどう?とかいって特にキャラクターの絵が描かれていないものを出されても「あのー、できればもうちょっと値段が安いの無いでしょうかね?」みたいな条件を後出しジャンケンする顛末なので購入には至らないのでありました。

しかし、やりましたよ。ついにありましたよ良い水筒が。さすがヨドバシ.com。マジ愛してる。注文したら翌日に届きました。



水筒


水筒きた!




こちらはスケーターというブランドの取扱商品で「PDSH5 [ディノサウルス ワンプッシュストローボトル]480ml」というものです。


スケーター直営卸売サイト(公式)ストロー式水筒
http://skater-direct.com/shopbrand/ct21/


ちなみに私が買ったのはその名のとおり恐竜の絵が描かれているタイプですが、上記の公式のラインナップからは消えています。すでに廃番かもしれません。というのも、なんとヨドバシ.comで990円で投げ売りされていたのであります。わお!その値段なら即決ですよセニョール。



恐竜の絵入り


すべての仕様が私の要求性能を満たすぅ




いやホントまじで凄い。プラスチック製ですので温度キープ力は無し。ワンプッシュ式のフタでストロー付というのは愛用のサーモスと一緒。ショルダーストラップも標準装備(しかも私の好きな黄色ですぞ)、ボトル自体は透明なので中の水の量も見てすぐわかる。ストローは予備までついている。これが990円というのは100点満点ですわ。



愛用品と並べてみた


愛用のサーモスと並べてみた!容量は480ml




サイズ感は愛用のサーモス冷水用とほぼ一緒、カタチはずんぐりむっくり。サーモスは350mlですので容量はたっぷり。常温の水なら薬を飲むときはもちろん、チビチビと飲みながらこまめな給水で熱中症対策、というのにも適任でありましょう。



フタをあけた状態


フタをあけるとストローがシャキーン




プラスチックの素材的にフタが簡単に壊れそうなのは仕方ないですが、使い勝手はサーモスと同等でなんの不満もありません。ストローを洗う手間もサーモスとほぼ一緒。これなら安心して日常使いできますぞ。



イラスト


恐竜の絵が描かれています




恐竜は爬虫類なのにお前いいのかよ・・・というツッコミが来そうですが、しょせん滅んだ動物ですから実物を見たことがない以上、こんなふうにかわいいイラストになった恐竜ごときは現代に遭遇するヘビだのワニだのとは比較にならないレベルで許容範囲ですよ。ここで思い起こしていただきたいのは私がアニメ「ゾイド -ZOIDS-」大好きという属性であります。ガンダムよりもゾイド派ですから、こちらはゾイドのおかげで恐竜の名前と姿が一致するまでに知識を高めたマンなのであります。ゾイドはロボットではなくメカ生命体であって、人が乗れる構造になっているもののそれ自体が自然界で生きている機械なのであります。私はオオカミ型ゾイドの「コマンドウルフ」というのが大好きなわけですが、元になったトミーの玩具の時代からゾイドには哺乳類、鳥類はもちろん恐竜や虫(昆虫以外も含む)などいろんなタイプがいるのです。

映画『ジュラシック・パーク』の恐竜は生々しい爬虫類らしさが怖かったですが子供用水筒に描かれたイラストの恐竜はゾイドと同じ次元の扱い、無問題ですよ。

ちなみに素材その他、製品の具体的な仕様が気になる方もおられると思うので底面に貼られたシールの画像を上げておきましょうか。



製品仕様


底面シールに表示された仕様




それ以外にも取り扱い上の注意として、


・25度以上の飲料を入れないでください。
・炭酸飲料は入れないでください。
・食洗機・乾燥機には使用しないでください。
・煮沸消毒はしないでください。


というようなことが明示されていました。常温の水を入れてチューチューする分にはまったく問題ないですね。大陸中共製というのが絶対にイヤだ!という人は無理かもしれませんが私はこの程度なら許す、という感じですな。その後さっそく洗って使ってみたけど使いやすくてよい水筒ですよ。特にショルダーストラップがついているのは思いのほか便利でありました。いちいちカバンに出し入れしなくてもチューチューできます。ただ、子供がこれを斜め掛けにして走り回ったら転んだ時に胸部にヒットしたりして危ないかもしれない。考えすぎかな?もっとも、すでにヨボヨボで走ることのない私には関係のない話でしょうな。



愛用


良い水筒です




満足度でいったら五つ星、100点満点中100点です。本人としては最高に気に入りましたが、はたしてこれを持ったババアが電車に乗っている姿は傍から見て大丈夫なのか?というのは別の話かもしれません。まあ、それを気にしたら「常温水筒プロジェクト」そのものが破綻しそうですからあまり考えなくて良いかな。今はみんな自分のスマホに夢中で他人の持ち物なんて見てないですから。大丈夫。

さあ、新しい水筒をもってお出かけする計画でも立てましょうかね。










#16
2025年3月15日(土)
「靴底はがれ修理」


今日の話はタイトルから察して頂ける通り、またしても私の靴底がはがれたというところからスタートするのです。

おととしのゴールデンウィークの遠足でトレッサ横浜に行って、途中で靴底がはがれてガビーンな状態で帰宅した話をモモ通で書いています。


モモンガ通信 2023年5月19日(金)
「ゴールデンウィークの遠足 その2 トレッサ横浜に行く」
https://ezomomo.com/momo_j/2023/momo_j2023_2.html#35


そして10月にも靴底はがれ事件に見舞われています。


モモンガ通信 2023年10月6日(金)
「靴底剥がれの悲劇ふたたび」
https://ezomomo.com/momo_j/2023/momo_j2023_4.html#70


今回もバシッと決めてやりましたよ。なんとびっくり左右両方ともみごとに崩壊。なんだこれ。



靴底はがれ


おい両方かよ




かかと部分がバックリはがれています。気分は最悪です。こちらは去年に購入したばかりの某オートバイ用品メーカー「コミネ」(あ、言っちゃった)のライディングブーツです。おいふざけんな!まだ10回ぐらいしか履いていないぞ。

ここ数年はホームセンターで買った作業靴で運転していたのですが、本当はガエルネ(っていう名前のメーカー)のブーツが欲しくてならず涙で枕を濡らしていたのだ。しかし冷静に考えるとガエルネのエンデューロブーツなど原付マンには不要であり、逆に私のようにオートバイを降りて歩き回っている時間が長いタイプの生き物にはむしろ不都合すらある。ということで、私はオートバイ用品店に足しげく通っては「ライディングと散歩の両方にマッチする良さそうな靴」を探し回っていました。

そんな中で多くのライダーからの評判が高く、また実際に履かせてもらったら「ああやっぱり良いもんだなあ」と思ったのがRSタイチのアローシューズとコンバットシューズであります。値段は2万円台半ばから後半というすさまじい設定ですけどさすが名門ブランドの高評価シューズでありましてコレさえ履けば充実した二輪生活を送れること間違いなしの優等品です。いいなあ。


RS TAICHI RSS013 | DRYMASTER アローシューズ
https://www.ec.rs-taichi.com/rss013.html


RS TAICHI RSS010 | DRYMASTER コンバットシューズ
https://www.ec.rs-taichi.com/rss010.html


しかしこんな高級品をサクッと買えるはずも無いのでウジウジしていたところ、コミネのブーツがアウトレット価格で出ていた(しかも奇跡的にサイズが私にぴったりだった)ので迷わず買ってきたのです。RSタイチのコンバットシューズが2万9千円なのにコミネは7千円ですよ。そりゃあ手を出しますって。

で、それが1年も経たずにこのザマですよ。私はコミネ大好きでウェアやプロテクタで本当にお世話になってますけど、申し訳ないけど靴に関しては二度と買うもんか!と思いました。品質的にダメですよマジで。本当にがっかりだよ。



拡大


そりゃないよ




実はちょっとはがれてきたときにコニシのボンドG17で応急処置をしたのですがダメでした。すぐにまたはがれてしまいました。そして被害がみるみる拡大してゆくので絶望的な気分に陥りました。

ギリシャ神話なんかで生まれながらに呪われている子がいるじゃないですか。大神ゼウスが姿を変えてあっちの女、こっちの女にちょっかいを出して孕ませて、嫉妬深いゼウスの妻ヘラが怒って呪いをかけるみたいなパターンが頻出してますよね。そんなイメージで私も生まれながらにして何処かの誰かに「靴底がはがれる呪い」をかけられているのだと悟りました。何者かが私の誕生の際に「こいつは死ぬまで靴底がはがれる苦難から逃れられない呪いをかけておいたZE」とかいって私の運命を狂わせたのだと思えばこれまでの靴底はがれ事件も納得がいくし、今後また発生した時も素直に受け入れる余地が生まれるわけですよ。呪いのレベルとしてはマイルドな内容だからある意味楽な宿命といえるかもしれない。これからもひたすら靴底はがれに抗(あらが)う生涯を歩もうと覚悟が決まったのであります。

実はこのコミネのブーツはバックルの設計が発狂している(締める・解除するの操作が想定と違う動きをして非常にやりにくい)という致命的な欠陥があり、使い勝手という面で不満が爆発寸前でありいっそのこと捨ててしまおうかと思った製品であります。しかし購入してからまだ1年も経っておらず、そのうえ使用頻度も極端に少ない。靴底もほとんど減っていない。だからいきなり捨てるのは癪なので、とりあえずRSタイチを買う未来に希望を託しつつ意地でも使い倒して最後は火の玉ストレートでゴミ箱に投げ込んでやろうと決意したのであります。

前回の修理で使ったコニシのボンドG17では太刀打ちできなかったので、こんどは別の接着剤を試すことにしました。では、これはどうか。



ロックタイト


ロックタイト靴用




サクラレビューまみれのAmazonはアテになりませんが、ヨドバシ.comでなかなかの高評価であり試してみる価値はオオアリクイ。しかし内容量が4gと書かれている。わずか4gですよ。ちなみに今手元にあるコニシG17は50mlです。グラム(重量)とミリリットル(容量)で単位が違うとはいえ、4gというのはちょっと大きいアロンアルファレベルですから広大な面積ではがれている靴底の修理に1本で足りるのかどうか不安になります。ということで、私は念のために2本注文しました。余る分にはいいけど「補修作業をやってみたら足りなかった」という状況が一番こわい。

翌日にはヨドバシから届きました。あいかわらず速い。



2本到着


ちっちゃい!念のために2本買っておいてヨカッタ




たっぷり入ってるコニシG17と比べるとモモンガの糞レベルで、とても小さなチューブで内容はちょこっとしかありません。念には念を入れよ的な意味で2本買っておいたのは作戦としては正しいと思います。



サイズ


単三形乾電池よりもちっちゃいチューブ




さあ、大事なのは使用方法であります。私は取扱説明書を読まないでいきなり先制攻撃をしかける悪い癖がありますが、さすがに接着剤ではそうはいきません。こういうケミカル系は本当に危険なものはシャレになりませんから、裏面の注意書き&使用方法を熟読するのであります。



使用方法


しっかり読んで正しく使うのだ




ポイントは接着個所の片面に点状に塗布する(ノズルの先端で塗り広げてはいけない)という事ですな。そして圧着する。うむ、これはちょっとコツが要りますね。バツ印がついているイラストのようにやってはイカン。これは集中力がいるぞ。



作業開始


いざ作業開始




靴底が上の部分と接する面に、さながら手で田植えをするようにポツンポツンと接着剤の点を並べてゆく。ニオイ的にはアロンアルファと同じ系列の風味ですな。これは指に付くと本格的にヤバいやつです。息を殺してポツン、ポツンと接着剤を点状に打つ。ひたすら打つ。指先がプルプルと震えてしまいそりゃあもう大変な訳ですが、途中でやめることはできないのであります。とにかくひたすら接着剤を点状に並べて、その点が全域に行き渡ったらただちにエイヤッ!と靴底と上の部分を圧着する。そしてぐるぐる巻きにして固定して、あとはトロ火でコトコト三昼夜。固着するまでひたすら待つ、という感じでOK?



圧着


圧着した状態で縛り上げていったん終了




ウルトラマンが地球上で戦えるのは3分などと言いますが私が本気で集中力を発揮できるのは割と真面目に10分が限度なので、接着剤を点状にポンポンとくまなく打って圧着、そして縛り上げて前半終了という流れを左右行ったら完全に燃え尽き症候群ですよ。疲れたZE。

そして気になる接着剤の使用量ですが、左右両方の靴底を貼り付けるために内容量4gのチューブのおおよそ3分の1を使い切った感じです。思ったより必要量は少なかったです。



使い終わった残量


チューブ半分以上が残ってますね




まあ2本も買う必要もなかった、というのはこのように実際の作業が終わってはじめて判明した真実でありますから、未開封のチューブは予備として持っておけばよい。あと、この使いかけのチューブに関しては「旅に出る時の持ち物リスト」に追加しておいて、次回の靴底はがれ事件が起きたときにその場で対処できるようにすればよいのかもしれない。たとえば友人と遊びに出かけたときに、友人の靴底にトラブルが発生した時に私が「こんなこともあろうかと、靴底の接着剤なら持ってきましたよ」と言えば私の株も上がるかもしれない。品川区広しといえども靴底用接着剤を持ち歩いている人はそうはおるまい。私が人気者になるチャンスにつながる可能性もある。

ちょっと話はそれちゃいますけどスティーヴン・セガール主演の映画「沈黙シリーズ」は皆さまご存じでしょうか。映画タイトルの邦題が必ず「沈黙の」からはじまる一連の作品群であります。「沈黙の戦艦」「沈黙の要塞」「沈黙の断崖」「沈黙の陰謀」「沈黙のテロリスト」など、英語タイトルにはまったく関連がないままにひたすら沈黙しまくるのがポイントです。実際に映画を見ると何が沈黙なのかもよくわからないというのが大半でありまして、


長距離列車がテロリスト集団に占拠される事件が発生

そこに偶然居合わせた元海兵隊のコック(主演:セガール)が

独りでテロリストを相手に無双する


みたいな、なんかもう凄く雑によくわからない展開なんですよ大抵。かつてテレビ東京では毎週木曜日の夜に「木曜洋画劇場」とかいう映画放映枠をもっていて、木曜の夜という絶妙なタイミングでビミョーなB級映画を流すという素晴らしい伝統を続けていました。水曜の夜だとまだ一週間の途中で夜にマッタリ過ごす余裕もない。金曜の夜だと昔で言う「ハナ金」ということで飲みに行ったりしてしまう。ということでこの木曜の夜というタイミングで「沈黙シリーズ」を流していたりしたのだ。「なんだよ元海兵隊のコックって」とか思いながら、これを見て過ごすのが結構シアワセなひとときでありました。

で、靴底接着剤の話に戻りますけど、


・・・そこに偶然居合わせた

元 艦 長 の 無 職 が

接着剤で靴底のはがれを修理する


という展開は「沈黙シリーズ」に通ずるレベルの名設定として私の没後300年ぐらい経ってから評価されるんじゃないか?みたいな気がするのであります。

アニメの世界なんかだと優秀なメカニックが「こんなこともあろうかと」というセリフを発しつつ秘密に開発していた新兵器を発表するシーンがあったりするのですよ。だから私は「こんなこともあろうかと」と言いながら靴底接着剤をサッと取り出すおばさんになれば良いのではないだろうか。このおばさん、なかなかデキるな!と思ってもらえるかもしれないし、それがきっかけでモテ期が来るかもしれない。

というような妄想をしているうちに3日が経ったので、靴を縛っていたベルトをおそるおそる外してみる。



くっついた


おお、くっついてる




どうやら作戦は成功したっぽいです。ちゃんと接着されています。どのぐらいしっかり接着されているのかはわかりません。また強引にベリッとやったら簡単にはがせそうな気がしますので、そんな実験はできません。ただ、触ってみた感じではしっかりくっついています。左右とも大丈夫そうです。これは勝利宣言してよい・・・のか?



修理完了


ひとまず修理完了




うむ。とりあえずは第二次接着作戦は成功した、という評価で終えたいと思います。あとは耐久性ですよね。じっさいに履いて、オートバイを運転して、そして歩き回ってどうなのかという点については今後じっくり検証していく課題です。特に気をつかうことなく履きまくって大丈夫であれば作戦は終了、あるいは逆にまた前回の修理と同じようにはがれてしまうようであればこのブーツは修理不能のUNKOという結論を下して、とっとと捨てた方が余計なストレスを抱えずに済むでしょう。

すぐにまたはがれてしまうのか、それともしばらくは大丈夫なのか、あるいは雨に濡れたら一発アウトなのか、そういう部分を検証したうえで今回購入した接着剤の評価をしたいと思います。こういう靴はデートの時には履いていかない方が良いでしょうね。じゃないと肝心な場面で靴底がはがれてしまい雰囲気をぶちこわす悲劇を起こしつつ「靴底はがれマン」という不名誉なニックネームを付けられて一生笑いものにされる可能性がコアリクイ。

今回修理したブーツがその後どうなるのか?については、いつの日かあらためてモモ通で報告したいと思います。










#17
2025年3月19日(水)
「モモンガ司令部偵察機(モモ偵)による敵情視察 その1」


今年は皇紀2685年なのですが、そんな意識を当たり前に持っている人は少ないでしょう。それが悲しいのではありません。皇紀といっただけで私を軍国主義者と決めつけてノドカは右翼だとレッテル貼りする人があまりにも多数いるのが嘆かわしいのであります。

私はカトリック教徒なので西暦になじみがありますが、それと同時に祖国の歴史と文化に誇りを持っている愛国者でもありますから、わが祖国が神武天皇即位紀元に由来する暦をつかって何が悪いのかと思うのです。そもそも自分の生まれた国を愛し、その歴史や文化に誇りをもつことはごく普通であって「右」じゃなくて「真ん中」だと思うのです。右っていうのは「日本が世界で一番偉いのだから全世界を支配するべき」みたいな考え方でしょ。そんな思想は持ってませんよ私は。

振り返れば85年前の皇紀2600年に制式採用されたのが零戦こと零式艦上戦闘機であります。この「れいしき」っていう響きの美しさがたまらないのだよ。皇紀2600年の末尾の0から、帝国海軍ではこの年に制式採用したものを「零式」と呼んだわけです。

他方、帝国陸軍は下三桁から「一〇〇式」(ひゃくしき)と呼ぶ習わしでした。一〇〇式司令部偵察機(ひゃくしきしれいぶていさつき)という機体があります。資料によっては百式司令部偵察機という表記もありますが制式には漢数字で書くのであります。何しろあの頃は縦書きが標準の書式ですからね。

一〇〇式司令部偵察機(一〇〇式司偵、百式司偵)は大変美しい姿をした双発の航空機で、最大速度は高度6千メートルで時速630km。実用化された帝国陸海軍機中最も速い機体でありました。現代でいうところの戦略偵察機であり、自慢の高速をいかして敵情視察を行い司令部に最新情報を届け作戦立案に貢献するという重要な任務をおっていたのであります。

この「偵察」という任務には惹かれるものがありますね。何事においてもまずは実情を見に行く。リサーチ任務は最優先事項ですよ。我々一般人の人生も同様であり、情報収集の目的で下調べに足をはこぶのは大切な行動と言えます。

ということでようやく今日の本題に入るわけですが、私は通院で出かけたついでに最近ちょっと気になるアレコレをリサーチしようと固く決意したのであった。ヨドバシを見るためだけにわざわざ出かけるのは面倒だけど、用事で外出した帰りに寄るというのは気持ちのハードルがズバッと下がります。かくして病院からよろめき出たのち、気をとりなおして逆方向の電車に乗った訳よ。

モモンガ司令部偵察機、発進!



私はPCを扱う際にトラックボールを使う流派でありまして、ずっとロジクールのERGO M575Sという定番中の定番なトラックボールを使っております。基本的にみんなと同じのは嫌だ!という天邪鬼ですがトラックボールに関してはみんなが良いと言っているロジクールは実際に使ってみれば誠に素晴らしいということで他人とかぶっても不満はないのであります。

このM575Sというトラックボールがしばらく前にアップデートされて新型が出たと聞きました。私が唯一抱いていた不満、クリックするとカチカチと音がする点を改良して静音化したのだそうです。一度実物を触ってみたいと思いながらなかなか果たせずにいました。この実物を手にふれてみて、使用感が良ければ買い替えようかな?などと企んでいるのです。いまはノートPCを使っているのですがあのタッチパッドというポインティングデバイスが正直好きではないので、少しでも快適に使えるようにしたいのですよ。



トラックボール


これですよコレ




ありましたよ実物が。各社のトラックボールの見本がずらっと並んでいるので、実際に触れて使用感を確かめることができるようになっています。こういうのが大事だから私は実店舗を大切にしたい派なのです。ネット通販で1円でも安く買いたい、という人の気持ちもわかるのですが自分にとって無くなったら困る店というのは買って応援したいと思うのです。

この新型(といっても発売開始されてだいぶ経つけど)はM575SPという型番で、クリック時のカチカチ音がみごとに無くなりコツコツと静かに動作する納得の製品に変貌を遂げていました。見た目は自分のトラックボールと変わりませんがクリック感が違うというだけで全くの別物、まさに理想のアップデートを遂げていることがわかりました。とはいえ8,140円と言われると怯んでしまうね。毎日何時間も使う物だからすぐに元はとれるとわかっていても、この金額をパッと出せないところが人生の悲しみですよ。

ついでに他社のトラックボールもいじり倒してきましたがやっぱりロジクールのM575SPが一番気に入りました。すごい昔(20年以上前)はケンジントンのトラックボールが世界のトップランナーであったから熱烈ケンジントン派でしたがロジクールが登場してからはケンジントンへの愛は一瞬で冷めたよ。しょせん道具ですから、よい物があれば心変わりするのも当然の話よね。

うーん、8,140円か。なかなかの金額だなあ。今は3月下旬にさしかかる頃、このぐらいの時期からゴールデンウィークが明けて5月いっぱいは割と出費がかさみがちなタイミングです。連休で使ったクレジットカードの請求が6月末にドカンと来るでしょうから、6月末までは余計な買い物はできない。いろいろ落ち着いて夏ぐらいに導入しようかなあ。8月あたりなら特に派手にお金を使う予定もない。では、あと4ヶ月半は我慢だな。とかなんとか思いながらPC周辺機器売り場を離れたのであります。

せっかくヨドバシまで来たのだから他の売り場も見てまわることにしましょう。



ミク


あ、やっぱそっち行っちゃうんだ




今の住処に引っ越すまでは私のコレクション趣味も栄華を極めており、とりわけ初音ミクが大好きという事でフィギュアをおびただしい数で集めておりました。この30年ぐらいで2次元ネタを立体化する技術は夢のように進みまして、フィギュアの完成度というのが飛躍的に向上したのです。私はアニメ制作会社にいたこともあり2次元創作物の立体モデル化というのが非常に興味深いのです。平面のキャラクター絵を立体に起こすには文字通り次元の違う想像力の飛躍が求められるわけですから「原型師」あるいは「造形師」と呼ばれる人たちのわざに驚かされるのです。たかが人形、たかがおもちゃ、などと言えてしまう浅はかな人間にならずに済んだのは本当にシアワセな事だと思います。

引っ越しの際にほぼすべてのコレクションを処分しており、またフィギュアを集めようという気はさらさらありませんが最新の作品(もうアニメは見ないので何のキャラクターなのかも分からない)は見ているだけでも楽しいです。

と、カメラ売り場でもなければオーディオ売り場でもなく「ホビー館」にまっしぐらという行動パターンがバレバレなのであります。だって、こういう時じゃないとゆっくり見れないんだもの。私を止めないでください。行かせてください。

すると何やら面白そうな玩具(?)のデモンストレーションが行われていました。ふさふさの毛でおおわれたぬいぐるみのような物体がムニョムニョと動いているのです。デモンストレーターの女の子が二人いて、そのうちのひとりが私よりちょっと年上ぐらいのオバサンにいろいろ説明しているところであった。AIペット?なんだそれ?



モフリン


これは一体?




本当はそのデモンストレーション現場の写真を撮りたかったんだけど私が興味津々なのがモロバレしているらしくデモンストレーターの女の子が完全に私をロックオン。目が合ってしまったのでたちまち囚われの身になる・・・と見せかけてモモンガ司令部偵察機(モモ偵)はまさかの急旋回、最高速度で離脱を図ったのであります。だって捕まったら何が起こるかわかりません。予備知識もなくフラフラと近づくなど、敵の思うツボです。

それにしてもなんだアレは。ここからは時間が飛んでいったん帰宅してからの話になりますが、私はAIペットというのを手掛かりにネットで検索しカシオの公式サイトにたどりつきました。


カシオ(公式)ニュースリリース 2024年10月10日
独自開発の感情AIにより400万通り以上の個性を実現
飼い主になつく癒しのAIペットロボット“Moflin”
手のひらサイズでモフモフとした毛並みの愛らしい姿
https://www.casio.co.jp/release/2024/1010-moflin/


カシオ Moflin(モフリン)公式ストア
https://www.casio.com/jp/moflin/



CASIO Japan
こころであういきもの【Moflin(モフリン)】Promotion Movie | CASIO






なるほどねえ。AI搭載で学習機能をもつ(=持ち主に懐く)ペットロボットですか。

その昔、ソニーがAIBO(アイボ)というペットロボットを販売していました。けっこうな話題になっていましたが、ソニーの株価が急落して経営が傾いたときにAIBOのプロジェクトがバッサリ切られた記憶です。あとで知りましたが名前が小文字のaiboになって復活していました。


aibo(ソニー公式)
https://aibo.sony.jp/


カシオのMoflinは何か特定の動物をモデルにしたのではなく、謎の生命体(毛むくじゃら)というところがポイントでしょうか。私はこういうメカ、というかペットになる機械という存在には肯定的なスタンスです。良いと思います。極端な話、私は将来「お手伝いさんロボット」が欲しいもん。私は間違いなく数十年後には「独居老人」と呼ばれる存在ですから、身の周りの世話をしてくれるアンドロイドがいてくれたら助かると思うんだ。こんなことを言うと「出たなロリコン」とか言われそうだけど、部屋が狭いからイケメンの大男タイプのアンドロイドと同居するよりも年齢設定11歳のかわいい女の子タイプのメイドさん型アンドロイドと暮らしたいよ。力仕事なんてできなくて良いから、家事を手伝ってくれたり食事の時に話し相手になってくれたり、万一私が部屋で倒れたら救急車呼んでくれたりしてくれれば助かるよね。素直で優しい子(アンドロイド)が一緒にいたら私もボケずに済むかもしれない。最近はにわかにAIの時代だAIの時代だと騒ぎ立てているけれど、独居老人を助けてくれるAI搭載アンドロイドがいてくれるなら私は大歓迎ですよ。

とはいえカシオMoflinは、やはりといいますか当然のことながら価格も相応でした。気軽には手を出せないなあ。



ヨドバシ価格


6万円か




なんにせよ今回の偵察で一番の収穫はこのMoflinの存在を知ったことではないでしょうか。このような製品が世に出ているなんて知りませんでしたよ。そしてここからは妄想ですが、仮にモモンガ母にこういう物を見せても彼女は欲しがらないだろうなと思いました。第一声は間違いなく「何コレ気持ち悪い」と言うであろうし(これまでの経験から彼女の嗜好はよくわかっている)、手に取って可愛がることなど絶対にしないどころか面倒くさがってそのへんに放置して電池が切れたまま終了するであろうという結末まではっきりとイメージできるのであった。

話はヨドバシのMoflinデモンストレーションコーナーから高速離脱したところに戻ります。

なんだかんだで一通り見てまわらないと気が済まない私ですから、流れで「パウ・パトロール」のおもちゃなんかも見ていたのであります。ざっくり言いますと欲しくなりますね、まずいことに。身体は大人になってますけど精神的に子供の状態から全然成長していない感が自覚できるほどにハンパない。こんなんだから「59歳児」とか言われちゃうんだよ。

それで流れついでにトミカをはじめとするミニチュアカーなんかも一通り眺めていると、プリウスのミニカーとかアルファードのミニカーとか全然欲しくないよなあ、みたいな空気感がおとずれたのです。そりゃあトミカも時代とともにラインナップが変わるわけですから今時はミニバンとSUVがあって当然なのよ。わかっちゃいるけど、なんだかなあ(←じゃあ見るなよ)。

しかし。ここで不意打ちがきました。奇襲に見舞われたのです。マジかよ!!!



パジェロエボリューション


まさかのパジェロエボリューション




日本のトミカではなくMattel(マテル)のホットウィールシリーズであります。大きさはトミカと似たようなサイズの、ちっちゃい車のミニチュアです。Mattelなんて大抵へんなアメ車のダサいものばかりですから基本的には眼中にありません。しかし、ここでまさかの三菱パジェロエボリューション。私の大好きな車ですから、手に取ってしばらく固まってしまいました。

車に関していえば私は骨の髄まで三菱党。しかも青春時代の全てがドンピシャで完全にパジェロ世代ですから(←そんな世代きいたことねえよ)、こんなふうに予期せぬタイミングでパジェロエボリューションを突き付けられたら歓喜の電流がほとばしってしまうのです。ちょっと何ですかね、これは買わないといろいろな意味で私は駄目になってしまう気がしますね。

しかし画像を見ていただくとお分かりのように、800円もするのであります。ここで800円を使ってしまったら私の食卓からおかずが2日間にわたって消滅してしまいます。すごく欲しいけれども金額でビビっているのです。しょせんトミカサイズのミニカーですよ。800円というのはナカナカにぼったくり気味ではないか。どうするどうする。君ならどうする。

私は血圧を上昇させつつしばらく固まったまま悩んだのですが、衝動買いを思いとどまりました。正直なところ、これが今すぐ売り切れるという可能性はほぼゼロであろう。自動車好きのなかでも三菱党はかなりの少数派であり、その三菱好きのなかでもパジェロ愛好者はもはや絶滅危惧種に認定されています。そしてパジェロ愛に満ちた人のなかでもパジェロエボリューションでヨダレを垂らす人は稀であって、ましてや今更ミニカーを買おうとするパジェロ世代は品川区でも私ぐらいだろうと思います。百歩譲って子供がミニカーを買いにきて、わざわざパジェロエボリューションを選ぶことなど可能性はゼロです。断言しますけど今の子供たちにパジェロは刺さりません。何しろ車の絵を描かせるとミニバンを描くのが今の子供たちですよ。

ということで、ようやく冷静さを取り戻して私はヨドバシから撤収して帰投したのであります。いろいろと偵察したけれども最後のパジェロエボリューションのインパクトがデカすぎてトラックボールもAIペットも正直忘れてしまうレベル。帰りの電車の中でもずーっとパジェロエボリューションのことを考えていました。

まさかとはいえ、令和の世にパジェロエボリューションのミニカーがあるなんて。驚きましたな。

しかし800円とはなぁ。トミカでも古い車の復刻シリーズみたいなのは驚くような値段で売られているのは知っているけれども、そういうのをわざわざ欲しいと思った事は無かった。

ネット通販だと安かったりするのかな。ヨドバシでも、店頭の価格とネット通販のヨドバシ.comで価格が違う場合があったりする。他の店もふくめて、ひととおり見てみるか。



ビックカメラ.com


10%引きクーポン炸裂




なりゆきのツイデで眺めたビックカメラ.comで10%引きのクーポンを発見してしまいました。720円になりますよセニョール。パジェロエボリューションが720円で私の手に?

またしても私の血圧と心拍数が上昇。どうするどうする。君ならどうする。ということで、モモンガ司令部偵察機が持ち帰った最新情報により参謀本部は騒然となったのであります。このあと私の決断は、はたして。(次回につづく)










#18
2025年3月23日(日)
「モモンガ司令部偵察機(モモ偵)による敵情視察 その2」


今日のネタは前回の話の続きであります。そう、ヨドバシカメラの店頭でパジェロエボリューションのミニカーを発見し、衝動買いしたくなる気持ちを必死におさえて帰宅。トミカのようなサイズのちっちゃいミニカーごときに800円は出せないよなあ、などと思いつつネットでぐるぐるふにふにしていたらビックカメラ.comで10パーセント引きクーポンの表示に巡り会ったというシーンの続きです。

三菱のパジェロエボリューションという車、もう皆様はとっくに忘却の彼方という感じではないでしょうか。

初代パジェロは1982年に登場し、翌年からダカールラリーに参戦。ここでは便宜上ダカールラリーと書きましたが、もともとはフランスのパリがスタート地点でセネガルの首都ダカールがゴールという主にアフリカ大陸で実施されるラリーで「パリ・ダカール・ラリー」(日本では俗にパリダカと呼ばれた)の名称でありました。1985年に三菱パジェロが4輪部門で1、2位を独占して日本車初の総合優勝を果たし、2001年から2007年まで7連覇という偉業を達成するなど「パリダカのパジェロ」というイメージを強烈に打ち立てたのであります。私がはじめてパジェロの後席に乗せてもらった経験が1987年で、それ以来「パジェロしか興味ないマン」と化してしまったのであります。

レギュレーションが変わって市販車ではないプロトタイプのラリーカーが認められた時代があり、パジェロの名ではあるけれども市販車とは全く別物が参戦していたこともありました。しかし1997年にプロトタイプの参戦が不可となって市販車改造の時代に移行。このタイミングで登場したのが私が今さわいでいるパジェロエボリューションであります。



パジェロエボリューション


パジェロエボリューション登場(当時374万円)




私は大歓喜でしたが、いくらパジェロが流行している世の中とはいえコレを本気で買おうとしている人は私の周りには居なかったです。実際に走っているのを見たことは2回しかない。2台ともサテライトシルバーでした。私は「カッチョエエ!!」と騒ぎましたが一緒にいた友達は「何あれ・・・」みたいな感じでドン引きしていたのを思い出します。

ビックカメラ.comの10パーセント引きクーポンは私の心を揺り動かしました。720円。まだまだ高いですが、トミカにも「トミカプレミアム」「トミカプレミアムunlimited」といったシリーズがあり、驚くような値段で売られているのがあります。たとえばスバルサンバーのトラックや初代のホンダバラードスポーツCR-Xが990円でラインナップされています。軽トラックのサンバーやCR-Xを欲しがる幼稚園児などいるはずもないですから、当然これらは大人のマニア層に向けて販売されているのです。しげの秀一先生の作品『頭文字D』に登場する高橋啓介の黄色いRX-7が1,320円、なんていうのは完全に私をターゲットにしているとしか思えない商品です。断言しますが高橋啓介ファンの幼稚園児なんて存在するわけがない。

というふうにトミカもマニア向け高価格帯ラインナップがあることを思えば、パジェロエボリューションが720円なら安いもんです。ちなみにビックカメラ.comを見ていて気付いたのですがMattel社製ホットウィールのベーシックラインナップにもパジェロエボリューションがあり、こちらは297円。ついでだからコレも一緒に注文して、比べてみましょうかね。



安いほう


同じメーカー製でも安いタイプもあるって




かくして、「800円はちょっと出せないよな」と言って購入を我慢して帰宅したクセに、その夜には2台あわせて1,017円の買い物をしているのだから私の行動も意味不明が過ぎるのであります。しょうがないんですよ。この人あたまおかしいから、これが平常運転なのです。



届いた


うりゃー!2台届いたぞ




ビックカメラの爆速配送で翌日には届きましたよ。もうテンション爆上がりですよ。誰がどう見ても幼稚園男児。これだから「59歳児」って言われるんだよ。自分を解き放ちすぎだろ。

やはり本命は値段が高かった方(ヨドバシの店頭で見つけて感激したほう)であります。両方並べてみると、あきらかに仕上げが違うのです。要するに値の張るほうが実物のパジェロエボリューションとしての再現度が高い。



よくできている


こちらは本当に素晴らしい




実車のパジェロエボリューションには3つのカラーバリエーションが用意されていました。ソフィアホワイト(ソリッドの白)、パッションレッド(ソリッドの赤)、サテライトシルバー(メタリックの銀)であります。この、パッションレッドのモデルを再現しようと努めているのがよくわかる。



サイズ


ちっちゃいミニカーですけど、細かく彩色されている




いつも使ってるボールペンと一緒に置くとサイズ感が伝わるでしょうか。よくあるトミカと同じようなサイズです。幼児が集めるあのミニカーですよ。でも、グリルを黒く塗って中央のスリーダイヤ(三菱マーク)がしっかり見えるように仕上がっているし、ヘッドライト周辺も上手にスミ入れがしてあります。ドアミラーやドアピラーを黒く塗るなどかなり手が込んでいます。ミニチュアのサイズを考えればこれはもう100点をあげてもいいと思います。



2台


並べてみると価格差に納得がゆく




これに対して値段の安かった方(ネットでみつけてツイデに買った297円のもの)は、ボディの塗装からしてトンチンカンであります。サイドにラリーアートのロゴが入っていて私には刺さるんですが、実車を再現しようという努力は微塵もありません。装着しているホイールも違うし。いろいろ残念な感じですので、パジェロエボリューション好きの人が買うなら値段の高い方が断然おすすめです。と、そんなことを言っても誰の役にも立たないでしょう。



ななめ後ろ


後ろから見たときの仕上げがこんなに違います




297円のほうは造っている途中でヤル気を失って後部は何もしないで放出した、というレベルです。これはこれで味わいがありますし、しょせんミニカーなんてこの程度で良いのではないか?という気もしますが、手を抜かずに細かい部分まで丁寧に色を塗ると仕上がりが天と地ほども違ってくるというのがよくわかりますな。リアに背負ってるスペアタイヤのカバーにちゃんと "SUPER SELECT 4WD" なんて書いてあるのを見ると本当に泣きそうになるぐらい感動します。



後ろ


値段の差は仕上げの差ですな




高い方はタイ王国製で安い方はマレーシア製です。この発言はどちらもきちんと価格相応に仕上がっているという意味であって、両国の優劣をミニカーで判断しようという意図はありません。パジェロエボリューションのミニカーを心を込めてつくってくれてありがとう!という感謝の気持ちをタイ王国ならびにマレーシアのみなさまに改めて伝えたいと思います。

これらのミニカーは誰がどう見てもまごうことなきパジェロエボリューションなのですが、赤い初代パジェロミニに乗っていた私にはなんだか過去の愛車を思い出させるような雰囲気があり、目の前に置いておくとちょっと心がなごみます。

ミニチュア好きの私はパジェロミニのミニカーはないかな?と探した時期がありました。しかし、私が乗っていたのはノンターボのグレードでボディは赤一色(バンパーは黒)、オプションでリアスポイラー装着とラリーアートのステッカーチューンを施し、挙句の果てにはマニュアルシフトという普通の人は買わないモデルでありました。売れていたのはインタークーラーターボ付の5バルブ4気筒エンジンを搭載した上位グレードで、しかも濃紺&銀もしくは深緑&銀の2トーンカラーでした。当然のように私の選択は「受注生産」という扱いになって納車まで半年待たされたのであります。ゆえにパジェロミニのミニチュアがあったとしてもターボ付の2トーンカラーモデルであり、私が乗っていたヘソ曲がり仕様を再現したミニチュアなど存在する訳が無いのであります。しかし今回入手したパジェロエボリューションは自分の愛車を思わせる雰囲気があるのよね。これは嬉しい誤算であります。



横


これは良いミニチュア




結論からすると大満足です。良い買い物をした、としみじみ思っています。あの偵察飛行が無駄にならなかったどころか、最高の幸福につながったのだから嬉しい話ですよ。モモンガ司令部偵察機が活躍して多大な成果を上げた、と断言してよいと思う次第です。やっぱりたまには外に出てお店を覗かないとダメよね。家にたてこもって静かに自分と向き合って内側から喜びを見いだす時間も大切ですが、こうやって外をフラフラしながらほっつき歩いて「欲しいである」というものを見つけてお買い物するシアワセというのも捨てがたい。ひとことで言えば「買い物は気持ちいい」という真実を再認識したという事ですな。

あらためて振り返るとパジェロエボリューションってカッコ良いなあ。いまどき流行のSUV「なんちゃらクロス」よりも断然好きですよ私は。パジェロはラリーで鍛えた本物であって、ファッション四駆ではないのよ。ここが重要なのよ個人的には。

と、なんか私はまた悪い癖が出てコレクション趣味をじわじわと拡大しつつあるような気がしないでもない。去年の秋に日野ポンチョのミニカーを買って、もう車は要らないな!とか言ってたんだよなあ。舌の根も乾かぬうちにパジェロエボリューションが2台。こうしてまたガラクタにまみれてゆくのでしょうか。

さすがにもう、車はこれで打ち止めにしたいところです。










#19
2025年3月27日(木)
「結果報告:ロックタイト靴用接着剤の威力について語る」


去る3月15日のモモ通でたいして履いていないコミネのライディングブーツの靴底が左右とも剥がれてガビーン!すがる思いで「ロックタイト靴用」という接着剤を購入して修理してみた、というネタを書きました。

どうやら接着できているっぽい、と書きつつもあとは実際に履いてオートバイを運転したり歩き回ったりして本当に大丈夫なのかを検証して報告しますという文言で文章を締めくくったのであります。

あれから時は流れまして12日が経過。この期間中、実際に履いてオートバイを運転したり歩き回ったりしてみたのでどうなったのかを報告したいと思います。


結論。いまのところ問題なく使える状態を保っています。


これは正直驚きました。どうせすぐに剥がれて「あーやっぱりダメだったか」と落胆しつつブーツをゴミ箱に火の玉ストレートで投げ込むであろうと予測し、そうなっても泣かないで生きていこうと覚悟をしていたのです。しかしそんな悲観的な予想をあざわらうかのように、ガンガン履き倒しても(※いちおう常識の範囲内でね)接着した靴底はいまもしっかりとくっついています。

やるじゃないかロックタイト強力瞬間接着剤(靴用)。



現状


今のところはしっかりくっついています




何しろ左右両方ともかかとの部分が完全に剥がれてパッカパカになっていたのだから、あの惨状を思い出すとたかが接着剤ごときで無事に補修ができたというのが今なお信じられません。



かかと


かかとは問題なっしんぐ




ブーツ本体と靴底の境い目が何やら黄色っぽくバリのようなものがくっついて画像的に汚いのは、1回目の補修の際に使用したコニシG17ボンドの跡が残っているせいであります。なんでもくっつくG17をもってしても、この靴底は接着できなかったのです。



補修後


見た目は残念ですけど無事だからヨシ




このブーツをもうしばらくは使えそうな見通しが立ったので正直かなり嬉しいです。このコミネのブーツは履いたり脱いだりするのが超絶に面倒な糞設計となっていて買い物としては正直「失敗」だったと自分自身でも思ってはいるのですが、かといってすぐに買い替える余力などありません。そりゃあ私だってRSタイチのライディングシューズが欲しいのですよ。先日お店で実物を見て履かせてもらったら評判通りに良い靴だったので


「ああ最初からコッチを買っておけばよかった」


みたいな思いも一瞬よぎった次第です。しかし価格が違うのです。私が買ったコミネの3倍なのです。それはちょっと無理であります。RSタイチは私のような貧困ライダーが手にしてよいブランドではないのです。私にはコミネのアウトレット品ですら贅沢なぐらいです。



コミネ


ひとまず補修で履ける状態に復帰したからOK




そこで、今回のモモ通にて皆様に訴えたいのは「ロックタイト靴用」はなかなかに威力のある接着剤であるぞというゆるぎない真実であります。靴用と称していろいろな接着剤が販売されていますが、とりあえずロックタイト靴用を使えばオートバイのライディングや旅先での歩き回りにも耐えうる結果が得られるのであるよ、と「靴底剥がれのベテラン」である私が断言するのであります。靴底修理のための接着剤選びで迷ったらひとまずロックタイト靴用をためしてみて!というのが私の主張です。

さいわい今回のブーツ修理では4g入りチューブの3分の1程度しか使っていませんので、まだ充分すぎるほどに残量があります。私はこの接着剤を携帯することにしました。

普段から持ち歩くことによって不意の靴底剥がれトラブルにも即座に対応できる!という「頼れる女」になるのです。世の中をみまわしても靴底用の瞬間接着剤を日常的に携帯している人は稀だろうと思います。どこかで偶然、靴底はがれで困っている人を見かける時があるかもしれません。そんな時にスッと現れて靴底を補修し、お礼を言われそうになってもそれを軽く手で制し


「当然のことをしたまでです」


といいながら颯爽と去ってゆく私を想像しただけでカッチョエエ。ということで、ロックタイト靴用もちはこびセットをつくりました。



セット


ケースに入れて携帯するのだ




接着剤のチューブをそのままバッグに入れる、というのは想像しただけでも大惨事の予感がMAXIMUM。気づかぬうちにキャップが外れていた、とか、チューブの一部に穴が開いてしまった、とかいうのは割と普通に起きがちな事象ではないでしょうか。しかし漏れ出すのが接着剤となればバッグの中に発生する悲劇がどれほど凄惨なものであるかは容易に察するのであります。しっかりした固いケースに入れておかないと絶対にマズい展開です。

ということで私が用意したのは小銭を収納するプラスチックケースです。100円均一ショップに売られているアレです。硬貨の種類によってサイズと色が違っていましたが、私の好きな黄色は5円玉を25枚入れることができるケースです。5枚ずつ隔壁があるのですが長さ的にはロックタイト靴用のチューブがちょうど収まる良いサイズ。ということで中の隔壁を切り落としてチューブを入れられるように加工しました。

パッケージ裏面の使用法が記載されていた部分を抜粋して切り出し、これをおりたたんでチューブと一緒に入れておきます。いちおうケースのフタには誰が見ても内容物がわかるようにラベルを貼りました。



収納時


使用説明書と接着剤チューブを一緒に入れる




固いケースに入れておけばバッグの中の他の荷物に圧迫されて接着剤がブシャー!という悲劇は回避できるでしょう。うむ、完璧ですな。



ラベルを貼った


さすが靴底剥がれのベテランは仕上げが一味違う




こちらは靴用と銘打ってはいますが普通に指なんかに付いちゃうとヤバいレベルの瞬間接着剤であります。靴底修理に限らず他のピンチな状況でも応用が利くのではないかと期待できます。



携帯


恋も仕事もできない女の所持品




このようにモモ通としては靴底の補修はロックタイト靴用でバッチリOKでした、という内容で報告を終えますが、そうはいってもしょせん素人修理ですからいつまたベリッと靴底が剥がれてもおかしくない状態なのは事実だと思います。いつかまた剥がれちゃうんだろうな、と心のどこかでいつも不安を抱えながらこのブーツを履くのです。それはそれでちょっとしたストレスなのも事実でして、やっぱりRSタイチのシューズを買うのが正しい解決法だろうなと思うのであります。










#20
2025年3月31日(月)
「タイヤ空気圧マジ大事」


私はヤング時代に自転車競技をやっていたこともあり、タイヤの空気圧が適正である事がどれだけ大切かという点については自分なりに理解している自負はあります。

というかむしろ「ありとあらゆる面で大雑把なクセに空気圧だけは神経質」みたいな謎の一面すら持ち合わせています。タイヤの空気圧が足りない状態で強引に走行して痛い目にあった経験だけは山のようにあるので、乗り物はまず空気圧チェックをやらないと走り出すのが怖いみたいな「空気圧ノイローゼ」状態であります。

どんなにマシンのスペックが高くても、どんなに性能の良いタイヤを履いていても、空気圧が適正でなければ本来の性能が出せないものです。

自転車であちこち旅をしていた頃は自転車をバラして袋詰めにして手荷物扱いにして鉄道を利用する「輪行」が当たり前でした。今は無きブルートレインを利用すれば夜に東京を出発し翌朝には九州に到着、という前提で旅の計画を立てていたのです。自転車旅の出発地点を別府駅にして九州を横断、ゴールは長崎にしてブルートレインで帰途につく、みたいなことができました。これは本当に便利で楽しい旅の様式であり個人的には車やオートバイの旅に対して大きなアドバンテージと感じていました。

輪行は鉄道に限らずバスでもタクシーでも可能であり、社会人になってからは飛行機も利用するようになりました。しかし飛行機に乗る場合は高高度を飛行するため気圧変化を見越してのタイヤの空気をあらかじめ抜いておく必要があり(飛行機の荷室の気圧が下がった場合にタイヤがバーストすると困る)、当然目的地の空港に到着して自転車を組み立てるにあたってはタイヤに空気を入れ直す必要が発生します。

競技に使うようなスポーツタイプの自転車が極端に細いタイヤを履いていることをご存じの方も多いと思います。あれはものすごく高圧な空気を入れて使うものでありまして、旅行にもってゆく携帯用の手動式空気入れで適正な空気圧までふくらますのは本当に大変な作業でした。通常のフロアポンプ(足で台座をふみつけながら、両手でT字型のハンドルを握り体重をかけて上下に往復して空気を入れるタイプ)を旅に持ってゆくはずがありませんから、自転車のフレームに固定するような棒状の携帯用空気入れを使うのですが、文字通り何百回も(割と真面目に500回とか600回とか)ポンピングするのです。空気が入ってくるとだんだんポンピングがきつくなってきて、長時間にわたってかなりの重労働を強いられることになります。各社から様々な携帯用空気入れが販売されていましたが、はっきり言ってどれも性能的には大して変わらずヒーヒー言いながらポンピング地獄を味わうのです。

となると往路で飛行機を利用するのは避けたくなるのは当然です。ゆえに私は「行きは鉄道を利用して飛行機に乗るのは帰りだけ」というスタイルにしていました。鉄道を利用するときは空気圧はそのままでも大丈夫ですからね。スタート地点での手間が天と地ほども違うのです。

あれから歳月は流れて私はもうとっくに自転車には乗らない人間になっていますが、ここ数年の自転車界隈では空気入れに関しては充電池を搭載した電動式のポンプが爆発的に普及しているようです。デジタル表示の液晶パネルを搭載していて、あらかじめタイヤの適正空気圧を入力しておいてからホースをタイヤのバルブに接続、そして電源を入れるとエレキの力でコンプレッサーを作動させ空気を送り込み、設定した空気圧に達すると自動的に停止するというのだから「そりゃあ普及するだろうな」と思います。充電式ですからモノとしてはかなりのサイズ感・重量があるのですが、それでも旅に携行しようと思えば我慢できるレベルであるし手動ポンピング地獄にくらべたら断然楽ですから私が今も自転車に乗っているなら間違いなく買うだろうなと思います。

競技用の自転車に乗るような人は携帯空気入れに対してもいっそうの小型化、軽量化を追求しますから当然そういったニーズにこたえるミニタイプの製品も登場しており、毎年のように良いものが発表されてます。もう今時のサイクリストで旅やトレーニングに手動式の携帯空気入れを持っていく人はいないんじゃないでしょうか。



携帯電動空気入れ


現代の主流はエレキ式




私自身もこの手の電動空気入れには興味があったのですが、エレキ仕掛けでコンプレッサーを動かすわけですから当然すさまじい爆音が鳴るのであります。旅の途中でのパンク修理には良いでしょうけど、家で使うのはちょっと近所迷惑が心配になるレベルです。ひっそりと生活している下層民は近所の人とトラブルを起こすと人生が行き詰まる宿命ですから、とにかく目立たぬように、目をつけられないように、息を殺して生きておらねばならぬ。

このような点から私は昔ながらの自転車用フロアポンプを愛用している訳です。通常のロードスポーツ用自転車はほとんどが仏式バルブ(フレンチバルブ、もしくはプレスタ:Presta valve)ですが合衆国発祥のMTBが普及した時にMTB用タイヤの多くが車やオートバイで用いられている米式バルブ(シュレーダーバルブ:Schrader valve)であったため、仏式と米式の両方が使える空気入れが自転車業界で瞬時に広まり一般化しました。余談ですが我々が一番触れる機会の多いごく普通の自転車(シティサイクル=お買い物自転車など)で使われているのは英式バルブ(ウッズバルブ:Woods valve)といいます。

しかし最新の電動空気入れの、デジタル表示であらかじめ設定した空気圧まで自動で作動するというのはちょっとうらやましい気がする。別にアナログの針表示がダメという訳ではないけれど、絶対的な数値でバシッと統一できるというのは気分的にスッキリする。

しばらく前にモモンガ司令部偵察機(モモ偵)が自転車屋に赴いたとき、いまどきのフロアポンプはけっこう良さそうなものがあってちょっと驚きました。台座がしっかりした金属で安定感があるもの、両手で握るハンドル部分が形状的に握りやすく、そして一度のストロークで大量の空気を送り込めるもの、メーター部分が大きく針が見やすいもの、メーターの位置がポンプの上の方にあって視力の悪い人に好都合なレイアウトになっているものなど「ヨイではないか!」と思えるものがたくさんありました。

そんな中には、手動式のフロアポンプでありながら空気圧が液晶画面にデジタル表示式のタイプもありました。



デジタル式


良いじゃないですか、デジタル表示のフロアポンプ




とはいえ値段がすさまじく高いうえに米式バルブには非対応とのことであった。まあ、そのうち空気圧がデジタル表示のフロアポンプもいろいろなメーカーから発売される日がくるかもしれませんから、何も私ごときが急いで導入することもありません。

私が愛用しているパナレーサー(その昔のパナソニック自転車事業部というかナショナル自転車)の空気入れはすでに廃番になっていて、後継機種がいわゆるスタンダードモデル的な位置づけでラインナップに名を連ねていました。パナレーサーのロゴが変わってしまったので個人的にはいまいちしっくりこない。



パナレーサー


スタンダードなタイプ




自転車に限らず車もオートバイもタイヤの空気は徐々にぬけてゆくことがありますから、こまめにチェックして足りなくなった分はこのフロアポンプでスコスコとつぎ足せばよいのであります。その程度は別に大した手間ではありません。それこそ自転車マニアであれば息を吸うように空気圧チェックを行う習慣がついていますので無意識のうちに前後タイヤの空気圧調整は済ませてしまうのであった。

とはいえ自転車用のスタンダードなグレードの空気入れでメーターが表示する空気圧がどれほどの精度なのか、という点については正直疑問もあるところで、本当にこれで良いのかなあといつも微妙な不安感を覚えながら空気入れ作業を行っていたのであります。単刀直入に言えばいくら自転車業界では有名ブランドのパナレーサーといっても3千円ぐらいで売ってる空気入れのメーターが、プロフェッショナルも納得するほど正確である値を指し示しているとは考えにくい。精密な計測器でチェックしたらかなり大雑把な値なのだろうな、などと疑ってしまうのであります。

これを解決するために私は単体のエアゲージを購入したのであった。エーモンの8821というモデルです。


株式会社エーモン エアゲージ8821スタンダードグレード(公式)
https://www.amon.jp/products2/detail.php?product_code=8821


上記公式サイトで土屋圭市さんがこのモデルを実際に使用しているインプレ動画があがっていたので、これなら私レベルには充分な空気圧計であろうと判断した次第です。



エーモン


エーモンのエアゲージ8821




何が素晴らしいって、リセットボタンが非常に使いやすいのであります。空気を入れる時にはホンのちょっとだけ多めに入れて、このゲージをあててリセットボタンを押して空気を逃がして針が適正な空気圧を指し示すところまで微調整するという使い方をしています。本体は持ちやすいしメーターの針も表示板も見やすいし、口金の部分も使いやすい。パナレーサーの空気入れのメーター表示だけで微妙に不安を抱えていた頃のちっちゃなストレスが消失しました。これは本当に買ってよかったと思います。

運行前点検というと何やら大げさな気がしますが、要するにオートバイで走り出す前の最低限のチェック事項として

・前後ブレーキがちゃんと効くか
・タイヤの空気圧は適正か
・灯火類はしっかり点灯するか(電球が切れてないか)

この3点だけは割と真面目に確認しています。あとは私レベルの素人にできることは無くて、ふだんはオイル管理(エンジンを壊さないで使い続けるための最低限の義務)さえしっかりすればよいのです。交換のタイミングが来たらショップに行く。それ以外はヘタに手出しする必要はなくて、あとはもう1年点検でプロからのアドバイスがあればそれに従う。もし万が一、予測しないタイミングで何か違和感をおぼえたら先送りにせずショップに電話予約して駆け込むのが一番です。

はい、そういうことです。
これで充分なんです。
何の手間も心配も要らないんです。シンプルでしょ?



しかし。

しかしですね。

そうは言っても、ちょっとやってみたいぢゃないですか。


オ ー ト バ イ 改 造


なんかバラしたり部品交換したりとか、いろいろやってみたい気がする。本当はそういう道楽は若いうちに済ませておくべきだったんだろうと思います。高校のクラスの男子が原付をいじり倒している時に自分も積極的に参加していれば良かったのよ。

とはいえ過ぎ去った時間を悔いても得るものはゼロですから、大事なのはこれからどうするか?いや、今どうするか?であります。今この瞬間の行動が全てであります。人生は永遠に続くものではありません。明日にはどうなっているかも分からないのです。忘れてはいけない一点、それは「これからの人生で今が一番若い」という事を肝に銘じなければならぬ。

ということで。えーと、どこかにスズキ・ヴェルデあたりの2スト原付、余ってませんかねえ。























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