モモンガ通信2024年(第4期) ヴェノーヴァとかフルートとかオートバイとか・・・のどかさんの日常ヨタ話


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#60
2024年(令和6年)10月2日(水)
「霊名の祝い日(自分で自分にプレゼント)」


本日10月2日はカトリック教会の定める「守護の天使の記念日」すなわち私の洗礼名の由来となった日ですので「年に一度、盛大にお祝いする日」というわけです。人は生まれたその時からひとりに一人ずつ「守護の天使(Guardian Angel)」がついていて、人間の目には見えなくとも生涯にわたり片時も離れることなく共にいてくださるのだとカトリック教会は教えています。

私みたいな駄目人間を担当することになってしまった天使は実に気の毒といいますか、同じ仕事をするなら「もうちょっとマシな人間を守護する役目を担いたかった」と天使も本音では思っているかもしれません。ま、そのあたりは神の采配によるものですから私と私の守護天使は「腐れ縁」みたいな感じでこれからもずっと一緒にコンビるわけです。

私がホンの出来心で悪い道に足を踏み入れようとする時というのは、いわば悪魔が私を誘惑している状態であります。私の天使は悪魔を追い払おうと必死に戦わなければなりません。美しい天使の顔によもや傷をつけてしまうような事があったらお詫びのしようもありませんから、そういう事態が起こらぬように私自身が常日頃より心を引き締めて悪魔に付け入る隙を与えないよう努めなければならないのであります。

と、少しばかり真面目な前置きをしつつ、ここからはいつもの調子で吉田兼好の『徒然草』ばりに思いつきで私のモモ通を綴ってゆきたいと思います。

めでたい日は自分にプレゼントをしてしまう、という悪癖から卒業しようと思うのですが何かひとつぐらいは気晴らしになる買い物をしたいですよね。去年は洗礼を受けて20周年!とかいって割と盛大に自分への贈り物をしてしまい「その後の分割払いで涙する」みたいな状況が長く続いたのだった。なので今年は高額なものを買うのはヤメよう。そもそも春にスマホを落下で壊滅させたり夏にはPCが天に帰ってしまったりと災難が続いているので、正直お金もないのであった。出せても予算は4千円が上限だな、とかいったらそれこそ「ぬいぐるみ」をひとつ買って終わりですよ。もうちょっとひと工夫して何かいつもと違うものを入手したいよね。

ということで結論を先に言ってしまうと、モトクロスジャージを買いました。

この時点でいきなり何の話なのか解らずネタについてこられない読者が続出しそうなので順を追って説明したいと思います。

モトクロスというのはオフロード用のオートバイで定められた悪路のコースを走るレース競技であります。何をかくそう私はこのオフロード系の「文化」が大好きなのです。個人的には1990年代半ばにスーパークロスにどハマりしていました。スタジアムのような場所に人工的に悪路の周回コースをつくって、そこをオートバイで競走するというけっこうブッとんだレース競技であります。そんなアホなことをやらかすのはやはりというか当然、頭のネジが2〜3本は抜けてるアメリカ合衆国の連中でありますが、なんと日本でも神宮球場にコースをつくって世界のトップレーサーが走ったりしたのです。今では考えられません。

私はジェレミー・マクグラスという選手の天才的な走りにすっかり夢中になりました。

ほかの選手とくらべて、一人だけ別の次元にいるかのようにフワフワと柔らかいフォームでオートバイを操り、流れるような、滑るような圧倒的スピードで加速し、ほかの選手を魔術のように抜き去ってサクッと優勝してしまうのです。

YouTubeを見ると当時の映像なんかが普通にアップされているので驚きます。やっぱりマクグラス選手の走りは一人だけ次元が違います。



Jeremy McGrath's Year Of Domination





今の日本ではどういう訳かオフロード用オートバイは人気がありません。昔はそれなりにオフローダーがいたのですが、メーカーが販売する車種が減ったからオフ車人口が減ったのか、それともオフ車乗りが減ったからメーカーが販売をやめたのか、どっちが先なのかは謎ですがとにかくオフ車は絶滅危惧種です。競技用の車両は売ってるけど、保安部品がついてナンバープレートを取得して公道を走れるオフロードタイプをまともに売ってるのはホンダだけ、という草木も生えない状況になっています。


当然、「ナップス」とか「2りんかん」といったオートバイ用品店に行ってもオフロード用のウェアやブーツはほとんど店頭にありません。私の行動範囲においては実店舗でオフロード用品を割と本気で取り扱いしているのは「ラフ&ロード」だけです。「ラフ&ロード川崎店」は東急東横線・東急目黒線の元住吉駅から歩いてすぐ、という最高の立地ですから東急沿線民の私にとってはなくてはならないお店であります。

そして「でもなんで、わざわざオフロード用のウェアであるモトクロスジャージなんて買うのか?」という点についてはずばり


オフロード系のウェアは派手だから好き


という一言で結論が出てしまうのです。アパレル業界全域をひろく見渡してごらんなさい。普通に派手な服というのが最近は減ってますから、オフロード系の突き抜けたデザインは私に残された地上の最後の希望みたいなものです。派手な服を着ると気持ちが明るくなるのですよ。それだけで幸せなのですよ。

さて、オフロード用品にもいろいろなブランドがあります。FOX(フォックス)とかTHOR(ソア)とか個人的にはみんな大好物なのですが、有名どころのひとつにSHIFT(シフト)というのがあります。昔からあるブランドですが、ちょっと目を離した隙にいつのまにかロゴが変わっていました。



新旧ロゴ


かつてのロゴと現行のロゴ




過去も現在もSHIFTの "S" をデザインしているのは明らかなのですが、いかんせん、現在のロゴマークは我々日本人にはカタカナの「ラ」にしか見えないのであります。「ラ」って書かれたら普通に「ラーメン」とか連想してしまうのです。なんかちょっとダサいな、昔のロゴのほうがよかったな、と私は正直思っていました。この「ラ」が胸にデカデカと描かれているのとか普通に売ってるんですもん。正直キツいっすよね。

と言いながら、なんと!私はこのたびSHIFTのモトクロスジャージを買ってきたのであります。



ジャージ(前)


買ったのはこちらのデザイン




ちなみに今回掲載している画像は「ウェビック」というオートバイ用品販売サイトにて使われている画像をお借りしております。正式な型番がわかれば純正部品も買えたりする非常にありがたいサイトです。ほかにも自動二輪業界の最新情報やイベント関連のアナウンスなど、内容盛りだくさんです。そんなウェビックの公式サイトはこちらね。


ウェビック(公式)
https://www.webike.net/


モトクロスジャージ、こんなん なんぼあっても良いですからねえ、とミルクボーイの漫才のようなことを言いたくなってしまうのであります。このビミョーに緑っぽい青とか蛍光っぽい黄緑とか、私の好きなカラーリングですよ。



ジャージ(後)


背中は白ですな




胸にデカデカと「ラ」が描かれているわけでもないですし、肩の部分には普通に "SHIFT" と綴られています。問題は肘の部分ですね。見えますね、「ラ」の字が。私が今回購入を決意したのは、この肘の部分に全てがあります。次の画像を見ていただきたい。心して見ていただきたい。このモトクロスジャージを着用し、腕組をしている状態です。



腕組


ムラムラ・・・なん・・・だと?!




やだあ、どう見てもカタカナで「ムラムラ」って読めるじゃないですか!!

これ凄くないですか。腕を組むだけで「そのようなお気持ちを表明できる」というタエなる仕様がデザインされているモトクロスジャージですよ。まさか合衆国のSHIFTのために起用されたデザイナーが日本でこのような評価を受けることになるとは想像もしていなかったでありましょう。今回のモモ通を書くにあたって「SHIFT ムラムラ」とかで必死にネット検索しましたが2024年10月2日現在においてこのウェアにムラムラした人はただの一人も存在していないようです。つまり今日このモモ通を読んでしまった皆様は、まさにこの瞬間にSHIFTのモトクロスジャージでムラムラすることが可能だということを証明した最初の日本人グループとして強い絆で結ばれたのであります。これを私が着なきゃ誰が着るんだって感じですよ。ということで購入したというのが最大のニュースですよ。

かくして2024年の霊名の祝日、自分へのプレゼントとしてSHIFTの「ムラムラジャージ」を晴れて入手してニヨニヨが止まらない、という報告をして今日のモモ通は終わりを告げるのでありました。

まだまだ我々には伸びしろがあるな、というのが率直な気持ちです。今回のモトクロスジャージもひとつの例ですけど、これからの人生で思わぬ所で思わぬ衝撃的な出会いがたくさんあるに違いありません。世の中にはまだまだ無限の可能性があって、こういうセンセーショナルな感激にむせび泣くチャンスはきっといくらでもある事でしょう。希望を捨ててはいけないな、と思いました。

しかし「ムラムラ」っていうワード自体が生活の一部に登場したのは何十年ぶりって感じですよ。あー人生って楽しいっすね。

完。










#61
2024年(令和6年)10月10日(木)
「あらためて、オフロード車」


前回モモ通をアップしてから、また1週間以上経ってるんですけどワテクシのサボリ癖がなかなか矯正されていないのであります。今日は書けないから続きは明日でいいや、と「課題を何事も先送りにして逃げる」精神はあいかわらずです。いつもと違った話をしようとすると、色々と考えすぎてしまって手が止まるのよねん。

ということで、今回もオートバイ関連の話ってことで構いませんかね?


何しろ年がら年中「オートバイに乗りたいなあ」「またがって何処かへ行きたいなあ」と思いながら身をよじって暮らしているのであります。アレが欲しいコレが欲しいというネタはいろいろ書いてきてますがどれも「買う買う詐欺」になっており実際の購入に向けた話がまったく進んでいないのはすでに皆様ご存じのとおりであります。

いちおう現時点での私の方針を整理しますと:

1.主たる任務は「ご近所ちょい乗り」を前提とした小さく軽い車両にのりたい
2.ウチの近所だと区営駐輪場などの駐車スペースは「排気量50ccの原付のみ」という制約がある
3.スーパーの駐輪場に停めて、自転車オバちゃんにガンガンぶつけられても泣かずに済むような車両が欲しい

という条件から「原付購入計画」を発動しているのであり、そんな状況下で「50ccエンジンの原付は製造終了」という大きな波も来ているので次の一手をあれこれ模索している最中というのが今日現在の状況であります。


ちょっと話が原付購入計画から脱線しますが、先日つぎのようなニュースが流れました。
(以下引用)


テレビ信州
2024年10月6日(日) 12:11配信

林道でツーリング中に崖下に転落 大型バイクの女性会社員が重傷【長野】
https://news.yahoo.co.jp/articles/5dc33bd45e2bbe8439f5b78fc47fad555bd8ffcd



記事画像


キツいニュースですな




5日、下高井郡山ノ内町の林道でツーリング中の大型バイクががけ下に転落する事故があり、東京都の54歳の女性が重傷の模様です。

事故があったのは、山ノ内町の渋温泉と志賀高原を結ぶ金倉林道です。5日午後4時前、「女性がバイクで崖下に転落した」と一緒にツーリングをしていた仲間から消防に通報がありました。この事故で、東京都立川市に住む54歳の女性会社員が病院に運ばれましたが、頭などにけがをして重傷の模様です。
警察によりますと女性は複数の仲間と大型バイクでツーリングしていて、崖下に転落したということです。

現場周辺にガードレールなどはなく路面の状態も悪かったとみられ、警察が事故の原因を調べています。
(引用ここまで)



上記のような時事ニュースはすぐにリンクが切れてしまうので本文も引用させてもらいましたが、リンク先のページではテレビのニュース映像で現場付近の状況がおおよそわかる内容であります。場所としては長野県の北志賀高原、竜王スキー場の先で舗装路が終了するところから「アワラ湿原」をぬけて金倉神社の近くにある山ノ内町渋温泉に至るコースです。Googleマップで「アワラ湿原」を調べるとおわかりいただけるでしょう。


アワラ湿原(Googleマップ)
https://maps.app.goo.gl/ju7KcDTrP3oPQgZA9


まあ、ツッコミどころが満載なわけですよ。

・ライダーは54歳の女性
・大型バイクに乗車
・複数の仲間と走行
・事故内容は未舗装の林道で崖下に転落、重傷


ネット上で事件や事故の報道があれば何かと「叩かれがち」な世の中ですが、そういう悪意に満ちた「叩き屋」の視点ではなく、あくまでもひとりの「単独での未舗装路走行をこよなく愛するオートバイ愛好者」として、ひと言申したいのであります。

言い換えれば決して「事故の当事者をおとしめよう」とか「名誉を傷つけて優越感にひたろう」とかいう意図はありませんが、内容的にどうしても上から目線になってしまうのは、私も同じような遊戯を楽しむ「同好の士」「それなりに経験を積んで修羅場をくぐった者」としてある程度は辛口にならざるを得ないという事だけはご承知おきくださると助かります。

まず自分自身の経験や技能について正直に自白しておきたい。断言しますが、私はオートバイでオフロードを走る専門家でもなければベテランでもありません。むしろ自動二輪の運転技術に関しては未熟、経験も浅いのは自覚しています。


・幼少時から山歩きが趣味だったが、15歳で自転車(MTB:マウンテンバイク)を導入して林道、登山道の単独行をやるようになった
・10代〜20代はMTBによるクロスカントリー、エンデューロ、ダウンヒル、デュアルスラロームの4競技に参加していた
・競技引退後は旅行用自転車に乗っていたが未舗装路の峠越え走行などを楽しんでいた
・普通自動二輪免許取得後はヤマハTDR80で未舗装路の単独走行を積極的に楽しんでいた
・股関節の状態が悪くなり2024年現在は登山はしない生活、それでも林道への憧れは強く残っておりオフロード用オートバイに乗りたいと願望を抱いている


で、結論から言ってしまえば今回の長野県における林道走行での女性ライダー崖下転落事故については「何から何まで無茶をしすぎではないか」という、そのひと言に尽きるのであります。こう言っては何ですが、安全速度で走ればそれほど厳しいセクションではない。

私のどか(永遠の34歳)は、まあ「永遠の」を謳っていることから容易に察しがつくように実年齢はもう少し上であり「あまりにもいぶし銀がすぎる34歳」という感じです。加齢とともに身体中に相当ガタがきており10代、20代の頃のようにはいきません。筋力に代表される身体能力が落ちているのは明らかなうえ、瞬発力も反射神経も著しく劣化しています。54歳であれば1980年代〜90年代のバイクブームを知る世代でしょうけど、仮に若いころにガンガン乗れていた人であっても身体能力はヤング時代とはくらべものにならぬほど落ちているでありましょう。

私の経験で断言しますが未踏破の悪路を走行するのであれば車両は「軽さが正義」であります。今回のライダーが事故のときにどんな車種に乗っていたのかは分かりませんが、大型バイクと報じられていますから排気量は400ccを超えています。女性ですからホンダCRF1100LアフリカツインやスズキVストローム1050DEのような超重量級ビッグオフローダーとは考えにくいですが、私ぐらい背が高くて体重があればホンダXL750トランザルプぐらいはあり得る話ですし、小柄な方ならトライアンフのスクランブラーやホンダCL500だったとしても不思議はありません。しかし、いずれにせよ日本の林道を走るには正直デカすぎ&重すぎです。



アフリカツイン


アフリカツイン(画像はホンダ公式よりお借りしました)







トランザルプ


トランザルプ(こちらも画像はホンダ公式より)







CL500


CL500(上記と同様、画像はホンダ公式より)




私も自転車で崖からころげ落ちた経験はありますが、そのような最悪の事態に陥った時でも最後は自力で愛車を持ち上げて回収できるというのは最低限必要な条件であります。正直、オートバイは無理なのです。自転車レベルの重さじゃないと崖の下から自力で引き上げることは不可能です。

崖下に転落、といっても可能性だけで言えば状況はいろいろあり得ます。道の端っこギリギリに停車していたら後輪が接地する地面が崩れてズルズルと落ちた、という可能性もありますが、常識的に考えてそういうマイルドな落下ではないでしょう。「仲間と走行中」ということですからほぼ間違いなく自分の技量でコントロールできるレベルを超えた速度で制御不能のまま突っ込むようにコースから外れたのではないでしょうか。

仮に女性だけのグループであったならそのような可能性はきわめて低いです。みんなで金切り声をあげながら騒いで前に進まず「これ以上無理〜」と言うメンバーが出て、集団は止まってしまいます。そういうモンです。女性だけのグループが無茶なアタックをするというのは行動パターンとしてあり得ません。だから、これも断言しますが今回の事故は間違いなく男女混成チームで、前を走るライダーに必死についていこうとして能力限界を超えたスピード走行による自爆、これが真相だろうと思います。

集団走行では例外なく、このような「各自の巡航速度の違いによるアクシデント」が起きるのであります。全員が同じ車種に乗っているなら多少技量が劣っていても「前の車両についていく」のはある程度実現可能ですが、みんなが乗っている車種が違うならライダーの技能差とマシンの特性の違いの相乗効果が発生してしまい、よほど気を配らないと安全な集団走行なんてできません。

ここでオフロードの走行についてちょっと語ります。

車輪の径の小さい電動キックボードがちょっとした段差でもつまずいて前転してしまうのは皆様もご存じのとおりであります。悪路を走行するのは言い換えれば果て無く続く段差を乗り越えながら前に進むことですから、車輪の径は大きいほうが有利なのです。通常、舗装路を走行するスポーティなオートバイが前後17インチホイールであるのに対し、オフロード車は前21インチ、後19インチといった二回り以上も大きな車輪を装備しています。タイヤは悪路でもすべりにくいゴツゴツとしたパターンで路面に食いつくようにして走行します。そのようなタイヤは舗装路にはまったく向きません。車輪の径やタイヤの種類には向き不向きが顕著にあって、どんな条件でも性能は極上などというタイヤは存在しません。

しかし短絡的に結論を出し「オフロードなら21インチが最上かつ必須」と決めつけるのも誤りです。それこそモトクロスのようにレース専用コースで順位を競うのに用いるなら「前21インチ・後19インチ」というのはひとつの模範解答ですが、山の中のケモノ道みたいなところをじわじわと走破するとなれば必ずしも競技用モトクロッサーが適任とは言えないのです。ゆっくりと様子を見ながら走行し、時にはいったんバイクを降りて歩いて先のコース状況を確認してからバイクに戻って安全なラインを辿るように走行、というような「カメ速度で前進する作戦」もあります。路面状況は未舗装でも全体を通して極端な段差がなく比較的平坦であれば、17インチはおろか12インチのホイールでも走れてしまうのです。

実際私が乗っていたTDR80は前後12インチホイールでしたが、道なき道をかっとばすなんて走りをするはずもありません。時々は歩いてコースの下見をしながら慎重に走り、自分の技量では運転して越えられない区域ではエンジンをかけ駆動力を操りながら押し歩いて踏破するなど「安全第一で前進する」というスタイルでオフロード単独行を楽しんでいたのです。支えきれずに倒しても自力で起こせる軽さで、もうこれ以上の前進は無理だと思ったら狭い場所でもUターンできる小型サイズでしたから、無茶をしてエラい目にあった経験はただの一度もありません。

現実的に考えてビッグ・オフローダーというのは万全の体制でバックアップが得られるサポート・チームとともにラリーレイドに参加するためのマシンであって、そこにロマンはありますが少なくとも休日に趣味で乗るライダーが林道に持ち込むものではないと私は思うのです。イヤ、もちろんアフリカツインを愛車にして林道を走る人を否定しているのではありません。充分な運転技能のみならず不測の事態も解決するだけの実力を備えている方であれば全く問題はないのです。誰が何に乗ろうが自由、それはもっともです。でも、責任の所在はあくまでも自分自身にあって、すべての判断は自分にゆだねられていることを自覚しなくちゃいけないと思うのです。


ナンかあったら誰かに助けてもらおう


という甘えは一切許されない、という前提に立てばおのずとオートバイ選びからはじまって走行計画、そして実際のライド(家に無事帰るまでが遠足!)に至るまでの全てが結構なレベルで油断も隙も無い判断を強いられる真剣勝負になる、と私は言いたいのであります。

個人的にビッグオフローダーとかアドベンチャーバイクとかはジャンルとしては大好物で見ている分にはすごく憧れますが「自分が乗る」というのは別問題です。排気量250ccのフルサイズのオフローダーですら自分にはちょっと無理だなと思います。かつてヤマハにWR250Rというオートバイがあって「オフロード界のヤマハR1」などと呼ばれており、これにすさまじく憧れましたが跨ったら巨人の私ですら両足が宙ぶらりんで地面に届かず、こんなので林道を爆走したら確実に散るな、と思ったものです。

フルサイズ250ccオフ車のおおよそ4分の3ぐらいのサイズで、カワサキにKLX125というオートバイがありました。私が免許を取得したころは当たり前に売られていて(しかも憧れのライムグリーンが普通に店に並んでいるレベル)、私はその姉妹車のDトラッカー125が免許取得後にはじめて公道で乗ったオートバイであまりにも乗りやすく楽しいので「いいなあKLX125欲しいなあ」と思っていました。まあいつでも買えるだろう、と後回しにしていたらちょっと目を離した隙に製造終了してしまい今は中古車もプレミア価格でとてもじゃないけど買えない状態です。無念としか言いようがありません。



KLX125


買っておけばよかったグリーンのKLX




ということで今回の「女性ライダー、大型バイクで林道走行中に崖下転落」のニュースはいろいろと考えさせられたのですが、まあ私の結論としては


「となるとやっぱり小さいオフロードバイクが欲しいねえ」


というナナメ左下の地点に着地してしまったのであった。ツーリングしていて、メインの道の脇に魅力的な道がのびているのを見るとつい突入して見たくなる、あの感覚が今もなお私の中には熱く燃えさかっているのよね。

未舗装路にも躊躇することなく入っていける小さいオートバイが欲しいんだよなあ。それが私の心に残っているささやかな夢なのですよ。目が覚めるような加速だとか超絶なスピードとかクラス最上級のスペックとか、そういうのは全く興味がないのです。ただひたすら、未舗装路も走行できて、駐輪場で自転車おばちゃんにガンガンぶつけられても泣かずにいられて、普段から足がわりに「ご近所ちょい乗り」で存分に活用できる、そんな車種に私は乗りたい。










#62
2024年(令和6年)10月14日(月)
「あらためて、オフロード車 その2」


前回のモモ通で「実はオフロード用のオートバイが欲しくなっちゃったのよねん」みたいな話をしまして、どうせこれも一時的な発作のようなもので時間がたてば落ち着くだろうと思ってはいます。しかしながらやっぱり今乗りたいのはオフ車!ぜったいオフ車!!という暑苦しい思いが抑えきれないので、しばらくの間は私の感情の「はけ口」として同じような内容をグズグズと書いてしまいそうなので、あらかじめお詫びしておきます。まあ、オートバイの話しててもいいですよね?実際、誰も困らないですよね。

今日も最初の段階でいきなり脱線するのですが、品川区五反田から南にのび神奈川県に至る中原街道の話から書きます。話題がピンポイントにローカルすぎて誰得なんだよ的な情報ですが、現地人としてはかなりホットなネタなのでちょこっとだけ書かせてくだされ。

中原街道の一部、品川区内の特定の区間において従来は「時間帯によって車線区分(センターライン)が変更する」という糞ルールが実施されていたのですが、ことし10月15日の火曜日から終日片側2車線に固定される、という嬉しいニュースがあるのです。



警視庁看板


いたるところにある看板




もはや絶望的にローカルすぎて申し訳ないのですが、中原街道のうち首都高速2号目黒線の荏原(えばら)出入口を出た所から荏原警察署のあたりまで、前述のようにセンターラインが時間帯によって変更するという運用がされてきました。要するに通常であれば片側2車線の道であるものの、朝のラッシュアワーに限って都心方面に向かう車線を3車線にする(当然、逆方向は1車線となる)ということで渋滞の緩和を図る目的があったのだろうと思います。実際、中原街道から桜田通りを使って都心に出ようとすると朝の混雑はハンパないのであります。



センターライン変更案内


中央線を示す矢印表示が移動するギミックがある




しかし、これが現地人であっても一瞬迷ってしまったり、走り慣れていない人が逆走してしまうことによって「かえって危険を増長させている」という事実は否めないのだった。いや、原住民ならわかるだろ!という人もあるかもしれませんが、ついうっかり右折レーンに入ったつもりで気づいたら逆走、などというポカをやらかしたりするケースがあったりするのだ。正面からすごいスピードで車が走ってくる恐怖というのは割と真面目につらい。

これがようやく廃止されるのだ。助かる。私だってこの先、年齢をかさねたら思い込みでうっかり間違えて逆走をやらかす可能性がオオアリクイであったから、その危機が去ったと思うと安心感が違う。

この運用変更にあわせて「スポーツの日連休」も返上して道路工事(車線の引き直しなど)をやっていたから、現場で働く皆様にはあらためて感謝の気持ちを伝えたいところです。こういう、道路に関する変則的な運用は全部ヤメるのが正解だと思います。四輪車はどんどん肥大化(特に横幅がデカくなってる)しているけど、都心部の道は昔のまま変わらずに狭いのだから、単純かつ明快なルールで幅に限りのある道路を有効に使わないとダメですよ。最近は強引に「自転車専用レーン」なんかをつくったりしてる場所がありますけど、ウチの近所だと四輪の路駐ゾーンになっていてむしろ逆効果です。自転車が専用レーンを直進できず、かえって車道にノールックで飛び出してくる状態です。

余計なレーンをつくってはいけない。後ろの車両に追いつかれたらすみやかに左に寄って容易に道のゆずり合いが可能な状態さえつくれば日本国内では充分なのであーる。

と、ここまでが本筋とは一切関係のない「前置き」であります。そもそも論としてここまでの話がオフロード用オートバイと何のかかわりがあるのか?というレベルですからね。正直スマンかった。

そしてようやく本題の「オフ車に乗りたいよぅ」という話に入ろうと試みる訳ですが、ここでちょっと脇道にそれなければならぬ。脱線からはじまって本題に入る前にまた脱線の宣言である。私の文章力は一体どうなっているのであろうか。

しつこいほど繰り返しになるので今日はひと言で済ませますが、私は諸事情により50ccクラスの原付自転車が欲しいのであります。それ以外は候補になり得ません。割と真面目に駐車スペース問題は深刻なのです。

しかし、前回のモモ通で「買っておけばよかった」と申し上げたオフロードバイクはカワサキKLX125なのであります。排気量125ccじゃないか!今更欲しいもへったくれもない。話に一貫性が無いぞ!!

実は皆様ご存じのように、排気量50ccエンジンの原付は来年の秋をもって製造が禁止されるのであります。厳しい排ガス規制を例外的に許してもらっていた期限が、来年の9月末で切れるのです。10月以降は製造販売はNGということです。そして、それに先立つ6月付で発効する法改正もあり(雑に言うと、今後販売するオートバイはポジションランプがついてないとダメ的な内容)、製造をつづけてきたホンダとスズキは「5月で製造を終了するずら」と既に宣言しています。

この「排ガス規制に対応するのダルいから製造やめます」という流れは、いわば時代遅れの法律に立脚した原付自転車を文字通り「廃止」する千載一遇のチャンスでありました。法規の試験をパスするだけで運転技法を知らなくても免許が取れてしまう原付自転車、あるいは車の運転免許を取得しただけで謎にオマケとして原付運転資格が付帯されてしまう珍制度にトドメを刺す格好のタイミングでありました。過去に取った人はともかく今後は原付自転車の運転免許は廃止、車のオマケも無し、二輪に取りたければオートバイ免許を取りなさい!という単純明快なルールができる可能性を秘めていました。

今までの50ccエンジン原付ユーザーから「愛車が古くなったので乗り換えたい」と不平が出たとしても、別に選択肢はあるのだから何の問題もなかった。

・普通自動二輪免許(小型限定)を取得する←AT限定なら2日で取れる
・エレキ原付を買う←すでに日本メーカーも販売しており、普通に売ってる
・50ccエンジンの中古車を探して買う←いずれ無くなるかもしれないけど、今なら普通に売ってる

などというように考えれば「このまま廃止」でも何の問題もなかったと思う。ところが「日本あるある」的な流れで原付自転車をなんとか存続させようという謎の勢力があらわれて従来の法制度とは全く整合性の取れないトンチンカンな解決策を半ば強引におしすすめて「新基準原付」を誕生させる流れが劇的スムーズに展開しちゃったのであります。

端的に言うと「排気量50ccエンジンで排ガス規制対応するのはコスト的に無理があるからヤル気ゼロだけど、かわりに110cc〜125ccクラスの大排気量エンジンを出力制御・性能低下させて『従来の50ccと同等』とみなして製造販売してもいいかな?いいよね?ってことでヨロシク」という屁理屈で原付自転車の延命を実現させてしまったのです。

おそらく来年(2025年)春のモーターサイクルショーでは新基準に適合した原付自転車と銘打って非力化された110cc〜125ccの車両が発表されるでありましょう。

私自身はこの「新基準原付」については全く興味がなく、たとえば排気量125ccのデカくて重たいスクーターにのって時速30km走行するとか二段階右折するとか考えただけでも「げろっぱウェ〜」なのでハナから購入候補に挙がることはないのであります。しかしながら、今回の法改正によって誕生する「125ccだけどパワー的には50cc相当な車種」がもたらす駐輪場問題への波及効果には目を光らせております。

これまでも繰り返し書いたようにウチの近所では「バイクは50cc限定」という駐車スペースが非常に多いのです。区が管理運営している駐輪場や東急沿線の駅の駐輪場はどこもみな「排気量50ccに限る」というルールです。これはいったい何を根拠に確立されたルールでしょうか。少なくとも車体サイズ基準ではないことは確かでありまして、ビジネスバイクのホンダ・スーパーカブ50とスーパーカブ110は寸法はほぼ一緒ですが区の駐輪場にスーパーカブ110を停めることはできません。管理担当のオッチャンに「ここは50ccじゃなきゃダメだよ!」と怒られて、追い払われるのであります。

そうであるのなら、新たに登場する「新基準原付」は区の駐輪場に置くことができないのでしょうか?原付自転車を存続させるために法整備をしたのに、その原付が排気量を根拠に置かせてもらえない、そんなバカなことがありますか。おそらくはOK扱いでしょう。

では、従来の(というか通常の)125ccを停めてはいけない理由は何でしょうか。新基準原付とサイズも一緒なら排気量も一緒。それなら同じ場所に駐車しても何ら問題はないはずです。エンジンの出力が違う、というのは根拠になり得るでしょうか。原動機の出力の強弱と駐車場使用の可否について、その明確な関連性を合理的に説明できるのでしょうか。

屋内駐輪場に関しては消防法が関係していると聞いています。50cc以下と、それを超える排気量とでは駐車スペースに設置するべき防火設備の基準が異なるということです。仮にその原則が適用されるなら「新基準原付」は従来の屋内駐輪場に置くことができなくなってしまいます。どうする?

2024年10月14日現在、この駐車スペース問題について結論がハッキリしていません。

私の本音としては「もう125ccまで無条件で停められるようにしちゃえヨ」と言いたい。ルールを複雑にする行為は無駄以外のなにものでもない。いっそのこと、横に停めた自転車オバチャンにガンガンぶつけられても本人がノーダメージであるなら、車種も排気量も問わずどんなオートバイでも停めてOKにしちゃえば良いのだ。車体に傷つけられるのがイヤンな人は、ちゃんと大金を払って相応の駐車スペースを確保するってもんよ。日本国民は貧困化が急速に進んでいるんだから、オートバイに乗る貧民層にも暮らしやすい世の中を作ろうではないか。頭をやわらかくして柔軟に対応してゆこうYO。

ということで、新基準原付の登場によって駐輪場の区分にどのような変化があるのか、今後の展開をじっくりと様子見したいところです。事と次第によっては区営駐輪場に排気量125ccのオートバイが置けるようになるかもしれません。であるなら今は結論を急がなくても良い訳です。維持費に関しては50ccも125ccも変わりません(任意保険も同じ)ですから、置き場所問題さえクリアできるならあえて50ccにこだわる必要が無くなります。自動二輪免許保持者なら110ccや125ccに乗ったほうが使い勝手ははるかに上ですもん。

その昔、2ストロークエンジン全盛のころは50ccでも素晴らしいオフロード車がありました。登場してから約15年にわたって改良をかさねつつ製造販売された名車ヤマハDT50、ホンダの人気車CRM50、いやそれ以上に思い出深いのは加曽利隆さんが旅の相棒に選んだスズキTS50ハスラーですよ。何年モデルなのか即答できないのが残念ですが、白い外装に黄色のシートのハスラーが大好きでした。ハスラーを名乗る50ccオートバイは歴史が長くて、初代は1971年とか72年とかだったような気がします。そう、スズキのハスラーといったら現在大人気の可愛い四輪よりも先にオートバイが思い浮かびますよ!!とはいえ今更2スト50ccなんて乗りたいとも思わないもんなあ。



TS50ハスラー


50ccとは思えない立派なサイズが魅力的でした




このような、見ているだけでワクワクするような、アウトドア遊びに出かけたくなるような、いや、さすらいの旅へと魂を誘(いざな)うような雰囲気をたたえた楽しそうなオートバイが最近は絶滅したのが寂しいんです。ずっしりと重量感のあるアドベンチャーバイクは、ちょっと違うんです。

あーやっぱオフ車に乗りたいなあ。でももう日本のメーカーは国内では売る気ゼロなんだよなあ。日本では不人気だからしょうがないとはいえ、つまらない世の中になったモンですよ。何が多様性だよ。まあ猫も杓子もミニバンとSUVの二者択一になってる四輪の世界に比べたらはるかにマシなんですけどね。

あの独特の緊張感で身も心もひきしめつつ、悪路に突入する瞬間を思い起こしながら眠るとしましょう。あー未舗装の林道を走りたいよー。










#63
2024年(令和6年)10月18日(金)
「あらためて、オフロード車 その3」


ネタ的には相変わらず「オフロード用オートバイが欲しい」というスタンスにてお送りいたします。よりによって、自動二輪の中でもっとも人気が低いオフロード車が話題という事で、話題についてくる読者がいるのでしょうか。でも気にしないのです。世の中のニーズとか人気のジャンルとかいう「売れ筋のハナシ」など私の人生にはなんの関わりもないのです。好きな話を好きなように存分に書きまくるのが気持ちいいんです。一度きりの人生ですからね、

さて、オフロード車が欲しいと言いながら今日もまた脱線した話から始めるのであった。平常運転ですな。

四輪の世界だと大金を積んで新車を購入しても買った瞬間から価値が暴落、査定金額は光の速度で下落して7年も経つと容赦なく「査定額ゼロ」などと言われます。おいふざけんな!と思うのですが「値段が下がるのがイヤならシボレーのC3型コルベット・スティングレーの程度極上車を買うんだよ」などと言われたものであります。今でこそ、1980年代や90年代あたりのスポーティな車が信じがたい価格に高騰、それに伴い盗難事件が多発。あげくの果てには海外に流出するなんていう事態も起きていますが、昔はそういう現象はきわめて趣味性の高いごく少数の車種に限られていたのです。

インターネットが普及した今では考えられないことですが、中古車市場の価格相場というのは業界の人でなければ想像もつかず、提示された値段が適正なのかどうか素人には判断ができないのが当たり前でした。超絶ボッタクリもあれば信じがたい掘り出し物(お買い得車)もあったりして、当時は電話帳のように分厚い書籍として販売されていた「カーセンサー」を隅から隅まで眺めて車を探したものであります。

そんな中でも不思議な現象として「中古は中古でも総じて軽自動車の中古は割と高い」という現実がありました。下取りに出すと値段もつかないような状態の車両でも、中古車販売店に並ぶときはけっこう高い価格がついている。昔から軽自動車は一定の需要があるせいなのか、中古の割高感は当然のように存在していたのです。

ここから四輪の話を離れて自動二輪のネタに突入します。

先日私は「ちょっと欲しいである」という原付についていろいろ調べたく思って、久しぶりに「マンフレート・アルブレヒト・フォン・リヒトホーフェン男爵の店」に突入したのでありました。中古オートバイ販売店なんてそうそうカジュアルに冷やかし入店できるスポットではありませんから、今回は割と意を決して情報収集に向かったのであります。

先に結論を書きますと曜日のせいか店員さんが皆「Super大忙し状態」で私ごときの相手をしてくれる余裕などなく、聞きたいことも話せぬまま店内を一周しただけで逃げ帰ったのであった。

それでも、店頭に並ぶ車両たちの価格表示を見て感じたことがあります。中古オートバイに関しては総じて、大型バイクの割安感が凄い。もとの値段を考えると、よほどの人気車を除けばたいていの車種で経年相応の価格の下落が感じ取れるのであります。これを言い換えると、車検が要らない軽二輪(250cc以下)やその下のサイズの車両は割高感が強い。

たとえばこちら。最高にイカしたカワサキZ650。私のハートのど真ん中に突き刺さる黄色であります。



Z650


最高(私は免許無いから乗れないけど)




その名前から察していただけると思いますがエンジンの排気量は650ccなのであります。考えてみてくだされ、軽自動車ですら660ccですぞ。660ccあれば大人4人が乗れる四輪が走るんですぞ!!660ccというエンジンを股の下に挟んで体をむき出しにした二輪車が走行する、って想像を絶するほどにブッ飛んだ行為じゃないですか。私はそういう発想から逃れられなくて、ナナハンだの1000ccオーバーだのというデカいオートバイに乗る勇気がない(しっかり操れる気がしない)のです。



前


かっこよすぎて気絶しそう




ちなみにこの展示されているZ650というオートバイは2018年のモデルであります。初度登録年は2020年(令和2年)11月で現時点での走行距離はわずか10,224km。値段を見てびっくり。



価格


車検2年、6ヶ月の保証付で49万8千円




なんですこの目を疑うほどの安さは。この年式のZ650(ABS付)でこれほどに綺麗で、さらに6ヶ月保証付という信じがたい好条件なのは逆に何かウラがあるんじゃないか的な気分になります。実際、帰宅後に同じ条件で調べた範囲では中古相場は60万を超えているのがほとんどでした。いや正直、62万円でも安いと思いますよ私は(新車価格は車両本体だけでも100万円コース)。

どうやら中古車なりの価格下落にプラスして「ザ・不人気色ナンバーワン」の黄色ということで元・所有者も涙の大暴落という感じでしょうか。黄色好きとしては号泣する現実ですけど、逆に黄色のZ650を血眼で探している人には超朗報じゃないですか。中古車検索サイトでもこれほど綺麗で走行距離も少ない黄色は簡単に見つけられるものではありません。世が世なら私が即決購入していたことでせう。発狂せず仕事を続けていたなら手付金を払ってキープしてもらい、すぐ大型自動二輪免許取得のために教習所に駆け込むレベル。いやー、これは掘り出し物であります。

驚きはこれで終わりませんでした。もう一台、素晴らしい車両を目撃して鼻血ブー。マジで失神するかと思いました。



ER-6n


まぼろしのカワサキER-6nを発見




うぎゃー!カワサキグリーンなER-6nではありませんか。夜空に輝く星のように存在するカワサキ歴代の名車の中で、奇人変人っぷりが猛烈にスパークして「これはスズキ・・・いや、カワサキだ!(驚愕)」という異端児、さきほど紹介した黄色いZ650の先代モデルと言うべき孤高の存在、誰もが振り向くER-6nであります。すごい。何もかもが眩しい。



前


タテ長の異形ヘッドライトと可愛い形状のメーターバイザーが芸術的で思わず舐めてしまいたくなる




私が普通自動二輪免許を取得したとき、カワサキはER-6n(排気量650cc)とER-4n(排気量400cc)をラインナップしていました。TDR80を買った私は近所のカワサキショップ(だいぶ前に閉店してしまった)でオートバイ駐車場を借りていたのです。このときにER-4nの存在を知り、400ccのオートバイなんて全く乗る気もないにもかかわらず見た目に惚れこんでしまい、ショップの店長さんに見積もりをお願いしようと声をかけたことがあったのです。

すると店長さんは首をふり「ER-4nは初心者には薦められない」と言って頑(かたく)なに私の申し出を拒絶したのであります。いかにも頑固一徹という感じのオヤジさんでしたが、いくら頼んでも「初心者には薦められない」の一点張りでありました。むろん私自身、まだひよっこビギナーという自覚はありましたから「よほど運転が難しいオートバイなのだろうな」と思って諦めた思い出があります。

なんにせよ当時、ER-6nもER-4nもまったくの不人気車であって、私はすごく良いデザインだと感じるのですが世のライダーからの手厳しい言われようはまさにボロクソ状態で叩かれまくっているというのが現実でした。ER-6nには黄色がラインナップされていた時期もあり、ネット上でしかその姿を見たことはありませんがカッコよいというよりも既に芸術かと思われるほどに素晴らしいものでありました。まあ現実世界で見たことなどありません。というか私自身、今日に至るまで公道で走っているER-6nやER-4nは見たことが無いのであります。

やっぱカワサキならグリーンよね、という気持ちが昂(たか)ぶるER-6nであります。身体中に電流火花が走りまくって私はショートするかと思いましたよマジで。



価格


おどろきの価格で失神しそう




何よりもビビったのが販売価格であります。実際のところ、まあ古いオートバイでありますよ。2008年モデル、といえば平成20年ですからね。16年も経っている、といえば四輪ならポンコツ扱いでしょう。初度登録年が平成19年11月ですから発売直後に誰かが飛びついて購入したのは想像に難くない。しかし走行距離はわずか26,471km。3ヶ月の保証が付いて値段はなんと!348,000円です。34まん8せん、ですよアニキ!!これはもう事実上、タダ同然です。

考えてもみてくだされ。現在において超絶人気を誇る125ccの趣味用オートバイの代表、ホンダ・ハンターカブCT125を新車で買おうと思ったら車両本体価格だけでも473,000円するんですよ。エンジン排気量125ccですよ。それが47万を超えているんですよ。余談ですがスーパーカブC125は45万円、クロスカブ110でも36万円です。それよりも安いんですよ、このER-6nの中古車は。なんか頭痛がしてきた・・・

大型自動二輪免許が必要なオートバイなんて新車で買おうものなら所持金100万円では足りません。たとえばホンダ・CL500は863,500円。カワサキの現行Z650なら1,034,000円。新車じゃなきゃ絶対ヤダ!中古は無理!!っていう人はともかく、私なら35万円で売られているER-6nを放ってはおけません。16年前のオートバイ、というとビミョーに危険な香りを感じて身構える人がいるかもしれませんが、普通に生活していたら10年なんてあっという間ですからね。2008年といえば私が酒をスパッとヤメた年でありまして、言ってみれば「つい先日」ですよ。ER-6nは古いと言えば古いけど、危険なほどに古すぎるという訳でもない(と個人的には感じます)。

このように、オートバイの世界も四輪と同様に余程の人気車でもない限り、古いものは経年相応に価格が下落してゆくものであって・・・

と言いたいところですが、どうも私の調べている限り「四輪でも軽自動車は割高感がある」のと同様に「小さいオートバイは割高感がある」という現象が間違いなく存在していると思うのであります。というか、そういうものだという確信があります。

もともと私は細くて軽いオートバイが好きで、ちっちゃい車種が大好物でありますから興味の対象も購入候補も必然的に軽二輪もしくはそれより小さいのに絞られてきます。

で、私がひそかに「乗りたいである」と思って虎視眈々と狙っている車種が、ホンダ・グロムという排気量125ccのオートバイです。


ホンダ(公式)2013年05月22日 ニュースリリース
躍動感あふれるスタイリングの「グロム」を発売
https://global.honda/jp/news/2013/2130522-grom.html



初代グロム


ホンダ・グロム(2013年発売)




可愛いでしょ。でしょでしょ。黄色良いでしょ。うふ。当時のモーターサイクルショーで実物を見て「これは良さそうだなぁ」と思ったのであります。寸法的には過去の愛車TDR80に近い感じ。まあ、4スト125ccエンジンということでずんぐりして重量感・ボリューム感がありますから、TDRのような軽快感・スリム感には程遠いのは否定しない。でも私好みの小径ホイール車であり、黄色くて可愛いから許しちゃう。

むろんオフロード用ではない、というか誰が見ても普通に舗装路を想定したデザインと思いますが、なんと世のオーナーの多くがこのちっちゃいオートバイにキャラメルのようなゴツゴツのあるブロックタイヤを装着して悪路走行を楽しんでいるのだった。「グロム 林道」といったワードでYouTube動画検索をすると、グロムで林道を走行している人の動画がたくさん出てきてびっくりします。


グロム×モトクロス!オフロード!
Makotto Rider






グロムは車体の一番下(腹の部分)にエンジンからの排気管が後方にむかって配置されていますから、林道を走っている人の動画を見ると段差や障害物に排気管をぶつけて壊してしまうのではないかとヒヤヒヤします。しかし、みなさん上手い具合に車体を操って悪路走行を楽しんでいるのです。

このグロム、モデルチェンジを重ねて現在も最新型が売られている車種ではありますが、初代モデルは2013年の発売であり当然のことながら中古車は「10年落ち」(よりももっと古い)ということになります。当時のメーカー希望小売価格は309,750円です。であるなら、10年も経っていれば中古車の価格は18万とか17万ぐらいに落ちていても不思議はないですよね、普通の思考回路で考えると。

しかし。しかーし。中古相場は、まったくもって高値安定(固定)状態なのであります。ボロボロの個体なら安いものはありますが、ちゃんとメンテナンスが行き届いて良好なコンディションを保っていそうなものを探すと、全くと言っても過言ではないほどに値段が落ちていません。



中古その1


あれ?価格が(涙)







中古その2


むしろ値段が上がってるレベル




繰り返しますがあからさまにボロボロになってる「くたびれ個体」であれば安いものもあります。でも、それでも20万をやっと切るぐらいで割高感はぬぐえません。要するに相場が高いんです。

もっと年式の新しいグロムであれば、私がこれ以上語る必要もない状態です。割高というかむしろ高すぎて涙こらえつつ諦めるような現実があります。私はこの黄色がどうしても欲しいですから2013年式しか興味ないのですが、さすがに状態のよさそうなタマ数はずいぶんと減ってきた印象です。

グロムにブロックタイヤを装着して林道走行、というのは夢の夢で終わりそうな感じだぁ。

まあ、少なくとも現時点において「置き場所問題」を考えたら排気量50ccの原付しかないという事ですから、割高感を感じつつも今のところはまだ価格高騰には至っていない50ccを中古で狙うのがヨイでありましょう。

何を隠そう私がターゲットにしているのはずばり、ホンダ・リトルカブ50であります。

思い起こせば今年7月24日のモモ通でひっそりと水色の中古リトルカブを見に行った話を書いているのであった。その後サクッと売れてしまったので諦めたのですが、やっぱりリトルカブという車種そのものが私のハートを掴んで離さないので、その後も情報収集をしてきたのであります。何しろスーパーカブは歴史が長いうえにバリエーションも多すぎて、素人からすると何がどう違って端的に言ってどれを買うべきなのかがサッパリわかない。考えた末に私は14インチホイールを装着したリトルカブにターゲットを絞り込みました。なんと言っても見た目が最高に可愛いですからね。

そして知ったのです。リトルカブにも歴史があり、年式によっては「キャブレター仕様」「セル始動」「4段変速」のモデルが存在したという真実を。


ホンダ(公式)1999年09月08日 ニュースリリース
コンパクトな原付バイク「リトルカブ」シリーズをマイナーチェンジし発売
https://global.honda/jp/news/1999/2990908b.html



リトルカブ


キャブレター仕様、セル始動、4段変速だぁ




車体の腹の部分を見れば、排気管を段差や障害物にぶつけてしまいそうなグロムよりも、まっ平なリトルカブのほうが安心感が上ではなかろうか。カブ系のビジネスバイクで林道を走っている人の動画もいっぱいあるから、私が狙うべきなのはむしろコッチではないかと思ったりする。

とはいえ似たような事を考える人は多いようで、この「キャブレター仕様・セル始動・4段変速」のリトルカブはそこそこのニーズがあるらしく割とスピード勝負な争奪戦になっています。タマ数に関してはこまめにチェックしているとポツポツと中古市場に出てきますが、出ればサクッとすみやかに売れていくという感じでしょうか。グロムのような価格高騰はありませんから、低予算でもなんとかなりそうな状況で落ち着いています。今は狙い目だろうなと感じますが、来年に50cc原付の製造販売が完全に終わったあとは、市場価格が上がる可能性が高いと思います。

さーて、次の一手はどうすべえ(←多摩地区の言葉で締めくくってみた)










#64
2024年(令和6年)10月22日(火)
「あらためて、オフロード車 その4」


今回もネチネチとオートバイの話を続けます。年がら年中オートバイが頭の中をぐるぐる巡っているんです。他にこれといった趣味もないものですから。

まずは、前回のモモ通で「仮に今も仕事をしていたなら手付金を払ってキープしてもらい大型自動二輪免許取得のために教習所に走るレベル」と評した黄色のカワサキZ650。店頭で実車を見たらシビレまくった素晴らしい一台。



Z650 黄色


カワサキの公式画像。うむ、素敵だ




ちなみにこの黄色は2018年モデルにのみ用意されたカラーバリエーションで正式名称は「パールシャイニングイエロー×メタリックフラットスパークブラック」といいます。しかし店頭にあった車種の画像を見ると細部に違いがあります。公式の画像と見比べるとだいぶカスタマイズされた車両だったのがわかります。ホイールに黄色のリムテープが貼ってあるのがとても似合っていましたが純正のホイールには付いていません。私も黄色いYZF-R15には黄色のリムテープを貼っていたので、あのZ650の元オーナーさんとセンスが共通するものがあるのでしょう。

もうひとつ、リアフェンダー周辺(ナンバープレートの取付位置)がずいぶん違います。純正のZ650はかなり長さのあるフェンダーが後方に張り出していますが、お店で見たZ650はフェンダーレス仕上げに改造していたようです。私は正直「フェンダーレス加工」というものにあまり良い印象がありません。この加工を好む人の中に、かなりの割合で「ナンバープレートの角度を極端に上に向ける人」がいるのがイヤンなのです。プレートを上に向けるというのは「パッと見てもナンバーが分からないようにしている」という事で要するに素性を隠そうとしている訳ですからマトモな奴とは思えません。でも最近はナンバープレートの取付に関して法律が厳しくなって、適切でないと車検も通りませんから大型自動二輪で変な改造をする人はほぼ絶滅しました。車検のない小さいオートバイはあいかわらず無法者がのさばっていますが・・・

なんにせよ黄色のZ650はマジ最高!と言いたいところですが実車を見てから数日経ってみると、むしろ348,000円という破格の安さで事実上「投げ売り状態」にあった緑色のカワサキER-6nのほうが気になって仕方がありません。車体の見た目(形状)に関しては圧倒的にER-6nのほうが私の心に刺さるのです。



ER-6n 緑色


デザインはこっちのほうが好き




カワサキと言えばこの色、ライムグリーンですよ。ER-6nでは2008年モデルにて用意され、正式名称は「キャンディライムグリーン」と言います。さっきのZ650に手付金を払ってうんぬん、という前言撤回がここで炸裂します。どう考えてもこのグリーンのER-6nのほうが素敵です。

これはストレートに言って「黄色補正が強く働いてZ650がかっこよく見えた」という事実を認めないわけにはいきません。同じオートバイでも色が黄色いだけで5万倍ぐらいかっこよさが増してしまうという現象があります。色に目がくらんで本質が見えなくなるというパターンですよ。ためしに、黄色のZ650とライムグリーンのER-6nの画像を並べてみましょう。



Z650とER-6n


やっぱり右側のグリーンの方が好みです




曲面・曲線によって構成されたER-6nのデザインはかなり個性的です。ここ数年のオートバイデザインの潮流はシャープでとがった直線的なラインが流行ですから、現代の最新スポーツ車を見慣れた目にはなおさらです。

その昔、ヤマハにZeaL(ジール)という4気筒250ccエンジンを搭載した丸いライトの車種があり、デザインは「ジャンプするイルカ」をイメージしたという曲線を巧みに用いたものでクラシカルなデザインとは一線を画した独特の雰囲気があり個人的にはかなり好きでありました。カワサキER-6nも「茶色い毛がはえていたら哺乳類」という感じの不思議な空気をまとっています。

タテに長いヘッドライト、その上にポワンとのっかっているオニギリみたいなメーターバイザー、フロントフォークを横から覆うようにつきでたシュラウドに埋め込まれたウインカー、横からの見た目が愛らしいエンジン、リアサスペンションのレイアウト(もう見るからにカワサキ風味)、そして先に紹介した黄色いZ650とは異なり後方に飛び出していないフェンダー周辺のコンパクトなまとまり、というふうに細部を見れば何から何まで最高にイカしてます。

よせばいいのに調べてみたら2006年モデルには「ビビッドイエロー」というカラーバリエーションが存在したようです。もしもER-6nに黄色があったらどんな感じだったのかな?と思って調べた私が愚かでありました。なんといいますか、もう、最高に狂ってるとしか思えない(←褒めてる)すさまじい破壊力でありました。2006年というと私は脊髄に穴が開いて寝たきり生活を送っていた後遺症でヨレヨレ状態でしたから、オートバイどころではない時代のまっただ中ですよ。仮にER-6nの存在を知っていたとしても、大型自動二輪免許を取得して乗れるような健康状態ではありませんでした。



ER-6n 黄色


ビビッドイエローのER-6n(2006年)




まあ当然のように当時爆発的に人気を誇った、というような事実はこれっぽっちもなくて、翌年にはこのカラーバリエーションはあっさり消滅しています。やっぱり日本では黄色は売れないのです。絶対に。黄色は圧倒的に不人気カラーなのです。ただでさえ中古市場に少ないER-6n、検索サイトを見ても黄色を在庫している店などあるはずがない。

まあ黄色好きからすれば黄色いER-6nのかっこよさは芸術の域に達していると言えます。世の中にこれほど素敵な自動二輪があったなど、むしろ知らずにいた方が幸せだったのかもしれません。これ買って乗ったらこの世の富の全てを手に入れたようなものですよ(断言)。ついでなので、試しに最初に紹介したZ650の黄色と画像を並べてみましょうか。



黄色のZ650とER-6n


私は問答無用で右、黄色成分の多いER-6nを選ぶわ




こんなオートバイに乗っていたら頭の中の「しあわせメーター」がふりきってしまい鼻の穴から脳みそがドバドバと流れ出てしまうのではなかろうか。正気を保ってはいられないでありましょう。これこそ昭和時代の子供たちに恐怖を与えた都市伝説「黄色い救急車」ではないだろうか。いや、控えめに言って最高です。超かっけえ。


Promotional Video of ER-6n






動画で見ると感動もひとしおですね。曲面デザインを立体で感じることができます。排気量のわりに車体がちっちゃく見えるのは気のせいでしょうか。やっぱりオニギリみたいなメーターバイザーが可愛いのがたまりませんぞ。あと、リアのウインカーも地味にかっこいいデザインですな。

YouTubeってすごいですね。けっこうな数のER-6n関連動画がアップされています。余計な事しゃべらなくていいから排気音をきかせてくれ、みたいな気分で片っ端から見ちゃったりする。2気筒のエンジンサウンドもなかなかにゴキゲンであります。あれ?なんか地味に良いオートバイではありませんかね、カワサキER-6n。


Dynomite Motorcycles - 2008 Kawasaki ER6-N






メーターパネル、ほんとに可愛いですね。針が赤いアナログのエンジン回転計が素敵すぎます。速度表示はその下の液晶画面にデジタル表示。そして動画をいくつか見ていて気づいちゃったのですが、ER-6nくん、さては燃料計(ガソリン残量メーター)が無いねキミ。

さて皆様は燃料計(ガソリン残量メーター)が無いオートバイに乗ったことはありますでしょうか?「残量が少なくなったので、そろそろ給油してください」と警告する「警告ランプ」すら無い、などという鬼畜な車種はまず存在しません。警告ランプはあるけど燃料計は装備されてない、というオートバイは割と普通に存在します。ランプがついたらガソリンスタンドに行けばいいんでしょ?と思うかもしれませんが、たいてい点灯して困るのは旅先の山坂道をひとりで走っている最中とかです。今はスマホで最寄りのガソリンスタンドを探す等の対応が可能ですが、昔はそんなものなかったから人里離れた山奥で警告ランプが点灯した時の焦りはただごとではなかったのです。

トリップメーターが装備されている車種なら大した問題はありません。何度か走行と給油をくりかえして「ガソリンを満タンにしたら何km走れるか」を経験則で導き出したら、給油のたびにトリップメーターをゼロにして走行距離を目安にして給油のタイミングを自分で判断できるからです。問題は燃料計もトリップメーターも無い車種よね。

前回給油した時のオドメーターは何kmであったか、などというのは覚えているはずもない。ホンダ・ジャズみたいな軽い原付であれば、車体を股の間に挟んだままハンドルを握り左右にゆすってガソリンタンクの中のチャプチャプ具合で「そろそろだな」と感じ取る技が使えますが、デカくて重たいオートバイを左右にゆするなんて倒すのが怖くて出来る訳がありません。余談ですが床下にガソリンタンクのあるスクーターも「左右にゆすってチャプチャプ作戦」はうまくいきません。タンク位置が床下だと車体をゆすっても残量がよくワカランのよ。

そういえば最初にレンタルで借りて公道デビューしたカワサキのDトラッカー125も燃料計が無かったなあ。記憶に誤りがなければカワサキ250TRも燃料計が無かったように思う。でも指でつまんで回すだけでゼロにできる機械式のトリップメーターはちゃんとあった。

そもそもオートバイの燃料計って意外とアテにならないんですよね。満タンにするとしばらく満タン表示。走っても走っても満タン表示。なかなか減らないなあ、と思いながら乗っているうちに気付くと半分ぐらいを指している。まだ半分あるなら余裕だな、と思っているとその後「つるべ落とし」みたいに爆速でメーターの針が下がってゆき、アレヨ、アレヨという間にそろそろ残量がヤバいですゾーンに突入。警告灯も点灯する。しばらくは点いたり消えたりしていた警告灯が、やがて常時光りっぱなしになる。やばいよ、やばいよー、とかいいながら冷や汗をかきつつようやくガソリンスタンドにたどり着くと、そういうときに限ってガソリンの値段がバカ高いスタンドだったりする。背に腹はかえられないから観念して給油すると、あれ?これしか入らないの?まだ500ccぐらい残ってたんじゃないか??みたいな、なんとも納得しがたいビミョーな気分になる。そういう経験ないっすか?

タンクの中のガソリンにプカプカ浮いてるフロートの高さで残量の目安を検知している構造だから、上り坂と下り坂でガソリン残量が増えたり減ったりすることもある。要するに「おおざっぱ」なんですよね。その根本的な構造は50年以上変わってませんから、フルカラー液晶表示のメーターパネルを装備した最新オートバイでも、なんだかんだで燃料計の表示は言うほどアテになりません。給油のたびにトリップメーターをリセットしてゼロ表示に戻し、前回給油してからの走行距離で自分で判断する方がよっぽど正確だったりしますな。

という次第で、まさかの「排気量650ccの大型車なのに燃料計すら無い」という疑惑がわきおこり、ER-6nに対する愛がいっそう深まっているのであります。でもやっぱり黄色じゃなきゃイヤなんでしょ?と言われそうですが私はむしろ店頭で見たライムグリーンに惹かれているのであります。あくまでも私の個人的な好みですがカワサキに乗るならライムグリーンがいい!!ライムグリーンじゃなきゃヤダ!!という感情が確固として存在するのですよ。残り少ない人生をどう生きるかを真面目に考えたとき、もし仮にカワサキ車に乗れる奇跡があるのならその時は何があってもライムグリーンに乗りたい!という熱い思いが私の内側で燃えているのです。

私は原則としては「絶対黄色じゃなきゃイヤだマン」だけれども、黄色のER-6nなんて中古で探そうと思ったら茨の道まちがいなしですよ。果たして日本国内で見つけられるかどうかもわからないレベル。確かに黄色であれば最高ではありますが、目の前にまごうことなきカワサキのシンボルカラー、ライムグリーンが超絶に美しいER-6nが普通に店頭在庫として売られている(しかもまさかの348,000えん!)のだから、何をためらう必要があろうか。

というわけで私は大型自動二輪免許を取得していなくてヨカッタと胸をなでおろしている次第です。そもそも乗る資格がないのだから、スパッとあきらめがつきます。仮に大型自動二輪免許を持っていたらどんな発狂っぷりをスパークさせたか想像もつきません。無職が大型自動二輪購入なんて無謀が過ぎる、とわかっていても感情が先走って自己制御ができず、販売店が扱う信販会社ローンの審査は当然のことながら通るはずもなく逆上し、血迷ってクレジットカードのリボ払いで購入に踏み切る!!などという愚行をやらかしていた可能性がオオアリクイ。それってストレートに言って人生終了コースですよ。

それに、どんなにER-6nが最高レベルで好みにジャストフィットしていようとも、これでオフロードというわけにはいきませんよ。そもそも横倒しになったら自力で起こせませんよ。無理無理。ぜったい無理。

私は車に関しては「今一番好きな車は日野ポンチョ」という結論に達しておりまして、メルセデスだろうがフェラーリだろうが他の車が束になってかかってきてもポンチョには敵わない、足元にも及ばないという謎の上から目線で生活しております。しかし日野ポンチョを買えるはずもないし、そもそも運転免許すら無いのであります。でも好きだからいいんです。渋谷区を走るコミュニティバス「ハチ公バス」は私のものだと思っていますから、それで充分満足なんです。

それと同様に、カワサキER-6nは私の心の愛車という扱いにして「持ってないし乗れないけど事実上私のもの」という位置づけにして今後は生きていくことにしました。ちょっと何言ってるか解らないですけど要するに自分名義の所有物になっているかどうかはそれほど大事ではなくて、魂の中では愛車にしているという特殊な地位で燦然と輝くER-6nをこれからもずっと大切にしようという事です。やっぱり何言ってるか解らないですよね。

アリクイと一緒よ。自分で飼えばいいというものではない。飼育のプロフェッショナルである動物園スタッフの皆様にすべてお任せするけれども、私の心はいつでもアリクイと一緒、という話ですよ。ER-6nもそういう扱い。なんというわかりやすい説明。このように、なんであれアリクイにたとえると難しい内容も理解できますねえ。

かくして、今日の話はいったい何がオフロードだったのだろうかという疑問の余地を残しつつおしまい。



Z650最新モデル


現行モデルのZ650は全く別のステージでかっこいい




余談ですがER-6nの直系である水冷2気筒650ccエンジン搭載のZ650最新モデルは、ふんわりもっこり系のER-6nからは想像もつかないようなパキパキにとがったSFメカ的デザインになっております。やっぱカワサキのオートバイは良いですな。










#65
2024年(令和6年)10月26日(土)
「あらためて、オフロード車 その5」


前回のモモ通でカワサキER-6nというオートバイにすっかり魅せられてしまった話をしました。私は大型自動二輪免許を持っていない(怖くて取れない)のでデカい排気量のオートバイは根本的に縁が無いのでありますが今更ER-6nのデザインがツボにはまってしまい、一番好きな大型自動二輪の横綱であったスズキGSX-S1000GTをトップの座から引きずり下ろしてしまったのであります。もはや大事件です。予想外の展開すぎて自分でも困惑しています。GSX-S1000GTが負けるとかありえない。



GSX-S1000GT


ツアラーの王者スズキGSX-S1000GT







ER-6n


個性的なデザインで私を虜にしたカワサキER-6n




さて話はちょっと脱線しますが、私は皆様すでにご存じのように「コレクター気質」という側面があります。趣味の方向性が収集癖という形で構築されてしまうというやっかいなタイプです。実際問題として部屋の中には数えきれない量のぬいぐるみが積みあがっている訳です。かつては初音ミクのフィギュアがすごい数量で積まれていた時期もありましたが、引っ越しの際に処分するという感じで現時点ではオタク部屋として見ると口ほどにもないというかコレクターとしてはヌルいレベルで落ち着いています。

問題は、この収集癖が正直「あまり女らしくないよね」という側面で炸裂している点であろうと自覚しています。いまの住居で無数に転がっている動物のぬいぐるみを除外すると、基本的には乗り物とテレビアニメのメカで構成されている状態です。具体的に言えば鉄道や自動車のミニチュア、あとはガンダムやゾイドのプラモデルという真実に目を背ける訳にはいきません。

フィギュアに関しては『スーパードールリカちゃん』のドールリカが唯一のコレクションとして視界に入る机の上に飾っていますが、その横にあるのは国鉄時代の懐かしい塗装のディーゼル特急「キハ183系」の先頭車両であります。

かつて鉄道業界で働いていた時のエピソードですが、何かのはずみで接待の席に下っ端として同席させられたら同業他社のチョー偉い人から声を掛けられ自宅に呼ばれ、その偉い人のおびただしい鉄道模型コレクションを見せつけられてひれ伏すという珍事がありました。鉄道模型の線路が敷き詰められたジオラマ応接間(?)があり客人はそこでもてなすという「ひとり鉄道博物館」みたいな屋敷でありまして、私はもはや話についていけない高レベルな鉄道談議にずっと相槌を打ってすごしたのであった。

私自身、鉄道という乗り物そのものの知識は無い(ナニナニ電鉄のナニ系とかナニ形とか、そういうのは解らない)にせよ、かつては自転車を分解し袋詰めにして鉄道を利用した「輪行」を旅の手段としていたからブルートレインや寝台特急、夜行列車などの話はついていけるし、子供の頃は国鉄が「チャレンジ20,000km」っていうキャンペーンをやっていたこともあって「旅ネタ」と絡めれば話題に乗ることができたので割と盛り上がってしまった。結果的にすっかり気に入られてしまい、そのあと凄い高級そうな店に連行されてご飯をいただいて終電ギリギリまで拘束された記憶があります。

たしかに鉄道模型は「過去の旅で好きだった車両(すでに引退)を手元に置いて飾っておける」みたいな喜びがあり、ちょっと油断すると欲しくなったりするのです。キリがないのでヤメましたが、本物の鉄道車両を個人が所有することなど事実上不可能だと考えると模型をコレクションするというのは「わからないでもない」という気がします。

そういう考えで行くと「実際に自分が所有するのは厳しいけど、模型やミニチュアなら手元にコレクションして飾っておける」という考え方に対しては非常に好意的な心情になるわけです。



コレクション


コレクションすることで満たせるものがある




かくして私自身「大好き(もしくは大好きだった)けど今の時点で現実として所有するのは不可能なもの」をミニチュア収集という方法で気分的に満足を得る、というのを地味に実行しているのであります。43分の1スケールの日産パルサーEXAのミニチュアがどれほど私の心に平安を与えてくれている事か、ほかの人にはまったく理解できないであろう。



パルサーEXA


ミニチュアでも好きな車を眺めている時間は幸福であります




余談ですが車に関しては同じく43分の1スケールの「日産エクサ・キャノピー」「日産NXクーペ」「シトロエン2CVチャールストン」をコレクションに加え、部屋の片隅に飾っているのであります。またゾイドに関しては一番好きなオオカミ型の「コマンドウルフ」の72分の1スケールモデルを飾り、ガンダムについても「ガンダムAGE-1スパロー」と「Gエグゼス」という2つの機体を並べて眺めてはニヨニヨしているのであった。このような文脈で私はミニチュアに限らずコレクション趣味というものに対してはかなり好意的なイメージを抱いております。

で、ここからがいよいよ今日の本題であります。つまりここまでの話は前置きです。

結論からズバッと書いちゃいますけど、乗る乗らないは別にしてコレクションとして部屋にER-6nを置いておくというのもアリではなかろうか?というのが今日の話です。

な、なにをお前バカな事を言ってるんだ、とお??りを受けそうですが割と私は本気です。好きなメカを手元に置いておいて朝な夕な眺めては43ニヨニヨする、という意味では80分の1スケールの鉄道模型も43分の1スケールのミニチュアカーも144分の1スケールのガンダムとなんら変わりません。1分の1スケールの本物を部屋に置いて「免許もないし乗れないけど好きだから」といいつつ眺めて過ごす、というのはコレクターとしては取り立てて騒ぐほどの事でもないような気がする。海外のコレクターだと好きな飛行機を自宅の敷地に保管したりするようなトンデモ級なマニアがいたりしますから、オートバイを1台「観賞用」として持っているだけ、なんていうのは番付としては序二段レベルだろうと思いますよ。

家に飾って隣で寝る、というのが狙いであれば「車体だけ買ってくればOK」ではないでしょうか。あとはふだんからホコリを払いピカピカな状態を保っておけば充分満足です。本来であれば動態保存が望ましいのでしょうが、免許のない私には走行可能か否かで価値が変わることもない=意味がありませんからバッテリーをはずし油脂類を抜き、完全にモスボール化してしまうのであります。

はい、ここで我々一般人には聞きなれない言葉が登場しましたね。「モスボール(mothball)って何?」と思う方が大多数でありましょう。もっぱら軍事分野で用いられる用語でミリタリー好きなら普通に通じる用語ですが、マニアがWikipediaに割と詳しく解説を載せているので興味ある方は読んでいただきたい。ざっくりいえば「使用しなくなった兵器を劣化を防ぐ処理をした上で保管すること」という意味です。

車検が切れた状態でもいっこうに構わないし任意保険も入らなくて良い。つまり維持費はゼロですよ。年に一度の自動車税については、可能であれば運輸局で車を抹消登録(「永久抹消登録」ではなく「一時抹消登録」)すればよい。ただ一時抹消登録の申請をする際に理由を問われるのは間違いないし、説明するのも面倒な気がするから自動車税ぐらいなら払っても良いか。

いわば床の間に飾ってある「掛け軸」や「日本刀」や「陶磁器」と同じようなものです。「化石」や「隕石」をコレクションしている人と何もかわらない。コレクションとして置いておくだけなら所有すること自体になんの負担もない。死ぬまで好きなオートバイの隣で暮らせる、というシンプルな話ですよ。コレクターとしてはおとなしいレベル。

と、私は割と真面目に考えているのですが、そこが「頭おかしい人」たるゆえんでありましょう。

いや、それだったら普通自動二輪免許で乗ることができるER-4n(排気量400ccのモデル)を買えばいいじゃん!という人がいるかもしれません。しかし、ER-4nには黄色もなければライムグリーンも無いのです。おにぎりみたいなメーターバイザーが、黄色だったりライムグリーンだったりするから可愛いのに、それが無いならわざわざ乗る意味なんてないでしょ。黒とか赤とか、別にいらんわ、って思う。



2011年黒


ER-4n国内デビュー時(2011年)の黒







2011年赤


同じく2011年モデルの赤







2012年白


翌年(2012年)ER-4nは白にカラーチェンジ







2013年黒


2013年の黒をもって販売終了、わずか3年の短命に終わった




しかも、大型のER-6nは中古市場価格が谷底レベルまで下落していますが、排気量400ccのER-4nはむしろ「希少車扱い」ということなのか強気のプレミア価格が付けられています。極端にタマ数が少ないので「希少車」というのはウソではないにせよ、あえてプレミア価格で買う価値などありません。ただの古い不人気車ですよ。年がら年中あちこちの故障を修理しながら好きでもない色の古びたER-4nに乗り続けるよりも、部屋に飾ったライムグリーンのER-6nと毎晩一緒に寝たほうが断然幸せです。というか、実際に乗る前提なら普通に現行モデルのホンダ・グロムを買ってブロックタイヤをはかせて未舗装路もふくめたルートでツーリングを楽しみたいですよ。デカくて重たい400ccなんて私の旅のスタイルに合わないよう。

ということで、ここ数日は割と真面目に「ライムグリーンのER-6nを部屋に置いて暮らす老後」みたいな妄想をふくらましていたんですけど、よくよく考えてみたらER-6nみたいな巨体を部屋に置いたら自分が寝るスペースが無いわ。現実問題として無理っぽい。



ライムグリーン


ライムグリーンはむしろ好きだぁ




ふと思いましたが私の身の周りにはけっこうライムグリーンな物があるんですよねー。どちらかといえば好きな色なんでしょうね。さすがに「ライムグリーンのER-6nをコレクションとして家に置こうかな計画」は断念することに決めましたが、やっぱりこうやってアレコレ考えていると自分の内面にはカワサキ車に対する未練が相当に濃厚な感じで残っていることを自覚した次第であります。やっぱり10年ちょっと前に普通にカワサキKLX125が売られていた頃に買わなかった自分がすべて悪いんだよ・・・今更ウダウダ言ってる自分が悪いんだよ・・・










#66
2024年(令和6年)10月30日(水)
「あらためて、オフロード車 その6」


かくして私の愛車(所有しているとは言ってない)はライムグリーンのカワサキER-6nということで話は落ち着いたのであります。所有しているか否か、という違いなど神の栄光の前では取るに足らないレベルの些細な問題に過ぎず、私がER-6nを持ってないし、そもそも免許すらない事実など正直どうでもいいのです。重要なのは「カワサキER-6nってマジでかっこいいっすね!」と心の底から感動することを通じて最終的に天におられる神を賛美できれば充分なのであります。

と、上記のようなトンデモ結論により私はシンプルに心の平安を得た次第です。まあ頭がおかしい人の考えなんてこんなもんですよ実際。あんまり難しく考えていません。

自分の愛車はカワサキER-6nであるとの前提に立てば、なおのこと「それを補完する意味でオフロード車を追加しなければならぬ」という問題提起があらためて沸き起こるのであった。

私は何も本格的なオフローダーが欲しいとは言ってません。あくまでも「ご近所ちょい乗り」の目的で原付を購入するにあたり、できることなら軽い悪路(未舗装路)も走れるタイプだったら嬉しいなあ、という程度の妄想をふくらませているに過ぎないのであります。

まだ確定した情報ではありませんがカワサキが今年11月下旬には新型のオフローダー「KLX230」を発表するという噂があります。カワサキは新たに空冷単気筒230ccの新型エンジンを採用した「W230」「メグロS1」を秋に発売開始すると宣言して話題をさらっていますが、この新型エンジンを搭載したKLXシリーズもまさかの市場投入という話です。日本では超絶不人気で絶対に売れないに決まっているモタード型モデルもリリースするようで、カワサキは本当に学習能力が無いのであろうかと不安になるレベルであります。ホンダですらモタードはもう二度とやらない!と痛い目にあっているのに、懲りないなあカワサキ。

なんにせよ新型KLX230が登場したところで私の人生には関係ないのであります。「置き場所どうすんのよ」とか「どこ走るのよ」とかいう問題以前に金額的な意味で購入不可能なのであります。社会的身分で言えば底辺である無職マンに許されるのは原付まで。それが世の習いですよ。

ということで私は相変わらず「どうするのが自分にとってベストな選択になるのか」という自問自答をダラダラと続けているのであります。中古オートバイ検索サイトでホンダApe(エイプ)やホンダXR50モタードを必死に探したり、スクーターにブロックタイヤを履けば何とかなるのではないか?などと妄想したり、悩みながら頭を抱える日々を送っているのであった。



XR50モタード


なかなか良いじゃないかXR50モタード







XR50モタードその2


2005年に発売され2007年モデルで終了!やっぱりモタードは日本では不人気




さて、そんなこんなで悶々と悩んでいた秋のある日、私はめずらしく友人と一緒に走行する機会がありました。ご存じのように私は一匹狼(一匹エゾモモンガ?)ですから行動パターンとしては基本的に単独行であります。誰かとコンビる事はめったにない私が謎の協調性を発揮して誰かとともに旅を楽しむというのは極めて珍しい事件ということであります。

話は脱線しちゃいますけど要するに「相手で決まる」んですよ実際。一緒に居て楽しい人であればおのずと一緒に旅すれば楽しいのであります。私だって絶対に独りじゃなきゃイヤだ!という訳ではないのですよ。その微妙な匙加減を考察するのが億劫だから原則として独り行動をしているだけであって、これは言い換えれば私がただの面倒くさがりと断定しても差し支えあるまい。

その友人は原付マンの私にペースをあわせるべく激シブいビジネスバイク(ホンダのスーパーカブみたいなタイプ)で颯爽と登場し、チンタラ走行な私をせかすこともないゆったりライドで一緒に走ってくれたのであった。鳥羽一郎の『兄弟船』の歌詞「型は古いが時化(しけ)には強い」じゃないけど、年季の入った車体でありながらも整備が行き届いてエンジンの音も高らかに華麗に街を通り抜けていたのであります。

で、そんな愛車にまたがる友人の姿をミラー越しにチラチラ見ながら私は走っていたわけですが、何が一番シビレたかといえばビジネスバイクというのが放つ圧倒的な「非・存在感」といいますか「まったく目立たず風景の一部にとけこんでる感」であります。要するに、


地元の人にしか見えない


のであります。今はスーパーカブシリーズといえどもアウトドア風味にあふれた「ハンターカブCT125」とか「クロスカブ110」とかが人気ですし、スーパーカブもビジネス用というよりは完全に趣味用の上等車である「C125」なんていうモデルが人気であります。これらはパッと見ただけで「レジャー用」「趣味用」という雰囲気があふれ出ており、普通に走行していてもツーリングしてます的な空気をたたえるのです。

しかしそういう特殊モデルではなく、ごく普通のスーパーカブであれば、それはもう昔ながらのビジネスバイクであってそれ以上でも以下でもないのであります。新聞配達や郵便配達のアニキの乗る、あのイメージです。スーツ姿で乗れば信用金庫の営業担当者さんに見えるし、おかもちを持ってたらお蕎麦屋さんにしか見えないし、カゴがついていれば八百屋さんでしょう。そうでなければ「ご近所マン」にしか見えません。大荷物を積んで「日本一周」の旗でもたてていれば旅人に見えるかもしれませんが、そうでなければ地元民にしか見えないのです。これは言い換えればすごいステルス性能であります。旅人としての存在感を完全に消し去って、どこに行っても「ご近所移動中」の空気をまとうことができるのです。

カワサキのオートバイでその名もずばり "Ninja" を名乗るモデルがありますが、色が見事にライムグリーンだったりしますからまったく「忍んで」いません。忍者がそんなに存在感アピールしてどうするよ的な逆ベクトルの振り切り感がハンパ無いのであります。それを思うと、真の忍者というべき存在はビジネスバイクなのではないかと思いました。それも、黄色とかピンクとか乗っちゃあダメなんですよ。濃いブルーとか濃いグリーン、これに白いレッグシールドが装着してあるだけでステルス性能が一気に高まるという真実ですよ。

かくして「お前の話は同じ内容を何周くりかえせば気が済むんだよ」とお叱りを受けそうではありますが、私はやっぱりカブが欲しくなっちゃったのよねん。もう完全にループ状態ですわ。カブがいい→やっぱイラネ→カブがいい→やっぱイラネという2ストローク機関で9000回転ぐらいしてますよマジで。

これまでは「改造カブに乗りたい」だの「選択肢はリトルカブしかない」だのとウダウダ言ってましたが、やっぱりここはステルス性能を追求して普通のスーパーカブがいいんじゃないでしょうか、というのが現時点のワテクシであります。旅先で気配を消して隠密行動をしてみたい。



スーパーカブ50


こういうのが良いんだ(たぶん)




スーパーカブで未舗装路の走行を楽しんでいる人もいるようです。


プレスモーターサイクル
スーパーカブで林道ツーリング!(Poor man's Off-road Cub)






こちらの動画に登場しているスーパーカブは50ccではなく、もっと排気量が大きいタイプのようです(ナンバープレートの登録で判別)。さすがにこれだけ人数が集まってつるんで走行しているとスーパーカブといえども「組」とか「団」って感じでなかなかの威圧感があります。あくまでも個人的見解で異論は認めますが、一般人目線で言わせてもらうと二輪でグループ走行するならもう少し人数を抑えた方が良いような気がします。カブでも群れるとちょっと怖い。

個人的には時速30kmで後続車に道を譲りまくりながら単独走行、というのが至高ですな。ってアレ?ご近所ちょい乗りではなく旅する話にすり替わってないか?

そうなのよ。ここにきて直面している課題はすなわち「ご近所ちょい乗りメインで使用する」のと「未舗装路を走行してエンジョイする」というのが品川区民的にどうやっても両立不可能なのではないか?という点であります。50ccのスーパーカブが解決策になり得るのか、もうすこしじっくり考えないと結論は出ない模様。

うむ、悩ましいであります。










#67
2024年(令和6年)11月3日(日)
「あらためて、オフロード車 その7」


品川区五反田から南にのびる中原街道の一部区間(首都高速道路2号目黒線の荏原出入口付近から荏原警察署付近までのエリア)にて、従来は時間帯によってセンターラインの位置が変更する運用がされていたのを、ことし10月15日火曜日から「片側2車線に固定」というふうに運用変更されました。

スポーツの日にからんだ連休あたりまで交通整理をしながら車線の引き直しを行うなど割と本気の工事が行われていたので、現地民としてはどのような感じに完成するのか楽しみに見守っておりました。

ついうっかり過去の習慣で反対車線を「逆走」してしまうことがないように、道路上にわかりやすいペイントを施すなど工夫がみられ、道路行政に携わる皆様の並々ならぬ情熱を感じ、現場で改修工事をすすめる作業員の皆様には尊敬の念すら抱いておりました。

そして10月15日より、新しい車線での運用が無事開始されました。すごいぞ!!こういうのをバシッとやり遂げちゃう日本人って、やっぱりかっこいいよね。

あれ?



表示1


は?







表示2


一番肝心な部分が雑じゃないですか




なぜだ。何故なんだ。あんなに渋滞が発生するのも承知の上で通行規制までして緻密な作業をつみかさねて、車線の引き直し等に関してはまさに完璧としか言いようがない状態で新しい運用に向けた道路を仕上げておいて、いかなる理由でそこだけ手を抜いちゃうんですか。バッテン印して終わりだなんてやだー。絶対ヤダー。

と、今日もまた「それってタイトルと何か関係あるんですか」っていう話をしたうえで早速本題に入ろうと思います。

このところ「路面状態のきわめて悪い舗装林道とか、普通に軽トラが入ってくるレベルのフラットダートとかを走りたいなあ」と思いながら、そういう系統のツーリングを楽しんでいる方々のYouTube動画を見て過ごしております。なにも、強烈な斜面や段差だらけの命がけコースとか、藪漕ぎが必要レベルのケモノ道をオートバイで走りたい訳ではないのです。走行途中に予期せぬ砂利道などがあっても、臆することなく突入してゆっくり走破して最後にやにはウハハと笑えるような人生を歩みたい、ただそれだけであります。

そして、そういう前提で考えると前回書きましたようにスーパーカブでも楽しめてしまう訳で、これを言い換えると「正直、車種はなんでも構わない」という結論に達するのであります。

いわゆるオフロード用のオートバイというのは、たとえばモトクロスという競技で勝つための性能であったり、本格的なダートをしっかり走破するための仕様であったり、あらゆる面で「特化」しているものです。段差を走破するために強靭でありながらしなやかに動くオフ専用の足回りやちょっとやそっとではエンジンのある腹の部分を地面にあてることのない最低地上高、そんな側面を追求してゆけば結果的にヤマハWR250Rみたいな車両になってしまい、私の身長と体重をもってしても足が地面に届かないというすさまじいオートバイが完成してしまうのよね。



WR250R


オフロード界のR1と呼ばれた名車ヤマハWR250R




足が地面に届かないオートバイ、というのは当然の話として「走っている時はいいけど止まる時にどうするよ問題」が発生します。停止する直前におしりを左におもいっきりズラして左足をおもいっきり伸ばし、バレリーナのごとく爪先で立つ、という必殺技を繰り出さねばなりません。口で言うのは簡単ですが、信号があって発進・停止の繰り返しが延々と続く街中で乗るのは拷問というよりも事実上不可能といった方が適切です。

ましてや運転技術が未熟な素人が足つきの悪いオートバイに乗って安易にオフロードに突入したらどうなるか。悪路走行のテクニックを身につけた上級者が相応の速度で走行するためのオフロード車、そんなものに素人がまたがって、おっかなびっくりユルユル前進するのはメーカーからすれば「想定外の使い方」でしかない。障害物に車輪を取られて前進できなくなり即エンジンが停止、バランスを崩してとっさに足をつこうと思ったらそこは凹んだ地形でした、という流れで結果としては横にガシャーン間違いなしですよ。停止中に横倒しになるとオートバイに足をはさまれたりするので大けがをする可能性もあります。単独行でこんな転び方をして自力では脱出できない、となったら目も当てられません。

トライアルのように「足をついたら即アウト」みたいなルールがあるなら話は別ですが、素人は足で支えるしかないのです。つまり足つきの良さというのは(特にダートを走行したいなら)きわめて重要ですし、それと同時に車体の軽さも見逃せないポイントになってきます。素人がダート走行を安全に乗りきるには「ちっちゃくて軽いオートバイ」というのが何よりも大切なのです。それが最優先であって、


・乗車中でも安心できるレベルで足が地面に届く
・先に進めなくなったら簡単にUターンできる
・車体が倒れても自力で起こせる
・トラブルで自走できなくなっても押して歩ける


という条件さえ満たしていれば正直「車種は問わない」と断言してもよいのです。私はもともと自転車で山に入っているクチでしたから(実際、走行不能になった自転車を担いで下山した経験は何度もアリクイ)、これは経験上まちがいなしの必須条件といえます。上述の4点は自転車なら当たり前にクリアできる項目ですが、オートバイだと話は違います。倒れた時の車体の自爆ダメージは自転車とオートバイとでは天と地の開きがあります。オートバイは横に倒れただけでもオノレの重量でハンドルが曲がったりクラッチレバーやウインカーが折れたり外装が割れたりします。被害状況の深刻度が自転車の比ではないのです。



Tiger 1200


いまはデカいアドベンチャータイプが人気




トライアンフのタイガー1200ラリー・エクスプローラーとかドゥカティのムルティストラーダV4とか、カタチ的に見てる分には大好きですけど自分が乗るとか想像しただけでも怖い。排気量1200ccで車体重量が245kgとか正気の沙汰ではない。どこでも行けるZE!などとイキって日本の林道に持ち込んだら身動きが取れなくなるに決まっています。ガシャンとやったら修理代がいったい幾らになるのか、もはや恐怖でしかありません。

このように、いろいろ考察を巡らせていくとどうやら私には車種はなんであろうとも、綺麗な状態のオートバイはまったく必要がないということが判明したのであった。外装が割れてるとか色があせてるとか、そういうのはまったく問題が無い。むしろ最初からボロいほうが倒したときに心のダメージが少なくて済む、というぐらいでありましょう。つまり車種はなんでも構わないからとりあえずちゃんとエンジンがかかってちゃんと変速する(スクーターなら前に進む)中古の原付を買えばそれで済んでしまう話ではなかろうか。環境性能向上のため高度に電子制御化されたフューエル・インジェクション搭載の最新型原付とか絶対に要らない。むしろチョイ古原付(ちょいふるげんつき:ちょっと古い原付)でキャブレターの掃除をしましょう!とかいうメカメカしいタイプの方が長く乗れるんじゃなかろうか。

かくして「悪路走りたいよ!オフロード車に乗りたいんだよ!!」という欲望が時間の流れとともに「なんでもいいからボロくて安い原付が欲しいんだよ」というシンプルなステージにころげ落ちているのであった。さすがにちょっと2スト車はいまさら勘弁願いたい。股関節が悪いマンなのでエンジン始動はセル式じゃないと困る、というささやかな願いだけを「たったひとつの譲れない条件」として軸足に据えつつ、スクーターに乗るのも辞さない覚悟で今後の方向性を探っていこうと思うのであった。



朽ちたスクーター


こうなる前に私に声をかけてほしかった




そもそもの目的が「ご近所ちょい乗り」だったんだから実際スクーターでも構わないじゃんね。私自身、学生時代はホンダDio(初代)でウエスタン東京の林道を走っていたのだし。中古車検索サイトで「価格の安い順」でなるべく近所の店を探せばいいんじゃなかろうか。そしてスクーターを買う→オフロードの話がどこかに吹き飛んで「モッズになろう」と騒ぐ→変な改造をやろうと決意する、みたいな話のループ状態がまた繰り返されるのであろうか。もう私の話す内容は同じことを何度も繰り返してるだけみたいな感じになってきてますよね。

ということで長きにわたる連載「あらためて、オフロード車」というネタも今回が完結編ということでよろしかったでしょうか?(誰に訊いてるんだよ)

ひゅるるるるる〜










#68
2024年(令和6年)11月7日(木)
「横浜DeNAベイスターズ日本一を祝ってオートバイから話題をそらす努力をする」


前回のモモ通まで「オフ車に乗りたい」「ダートを走りたい」的な激情にかられてツラツラと思うところを書き続けてきましたが、結論から言うと今の自分が本格的なオフローダーを買うのは金銭的に無理だし置き場所の問題も解決できないしで「アレコレ考えるだけ時間の無駄」じゃないか、むしろ車種なんてなんでも良いのではないか、といういつもの展開となったわけですよ。

発作的に思いついたアイデアでつい妄想が膨らむのだけれども、心を落ち着けて考えるとどれも実現させるのは相当にキツいよなあ、みたいな流れになって最後は尻切れトンボ的に収束する、というのが「様式美」のようになってきました。

しばらくはオフ車のこととか考えるのはヤメときましょうかね、という感じでようやく気持ちが穏やかさを取り戻しつつあるそんな矢先、またしてもちゃぶ台をひっくり返すような動画を見て興奮しておりました。アメリカ合衆国空軍特殊作戦部隊がカワサキ製の小型オフロード車であるKLX110L/KLX110R Lを改造して配備、運用しているという内容です。


USA Military Channel
特殊作戦用「カワサキ」ミニバイク:極限の環境での展開






ガタイのいい兵隊さんが全身作戦装備状態で排気量110ccクラスのちっちゃいオートバイに乗っている姿がめっちゃ可愛いんですけど何ですかこれは。

たしかに現場(つまりは戦場ということになるねえ)の雑用あれこれに用いる足代わりの乗り物としては最高に便利だろうなって思います。過酷な状況下であればあるほど「ちっちゃくて軽い乗り物や装備が有効」というのを合衆国空軍はちゃんと理解しているんだなって思ったら嬉しくなった。

富士学校の演習で陸上自衛隊の「偵察オート」ことKLX250のデモンストレーションを見たことがありますが、ステップの上に立ち乗り・手放し走行しながら小銃で射撃したり、車体を盾として活用する戦術で運用したり、さながら現代によみがえった鎌倉武士団かと思うような見事な車体さばきで大いに感動したことがありました。

実際問題として日本の国土防衛を具体的に考える場合、わが国の地形ならびに道路事情を考えるとオートバイの積極活用というのはポテンシャルに満ちていると思う。

戦車についても、北海道の原野を想定し設計された90式戦車が山がちな本州以南で性能を出し切ることは不可能であるから、より小型軽量で自在に運用可能な10式戦車が開発・配備された歴史があります。高出力で火力に勝る巨大な戦車が即「最強」とはならないのです。世界最強と言われる合衆国陸軍のM1エイブラムス戦車を仮に日本国内に持ち込んでも幅がデカすぎて走行できるルートが限られてしまったり、重量的に橋を渡れないなど、思うような運用はできないでしょう。地形や気候を考慮したうえで向き・不向きは間違いなく存在します。仮に戦の話に置き換えるなら、それは有利・不利と同義です。

かくして、「合衆国の軍隊が過酷な状況下における小排気量オフロード二輪の有用性をしっかり見抜いて、実際に活用している」というまぎれもない事実が私の持論である


「ちっちゃくて軽いオートバイが便利で良いのよ」


という個人的見解を強烈にアシストしてくれた感じで、私の自尊心はおおいに満たされたのであった。誤解しないでいただきたいのは決してデカい自動二輪をディスっている訳ではなく、実用の道具としてちっちゃい二輪が一家に一台あると便利よ!と軽く呼びかけているにすぎない。どんな元気な人だっていずれは加齢とともにカラダの自由がきかなくなってゆくのだ。脚が悪くなればイヤでも行動範囲もせばまってしまう。ここでスクーターに乗れるかどうかの差が出るのよ。衰退し貧困化が進む日本であるから、どこに住んでいようとも将来「買い物難民」になる可能性は誰にでもある。若くて健康なうちに普通自動二輪の免許ぐらい取っておいても損はないぞ、と私は言いたいのであります。


さてさて。このように、自動二輪が欲しい!原付乗りたい!!と私が悶々としている間に我らが横浜DeNAベイスターズは快進撃を続け、クライマックスシリーズを勝ち抜いて日本シリーズに進出し、みごとにソフトバンクホークスを退けて日本一の座を勝ち取ったのであります。1998年の優勝から26年ぶり。モモンガ一族郎党は大歓喜であります。

本来であれば私も横浜に駆けつけて大騒ぎしたいところでありますが、今は「麻衣子プラズマ肺炎」が流行っていたりするし、新型ころ奈をはじめ出来れば罹りたくない変な病気の話をいろいろ聞きますから可能な限り人ごみを避けているのであります。ふだん外国人観光客の多さにウンザリしていることもあり、できるだけ人の居ない静かなところで過ごしていたいのであります。

まあ気晴らしに「お気に入りスポット」に出向いて軽く「ひとり祝杯」でもあげようか、ということでまずはドリンクを調達してきました。



ドクターペッパー


買ってきた




ここでサクッと告白しちゃいますけど私は「コーラ系の炭酸飲料」が大好物であります。そして皆様の期待通り「ドクターペッパー」がお気に入りであります。

ドクターペッパー派というのは太古の昔から迫害されがちな人生を送っていたわけですが、現実世界というのは本当に予測不能と言いますか端的に言って「不条理」ですから、ドクターペッパーよりも先にスプライトが消滅するという歴史的事実を忘れてはなりません。どう考えてもドクターペッパー派よりもスプライト派のほうが人数としては多かったはずですが、先に滅んだのはスプライトでした。人生というのは本当にわからないものです。

令和の世まで生き延びたドクターペッパーではありますが、私の近所で買える場所がどんどん無くなっております。いつも買っていたスーパーマーケットが10年前に消滅。販売しているコンビニは一軒もありません。最後の砦として自動販売機が残されましたが、ドクターペッパーを扱っている自販機は少数です。売り切れても全く補充されない自販機もあります。こうなると、いつまで買えるかわかりません。

これをクーラーバッグに入れてリュックを背負って「夢見ヶ崎動物公園」に行ってきました。お気に入りの場所で動物を眺めながら、ベイスターズ日本一の喜びにひたりつつドクターペッパーを飲もうではないか。

しかし、私が訪ねた日はまさかの「秋の動物園まつり」の開催日でありまして園内は家族連れで大賑わいであった。いつも貸し切り状態みたいな感じでノンビリ過ごしていますので、さすがの私もちょっとひるんだ。



大混雑


すごい混雑です




普段かぶりつきポジションといいますか特等席を陣取って動物を飽きるほど眺めている私ですが、たくさん子供たちが来ている日となればちゃんと冷静さを取り戻して大人らしく振る舞うのであります。かわいい動物の姿を子供たちにたくさん見せてあげたいじゃん。飼育されている動物はみな、地球で我ら人間とともに過ごす貴い命ですよ。私自身はダメ人間なので子供たちに何か手本を見せることはできないけれど、この素晴らしい動物たちの姿を見て子供たちが多くのことを感じ、学んでくれると信じてるのよね。動物園好きとしては、私にできないことをシマウマに託してる、みたいな部分があるわけよ。

そういえば10月末はハロウィーンであったから、それにちなんで可愛いイラストがいっぱい展示されていて実に良かった。涙が出るほど感動しました。可愛すぎるんだぁ。



レッサーパンダ


こんな死神が迎えに来てくれたら笑うッ!







マーコール


マーコールさん表情が最高っす




夢見ヶ崎動物公園の動物案内イラストはnamiemiさんの作品です。動物それぞれの特徴のみならず個体の「性格」までみとごにとらえていて、何よりもnimiemiさんの温かいまなざしが伝わってくる素敵な動物イラストは夢見ヶ崎の魅力そのものです。一度見たら虜になりますぞ。私のイチオシ、本当におすすめですから是非いらして。


namiemiさん公式X
https://x.com/namiemi24618


実物のマーコールさんは「えさやりタイム」で食欲を爆発させておりました。



食事中


むしゃむしゃ




そして、そんな動物園の片隅で私はひとり宴会(ドクターペッパー付)を楽しんだのであった。



宴会中


何やってるんすか







飲んでる


こりゃー最高に幸せですな




そのむかし、上野動物園にオオアリクイのガンコちゃんがいたときはランチタイムに合わせて出かけて行ってガンコちゃんの食事してる横で一緒にお弁当食べたりしたよなあ。「ふたりで一緒に食べるとおいしいね」とかいって。うむ、頭おかしい奴はやることが怖い。

それにしても動物園は大混雑でありまして、私のつけ入る隙は無いレベルで「密」ですから、今日は早めに撤収しましょ!という感じでありました。



ペンギンコーナー


ペンギンは大人気




いつもの私は報道カメラマンばりのシャッター魔と化すのですが、これだけ人が大勢いると「写真撮るのはまた今度でいいか」という気分になってきます。私がカメラをかまえて動物の前を陣取るよりも、子供たちに最前列で動物を間近に見てもらいたい気持ちのほうが強いですからね。私はヒマ人ですから写真ならいつでも撮れますから、今日はほどほどにしておしまい。



モルモット


モルちゃんだけ撮影した




かくして、私の「ベイスターズ優勝ひとり祝賀会」は静かに幕をおろしたのであった。帰りは「ラフ&ロード」でも寄って、そして暗くなる前に家にもどろう。

実によい休日でありました。










#69
2024年(令和6年)11月11日(月)
「カワサキ、怒涛の新車攻勢でモモンガを蹴散らす」


この秋はカワサキがメグロS1とW230というクラシカルデザインの新型オートバイを発売するということで私も「まあ私は買えないから関係ないけどナ」と思いながらも衝撃に備えていたのです。

すると今月に入ってから不意打ちのような続報で「オフロード系の車体で4つのモデルを出すから」とのニュースがかけめぐった。マジっすか??


株式会社カワサキモータースジャパン プレスリリース(公式)
いずれも2024年11月8日13:00付で発表

ストリートで自在に駆け抜けるパフォーマンスを持つ「KLX230SM」が、さらなるアップデートを果たして新たに登場
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000668.000028066.html

軽量でコンパクトなデュアルパーパスモデル「KLX230」、「KLX230 S」が、走行性能と快適性をよりアップさせて11月27日に新たに登場
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000666.000028066.html

街を爽快に駆け抜け、自然の中でトレッキングを楽しむ。機能美あふれるアウトドアスタイルな「KLX230 SHERPA」が新登場
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000667.000028066.html


な、なんと。
KLX230SM
KLX230
KLX230 S
KLX230 SHERPA
の4種類がいきなり追加されるとの内容であります。すでにターゲットは50ccクラスの原付に絞り込んでいる私には事実上無関係なニュースとはいえ衝撃はすさまじいものがありました。なにしろ、かつてヤマハのセローとガチンコ勝負をしていた「スーパーシェルパ」の名を思い出させるネーミングが復活しているのだから興奮を抑えろと言われても無理な相談ですよ。



新シェルパ


KLX230シェルパ登場




なお、以下掲載される画像はすべてカワサキ公式サイトより引用しております。画像盗用ではなく広告宣伝に加担しているということでご理解をいただきたい。



新シェルパ全体像


これは最高にイカす




KLX230 SHERPA(カワサキ公式)
https://www.kawasaki-motors.com/ja-jp/motorcycle/klx/on-off-road/klx230-sherpa


完全に私を仕留めに来た感じです。これまで好きなオフ車は数多く存在しましたが、私の中で最高峰に君臨していた永遠のナンバーワン、ヤマハ・セロー225がトップの座から陥落した瞬間であります。KLX230シェルパ、最高じゃないですか。告白したくなるレベルでかっこいい。個人的には2024年度抱かれたいオートバイNo.1ですわ。

公式ウェブサイトの掲載画像が、ことごとく私の旅心に刺さりまくるのであります。その画像に込められた世界観が私の夢見る二輪生活そのものですぞ。さすらいの風に吹かれてひとり旅ゆくという、いつも私の心に存在していつも私をいざなう声が、カワサキ公式の画像によって具現化されている。カワサキの社内には私みたいな放浪癖のある奇人変人がいるんじゃないだろうか。



ダート


未舗装の道をゆく







旅の途中


旅人は静かに足をとめるのである







旅が終わる


傷跡を風にさらして胸に残せば旅は終わる




オートバイの評価なんてしょせん自分自身が乗ってみなければ分からないのだから、今は画像を眺めて妄想さえ膨らましていればよいのである。実物を目に前にしたらさぞ興奮するであろう。公式の動画もたまらん。


2025 KLX230 SHERPA ACTION VIDEO






動画の中でエンジン音が聞こえるけど良い感じです。私はずっと水冷単気筒を乗り続けてきたのですが、どういう理由なのかここ数年で急に空冷エンジンが愛おしくなってしまい、年々厳しくなる排ガス規制で空冷エンジンは生き残れないだろうと思うと悲しくてならず拳を握り締めていたのですがカワサキがこのタイミングで230cc空冷単気筒エンジンをひっさげて登場したのが嬉しい。

普通自動二輪免許の講習に通っていた時に教官から「乗りたいバイクは決めてるの?」と訊かれて「ヤマハのセローです」と答えていた私ですが、今だったら「カワサキのシェルパです」って答えるだろうなって思います。


というわけで本命はKLX230シェルパでしょう、と断言したいところですが純粋なオフローダーであるKLX230とKLX230Sも捨てがたい。なんたって色がカワサキのあの色すなわちライムグリーンなのだぁ。ちなみに、KLX230は身長が高い人に向く(メインは欧米市場向けですかな?)スタンダードな仕様で、KLX230Sは我々日本人のような小柄な人に合わせた足回りのセッティングになっているようです。身体にあわせてサイズが選べると考えれば嬉しいですね。



新KLX230S


王道マシンが来たよ




KLX230(カワサキ公式)
https://www.kawasaki-motors.com/ja-jp/motorcycle/klx/on-off-road/klx230/2025-klx230


KLX230S(カワサキ公式)
https://www.kawasaki-motors.com/ja-jp/motorcycle/klx/on-off-road/klx230/2025-klx230-s


やっぱりライムグリーンのカワサキを見ると体温も血圧も上昇しますな。私はタマンネ!最高!!ってなるけどすごく好みが分かれる色らしくて苦手な人はとことん嫌ってるカラーリングです。



KLX230S全体像


グリーンで競技用っぽさがアップ




ここでふと思い出してしまうのですが、KLX230って2年か3年ぐらい前にスルッと登場して、次の排ガス規制に対応できないとかいう理由で瞬間芸のように消えたことがありましたよね。記憶の中ではほんとに販売開始して翌年には型落ち(消滅)した印象なんですけど皆様おぼえてます?あれがすごくダサくてがっかりしたのです。こんなの。



KLX230旧型


ヘッドライト周辺が頭でっかちな印象




本当に瞬間芸のように消えてしまったので手元に保管した画像もこれしかなく、今では詳細な情報を調べるのも面倒なのですが、どれぐらいダサいかは新型と画像を並べてみるだけで充分感じ取れると思います。



新旧比較


旧型はいろいろと酷い




ゆえに今回の改良型投入はもろ手を挙げて歓迎してよいと思います。公式の画像を見ても本当にかっけえ。



ダート走行


旅の道連れというよりは本格的なオフ車という感じ







ダート走行2


頼りがいのありそうな車両







外観


100点満点をつけよう。最高!




それにつけてもKLX230Sは車両本体価格からして594,000円となかなかにブルジョワ風味であります。これに純正オプション部品を装着すると幾らになるの?というシミュレーションがあったので、リアキャリアだのETCだのエンジンガードだのスキッドプレートだのと最低限必要と思われるアクセサリーを装着してみる。お、お見積もり結果が出たぞ。



見積


どれどれ







結果


ぐふっ!やはり車体だけで70万円コースか




案の定、いまどきの庶民に新型のオートバイなんて気軽に買えるものではないのだった。ましてや無職マンにとっては夢のまた夢であります。10万とか20万とか口で言うのは簡単だし手元にあれば無くなるのは一瞬だけれど、それだけ貯めるのはけっこうキツいというのが大半の日本国民の本音ではなかろうか。

というわけで「シェルパいいなあ」「KLX230Sも70万とはなあ」と複雑な思いを味わいつつも、まあ自分の好きなタイプの車種がちゃんと最新モデルで登場する自動二輪界隈というのは四輪に比べたらずいぶんマシだなと思っているところです。選択肢はミニバンとSUVしかない四輪なんて本当につまらない世界になっちゃったですから。日産自動車のサイトなんかを覗いても乗ってみたいと思えるような車がただの1台もないという悲劇ですよ。四輪の現状と比べたら自動二輪は今も多種多様な車種がラインナップを飾り選択肢の幅という面では「好きなのを選び放題」と言ってもさしつかえありません。素直に喜んでいいと思います。

国内市場を完全に見限ったヤマハ発動機が長きにわたる人気車種として不動の地位にあったSR400やセロー250を販売終了したとたん、他のメーカーがその空席をサクサクと埋めるように行動して顧客をごっそり持ち去っている感が楽しいです。SR400が無くなった途端にホンダはGB350を戦略的な価格設定で販売開始してたちまち大人気ですし、セロー250の穴は間違いなくKLXのバリエーションモデルが埋めてしまうことでしょう。クラシカルな雰囲気の車種が好きなライダーや小柄な人はW230やメグロS1が気になるでしょうし、総合的にみるとカワサキのフットワークの軽さ、日本市場のニーズをうまくとらえてピンポイントで車種を投入している商売上手な感じは他の3大メーカーから頭一つ抜けてる感じがします。公式サイトで車種のラインナップを眺めていてもカワサキが一番充実して楽しそうだなって感じるもん。あからさまに原付メン(下層民の複数形)をハナからばっさり切り捨ててる感もいさぎよくてあっぱれ。ま、つまり私はカワサキに乗りたくても乗れる機会は絶対に来ないという事ですな。



シェルパ


結論!KLX230 SHERPAが最高ぅ




かくして私の愛車(※所有しているとは言ってない)は、カワサキER-6nとカワサキKLX230 SHERPAの2台体制となりました。ライムグリーンのカワサキは人生に必要だからER-6nは今後も私の心の中にいてくれなきゃ困るし、理想の軽二輪とでも呼ぶべき最新鋭のSHERPAはこれからの私の旅人生に最高の相棒として彩りを添えてくれることでしょう。いやぁ嬉しいですねえ。


蛇足ながら下記に応募してしまいました。もちろん希望した車種はKLX230 SHERPAですが仮に当選しようものなら置き場所問題がリアルに発生して困ってしまうのでハズレてくれないと人生終了間違いなしっす。ですので「当選したら困るけど応募はしておいた」という複雑な状況に陥っています。興味がある方はぜひご応募なさってくだされ。


カワサキ ニューモデルプレゼントキャンペーン
https://www3.kawasaki-motors.com/mc/campaign/2024_newmodelpresent/

応募期間/11月8日〜12月1日 23時59分まで
キャンペーンにお申込みいただいた方の中からMEGURO S1とKLX230 SHERPAをそれぞれ抽選で1名様にプレゼントいたします。応募方法はカワサキモータースジャパンのホームページ内にある特設サイトより専用フォームにてお申込みアンケートにお答えいただく事で完了します。










#70
2024年(令和6年)11月15日(金)
「秋の休日を堪能する」


最近は個人経営の個性的な老舗のお店がどんどん閉店してしまって、入れ替わりでどこにでもあるチェーン店が登場するというパターンが非常に多いので、どの街に行っても景色は一緒と言いますか、その街ならではの特色みたいなものは失われてきていると感じます。

あとは突然オシャレっぽい謎の店(何を売ってる店なのか外からでは判別できない&そもそも店の名前の読み方がわからない)が誕生して行列ができるような大旋風を巻き起こすものの、忘れたころに様子を見るといつの間にか無くなっていて「あの騒ぎはナンだったんだ?」みたいなパターンもあります。

夢をかなえようと自分の店を持っても資金繰りがどうにもならなくなれば撤退せざるを得ません。現実は厳しいですよね。

我ら品川区の武蔵小山商店街も東急の鉄道路線アップデート(目蒲線から目黒線に変更して他社との相互乗り入れ開始)やら駅前再開発(タワマン建設込み)やらで30年前と比べると全くの異次元空間に変貌をとげてしまい、往年の「おもしろい商店街」としての魅力はなくなりました。どこにでもある普通の駅前商店街のひとつ、という感じです。外食もほとんどがチェーン店よ。

そんな武蔵小山でしばらく前に店舗の改修が行われていて、白を基調とした内外装でこんどは何ができるのかなと気になっていました。遠くからパッと見ると「薬局」みたいな文字が見えて、どうやら調剤薬局であろうと思ったのです。

ところが数日後にオープンして前を通ったら驚いた。お店にはズラリとガチャガチャの機械が並んでいるのだ。カプセル薬局?と思ってよく見たら


カプセル楽局(らっきょく)


であった。お金を入れてハンドルをまわすとおもちゃが入ったカプセルがランダムで出てくる機械(私が子供の頃はガチャガチャと呼んでいた)を大量にとりそろえた不思議なお店であります。


カプセル楽局(公式)
https://www.warehousenet.jp/capsule/


新宿のヨドバシにもそういうコーナーがあるけど、あれはコレクター気質の人間がへたにハマったらお金がいくらあっても足らないだろうなと思いました。カプセルの中のおもちゃは多種多様ですがアニメのキャラクターグッズや精巧につくられたミニチュアなど「集めだしたらキリがない系」のものばかり。私も出来心でちょっと覗いただけなのに気になるグッズをみつけてしまったら絶対に散財しまくる未来が確定的ですから、近づいてはいけないと自分に言い聞かせているところです。

このカプセル楽局、武蔵小山で見かけたと思ったら戸越銀座商店街にもあった。余談ですが品川区の五反田界隈に住んでいる人間からすると武蔵小山も戸越銀座も目と鼻の先で日常的にウロチョロするゾーンですから、まさかこんなに近接して2店舗もあるとは正直驚きですよ。

ところが驚きはそれでは終わらず、ちょっと用事があって中延(なかのぶ)商店街「なかのぶスキップロード」に立ち寄ったらここにもカプセル楽局を発見。マジかよ密集しすぎじゃないか的な感想を抱きつつ大いにビビる。

さらに、東京工業大学が今年10月に東京科学大学に名称が変わった記憶も新しい大岡山(おおおかやま:東急大井町線と東急目黒線が利用可)にある大岡山北口商店街にもカプセル楽局があり声が出るほどに驚きました。なんですかこれは。爆増してるじゃないですか。なんか私の行動範囲が完全に包囲されてる感じで謎の「追いかけられてる感」に襲われております。

カプセル楽局の公式では下記のように謳っており、なるほど面白いネーミング&薬局と錯覚させる店舗イメージ戦略はよく考えたものだなと思いました。(以下引用)


Enjoy Capsule Toy

新しいガチャ専門店、その名も「カプセル楽局」。薬局ではありません、「らっきょく」です。

楽しさこそ、元気になるための薬。

当店では、1日何度でもカプセルで「クスリ」と笑っちゃうような「楽しさ」を処方します。


(引用ここまで)


「クスリ」のダジャレもいいじゃないですか。薬局ふうに見せかけた店舗イメージは完全に統一されていて、粋なことをするナと大いに感動しているのであります。

こんなふうに店構えや看板デザインなどというのはビジネス上のコンセプトを視覚的に示す極めて重要な要素なのだなと再認識するのであります。それらが複合的に組み合わさって「雰囲気」というものが出来上がる。この雰囲気が大事。おい!聞いてるかカワサキプラザ。なんか入りにくい雰囲気が漂ってるぞ!!

他方、私が個人的に気に入ってる看板がこちら。武蔵小山にあります。



看板


これがなんと眼科の看板




私が定期的に通っている眼科ではない、といいますかこちらには縁もゆかりもないのですが、前を通るたびに凄い看板出してるなあと思うのであった。なんと形容すれば適切なのか、私にはうまい表現が見つけられませんよ。これはロックなのか?パンクなのか?放っているオーラは力強さなのか?激しさなのか?切れ味なのか?情熱なのか?とにかくエネルギッシュに感情が炸裂しているのは伝わってきます。

ではこの看板を出している眼科に自分の目の症状を診てもらいたいと思えるか、と問われるとうーん(笑)。何か想像もつかないチカラ技をくりだして目の病気と戦うドクターがいるような神秘を感じます。どんな院長先生が開業しているのか、ちょっと怖い。

あと、看板ツイデに話しちゃうのですが、都営新宿線の新宿三丁目で下車して花園通の方に出る通路を歩いていくと、とあるクリニックのデカい看板があります。これがまあ、その、いかにも「このへんのエリアならでは」という感じの分野のクリニックといいますか、端的に言えば性病科(あ、言っちゃった)の看板なのですが、これが実に味わい深いのであります。個人的には性病科なんて絶対にかかわりたくない医療機関No.1であります。性に奔放な人というのが生理的に無理なのであります。ニュースで報じられているように今は若い女性のあいだで梅毒の感染者が爆増していると聞いています(ちなみに男性は全世代で増えてる)。勘弁してほしいのであります。性病はそっち系の行為が好きで好きでたまらず奔放に自分を解き放ってる人だけが「もらっちゃう」んです。そして「ばらまいちゃう」んです。きわめてウザい。普通に暮らしていたら感染するはずがないのです。マジで無理。

で、そのクリニックの看板のどこが味わい深いのかと言いますと


ガチムチ系のヒゲのアニキがクマのぬいぐるみを抱きかかえてニッコリとほほえんでる

そして
キャッチコピーは


性 の 健 康 管 理 し て ま す か


という、すさまじい破壊力でスパークしているのであります。モモ通読者の中にもご覧になった方もおられるでしょうか。あれは相当にインパクトがあります。常人には直視不能なレベルです。それでも私はその通路をしばしば利用するので前を通ればつい見てしまうという事態に陥っております。よくよく見ると(←見るなよ)看板の右下の部分にレインボー柄が入っていたりして、なおのこと気分が悪くなるのであります。それでもあのアニキの微笑を見ずにはいられないのです。人生つまらん、もう見るべきものは全て見たから今さら何をみても面白くないと絶望しているそこのアナタ、死ぬ前に一度でいいからあの看板は見ておいた方がよいぞ。まだまだ世の中には自分には理解できない世界があるのだという深淵の一部を覗き込んだような不思議なゾワゾワ感を味わうことができます。いやー、昭和時代の人間は時代の流れに取り残されていくなあと痛感する次第であります。


で、今日はナンの話をしてるんですかっていう感じになってますけど、ここからが本題です。恐怖の看板の話は前置きであって本当に書きたかったネタはこの下からはじまります。まったく話はつながらないので覚悟してお読みください。

ここ数年は気候が極端に振れる感じで「四季」というよりも「すごく暑い季節とすごく寒い季節の二季」になっていますよね。春と秋が極端に短くなっている気がします。

それでも10月に入ってから「秋めいてきたなー」と感じましたし、なんだかんだ言いながらもこちら東京では今は秋のまっただ中という印象です。油断しているとすぐに寒い冬が来てしまうでしょうから、今のうちに秋を存分に堪能しておきたいところです。

ということで秋のお散歩ということで神奈川県川崎市幸区にある夢見ヶ崎動物公園に行ってきました。またかよ!!って言われるかもしれませんが動物園大好きっ子の私にとって

・ウチからアクセスがよい
・静かで心地よい
・体力的に負担が少ない(広さも地形も身体にやさしい)

という点で休日を過ごすには最高の場所でありますから、それこそ行けるものなら毎日でも行きたいぐらいのお気に入りスポットなのです。私が「出入り禁止になったら絶望する場所三選」にノミネートされるレベルですよ。また、これはおまけですが行く途中(というか帰り道でもいいけど)にオートバイ用品店「ラフ&ロード川崎店」とバイクショップ「レッドバロン川崎幸店」が存在するのも地味にポイントが高い。いや、おまけじゃなくてセットメニュー的にメインだなこれは。

とにかくそういう場所ですから足を向けて寝られないのです。



マーコール


ハンサムなマーコールさん




自分の行動範囲内にマーコールが見られる動物園がある、というのは本当に恵まれているなあと思います。会ってみたいけど近くで飼育している動物園がない、というのはよくある悲しみですからね。当たり前のようにいつも見ることができるのを感謝せずにいられません。

マーコールが、急斜面の崖をふわっと上り下りする姿は本当に芸術的ですよ。いくらでも眺めていられる美しさ。タマンネ。



ヤギ


秋の優しい陽射しをあびて輝くヤギのタンゴくん




一緒に暮らしていた白いヤギのライちゃんが老齢で今年の10月に天国に帰ってしまい寂しくなってしまったけれどタンゴくんは元気そうでよかったです。逆光線で見たらキラキラ輝いていて眩しすぎるほどに男前だったよ。タンゴくんはこれからも元気でいておくれ。私を置いていかないでおくれ。



プレーリードッグ


プレーリードッグかわいい




そろそろ寒くなってきたこともあり動物によっては檻の周囲を透明のシートで囲って直接つめたい風にさらされないような展示になってきています。透明のシート越しだと写真がうまく撮れなかったりしますので、撮影はあきらめて観察するだけになったりします。ありがたいことにプレーリードッグはまだ普通にカメラで撮影できる状態でした。ふっくらしてまんまる。可愛いねえ。

まわりの樹々も色づいていかにも秋らしい彩りが実に美しく、本当に最高であります。やっぱりこの季節は山がいいよね。紅葉のシーズンを楽しまなくちゃね。まあ、わざわざ苦労して遠くまで出かけなくても良いのですよ。このように近所で秋の風景を堪能できれば私はそれで幸せであります。



加瀬山の秋


秋の木立は気取っても 冬が来るのを隠せない(←NSPの歌詞)




かくして私は秋の動物園でしみじみと自分の魂を洗濯していたのであります。そして帰りにレッドバロンに立ち寄って店頭の中古オートバイを眺めて「うーん、今日は買うもの無いな」などとつぶやき、そしてさらに元住吉駅まで近づいてこんどは「ラフ&ロード」のオフロード用品売り場に直行したのであった。実に、実に良い一日ではないか!!ということで今日の話は終わるのだった。

前置きの看板の話はナンだったんだよ・・・動物園の話と全くつながりが無いじゃないかよ・・・










#71
2024年(令和6年)11月19日(火)
「人生初ハンドルカバー」


11月も半ばを過ぎて、こちら東京エリアも朝晩などだいぶ寒くなってきました。まだ日中は気温が高い日もあったりしますが、基本的に服装は防寒に比重をおいた重ね着スタイルと化しております。そうこうしているうちに、冬用のコート類の出番があっという間にやってくるでしょう。

当然のことながらオートバイを運転するときの服装も秋冬モードにシフトしているのであります。真夏は走行風がスースーと通るメッシュジャケットが大活躍でしたが、これからは身体を冷やさずに乗り切るためにどれだけ防風に力点を置くか、というのがテーマになります。

長らく私が頭を抱えていたのは厳寒期のグローブどうするよ問題であります。

それこそ春から夏は風通しの良いメッシュグローブで良いわけです。手にフィットして指もよく動くから繊細なクラッチ操作などもストレス知らずよ。しかし、冬になれば「指先がかじかんでつらい」という問題を避けては通れません。

私は超有名ブランドの冬用グローブ最上位モデルを買うことで厳寒期をのりきる、という作戦を選びました。ゴアテックス使用、完全防風&完全防水をうたっており、これを使ってダメなら残された道は「電熱式の保温グローブ」などの特殊装備に手を出すしかない、というレベルのグローブです。それはそれはすさまじい値段であって、私は店頭でサイズのみをチェックして買わずに帰り、ネット通販サイトで一番安い店を探して注文するという実にセコい手法を用いることで購入に踏み切ったのだった。

結論からいうとその高級・高額グローブで万事解決!とはいきませんでした。

まずグローブ自体がすごく厚手でしかも硬い。転倒した時に防御するプロテクターも付いているので、その硬さというか動きにくさはスキーグローブの比ではなかった。グローブをはめると手指の根元は確かに動くと言えば動くのですが、ハンドルのグリップを握っている心地がしないのよ。指でガシッとつかんでいる感じではない。横から見ると手の形がコの字になっていて、四本指でグリップ上部、そして親指側でグリップ下部をはさんでいるという感じ。握ってるんじゃなくて上下で挟み込んでいるだけ。それぐらい指が動かない。

そんな状態でスロットル操作をしたりクラッチレバーを引いたり、思い通りに繊細に動かせるはずがない。非常に運転しづいらいのであります。これは正直「由々しき事態」でありまして、運転操作をミスする可能性をはらんでいます。オートバイの運転はワンミスで大事故、ヘタすれば散るという世界ですから「思うように運転できないグローブ」というのは断じて褒められたものではありません。

しかも寒い。指先が冷たい。長時間運転すれば指先がかじかんでしまうのであった。これでは意味が無いではないか。

ということで実にコストパフォーマンスの悪い代物でありました。支払った金額に見合った性能を持っていない感がハンパなく、なんか騙されたような納得いかない気分をずっと味わっていたのですよ。

でも「その最上級品を使ってもダメというのなら、あとはもう電熱式グローブを使うかハンドルカバーを使うしかない」と言われたのだから仕方がない。やるだけのことはやったのだ。身体を張って実験してダメだったのだ。ゆえに、あとは意を決して覚悟を決めて次の一手を打つだけであります。

この冬はハンドルカバーを試してみることにしました。

かつては愛車がヤマハYZF-R15だったので「ハンドルカバーなんてダサいもの付けられるかよ」と思っていたのです。諸先輩方が声をそろえて「ハンドルカバーはいいぞ!あたたかいぞ!」と呼び掛けたところで、ダサいのはイヤなのである。美学的に容認できないのである。

しかし歳月が流れR15はすでに手元になく、しょせん乗るのは時速30km制限の原付マンという身と化した今となっては美学もへったくれも無いのであります。スクーターにハンドルカバーを付けてる人ならいくらでも居るではないか。原付ごときでカッコつけてもしょうがないのだ。であるなら、効果絶大と言われるハンドルカバーを素直に試してみるのが筋ではないか。

さっそくコミネのハンドルカバー2千円をゲット。なんだよそれ、RSタイチの防寒防水グローブとくらべたら値段10分の1じゃないですか。



ハンドルカバー


人生初のハンドルカバー







鍋つかみ


どう見ても鍋つかみ




このように、ハンドルカバーとは「鍋つかみ」のような形状をしたネオプレーン素材の巨大なミトンであります。穴が開いていてハンドルバーのグリップ部をそこに通して固定し、運転するときは手前から手をスポッと中に差し入れてスロットルやウインカーレバーの操作をミトンの中で行うという防寒・防風装備ということですな。



ワンセット


左右セットでハンドルに装着するだよ




このネオプレーンの素材自体が風を通さないので、前から冷たい走行風をガンガンあびてもカバーの内側の指先は守られる、という構造であります。風を受ける正面部分は二重構造でポケットになっており、カイロを入れておくと暖かさUP!などという味な仕様すら追加されているのであった。

横にポコッと出ている突起の部分は親指のポジションになります。ウインカー操作レバーはハンドルカバーの外側になってしまうので、この親指の突起越しにウインカーをつけたり消したりしなければなりません。ちょっと練習しないと不安だな。



装着


そういえばキャッチャーミットって右手用は売ってないらしいね




ということでちょっとテスト的に実験してみました。何しろこんなものをハンドルバーにつけて中でグリップ操作をするなんて考えただけでも不安がよぎる。仮にですよ、バランスを失って横倒れになる可能性があるとして、倒れるときにこんなカバーに手をつっこんでいたばっかりに手を拘束されたまま転倒し、本来であれば無傷で済むはずの手首なんかに余計な怪我を負うような事態がイメージできちゃうじゃないですか。私はそういう「最悪の事態を想定したイメージトレーニングだけは万全」という人間なので、正直怖くて仕方がない。何かあったらサッと手を出せる状態じゃないとヤバいに決まってるじゃん。

そもそも論として、このハンドルカバーを付けていたら自分の手そのものはグローブをしないでOK、という訳ではありません。オートバイのグリップを素手で握るというのは基本的にあり得ませんので、何らかのグローブというか手袋をしたうえでこのハンドルカバーに手先を差し入れるというのが正しい使用法となります。そうすることで防寒性能がアップするというのもありますし。

となると、ハンドルカバー装着状態であってもスムーズに手を出し入れできる手袋をはめているのが望ましい訳です。ハンドルカバーを使いこなす要点はつまるところこの「中で使う手袋選び」にあるんじゃないかと思ったので、手元にあって普段愛用している手袋やライディンググローブをとっかえ、ひっかえして使いやすいものを選び出すことにしました。

用意したのは

・夏に使ってるライディング用メッシュグローブ(プロテクター付)
・スキーグローブ
・手の甲から手首を覆うタイプの全指もろ出し手袋
・おたふく印の保温インナーグローブ
・手のひら側にポツポツ状のゴムグリップのついた普通の軍手
・こくみん共済でもらった薄手の軍手っぽい手袋(ピットくんイラスト入り)

あと、いちおう「素手(手袋なし)」で運転というのもテストしてみましたが結果的に論外なのでなかったことにします。

結論から言いますと、こくみん共済でもらった手袋が一番良好な結果が得られました。



手袋


ごく普通の薄手の手袋




どこが良かったのかといえば

・ハンドルカバーに対して手の出し入れがきわめてスムーズ
・運転の各種操作でストレスが無い(とりわけ左手親指のウインカー操作が一番やりやすかった)
・充分に満足できる防寒性能が得られた

という三点に尽きるのであります。


順に評価を下していきましょう。

・夏に使ってるライディング用メッシュグローブ(プロテクター付)
グローブ自体がゴツゴツしてボリュームがあり、とりわけプロテクターの部分がひっかかって手の出し入れがスムーズにできない。


・スキーグローブ
プロテクターがないだけマシとはいえ、やはり手の出し入れにひっかかる感触があり不満。


・手の甲から手首を覆うタイプの全指もろ出し手袋
指の部分がない利点はゼロ。まったく意味が無かった。


・おたふく印の保温インナーグローブ
ハンドルカバー内部においてはポカポカと暖かく良好であるが、手を出したときにヒンヤリする。製品の特性上、アウターグローブと重ねて着用すると効果を発揮するものなので単体で用いるのはイマイチ。


・手のひら側にポツポツ状のゴムグリップのついた普通の軍手
手のひら側のグリップは要らないと思った。むしろ、普通のプレーンな軍手で充分であろうと感じた。


・こくみん共済でもらった薄手の軍手っぽい手袋(ピットくんイラスト入り)
結果的に、こちらの「とりたてて特徴もない普通の手袋」が一番快適であった。


もしあらためてハンドルカバー装備時のために手袋を購入するのであれば、あまり深く考えずに普通の軍手を選ぶのが無駄がなくて良いように思った。通常のライディング時と同様、あまり厚手でない手袋のほうが運転操作がやりやすいのは間違いない。

左手の指でクラッチレバーを引くマニュアルシフトのオートバイではどうなのかわかりませんが、通常の原付スクーターであればあまり苦労せず運転操作が可能だという事がわかりました。一番心配だった左手側の後輪ブレーキ操作とウインカーでしたが、試してみたら違和感を覚えたのは最初だけであっという間に慣れてしまいました。やっぱりアレコレ思い悩むより自分で試してみるのが王道ということでありましょう。

スクーターに関しては今季がハンドルカバー元年ということになりそうです。手の抜き差しがスムーズにできれば何も困ることはないのだった。ダメ元で半ば実験気分で購入したハンドルカバーでしたが結果的には大成功です。

次はハンドルカバーを装着した状態でクラッチ操作ができるのか(マニュアルシフト車の運転が可能なのか)をぜひ、実験してみたいと思いました。










#72
2024年(令和6年)11月23日(土)
「捕らぬ狸の皮算用」


カワサキの新型オートバイ、KLX230 SHERPAの発売日である11月27日が近づいてまいりました。個人的にこの手のカタチのいわゆるオフロード車が大好きで、これまでは頑なにヤマハ・セロー225至上主義者であった私でありますが、今回発表されたKLX230 SHERPAの見た目があまりにも好みにジャストフィットしすぎてセロー225が横綱を引退するという大波乱が起きた所であります。

しかしどれほど見た目が好きであろうとも、そしてスペック的に惹かれるものがあろうとも、メーカー希望小売価格が638,000円と言われてはグウの音も出ないのであった。私にとってみればそれは「航空自衛隊のF-35A戦闘機の調達価格は8,200万USドルです」(1ドル155円として127億円ぐらい?)と言われるのと同じぐらい実感のない、手が届かない雲の上の価格であります。欲しい欲しいとジタバタしたところで買えるものではない。

そんなKLX230 SHERPAですが、カワサキが「ニューモデルプレゼントキャンペーン」と銘打って、アンケートに答えたらなんと抽選で新型のオートバイをプレゼントするよ!という驚きの一手を打ち込んできました。



カワサキのキャンペーン


あわわマジっすか







内容


うはー




ちなみに今回のキャンペーンの対象となったオートバイはこちらの2台。ちなみに画像はカワサキの公式ページに掲載されているものを貼り付けていまする。



車種


下です、下のをください!!下、下、下!!




まあそんな具合で私もサクッと応募したのでった。当然ですよ。自分で買いなさいと言われたら無理だけど運が良ければ抽選で当たりますと言われたら、そりゃあ応募しますって。

かくして私は今、もし本当に当たっちゃったらどうしよう?という「捕らぬ狸の皮算用」がすさまじい勢いで作動しており、当選した場合に備えてのアレコレを妄想して止まらない状態となっております。

KLX230 SHERPAはあらかじめ装備が充実しており「オフロード車を買うなら付けたいな」と思う2大装備であるスキッドプレート(エンジン下に装着する保護板)とハンドガード(やぶの中などを走行している時、ハンドルを握っている手に木の枝のような障害物が直接当たるのを防ぐ部品)が標準装備となっています。個人的にはリアキャリアを追加したいし、排気量的に高速道路を使用できますからETCもつけたい。やばいなあETCつけて高速道路なんか走っちゃったらあとからクレジットカードに高速料金の請求が来ちゃうなあ、ちゃんと払えるかなあ、などと心配ネタのイメージがどんどん押し寄せて冷や汗を流したりするのであった。

宝くじを買う人が「当たったら速攻で会社辞めてやるぅ」とか言ったりしますけど、捕らぬ狸の皮算用を楽しむという意味では根っこの部分は同じ心の動きなのかもしれないと思いました。もし当選したら、と仮定するだけで頭の中は謎の思考がフル稼働になるのだからおもしろい。「宝くじは夢を買うもんだ」って言ってる友人がいたけど今なんとなく理解した次第です。

でも正直言いまして私の「捕らぬ狸の皮算用」のうちリアキャリアだのETCだのというのは割とどうでもいい話でありまして、一番深刻なのは


もしオートバイが当選しちゃったら、置き場所どうするよ問題


なのであります。フロント21インチ&リヤ18インチのホイールをはくフルサイズのオフロード用オートバイは車体そのものは細身ですがサイズとしては割とデカいのであります。長さは2メートルを大きく超えますしハンドル幅も92センチとなかなかの図々しさですので、置き場所としての専有面積は想像以上にヤバい規模が必要になり、これをきちんと置けるちゃんとした駐車スペースを確保するとなると大問題、いやむしろ緊急事態と言っても過言ではありません。

そこで私は秘密裏に「特務隊」を急遽編成してオートバイ駐車場探しをはじめたのであります。捕らぬ狸の皮算用が、よもやここまで具体的な行動に至っている人間は品川区広しといえども私ぐらいしかおるまい。まあ編成した特務隊というのは私自身なんですけどね。

カワサキは抽選の結果発表は12月中旬と謳っていますから、その時になってから慌てて動き出すようでは遅すぎるのであります。赤い彗星のシャアも「戦いとはいつも二手三手先を考えて行うものだ」と言っていたではないか。

中間報告的に言いますと自分の条件に合うようなオートバイ置き場など近所にあるわけがなく、流れとしてはかなりマズい展開となっているのであった。

友達で「ピアノは家に置く場所が無いから実家に置きっぱなし」という子がいるけれども、私は実家を「出入り禁止」にされている身であります。お前は二度と帰ってくるなと言われて脱走した経緯がありますのでコレばっかりはどうしようもありません。しかも私はオートバイに乗りたいというのを家族の猛反対であきらめた過去があり、家族にはナイショで免許を取得し乗っているありさまですから「どのツラさげてバイクを置かせてくれと頼むのか」という話ですよ。

あとはもう「誰も人がはいってこない秩父の山奥に隠しておく」みたいな奥の手を使うしかないでしょう。でも、その秩父の山奥にオートバイをおいてオマエはどうやって品川区に帰ってくるんだよという素朴な疑問がぬぐえません。

ゆえにカワサキのプレゼントキャンペーンには応募したものの「たのむ、当選しないでくれ」と心の底で願っているという珍現象に陥りつつあるのだった。もう意味わかんないですよね。じゃあ応募するなよ!と言われそうです。ううむ。とにかく駐車場問題が先に解決しないと手の打ちようがありません。胃が痛い・・・

ちょっと視点を変えてみましょうか。

奇跡的に自分の条件にあう駐車場が見つかったとします。それなら、オートバイプレゼントに当選してもなんの問題もありません。せいぜいリアキャリアとETCでも注文しておけ!という話ですよね。

逆に、駐車場は見つかったけど抽選は見事にハズレ!という事態になったらどうなるのでしょうか。むしろ可能性としてはこちらの方が高いですよね。抽選なんて、そうそう簡単に当たるものではない。駐車場は確保した、しかし停めるオートバイはない。あなたならどうする(byいしだあゆみ)







ということで私は11月のある日、某所の「バイク館」にいました。これ、気になりませんか?(ぉぃ)



シャイン横


ちょっと何ですかコレは




こちらは国内未発売の輸入車、インドホンダのSHINE125であります。まちがってもローマ字で読むんじゃないですからね。英語読みでオネガイシマス。



シャイン前


出たなインド製




今時はホンダやヤマハといった国内ブランドといえども、実際に製造している工場があるのは海外というケースが非常に多いのであります。オートバイの市場規模としてはタイ王国やベトナムやインドネシアなどのASEAN諸国が圧倒的に大きいので、世界戦略という視点で考えると日本メーカーは「たいして売れない日本市場なんて正直どうでもいい」というのが本音であります。実際、私みたいな「ちっちゃくて実用的な道具としてのオートバイに興味がアリクイ」という人間からすると日本の4大メーカー(ホンダ、ヤマハ、スズキ、カワサキ)のラインナップを眺めるよりも、ネットを使ってインドヤマハとかタイホンダとかフィリピンスズキとかのラインナップを見ている方が楽しいのです。日本では取り扱いのない海外モデルのほうが魅力的な車種がいっぱいあります。

私は所有していた車両だけでなく試乗を含めるとインド、タイ王国、ベトナム、台湾、インドネシア、共産党支那の車種を経験してきましたがこの中で一番気に入っていた、というか絶大な信頼をおいていたのがインドであります。本家イタリアのベスパよりもインドのLML(ロヒア・マシーナリー・リミテッド)社がライセンス生産していたインド製造ベスパのほうが仕上がりが良くトラブルが少ないという真実もあります。インドの技術力をあなどってはいけません。



シャイン後


ブレーキペダル、ステップ、リアサス、ブレーキ等何から何まで味わい深い




とりたてて目を引くような爆発的な個性は無いものの、枯れた技術でシンプルに造ってる感がにじみ出ているので個人的にツボには刺さる展開です。逆側から見るとチェーンは全体がケースに包まれてさながらビジネスバイクのようだし、サリーガード(インド女性の衣装「サリー」の裾を後輪に巻き込まないようにさえぎる安全装備的なカバー)はついてるし、実用性にふりきっている仕様なのが素晴らしすぎる。

私が撮った画像だと正直よくわからん、もうちょっと詳しく知りたいZE!という奇特な方はインドホンダの公式サイトでも見てください。日本国内のホンダ公式サイトがどれだけ退屈であるか、ご理解いただけると思います。日本人よりも海外の皆様のほうが自動二輪生活をエンジョイしてるな、って思えます。


Shine 125(インドホンダ公式)
https://www.honda2wheelersindia.com/Shine125



インド公式


あふれるシアワセ感




マニアとしてはスペックを知りたい、ということになろうかと思いますがとりたてて騒ぐことも無いレベルの4ストローク空冷単気筒エンジンを搭載した素朴な125ccといったところです。重量は113kgときわめて軽量、前後とも18インチのチューブレスタイヤをはき、ブレーキはドラム式。燃料タンクは10.5リットルでエンジン始動はセル&キック併用とくれば本当に地味な実用車という感じでしょうか。

何よりも値段が安い。



価格


いまどきの新車価格を基準に考えると脳がバグってしまいそう




とはいえ国内正規販売モデルではなく、あくまでもお店が勝手に仕入れてるだけの輸入車ですからね。軽い整備・調整で済むうちはいいけど消耗品の交換時期を迎えると一気にピンチが訪れます。日本国内でパーツが手に入らない。お店がどこまで面倒を見てくれるかは神のみぞ知る所です。あーもう部品無いんで直せないっすね、と言われたらそこでゴミになります。長く大事に乗る、というのはかなりイバラの道でしょうな。インドのネット販売サイトをさぐりあてて個人輸入するとなると「部品は発注したけど納期は未定、支払総額は税関をパスするまでは想像もつかない」という事態に発展します。最悪の場合は自分がインドに渡り現地で部品を買って持ち帰るぐらいの覚悟がないと維持できないでしょう。だったら壊れる前の調子がいいウチに売ってしまえばいいと考えたところで、このような輸入車は買取金額はゼロです。割とマジで普通に買い取ってはもらえません。価格につられて輸入オートバイに手を出すという行為は断じて素人にすすめられるものではないのだ。

まあ私自身の個人的な考えでは、今後ますます日本は衰退して国民は貧困に陥るだろうし、それこそ車も買えず移動手段もなくなり買い物難民と化す人が増えるであろう未来を考えると「これからの日本に必要なのはSHINE125のような実用車ではなかろうか」と思うのであります。

かくして、カワサキのプレゼントキャンペーンに応募したことをきっかけに捕らぬ狸の皮算用がスパークして結果的には安い輸入インドバイクのスペックについて無駄な知識を得るという段階に至っているのが私の近況であります。モモンガウオッチャーの皆様からすると「いったいコイツは何を目指しているんだ?」という感じかもしれませんが、私の中では思考を論理的に展開した結果このような活動が現在進行形であるとしか言いようがありません。これはもう誰のせいでもないし、誰の責任でもない。流れとしてこのような展開になったのもやむを得ない、としか表現できないのであります。

なお、インドホンダのウェブサイトを見ていると私自身としてはこちらの方が欲しいなと思う。


Shine 100cc Motorcycle(インドホンダ公式)
https://www.honda2wheelersindia.com/Shine100



100ccモデル


ラインナップの底辺をになう排気量100ccモデル




サイトを開いて出てくる画面がコレの時点でもう感激しちゃうわ。私は一時期インド映画にハマりまくっていたので、この空気感は余裕で受け止めてしまう。日本人が失ってしまった古き良きCMの様式美みたいなテイストがあふれているではないの。オートバイの公式ウェブサイトのトップページはこういうのでいいんだよ。

軽自動車(四輪)にも言える話ですが、無駄に凝った電子装備や最新技術てんこ盛りで新型が出るたびに値段が上がるばかりの日本のオートバイを見ていると「違うんだよ、そうじゃないんだよ」と言いたくなるのですよ私は。車両価格が45万円を超える高級スーパーカブC125なんて求めていないんですよ我々ビンボ人は。思想的に極端にふりきっているせいでトンチンカンなルールを定めて規制強化の道を邁進(まいしん)するEU諸国の言いなりになって日本のメーカーは多くを失いすぎたのだ。キチガイEU圏内でのビジネスなんてハナから捨てて自分たちが必要とするオートバイを自由につくっている国の製品がどれだけ魅力的であるか。たとえばブラジルやチリといった南米のホンダが販売しているラインナップを見るとマジで楽しそうだもん。

ということで話がどこに着地するのか訳が分からない展開になってきそうなので今日はこれぐらいにしておきますかね。なんにせよ

カワサキのキャンペーンに応募
 ↓
前もって駐車場を確保すべく行動
 ↓
抽選にハズレた場合にそなえて何故かオートバイ探し開始(←今ここ)

という、あたかも数学の美しい証明を見るかのような展開に胸を熱くするわたくしであった。










#73
2024年(令和6年)11月27日(水)
「自転車の無法運転や交通事故への対策をシンプルに考える」


交通ルールを守らない危険運転の自転車について取り締まりを強化しよう、みたいな動きがにわかに活発になってきたと感じますが、実際問題として2024年現在の公道は無法運転自転車が跋扈するカオス状態と化しているのは言うまでもありません。

「一時停止ガン無視」「安全確認いっさいしない」「平然と右側を逆走」「歩道と車道を都合よく使い分けてのノンストップ運行」等々、自転車のアウトロー運転は今にはじまったことではないのですが、電動アシスト自転車の普及にともなう歩道爆走ヤングママの増殖やスマホながら運転をせずにはいられないスマホ依存症が日本国民の多くに根付いてしまったため割と状況は深刻です。

あと、私が生活しているエリアでは比較的多くの「自転車専用通行帯」が新設されました。青く塗りつぶされた車線でありまして、その名から察しがつきますように「自転車は必ずそこを通らなければならない」というものです。当然、自動二輪がすり抜けをして車列の前に出るためにこの通行帯に入ると違反になります。ただ面倒なのは「普通自転車以外の軽車両も、普通自転車専用通行帯を通行することができます」と謳われている点でありまして「自転車専用」という名称がすでに論理的破綻をきたしているのであった。

それだけではない。自転車専用通行帯は特定小型原付(いまどき流行りの電動キックボード等の糞モビリティ)も走行可なのであります。意味が分かりません。

また余談ですがここで「普通自転車という用語が使われているということは、普通じゃない自転車もあるのか?」という点に注目していただきいワンポイントです。おそらく自転車に乗っている人で「普通自転車」の定義を知っている人は100人のうち1人もいないでしょう。普通自転車とは長さ190cm、幅60cmのサイズ要件内に入る2輪、3輪、4輪自転車を指すのでありまして、つまり私が乗っていたダウンヒル用のマウンテンバイクはハンドル幅が要件を超えるため「普通自転車ではない」という扱いになり「自転車及び歩行者専用」の道路標識が設置された歩道を通行すると道路交通法違反だったのよ。そんなルールは自転車マニアしか知りません。

話を「自転車専用通行帯」に戻しますが、残念なことにその目的を果たしているとは到底言えない状況です。うちの近所だとズバリ、車の路上駐車天国ゾーンになっています。割と広めの幅を自転車用として確保し青く塗りつぶしてあるのですが、ここは広域にわたって車がズラリと路上駐車している光景が当たり前となっています。ゆえに自転車マンが走行したくても路駐の車を避けるために車道側にピョイッと飛び出るしかない。ピチピチタイツ系んのウェアに身を包んだスポーツ自転車乗りのアニキなんかはちゃんと右後方の安全確認をして手で「車線変更します」と合図を出したりしますが、そんな自転車乗りはきわめて稀でありますから結局は車のドライバーは左からピコピコでてくる自転車にイライラがつのるという結果になります。

また「自転車専用通行帯」とまぎらわしいのが「自転車ナビマーク」「自転車ナビライン」というものです。白い矢印型のペイントに自転車の絵が描いてあるのがナビマーク、おもに交差点付近で青く書かれているのがナビライン。どちらも意味は一緒で自転車の走る向きと位置を目安的に示しています。ここを原付や自動二輪で走っても、あるいは車で踏んで走行しても法的にはなんら問題はありません。

ややこしいねえ。

交通行政は上記のように道路に車線を引いて青く塗りつぶしたり自転車の絵を描いたりとあれこれ工夫をしているかのように見えるのですが、私に言わせれば「お金をかけて無駄な事やってるなあ」という感じです。維持管理の費用と無駄な仕事が増えるだけで全く役に立たないと思います。

結論から言います。私の提案はきわめて単純明快です。道路をペイントするみたいな手間も費用もかかりません。骨子は次の2点です。

(1)一方通行の道では自転車もルールに従う(自転車を除外しない)
(2)自転車に乗るときは車道走行、歩道においては下りて押し歩く(※歩行者扱い)=歩道走行禁止を徹底する


まず、(1)の話から説明しましょう。私の住んでいる品川区は幹線道路をはずれて住宅地に入ると一方通行の道が非常に多いのであります。土地勘のない人が車やオートバイで住宅街に入り込むと、イメージしている方向に行きたくても一方通行に塞がれてルートが分からなくなるという事態が割と深刻に発生します。

しかし、これらの一方通行の道のほとんどは「自転車を除く」という補助標識が付けられています。



一方通行と補助標識


自転車を除く一方通行







進入禁止と補助標識1


進入禁止(一方通行出口)自転車を除く







進入禁止と補助標識2


上のパターンと同様のもの




私は品川区内の全ての道を知っているわけではないので100パーセントと断言はできませんが、私の知る全ての一方通行路では自転車が除外されています。要するに、他の車両の流れに対して自転車だけは逆走が許されているということです。理由はわかりません。

これが諸悪の根源だと思います。歩行者と同じ感覚でどこでも行けると勘違いする阿呆が多いのは、法的に一方通行の逆走が許されている現状があるから。私の主張は簡単で、全国でこの補助標識を無効にして自転車も問答無用で一方通行のルール適用とすれば、自転車に乗るクズどもであろうとも多少は頭を使って走行ルートを考える必要が出る=おのずと逆走自転車に起因する交通事故は無くせるという理屈です。

「遠回りになる」などと言う奴が現れるかもしれませんが、どうしても一方通行に逆らって移動したいなら自転車から下りて一方通行の区間だけ押して歩けば良いのです。自転車は押して歩けば歩行者扱いなのだから、こんなに単純で楽な解決法はありません。


もうひとつの提案(2)はひと言でいえば「歩道を通りたいなら自転車から降りて押せ」という趣旨の内容です。現状においては、車道と歩道を自分の都合の良いように使い分けて身勝手に走行する自転車が多すぎるのが大きな問題です。もともと自転車は車道を走るというルールだったのに、実際には自転車にロクに乗ったことも無いバカ議員どもが「普通自転車歩道通行可の標識がある場所は歩道を走ってもOK」などという場当たり的な法改正をやらかしたせいで、現在のカオス状態が誕生してしまいました。どんなに歩行者が優先だから自転車は徐行しろと訴えた所で自転車に乗るような人間が従うはずがないのであって、ヤングママが前後に子供をのせた電動アシスト自転車で歩道を爆走して高齢者をはねたりしているのであります。

解決するのは簡単で「自転車は歩道を走るな」「歩道を進みたいなら自転車から下りて押して歩け」というルールにすれば万事解決なのであります。歩行者が信号待ちをしている場所に傍若無人なシャカリキ自転車が歩道を爆走して突っ込んでくる、なんていうアホな事故はなくなります。


このような2つのルールを徹底することで、身勝手な自転車が他人を巻き込んで大惨事に至るという事態は減らすことが可能です。

自転車に乗るのが面倒になるじゃないか!という奴が必ず現れますが、そうですその通りです。公道を走行するというのは、面倒なのです。みんなそういう面倒を承知の上で乗用車やバスやトラックを運転しているんです。本来自転車というのは、そんな身勝手な運転が許される乗り物ではないのです。そこを再認識してもらいたい。

子供にルールを教えるのも簡単になるでしょ。歩道では下りて押しなさい、という大原則を徹底して叩き込んだうえで、まずは一方通行のルール、それから具体的な車道の走り方(赤信号での停止場所、右左折の方法)を教えればよい。

警視庁が自転車の交通ルールと称してクッソ複雑なページを公開していますが、こんなに難しい話をしなくても済むのです。


自転車の交通ルール 警視庁
https://www.keishicho.metro.tokyo.lg.jp/kotsu/jikoboshi/bicycle/menu/rule.html


本日のモモ通は内容が真面目で良いでしょ。でしょでしょ。私だって、ただやみくもに貴重な青春の時間を自転車旅で費やした単なる自転車キチガイではないのですよ。旅を続けて見聞を広げながら得たもろもろの教訓をふまえて現代の交通行政にあえて物申す、そんなエゾモモンガなのであった。

ルールを複雑化するというのはバカのやる事です。公金をつぎ込んで新たな利権をつくるとか、そういう事は絶対にやってはいけない。あんまり難しく考えないで、なるべく単純明快でわかりやすく、それでいてお金のかからない解決法を編み出すというのが大事よ。

こうしてみると私って割と頭がいいんじゃないか?という気がしますよね。うん、自画自賛して今日はおしまい。










#74
2024年(令和6年)11月28日(木)
「世界アリクイの日 特別紙芝居(※モモンガ速報)」


本日のモモ通は緊急でアップしております。

毎年11月29日は「世界アリクイの日」ということで我々アリクイ好きの間では大変なお祭り騒ぎになるのが恒例行事でありますが、なんと我らの野毛山動物園からおそるべきニュースがとんできました。

なんと!この「世界アリクイの日」にちなんで特別紙芝居の読み聞かせを実施するとのことです。わお!!


野毛山動物園 イベント告知(公式)
更新日:2024年11月26日
世界アリクイの日 特別紙芝居
https://www.hama-midorinokyokai.or.jp/zoo/nogeyama/details/arikuiday-2024.php



スクリーンショット1



公式案内スクリーンショット







スクリーンショット2


こちらも公式より引用




以下、上記サイトより引用


更新日:2024.11.26
世界アリクイの日 特別紙芝居
開催日 11月30日(土)
時間 14:00〜
場所 ひだまり広場 ※雨天時はひだまり広場 屋内休憩所


11月29日は「世界アリクイの日」です。

そこで、11月30日(土)14:00より、ひだまり広場にて特別な紙芝居の読み聞かせを実施します。
※雨天時はひだまり広場 屋内休憩所にて実施します。

タイトルは「ムムとかぐやまくん なんべいへゆく」です。
南米へ行ったムムとかぐやまくんは、どんな出会いをしたでしょうか。

楽しくミナミコアリクイについて学べる、飼育員手作りの紙芝居です。
お子様連れの方はもちろん、大人の方だけでも楽しめます。

皆さまのご参加をお待ちしております。


(引用ここまで)


ここで予備知識として、かぐやま君について少しだけ補足説明したいと思います。かぐやま君は野毛山動物園の公式マスコットでありまして、その知名度の低さに我々野毛山動物園ファンは涙を禁じ得ないのであります。


野毛山動物園 マスコットお披露目
(神奈川県全域・東京多摩地域の地域情報紙 タウンニュース)
中区・西区版 公開:2018年6月14日
https://www.townnews.co.jp/0113/2018/06/14/435893.html


かぐやま、という言葉から我々日本人が真っ先に連想するのは奈良県橿原市にある山「天香久山」「天香具山」(あまのかぐやま、あめのかぐやま)であります。持統天皇の


春過而 夏來良之 白妙能 衣乾有 天之香來山(万葉集)
春過ぎて 夏来たるらし 白たへの 衣干したり 天香具山(古来風躰抄 鎌倉時代初期)
春すきてなつきにけらししろたへのころもほすてふあまのかく山(新古今和歌集 鎌倉時代初期)


は誰もが知っている和歌であります。小倉百人一首(鎌倉時代初期)だと


春すぎて夏來にけらし白たへの ころもほすてふあまの香具山


ですな。若干話がそれますが、作者の意図は別にして上記のように過去の作品が後年になってから意味は同じながらも用語的・表記的に改変されるというのは普通にあり得るという事であります。これが外国語に翻訳されて他の言語文化圏に輸出されるとなれば翻訳者による恣意的な介入の余地はおのずと増大する訳でありまして、翻訳の翻訳とかをやりだすと原本からの変容っぷりは著しいものがあるわけですよ。そういう側面を考慮したうえで私はとにかく「オリジナル」「原本」「一次資料」に直接向き合う事の大切さと、そこに求められる知識・素養ひいては総合的な学力というものに重きを置いて若き日には外国語の勉強にいそしんだのであります。


話を「かぐやま君」に戻しますが、奈良県の山には全く無関係でありまして、ニューカレドニアに生息する鳥「カグー」をモチーフにしたキャラクターなのであった。名前は「カグー」+「野毛山」で「かぐやま君」というからくりであった。

野毛山動物園の売店には「かぐやま君」のグッズがないので私が得意とする「買って応援戦法」が使えないのであった。ぜひともステッカーやキーホルダー、ぬいぐるみ等のお土産をラインナップしていただきたいものであります。

そしてようやくタイトルの話題に入りますが、今年の「世界アリクイの日」にちなんで飼育員さん制作の紙芝居の読み聞かせという素晴らしいイベントが開催されるというのだから大ニュースであります。

何しろ公式で「お子様連れの方はもちろん、大人の方だけでも楽しめます」と謳っているのだ。正式に私みたいな「おおきいお友達も歓迎」と言っているのだ。

紙芝居のタイトルは「ムムとかぐやまくん なんべいへゆく」ですよ。南米に行くんですよ。あのー、私スペイン語ちょっとできます!荷物持ちでもなんでもしますので同行してもよいでしょうか?と申し出たいレベルの大イベントです。


南米へ行ったムムとかぐやまくんは、どんな出会いをしたでしょうか


とかいって私の好きな要素をすべて注入した感がすさまじいのであります。気になって仕方がない。そのうえ、予告的に掲載されている紙芝居のタイトル画像(飼育員さんが描いたのでありましょう、実に可愛い!!)が素晴らしすぎて私の血圧がすさまじい勢いで上昇しているのであります。

行きたいなあ。まずいことになったなあ。実をいいますと私はすでに30日の土曜日はスケジュールがふさがっているのですが、なんならそれをブッチぎって野毛山に馳せ参じたい衝動を抑えきれないのであった。どうする?どうする?どうする?君ならどうする? と、『デンジマンにまかせろ!』が脳内を響き渡るのであった。







ということでミナミコアリクイ好きの皆様、30日は野毛山動物園にれっつらごー。










#75
2024年(令和6年)12月12日(木)
「今年感動したもの個人的三選」


人生というのはピンチの後にピンチありという感じで試練の連続であり、誰もが経験で知るように苦労の多いものではあるけれども、そんななかでも心の底から感動したり喜んだりできる瞬間はあるものです。

今年は個人的に「これは素晴らしいものに触れることができた」と魂をゆさぶられるほどの感動をたくさん味わうことができたから、そのうち特に印象深いものを3つ紹介したいと思います。

私がモモンガ母に感謝していることのひとつは、幼少期から割と真面目に芸術と呼ばれるものに触れさせてくれたことであります。生活の中に美術や音楽があった。展覧会や音楽会、演劇などの舞台芸術にけっこう頻繁に連れて行ってくれたのであります。

私自身は小学校に上がった時点でひらがなも数字も読み書きできない状態で、自分の名前すら書けなかった。小学校に行ってすぐ担任のババアにバカ扱いされた記憶は生々しく覚えています。のちに母親にそのことを話したら、モモンガ母は表情も変えずに


読み書きはいやでも学校で習うだろうから無理に教えなくてもいいと思ってた


とケロリと言ってのけたから、そういう側面での幼児教育は完全に放棄していたと思われます。ちなみにモモンガ兄は電車(というか鉄道全般)が好きだったこともあり図鑑や幼児用書籍を読み理解するために自ら学んで文字を覚えていたそうであるから、まあ同じ親の元で生まれて同じ屋根の下で食事をして育ったとしても「生まれながらの個体差はデカい」ということでありましょう。

それでもモモンガ母曰く「絵画展や音楽会、演劇に連れて行っても兄のほうは退屈そうだったがノドカは夢中になっていた」とのことであります。私自身、もう覚えていないぐらい昔に見たマルク・シャガールやアメデオ・モディリアーニの絵、あるいはアルブレヒト・デューラーの版画を鮮明に覚えているのです。特にシャガールの印象は強烈で「青い世界」「かわいい動物」「空を飛んでる恋人たち」みたいなのが幼い私にささりまくりであって、その気持ちは今も全く変わらないままにシャガールの絵が好きであります。

やがて中学生になる頃から詩や文学に傾倒しはじめて「美術」「音楽」「文芸」の三方面作戦を同時展開するようになり、どれも愛してやまないけれどもおしなべて学校での成績は悪いという私が形成されていったのであります。

心を込めてつくりあげた作品、心のありようを全身全霊で披露する演奏や舞台、そういったものは不思議な力を宿すのであります。見る者、聴く者、触れる者を揺さぶるのであります。作者や演者の心がおのずと伝わってくるのです。このようなものの全てを私は本当に貴いと感じます。もっと雑に言えば「誰かが一生懸命つくったものは無条件で称賛したい」と思うのです。

もう15年ぐらい前だと思いますが、南朝鮮で制作された古いロボットアニメ映画作品が日本の劇場で公開されたことがありました。日本人からするとどう見ても『マジンガーZ』の丸パクリ作品であり、いわばそれを日本のアニメオタクがあえて今の世(まあ15年前ですが)にひっぱり出して揚げ足取りをしよう、南朝鮮のパクリ文化をこき下ろしてやろうというような悪意でわざわざ上映したようなイベントでした。

キム博士がつくったスーパーロボットに青年(パク?名前忘れた)が搭乗して赤帝国と戦うストーリーですが、まあ客席はげらげらと笑いながら鑑賞する訳ですよ。正直、アニメ作品の出来不出来でいったら東映動画の『マジンガーZ』の完成度とは比較にならないレベルで残念であり、重箱の隅をつつきがちなオタクであればいちいちツッコミを入れずには気が済まない、それはわかる。

でも私はたとえパクリ精神満開の南朝鮮人の手によるものといえども、誰かが一生懸命作ったであろう作品を笑ってバカにすることはできませんでした。コックピット内で主人公が身体を動かすとその動きをトレースする仕組みのロボットが、テコンドーの動きで戦うシーンのアニメーションは見ごたえがあったなと思ったほどであります。

まあテコンドー自体がよくわからない格闘技で興味ない私から見ると謎の足踊りしているふうにしか思えないんですけど、それは別の話です。


ちょっと前置きが長くなってきたので本題に入りたいと思います。

今年触れることができた素晴らしいもの三選。それぞれ見ていきましょう。結論を先に言いますと


・野毛山動物園の「世界アリクイの日」特別紙芝居『ムムとかぐやまくん なんべいへゆく』

・夢見ヶ崎動物公園で目にする namiemi さんのイラスト

・フィリピンでリメイクされた名作アニメの実写版『ボルテスVレガシー』

の3つです。それぞれ少しばかり感想を残したいと思うのであります。



特別紙芝居『ムムとかぐやまくん なんべいへゆく』

2024年11月30日土曜日、世界アリクイの日(毎年11月29日)にちなんだイベントとして飼育員さん制作の紙芝居読み聞かせがありました。詳細については前回のモモ通(このページを上にスクロールしてね)に書いてありますので、実際にこちらを観賞してきた感想を記したいと思います。



動物園


動物園はお正月に向けて準備がすすんでいます




この日は横浜DeNAベイスターズの日本シリーズ優勝を記念してのパレードが行われたこともあり横浜はすさまじい混雑でありました。横浜にあれほどの人が集まった光景を見たのは初めてですよ。とはいえ私は人ごみが苦手ですし、今日の目的地は鉄道路線を隔ててこっち側ですからヘソ曲がりの私はみんなと逆方向に向かい野毛山をのぼっていったのであります。

ひとまず園内をめぐって動物たちとあいさつを交わし、はやめに会場「ひだまり広場」にてスタンバイしておりました。



準備中


紙芝居の準備中




どんなお話かな?子供たちたくさん集まってくれるかな?とワクワクしながら開始時刻を待っておりました。まずもってタイトルが『ムムとかぐやまくん なんべいへゆく』ですから期待と興奮がすごいわけですよ。

そもそも論として日本から南米に渡るというのは学生時代にスペイン語を専攻していた私としてはさほど違和感はない(友人たちがペルーやアルゼンチンに旅立っていくのは日常茶飯事であった)のですが、日本国民全体から見れば明らかに少数派の行動パターンでありまして

(1)サッカーの武者修行にゆく
(2)遺跡の発掘にゆく
(3)革命に身を投じる

ぐらいしかないのであった(偏見)。日本からすれば本当に地球の裏側でありますから、なかなかに南米は遠いのであります。仮にムムとかぐやまくんが南米を目指すとしたらやっぱり横浜港から船でしょうかね?と考えた瞬間に「ありあけのハーバー」のCMが脳内を流れてしまう訳で、しかも南米の太平洋沿岸のどこかに到着する場合はミナミコアリクイの生息するエリアに行くにはアンデス越えをしなければならず旅路はキツそうだな、喜望峰を経て南大西洋に出るとなるといったい何日かかるのか的な妄想がとまらない。

ミナミコアリクイのムム(お父さんアサヒとお母さんアンの間にうまれた女の子)は良いとして、かぐやま君についてもう少し事前情報が欲しい。

前回のモモ通で紹介していますようにかぐやま君は野毛山動物園のマスコットキャラクターでありまして、モデルはニューカレドニアの鳥「カグー」です。私は初めて知ったのですがなんと!日本でカグーが見られるのはこちら野毛山動物園だけとの事です。空は飛べない鳥なんですって。



カグー


かぐやま君のモデルになったカグー




ニューカレドニアなんて聞くと勝手なイメージですごくド派手な鳥がいっぱいいそうな気がしますが、カグーは明るい灰色の清らかな姿でありました。きらびやかな姿を期待すると肩透かしをくらいますが品のある色合いの美しい、愛らしい鳥です。当然のようにこちらも自然界では絶滅危惧種、野毛山でも今後個体が増える可能性はありませんから会えるのも今のうちだけですぞ。

そうこうしているうちに紙芝居がはじまりました。はじまりはじまりー、のところで最初に拍手をしたのは私です。



紙芝居


物語の舞台は野毛山動物園からはじまります




ネタバレ厳禁ですからストーリーは書けないのですが素晴らしいイベントでありました。飼育員のみなさんが心を込めて仕上げた作品というのが強く感じられ、私は大感激ですよ。まずもって絵が可愛い。かわいすぎる。タイトル予告の画像が公式にもアップされていましたが、とにかく絵が素敵です。ムムちゃんは可愛いし、かぐやま君が良いキャラクターすぎて悶絶レベル。どんないきさつで南米に行くことになったのか、船には乗ったのか、ムムちゃんはどんな冒険をしたのか、そして日本に帰ってきたムムちゃんには何が起きるのか、とにかく全てが「愛おしい」のであります。話したいけど話せない。つらいよ!!

・楽しい冒険の物語
・コアリクイの生態について学べる
・今、地球ではどんな問題が起こっているのか?野生動物の現在を知ったうえで私たちが考えるべきこと

このあたりが約10分の紙芝居にギュツ!!と詰まっているのであります。かわいい絵とお姉さんの上手な読み聞かせ。大勢の子供たち(と謎の大きなおともだち。私だ!)が今回の紙芝居を観覧したのですが、子供たちはきっとミナミコアリクイについての理解が深まったと思います。今回の紙芝居を見たことがきっかけで将来、動物について学ぶ道を志したり、飼育員さんになる夢をもったり、あるいは南米に関心が向いたり、そういう可能性が広がったのだろうと思うと嬉しくてなりません。地球に生きるものの命の尊さを知ることで私たちはどう生きるべきかの指針を持つことができるんです。野毛山動物園のスタッフの皆様にあらためて素敵な紙芝居への感謝と賛辞を述べさせていただきたいと思う次第。あの紙芝居は一度きりで埋もれさせたらもったいないです。すごく良い教材だと思います。日本中の子供たちに見せてあげたいレベル。とりあえず横浜市はあの特別紙芝居の実行に携わったスタッフの皆さんを表彰して、紙芝居は正式な教材として採用して活用することを強く提案したい。本当によいものを見せてもらいました。

あまりにも感激したのでかぐやま君が大好きになり個人的に「鳥類憐みの令」を発動してカグーのぬいぐるみを買ったよ。かぐやま君と名付けてミナミコアリクイのぬいぐるみと一緒に置いておきます。私もなんべいにゆきたい。



カグーぬいぐるみ


またしてもぬいぐるみを買ってしまったな




ちなみに今回の物語の主人公ムムちゃんはどうしているかと会いに行ったら、まんまるになって寝てました。いいねえ。



ムム


ネンネ中




ミナミコアリクイに会いに行ったら寝てた、というのは日常茶飯事ですから今更おどろくこともない。そのむかしmixiというSNSが人気だったころ、ミナミコアリクイのコミュがあって私も積極的に入り浸っていたのですが「あいつら寝てばっかりだ!」っていうコメントがあって笑った記憶があります。あいつら寝てばっかりだ、っていうセリフがなんか流れ弾のようにブーメラン的に自分に刺さるんだよなぁ。

ちなみに今、野毛山には神戸からきた「このは君」がいます。学年で一番レベルの美男子。アンちゃん、がんばれ。



このは


このは君は絶対にモテるタイプ




ということでまずは一つ目、野毛山動物園の紙芝居が良かったという話。





namiemiさんのイラスト

ふたつめのネタ。私の超絶お気に入りスポットである夢見ヶ崎動物公園(川崎市幸区)は猛獣こそいませんがヤマシマウマ(ハートマンヤマシマウマ)やマーコールといった珍しい動物を飼育している素晴らしい動物園であります。みんな大好きレッサーパンダ!リス!モルモット!!みたいな可愛い系の友達にもたくさん会えるので魅力度は相当な高さであります。そんな動物たちを観賞する楽しみを100倍にしてくれるのが、namiemiさんの描くイラスト(動物紹介パネルなど)なのです。

一番最初にこの動物園を訪ねたときに「動物紹介のイラストが最高だなあ」というのが強烈な印象でした。ちゃんと動物の特徴、というよりもう個体の特徴をしっかりとおさえつつ輪郭つよめなタッチのデフォルメイラストがとにかく上手い。ただ可愛く描いているのではない。ちゃんと描かれているのです。絵には "namiemi" さんの署名が入っているので、ネットで調べてXのアカウントをお持ちなのを確認したのは以前モモ通でも紹介しております。


namiemiさん公式X
https://x.com/namiemi24618


私はモモ通がありますのでXでつぶやくことはありませんがアカウントは持っています。ですので他の人のアカウント(動物園公式とか)をチェックする程度には覗きます。namiemiさんの作品をもっと見たい気持ちがあるのでフォローしております。

すると先日、どなたかが「夢見ヶ崎に行ったらnamiemiさんのクリスマス新作が見られて嬉しかった」というポストをしていたので、私もさっそく見に行きました。

やっぱりnamiemiさんの絵の世界に出会えたことは感謝しかない!と思いました。最高ですよ。



ツリー


この絵を見た瞬間私の心もクリスマスモードに切り替わりました




トナカイじゃないよシカだよ、というあたりが夢見ヶ崎風味なわけですよ。丹沢の山奥にもクリスマスはやってくるのであろう。うれしいね。



サンタさん


首に白い襟巻、エリマキキツネザルですね!




サンタさんといえば真っ白な長いおひげを連想しますが、ここでふわふわの白い毛が見事なエリマキキツネザルを投入してきたあたりに「namiemi監督の采配が実に見事ですな」と唸ってしまう訳ですよ、動物好きとしては。



くつした


靴下の中にプレゼント?にっこりアカリス




もう愛らしさがMAXIMUMすぎて転げまわりたくなります。素晴らしすぎます。あの夢見ヶ崎動物公園のアカリスが目に浮かぶようです。私はこれまで動物のイラストを見事に仕上げる絵描きさんの作品をたくさん見てきましたが、namiemiさんの描く動物は完全に私の好みに合っているようです。動物の身体的形状や動きを非常に正確に描いていて、この画力の凄さは相当な観察眼によって高まっていることを感じ取ります。驚きを禁じ得ないのです。美術の世界で「動物絵画史」というのがあるとすれば教科書に載せないといけない水準の凄さです。私の中ではすごい画家の存在を知ってしまった、という興奮が止まりません。



レッサーパンダ


みんな大好きレッサーパンダの紹介もこのとおり




何かの折に、どこかの画廊か会場でnamiemiさんの作品を見る機会が来ると信じてXをフォローしつつ、これからも応援してゆきたいと思っています。今いちばん好きな画家を問われたら私はnamiemiさんと答えます。皆様もぜひ、夢見ヶ崎動物公園に来ていただければと思います。namiemiさんの素敵な絵で紹介された動物園たちを見て回れば楽しいひと時を過ごせること間違いなしです。





フィリピンの皆様に感謝!ボルテスVレガシー

さいごにもうひとつ。今年もっとも感動した作品といえばネタとして避けては通れません。日本で1977年6月から翌年3月まで放映されたテレビアニメ『超電磁マシーン ボルテスV』(ちょうでんじマシーン ボルテスファイブ)がフィリピンにて実写化リメイクされ、今年日本にも映画版が劇場公開され、ただいまTOKYO MXTVにて絶賛放映中の『ボルテスVレガシー』ですよ。

結論から言ってしまいますが原作への敬意を込めた制作陣の熱い思いが燃える傑作であります。私はMXTVの放映を見ながら毎週涙しているところです。


ボルテスVレガシー 公式ポータルサイト
https://voltes-v-legacy.jp/


東映特撮YouTube Officialが合体シーンをYouTubeで公開しています。まったく知らないし興味もない、という方もこちらをご覧いただければフィリピンの制作スタッフがどれだけの熱意を込めていたかを感じられると思います。断言しますが今の日本人にはこれほどのクオリティの映像を本気でつくれる人材はいません。(←我が国ではこのような業界の皆様は日々の激務で疲れきっていて総力を発揮できないのであります)脚本を書ける人も思い当たらないし、本気で演じられる役者さんもいない。


『ボルテスV レガシー』2024.10.18公開 ボルテスV レガシー合体シーン







MXTVは気を利かせて、このフィリピン制作版をテレビで流す前にオリジナルのアニメの大事なエピソードを放映してくれたのですよ。ボルテスVは知っていても、さすがに私も物語の細部までは覚えていませんからほぼ初見のような感じで見たのですが、非常に重たい歴史の中でボアザン帝国と地球人とがつながり、悲しい宿命を背負った登場人物たちが壮絶な戦いに挑む果てしなく大きな物語でありました。最終回で号泣したのは言うまでもない。

そのあとでこちらの『ボルテスVレガシー』が放映されたものだから興奮が止まらないのであります。前述したように原作への敬意が込められて(込められすぎているレベル)よくぞここまで丁寧に、変な改変や独自アレンジを加えることなく世界観を受け継ぎつつ見事な作品を仕上げたものだと感激しかない。本当に素晴らしい。上に引用した合体シーンからもわかるようにVFXの作り込みは桁外れの水準であり、合体しロボット形態になったボルテスVが獅子奮迅の活躍をみせる戦闘シーンはただただ圧倒的であります。

キャスティングも良い。それぞれの役者さんが、オリジナルのイメージを見事に受け継いで演技がとにかく素晴らしい。テンポのよい展開で物語はかたときも目を離せない。ボルテスVがフィリピンで大人気である、という話は情報としては知っていた(フィリピン軍が主題歌を行進曲に使うレベル)のですが、好きすぎて実写化しました!とひとことで片づけられない神がかり的な傑作となっています。心を込めてつくったものが人の魂をゆさぶる、まさにこれです。ちゃんと伝わっています。私は涙が出るほどに感激しています。

制作に携わった全ての人に最大級の賛辞を贈りたいと思います。歴史に残る名作です。素晴らしい!本当に素晴らしい。フィリピンの皆様に神の祝福がありますように。ありがとう!!本当にありがとう。



というわけで、今年もいろいろな方面で素晴らしいものに触れることができたのは喜ばしい事でありました。放っておけば年齢はひたすら重なってゆくものですが、正直トシとったぶんだけ情熱の量も減るし感受性もすりきれてゆく訳ですよ。それでも、こんな廃人のような私であっても誰かの作品と出会うことで枯れ果てた泉のような心にも清らな水がしみいる瞬間を味わうことができるのです。私は声を大にして言いたい。あなたの作品は本当に素晴らしい、と。感謝の気持ちでいっぱいになります。心から感動できるものと出会えてよかった、心から好きだと言えるものと出会えてよかった。この幸福のなかに私は神の栄光を垣間見るのであります。



感動


しみじみと感動にひたるわたくしであった




私はなんもできないクズだから(←自虐で言ってるんじゃなくて割と深刻に真面目な話)自分では何も生み出せないダサい存在にすぎないけど、素晴らしいものに触れたら魂の底から感動するぐらいの審美眼は持っているんだ。私は本当によいものがわかる、そんな自負はあるのだ。私は誰よりも見る目があるのだ。とはいえ私にほめられてもナンの得にもならないけど、そこは申し訳ない。ざんねんな生き物からほめられても全く嬉しくないかもしれない。でも、本当に私は素晴らしいと思うから、あなたの心のこもった作品をしっかりと受け止めたから、それだけは伝えたいと思うのです。今回は3つだけとり上げたけど、これだけじゃないんだ。貴いものをたくさん見てきたんだ。みんな素晴らしいんだ。

今日は褒め称えるネタでした。たまにはこんな話でも良いでしょ。










#76
2024年(令和6年)12月19日(木)
「モモンガどろんこクラブ」


私が大注目していたカワサキの新型オートバイ、KLX230 SHERPAは発売日が延期となってしまい、その後はピタリと情報が止まってしまいました。

私は新車プレゼントキャンペーンに発作的に応募するとともに「本当に当選しちゃったらどうしよう」とか思いながら駐車スペースを探し回ったりしていたのであります。とはいえ現時点では発売日も未定だし駐車場も見つかっていない。だからその話はとりあえずヨコにおいときましょう。

そんな事よりも私が最重要課題としているのは、ご近所ちょい乗り用の原付が欲しいんだけどどうするよ問題であります。シェルパうんぬんは抜きにしても原付問題は別件として準備を進めているのであります。

まだ詳細は書きませんがほぼ結論は出ている状況で、実をいうと既に実証実験に入っている段階です。最終的な結論は年明けの3月に入ったあたりで確定する心づもりでいますので、来年の春には新ネタとして投入することになると思います。ちょっと先の話にはなりますがあと2〜3ヶ月ぐらいお待ちいただければ正式に原付マンとしてあれこれ報告いたしますので、生暖かく見守っていただきたいと思っています。

ただ、これまでのモモ通をお読みいただいて皆様もお察しのように今の私は未舗装路を走りたくてしょうがない病を発症しているのであります。品川区内にオートバイで走れるオフロードなんて一か所も無いのは承知の上で言いますけど、山岳地帯でニホンカモシカとともに育ったアウトドア野人としては、旅の途中で魅力的な林道などを見つけるとオートバイで行けるところまで行ってみたいという衝動に駆られるのであります。私の専門は舗装林道ですが、なかなかどうして未舗装路も大好物であります。これは血液型や性癖と同じで一生治りません(断言)。

レンタカーならぬレンタルバイクでオフ車、たとえばヤマハ・セロー250を借りるとしますね。ところがレンタルバイクにはけっこう厳しい条件がありまして「ダート走行不可」「オフロードコース走行不可」といった注意書きが必ず存在するのであります。つまりオフロード向きのオートバイをレンタルサービスとして貸してはいるけれどもオフロードは走っちゃダメなのです。これでは何のためにオフ車を借りるのだか意味わからん!と言いたくなるのですが、それはそれである意味仕方がありません。ダートに持ち込んでガシャンガシャンと乱暴に扱われて大切な車両をドロドロのボロボロにされてはたまったものではない。そういう無茶はヤメてくれ、という気持ちはわかる。

ですので基本的に程度はどうあれ旅のついでにダート走行もしたい人は自分の愛車で行かねばならぬ。競技用のコースを走りたい、という人ならそういう専用コースで車両をレンタルすれば済む話ですが、私は別にモトクロスをやりたい訳じゃなくて旅の道中に悪路も含みがちなだけなので、クローズドコースでの競争には全く興味がありません。



山の中


ダートを走らねば見れぬ風景もあるのよ




ここで私は断言しますが決して「立入禁止」と書かれているような場所に入ったりしないし、通常の登山者が歩いているようなハイキングコースに踏み込んだりしている訳でもないことはお断りしておきたい。ましてや私有地に無断侵入とか国立公園にて傍若無人とか、そういう犯罪的行為はまったくやらないことだけは明らかにしておきます。そのむかし自転車の世界でMTB(マウンテンバイク)がブームになったとき、登山者とのトラブルが多発して大変な問題になったのだ。私は山歩きも自転車もどっちもやっていたからそのへんは本当に気をつかったのであります。それでも結局はMTBは迷惑という声が大きくなり結果的にはMTB遊び文化は衰退したのであった。オートバイも同じよ。走ってよい、というところを静かに通過させてもらうというのが私の流儀であります。

私が群れて行動しないのは目立たないように活動するためでもある。



悪路


ここは地元の軽トラックも普通に走る道よ




これまた当然の話ですがスピードは出しません。出す意味が無いからです。車輪の大きい本格的なオフロード用オートバイだとある程度の速度で悪い路面を超えてしまった方がスムーズな場合が多々ありますが、私の愛車はTDR80というちっちゃいホイールのおもちゃみたいな車種でしたから段差に弱かった。むしろ慎重に、ひとつひとつのセクションをゆっくりとクリアしていくという感じでありました。第一、調子に乗ってスピードを出して転倒し大けがしたら話になりません。トラブルなく走破することが最重要なのであります。

途中にぬかるみセクションがあったりするとオートバイは泥だらけになります。文字通りドロドロです。



エンジン


胴体下部のエンジンがえらいことに







タイヤ


タイヤがグリップしなくて怖かったなあ




厳密に言えばオフロード用ではないオートバイで、しかも舗装路用のタイヤを履いていると、泥まみれの道ではまったく路面にくいつかない訳ですよ。駆動する後輪は空転してしまう。それよりも恐ろしいのは、前輪がズルッと横滑りすることですね。あれはマジで身体が凍り付くレベルで怖い。



ドロドロ


泥だらけになっても楽しいんだからしょうがない




このように悪路走行大好きおばさんとして生きてきた私ですが、ひとつ言えるとすればオートバイはやはり適材適所で使うべきであって、舗装路用の上等なタイヤを装着し長い距離を気持ちよく走る旅用のオートバイを悪路に持ち込むのはダメだという結論に至るのであります。かつてYZF-R15に乗っていた時に誰が見てもオンロード専用の車種だというのに躊躇なく林道を走り回っていたらフロントの足回りを破損してすさまじい修理代を払ったことがあった。


オフロードを走りたいなら、そのために別途1台用意しなさい


というのが鉄の掟だろうと思います。私だって高い授業料を払って学習したという事ですよ。

で、今の自分の年齢、体力、健康状態を考えた場合に、オフロードの走行を楽しむのに最善のタイミングは今この瞬間であって、本当にやりたいという気があるのならすぐに始めて年齢的あるいは体力的な限界を迎える前にとっとと卒業するのが一番なのは間違いないのであります。果たしてこれから何年オートバイに乗れるだろうか?そんな中でも、全力で集中してダートを走って楽しめるのはいつまでだろうか?という事を考えたなら、決して先送りにしてはいけない課題だというのは明らかです。

悪路でもしっかりグリップするブロックタイヤを前後に装着して魅力的な道に乗り込む、という甚だしくバカな遊びをやれるとしてもせいぜいあと5年、どんなに長く見積もっても10年も楽しめるかどうか。ましてや還暦を迎えるとかいうステージに至ったら「オフロード遊びはとっくに卒業していなきゃ、問題児が過ぎる」というレベルでしょう。

「モモンガどろんこクラブ」を悔いなくやり尽くして人生を終えるには、今すぐ始めるしかない!!というような衝動に駆られているのであった。

現在、タイヤメーカーのIRCからGP-21/GP-22というブロックタイヤが販売されています。競技用ではなく公道走行可能な製品ということでホンダのオフロード車であるCRF250Lの純正タイヤとしても採用され、サイズも数多くラインナップされナカナカに評判がよい。YouTubeでダートツーリング関連の動画を見ているとホンダのグロムなんかでこのタイヤを装着して楽しそうに走行している人が大勢いるので、私もつい憧れてしまう。


IRC GP-21/GP-22
https://ircmoto.jp/product-list/onoff/gp-21-gp-22/



IRCタイヤ


グロムやZ125 PROで使える12インチもあるってよ




とはいえホンダ・グロムは10年前の初期型ですらなかなか中古相場が下がらない。カワサキZ125 PROも人気が高いのにタマ数が少なくて当然のことながら値段は高い。Z125 PROはなんとなくER-6nっぽい雰囲気をただよわせているのでライムグリーンがあったら乗りたいな!と思うんだけど夢のまた夢。

まあそんな訳で誰にも知られぬようこっそりと中古オートバイ検索サイトでZ125 PROを検索する日々を送っているのでありますが、先日たまたまチャンネル登録しているオートバイ系のYouTuberさんが「いま中古で安く買える125ccクラスの車種」みたいな話をしていて、思いがけないオートバイの存在を知りました。具体的にあがった名はカワサキが2003年から2008年まで販売していた車種でKSR110というものです。



KSR110


かっこいいねKSR110!ホントに安く狙えるの?




KSRといったら私の目がキラリと光ってしまうのは当然でありまして、ヤマハTDR80乗りの私が一方的にライバル視していたカワサキKSR80を思い起こすのであります。ライバル視とかいうけど商業的にはKSR80の圧勝で、全然人気が出ず瞬間芸でラインナップから消滅したTDR80とは反対に小排気量2ストスポーツ車として絶大な人気を誇り、排ガス規制が厳しくなって2ストエンジンが役割を終える最後までカワサキのユーザーを支えて惜しまれつつ製造販売を終了した最後の2スト戦士の一台であります。誰もが口をそろえて傑作と呼ぶ歴史的名車です。

この2ストKSR80が表舞台から去るにあたり、入れ替わるように登場したのがKSR110だそうです。私が自動二輪免許を取った時にはもうラインナップになかったので名前は知ったのもだいぶ後の事です。当然のようにKSR110に関しては詳細をまったく知らなかったのですが、このたび調べてみると実に魅力的な車両であった。



カワサキ KSR110(BC-KL110A)

販売期間:2003年〜2008年
4ストローク空冷単気筒・111cc・キャブレター式
内径×行程(mm):53×50.6
全長×全幅×全高(mm):1,670×705×995
最低地上高(mm):225
車両重量:84kg(※乾燥重量)装備重量は97kgぐらいかな?
4速・ボトムニュートラル・自動遠心クラッチ(クラッチレバー操作不要)



(参考)ホンダ グロム2024年 現行モデル(8BJ-JC92)

4ストローク空冷単気筒・123cc・電子式(PGM-FI)
内径×行程(mm):50.0×63.1
全長×全幅×全高(mm):1,760×720×1,015
最低地上高(mm):180
車両重量:103kg(※装備重量)
5速MT


グロム


大人気車種、ホンダのグロム




カテゴリーは道路運送車両法でいう原付二種すなわち第2種原動機付自転車(甲)125cc以下または定格出力800W超1000W以下ということになります。ナンバープレートが桃色のオートバイです。高速道路や自動車専用道路は走れませんが、いわゆる50cc原付とは違って車と同じ交通ルールで走れるタイプですな。

まずもってKSR110はグロムよりもほんの少し小さい感じであります。数値だけ見ると「いや誤差の範囲でしょ」と言われそうですけど長さ9cm、幅1.5cmの違いはかなりデカい。

注目すべきは最低地上高です。車体の底辺部分にエンジンがレイアウトされていますが、グロムよりも4.5cmも腹が引っ込んでいるのです。これは悪路走行を考えると絶対的に優位です。グロムは排気管が一番下を通っているデザインなので不利よねえ。

あと個人的に惹かれるのはエンジンの内径×行程すなわちボア×ストロークのサイズです。ホンダはここ数年、ロングストロークエンジンの設計がみごとで小排気量でありながら低回転でも力がモリモリと湧き出る上に燃費が大変に良好な優等エンジンでライバル不在の無双状態です。最新モデルのグロムは燃費がいい(カタログ値ですがWMTCモード値でガソリン1リットルで67.8kmとの記載)と評判です。実測値もほぼ一緒と報じるユーザーも多いですから燃費オバケなのは間違いありません。

これに対してKSR110のエンジンは圧倒的にショートストロークエンジンです。ショートストロークはどちらかといえば高回転で性能を発揮するタイプです。わかりやすく言い換えると吹け上りがよく気持ちいい&運転すると楽しいタイプですよ。高回転型エンジンなうえに燃料供給はキャブレター方式ということで燃費なんて気にせず混合気をブシャブシャと吹きながらブインブインと回して快感にひたれる大人のおもちゃであろうと想像がつくのであります。

つまりは小排気量・趣味的ミニマシンといえどもKSR110とグロムのキャラクターは別物でありましょう。

あと面白いのはKSR110はトランスミッションがボトムニュートラルの遠心クラッチ方式なのよね。クラッチレバー操作が要らないという変態仕様になってます。

かくして、にわかにKSR110が気になってしまったのでこんどは中古オートバイ検索サイトでKSR110の出物を片っ端からチェックする生活がはじまったのよ。あまりタマ数はないし、たいていは改造されているものが中古市場に出回っています。どうやら後付けでクラッチキットがあるらしく、クラッチレバー操作のマニュアルシフトにカスタマイズされた個体が多いですね。あと、みんな揃いもそろってマフラーを社外品に交換している。おいおい、あの純正のマフラーがかっこいいのに・・・なんてもったいない事を。



純正マフラー


この純正マフラーがかっこいいのだ




ということで、できればライムグリーンが欲しいところではありますが、むしろ優先すべきはノーマルのトランスミッションとマフラーを装備している点ではないかと思いつつ検索を続ける日々なのであった。

KSR110に関して、唯一の懸念点はエンジン始動がキック式という事でしょうか。何しろ2スト80ccのキック始動ですら苦労した歴史があるのだ。4ストエンジンで、しかも110ccという大排気量(?)であるとキックも相当重たいだろうと思います。私の貧弱な股関節で始動できるのでしょうか?

維持費に関してはしょせん110ccですからあまり心配することはないでしょう。自動車税は50cc原付クラスと比較すると年間400円高くなりますが、アップするのはそれだけです。任意保険は50ccも110ccも同額です。

うーん。KSR110が気になってきたぞ。っていうかマジで欲しい。これにさっき紹介したIRCのブロックタイヤをはかせて、モモンガどろんこクラブをやるんだよ。体力の限界を感じるまで、やりきるんだよ。そして晴れ晴れとした表情でオフロード遊びを引退しようではないか。



【プチ 走行動画】カワサキ KSR110 クラッチはないけどマニュアル車です。でも、スーパーカブのようなロータリー式ではなくリターン式です。ちょっと変なバイク? kawasaki KL110A







いやぁ、オートバイって本当にいいもんですね。










#77
2024年(令和6年)12月23日(月)
「デジタルカメラの引退にともないバッテリーについてマイルドに語る」


このところ老眼の進行が速すぎて、おととし作った老眼鏡がすでに使い物にならないレベルと化しております。普段使いの、運転時に使用するメガネでは手元がさっぱり見えませんから老眼鏡に換装する訳ですが手元にピントがこない。漢字やひらがなはなんとなく形の雰囲気で読めるけど、日常生活で重要度が高いのは数字です。でも2なのか3なのか4なのか、あるいは5なのか6なのか8なのか、はたまた9なのかゼロなのかが本当に分からない。

買い物をするときも値札の金額が読めない。紙の地図「ツーリングマップル」を見ても道路の番号がわからない。当然のことながら文庫本の字なんて小さすぎて読めない。

ゆえに今年は本当に一冊も本を読まなかった。

いちおう来年の1月半ばに眼科の予約が入っているのでまた老眼鏡作り直し計画を発動するのだろうな、と心づもりはしているところです。

そんなわけで「本を読まない(読めない)」のと同じぐらいに遠のいたのがデジタルカメラによる撮影であります。もうファインダーを覗く気力もわかないという悲惨な状態に陥ってます。

しかも左手を痛めてしまったから重たいカメラを構えるガッツなど微塵もない。大口径レンズを装着した一眼レフなんて考えただけでもイヤになります。振り返れば今年は動物園には行きまくっていたとはいえ一眼レフはただの一度も出撃しておりません。ずっと家で待機状態。手軽なズームレンズ付カメラで済ませていました。

あとはもう日常のちょっとしたメモ的撮影についてはスマホのカメラ機能で済ませちゃう的な方向性が強化されてしまい、わざわざデジタルカメラを持ち歩くというのが既に面倒くさいという次元にまで堕落しています。世の中にはライカレンズ搭載の高性能カメラを売りにしたスマホもあるらしい。私自身があと20歳若ければそういうのを欲しがったのかもしれない。しかし今の私はスマホにお金をかける物欲も気力も経済力もないので、カメラ機能が付いていれば性能などどうでもいいっスよ!と思うレベルです。情熱の量が、まったくもって足りていません。

そうこうしている年末、久しぶりにカメラを取り出してみたら支那製のリチウムイオン・バッテリーパック(メーカー純正品ではなくAmazonで買った安物の互換製品)が放電しきって死亡していました。充電器にセットしてもウンともスンとも言わない状態です。最悪です。素性の知れないメーカー製のものですが、いちおうリサイクルマークがついているから回収はしてもらえるでしょう。

あと、カメラも一台死亡してました。起動はするのですが私の指示をまったく聞かない状態になっていました。勝手にセルフタイマーは作動するし勝手に連写するし勝手にホワイトバランスを変えるし、手が付けられない暴走っぷり。しかもピントを合わせる努力は完全に放棄している。これまで数々のカメラを触ってきましたが、ここまで反逆されたのは生まれて初めてです。こいつも処分するしかあるまい。



最後のショット


反逆カメラ最後のショット




やっすいトイカメラで撮ったようなクソ写真が最後の一枚となりました。でも、なんかこのボヤッとした締まりのない絵の感じが普段私の目で見ている世界にそっくりなんだよなあ。私は細かいところは良く見えてなくて色で世界を把握しているみたいな感じなのよね。最後の最後に味のある仕事をしてくれました。

ダメになったバッテリーパックとカメラボディについては、区役所に回収箱があるのでそこに入れてくればOKです。あの回収箱には感謝しかない。今年は初夏に液晶画面がバキバキに割れたスマホを捨てに行ったっけ。

回収箱の話が出たツイデなので脱線しつつも話を進めますが、リチウムイオン充電池はリサイクル技術が今なお確立されていないのに粗製濫造されていますが大丈夫なんでしょうかね。スマホだのデジタルカメラだのはもちろんのこと、今やダイソーなどでも売られていて誰もが当たり前に使っているモバイルバッテリーをはじめワイヤレスイヤホンとか携帯扇風機とかなんでもかんでもリチウムイオン充電池内蔵です。いうまでもありませんがリチウムイオンバッテリーのほとんどは支那製です。ご存じのようにリチウムイオン電池は


・ニッケルやコバルトなどの希少金属を用いてつくられる

・希少金属の多くについて、アフリカなど主たる産地の採掘現場は過酷な労働環境であり、しかも人体にきわめて有害である

・ニッケルの製錬には大量の電力を必要とする

・水没や衝撃に弱く、直後には問題が無くてもやがて時間をおいてから爆発、発火する可能性がある

・火が出る場合は電池内部の化学反応によるもので消火がきわめて困難である(というか、化学反応が終わるまで消しようがない)

・経年劣化が早く寿命がきわめて短い

・リサイクル技術が確立されておらず、2024年現在では適切な処分方法が事実上存在しない

・最大の製造・輸出国は中華人民共和国である(安物の品質は推して知るべし)


というナカナカに香ばしい特徴をそなえており、私の個人的見解では放射性廃棄物と同じぐらいのやっかいモノとして語るのがふさわしいぐらいに「人類がつくった最悪な発明品」という位置づけであります。

こういうことを言うと「いやいや日本のメーカー製なら大丈夫でしょ」と安易にスルーしがちな人もいますけど、電動アシスト自転車のバッテリーパックなんかはリコールが普通にありますからね。いろいろな分野でメインスポンサー様の地位にいるからオールドメディアは報じませんが、パナソニックのやからかしっぷりはマニアからするとちょっと危険水域です。テレビや新聞が「マスゴミ」と呼ばれるのは自分たちに都合の悪いことに関してはすぐに報道しない自由を発動するからです。オールドメディアは偏向報道と印象操作が仕事のようですから、とっとと消滅してもらって構わないよね。



充電池リコール


ネットには電動アシスト自転車のリコール広告が出たりします




車も、EVに乗りたい人は自由に乗ればいいと思うのですが国や地方自治体が補助金を出してまで推進するようなシロモノではないと思う。変な話、隣の家の住人がビーワイディーのEVを買って火事でも起こされたらたまったものではない。テスラの充電池はすごく革新的で急速充電をしても劣化しない!とかセールストークにしていたけど全部ハッタリで中身は普通に従来のリチウムイオンバッテリーセルが並んでるだけだったし。あのような嘘でEVシフトを目論むとかマジで片腹痛いっすよ。

まあリチウムイオン充電池の発明が画期的だという事でノーベル賞とったところまでは百歩譲って許容できるけど、自動車の動力に使おうという発想自体がダメだわ。そんなに電気で走らせるのが良いのなら何で路面電車を廃止したんだよ、と言いたくなるではないか。かつて鉄道業界で禄を食んだ人間として言わせてもらうけど、電気で走る車両を実用化するには給電設備とセットになってる電気鉄道が一番効率がいいのよ。

そもそも電気そのものはためておくことができない、という性質を忘れてる人は中学理科からやり直さないとダメです。そして名前だけ聞くとあからさまに有害に思える鉛蓄電池(車で使われてるバッテリー)は既にリサイクル技術が確立されており有毒な鉛が土壌や環境を汚染することは皆無であり、リチウムイオン電池よりもよっぽど無駄がなく安全な事も知っておいてもらいたいですな。

そのような意味で私は個人的に「脱・リチウムイオンバッテリー生活」というのを目指したいなと思っています。仮に家で充電中のモバイルバッテリーが火を噴いて長屋を全焼させてしまい人生終了、みたいな事になったら取り返しがつかない。なるべく自分の身の周りにリチウムイオンバッテリーがない生活を送りたいと思う訳です。

・スマホや携帯電話:代替品がないので仕方なく今後も使う
・モバイルバッテリー:百歩譲って、最低限の数で運用する
・オートバイ用電熱グローブ:今後はバッテリー式は買わないようにする
・ノートPC:今は仕方なく使っているけど、いずれ手放したい
・デジタルカメラ:できれば全廃したい
・エレキ原付:様子見

という感じですかね。今回デジタルカメラを1台廃棄する事になりましたが、これにより残りは3台という体制です。また使ってゆくうちに壊れた時点で買い替えなどはせず、減ってゆくがままにする。いずれ0台になればヨイのかなと思っています。動物園で使ってるズームレンズ搭載カメラだけは最後まで働いてほしいなと思うけど、そういうスケベ心を起こすと真っ先にそのカメラが壊れたりするのが世の習い。あまり深く考えずにテキトーに使いましょう。



スマホで撮影


魅力的な遊具(画質はスマホのカメラで充分に満足)




ということで今日は私がリチウムイオンバッテリーを嫌っている、というか憎んでいるという話でありました。世界中にこんな時限爆弾があふれている現代というのは実におそろしくウザいものであります。

教訓。エネルギーは適材適所で効率よく使いましょう。
(なんでもエレキ仕掛けにすればいいってもんじゃないZE)










#78
2024年(令和6年)12月26日(木)
「ノドカサンタさんからのプレゼント2024」


よい子の皆様にはサンタさんからのプレゼントは届きましたでしょうか。

過去の自分をサラリとふりかえって、自分で自分にプレゼントを買うという行動をするようになったのはいつからだろうか?と考えたけどハッキリとは覚えていない。学校を出て働き始めた頃でしょうか。独り暮らしをするようになり当時は恋人もいなかったから入ってきたお金は底の抜けたバケツのように出て行ったなあ。

そして今、あの頃と全く変わることなく独り暮らしを続けつつも圧倒的な貧困力アップに伴いプレゼントは比較的ショボめな規模に縮小しています。いいの。楽しければそれでよいの。

今年、ノドカサンタさんがくれたのはこちら。



ミニカー


良い子にはミニカーをあげよう




そうです。今年11月に発売された新しいトミカ、日野ポンチョというちいさいバスであります。毎月第3土曜日はトミカの日なのだそうで、こちらは11月16日発売予定と知った段階でビックカメラのネット通販で予約購入したのでありました。

いうまでもなく発売日には手元に配達されて私は「わーい!!」と大興奮してただちに梱包を破壊する体勢に入ったのですが、ここでちょっと待てよ、とブレーキをかけました。

はやく箱から出して眺めたいという気持ちは破裂しそうなのですが、ここでサクッとあけてしまったら今の自分は天国を先取りできるけど10日もたてば興奮は冷めてしまいます。ミニカーは常識的に考えて初期不良で返品する可能性なんてあるはずもないレベルのおもちゃですから、ただちに動作チェックをする必要もない。であるなら、これは今年のクリスマスプレゼントにとっておけばヨイのではなかろうか?

という人生初の「大人のような思慮に基づく長期的計画」を採択して、クリスマスまで手を出さずにしまっておいたのであります。私は目の前に出されたエサは全部食べずにいられないペットのうさぎと同レベルの短期目線で生きる人生を送ってきましたから、このようなかたちで我慢する行動をとったことなど一度もありません。うむ、私も大人になったな。

ゆえに24日の夜、無邪気にトミカの箱をあけてウキウキ状態を味わうことができたのです。



取り出す


ぬおおおお!!







トミカ


わーい!日野ポンチョのミニカーだぁ




(参考)日野 ポンチョ 公式サイト
https://www.hino.co.jp/poncho/index.html



公式画像


日野(公式)の画像を引用




いま私が一番好きな自動車なのですよ。渋谷区のコミュニティバス「ハチ公バス」でも使用されています。個人的な流れとしては私は渋谷勤務の頃にハチ公バスが好きで好きでたまらず、使われている小型バスがポンチョという名だと友人から教えてもらって後から知ったという歴史的背景があります。

実車はさすがに個人で購入・維持するたぐいのものではないのでミニカーが手元にあるだけで充分満足できます。ミニチュアのコレクションと言えばもっとサイズが大きくて緻密につくられた上等品を収集する楽しみもあろうかと思いますが、そこまでマニアではないので私はトミカで気分上々です。



うしろ


斜め後ろを見下ろしてもいい感じ




駅近くの、2階にある喫茶店の窓際の席でコーヒーを飲みながら外を見下ろすとかわいいバスが走ってゆきました、的な気分に浸れて実に閑雅なひとときを味わうことができます。

日野公式サイトに用いられてる画像のバスと同じにしたのでしょうが、よりによってライムグリーンというのが余計に私を興奮させるのであります。カワサキのオートバイに乗りたいという情動が胸の底から押し寄せてきます。話がちょっと脱線しちゃいますけど去年あたりからカワサキのグリーンのオートバイに乗りたい欲望が日に日に増大してて自分の中の制御棒がおいつかない。そろそろ臨界に達しそうで怖い。

余談ですがこのポンチョという小型のバス、バス会社(と現場の運転士さん達)および実際に利用している客の皆様の双方から相当評判が悪いらしいですね。各方面から寄せられている不満をざっくりまとめると

1.バス会社の不満
 車両価格が高すぎる
 旧型バスでギリギリ通れた道がポンチョでは無理という路線が発生した

2.運転士の不満
 オートマチック・トランスミッションの仕上がりがイマイチ
 運転席で乗客応対するときに上半身を後方にねじまげるのがキツい

3.乗客の不満
 狭い!
 座席が少ない!

まあ、バス会社の不満と運転士さんの不満は非常に深刻であろうと思うのであります。実際に運用する側の意見という事でメーカーである日野は真摯に耳を傾けるべきであろう。余談ですが私はてっきり「エンジンルームのレイアウトがタイトすぎて整備がやりにくい」みたいな声があるのではなかろうかと先入観を抱いていましたが、そういう整備性に関する不満はないみたい。

ただ、乗客の不満については「そりゃそうだろ!」としか言いようがないというか、そもそもこのバスはバリアフリーを最優先にするという時代の要請で新規に設計されたのだから、多数派である健常者の目線だけで評価したらダメに決まってるじゃん。ベビーカー、車いす、足の不自由な人や高齢者の乗り降りを何よりも優先しろと言われて設計・製造した結果がコレなのよ。その大前提をとっぱらって不満だけ並べるのはイカンと思う。

ベビーカーや車いすユーザーの利用率を検証したり、高齢者を対象にして乗り降りのしやすさについて具体的なポイントを採点してもらったり、そういう目線で良し悪しを裁かないとメーカーも涙目じゃないだろうか。果たしてバリアフリー優先思想は正しかったのか、という面まで踏み込んできちっと評価しましょうよ。乗降のしやすさなど一切考慮せずとにかく座席が多くて人数をつめこみ可能な小型バスをつくれと命じられれば、メーカーはまったく別のものを造っていますよ。



サイズ感


単三形乾電池と並べるとトミカのサイズがよくわかりますな




それにつけてもこんなおもちゃを目の前に置いてニヨニヨしている私は頭の中が完全に幼稚園で止まってる感じがしますな。電車や自動車が大好きというのは完全に幼稚園男児じゃないですか。まあ動物園が大好きという属性も幼稚園時代からブレずに続いていますので、私は永遠にこういう思考回路のまま人生を全うするのだろうと思います。

なんにせよビックカメラ価格398円のミニカー1台でクリスマスを楽しく過ごせてよかったじゃないか、ちゃんちゃん!という内容で終わると見せかけて話はまだ続くのがモモンガ通信なのであった。私がそんな素朴な話で終わると思います?

結論から言いますと万年筆を衝動買いしました。まあ中古品ですけど、ネットフリマで購入して24日の夕方に手元に届きました。700えん。



万年筆


手前の赤いのが今回入手した万年筆




モモンガウオッチャーの中に万年筆マニアの方もおられるかもしれませんが、こちらはペリカンの"Pelikano junior"という名の子供用万年筆であります。Pelikanといえばドイツの老舗メーカーで上等品を愛用するファンは世界中にいますが、このモデルは初めて万年筆を使おうとする子供(初心者)に正しい持ち方をサポートする教材みたいなポジションを担っています。ベーシックタイプのさらに下のグレードというか最底辺モデルということです。


Pelikan Pelikano junior(公式)英語です
https://www.pelikan.com/int/products/writing/58-fountain-pens/489-pelikano-junior-colour-edition.html


私もその手の趣味に感染して学生時代にモンブランのマイスターシュテック146という万年筆を愛用したクチではありますが、結局のところ高級品すぎても持ち歩いて気軽に使えないので稼働率が下がっちゃうのよね。きちんとしたメーカーの、もうちょっとカジュアルな製品の方がいろいろな意味で使いやすい。

もう20年ぐらい前、もっと前かな?にこのペリカーノ・ジュニアを見つけたときに一目で気に入って衝動買いしたのであります。購入した当時はよく使いましたが、ここ数年は文字を手書きする機会が激減していますし何かの提出書類はボールペンの出番ですから結果的に万年筆を手にすることはほぼなくなっていました。

しかし私は去年あたりから「身体の自由を失っても楽しめる趣味を増やそう」ということでいろいろ多方面に遊びの幅を広げています。その一環で筆記用具と一筆箋を持ち歩くようになってます。

ずばり、私はまた詩生活を送ろうと思っているのです。

学生時代のようなスタイルに返り咲きしつつ、今後は短歌や俳句にも取り組んでいこうと思っているのであります。携帯用の歳時記(季語があつめてある用語集みたいなもの)も入手しました。時には正岡子規のように、時には与謝蕪村のように、思いを言葉に託して綴ろうと思うのよねん。短歌、俳句、川柳、都都逸、なんでもこだわらずに、ただひたすらに書きたいと思うのです。左手が不自由になって思うように楽器の演奏ができなくなってしまったけれども、歌を詠むならできる。今後もっと身体も不自由が多くなるであろう。だからこそ、身体を動かさずとも、静かに没頭できる趣味の一つとして詩を書き歌を詠もうと思っているのであります。

出先では2Bの鉛筆を常用しますが、帰宅して清書したくなる時もあるでしょう。そんな時にお気に入りの万年筆を使えたら最高に満ち足りた気分になれるではないか。



赤い万年筆


ペリカーノ・ジュニアは軸が太くて使いやすいんだ




実はかつて買って愛用していた黄色いペリカーノ・ジュニアを今も持っているんです。宝物としてずっと大事にしてきたんです。調べたら黄色はすでに廃盤なんですって。だから無くしたり壊したりすると発狂しそうなので、色違いの赤を中古で安く買ったというのが今回の話。



2本の万年筆


黄色い方が私の愛用品、今はプレミア価格になってるよ




赤とか青とかは今も新品が普通に買えます。ヨドバシ.comで見たら1,780円でした。ビジネスで使うにはカジュアルすぎるデザイン(何しろ子供用ですから)ですが、これまで万年筆と縁が無かった人がチャレンジするには本当におすすめ。実際私は他の万年筆は無くてもいいやって思ってるレベル。ペリカーノ・ジュニアにブルーブラックのインクカートリッジを入れて使ってると本当に最高の気分ですよ。文豪になった気分にひたれますぞ。



クリスマスプレゼント追加


この万年筆もクリスマスプレゼント




かくして、私のクリスマスプレゼント2024はまさかの2個体制という展開でありました。まあプレゼント費用合計1,098円なら結果オーライでありましょう。物価が上がりすぎてイマイチ買い物が楽しめない時代に突入していますが、今年のクリスマスに関しては気分最高です。ありがとうノドカサンタ。










#79
2024年(令和6年)12月29日(日)
「おうちでアウトドアごっこ・メスティンで米を炊く」


私は12月27日を「仕事納め」(←おい何いってんだ無職め)ということにして、28日土曜日から冬休みに突入しております。年末からお正月まで、すべてを放棄してグータラ過ごすんだ。

年明けにちょっと使いたい小物があるので買い出しに行こうとダイソーに寄りました。むかしは100均などと呼んだけど今はダイソーには普通に200円だの300円だの500円だのという商品が大量に並んでいますから、ヒャッキンという用語は使わなくなったなあ。

いささか話が脱線しますがすごい昔に横浜でOLをやっていたとき、同僚にあからさまに湘南のヤンキー全開な女の子がいて、たまたま同じ部署で席が隣りだったのでよく喋っていました。いつも金曜日の仕事をあがると彼氏が爆音のスープラで職場の入ってるビルの駐車場に迎えに来ていたなあ。で、そのヤンキーな子がファストフードの「ファーストキッチン」のことを(もうこの段階ですでに皆様お察しであろうが)「ファッ〇ン」と呼んでいて衝撃を受けたとことがありました。100均っていう死語を読んだり聞いたりするたびに彼女の事を思い出すのであった。

さて私はダイソー店内をぐるりと一巡したわけですが、なんかアウトドア用品のコーナーがやけに充実していたのでちょっと時間をかけてじっくり見ておりました。すると「MINI STOVE ちょこっとストーブ」という商品が目にとまりました。お!ドイツ製エスビット社のポケットストーブをそのままコピーしたような製品ではないか。200円という冗談のような値段です。本家エスビットは2,300円(税抜)ですぞ!私がアウトドアショップで働いていた頃ですら1,800円ぐらいだったと思う。



ダイソーちょこっとストーブ


出たな偽物!




本家はこちら。
エスビット ポケットストーブ・スタンダード(取り扱いは飯塚カンパニー)
http://iizukaco.co.jp/product/pocketstovestandard/

非常にシンプルなつくりで、もともとドイツ兵の装備品として有名な携帯用おりたたみストーブです。200円ならいいじゃん、ということでツイデに買ってきたよ。



出してみた


箱から出してみれば完全にエスビットの真似っ子どうぶつ




これはおりたたんだ状態であります。エスビット専用の固形燃料は内部にぴったり収納できるものが販売されています。さっそく使用状態に変形させましょう。天面部分は観音開きの構造で、両側を起こすとこの通り。



セット完了


こんな形状にして使用するのです




実によくできたもので、中央の台座部分に固形燃料またはアルコールストーブを置きます。そして火をつけて、あとは鍋やかんの類を上にのせるだけ。お湯を沸かしてコーヒーをいれるもヨシ、ラーメンをつくるもヨシ。

ご隠居グッドアイデアですよ!と言いたくなるのはこの両側のゴトク部分を少し内側に倒した状態でも使えるというからくりです。きちんとカチッと固定されます。こうするとゴトク部分が小さくなるので、よりコンパクトな食器を直接置くことが可能です。



2段階


開き具合を2段階で調整できます(おいピントが合ってないぞ!)







実用


これにより底面積の小さい食器も使用可能




ちょっと触ってみた感じでは本家エスビットとくらべても出来が悪いという印象はない。ありがちなのは金属の断面でスパッと手を切り血が噴き出る、みたいな事態ですが、そういう悪行をおかしそうなバリなどもなく仕上げは良いように見えます。これなら普通に使えそうであります。

せっかくなのでメスティン(アウトドア用の取っ手付・フタあり調理器具)でお米でも炊いて遊びましょうかね。

新型ころ奈が大流行した頃、三密を避ける娯楽ということでにわかにキャンプブームが起きました。そのころに「メスティンで米を半自動炊飯する」という動画がYouTubeに上がりまくりました。

飯ごうで米を炊くときに「はじめチョロチョロ中ぱっぱ、赤子泣いてもフタとるな」なんていう言い回しがありました。これは火力調整のコツを表していて、雑に手順を書くと

1.米をといで水につけておく。
2.飯ごうを火にかける。フタには重しをしておく。最初は強火。(はじめチョロチョロ)
3.しばらくすると吹きこぼれてくる。火を弱める。(中ぱっぱ)
4.弱火にかけていると飯ごうからチンチン、という音が聞こえてくる。そろそろ炊き上がる合図。
5.飯ごうを火からおろし、タオルで包んでひっくり返してしばらく蒸らす。
6.できあがり。べちゃべちゃに炊けたりカチカチに焦げた人は次回から水の量を修正してね。

という感じでしょうか。赤子泣いてもフタとるな、っていうけど別に途中でフタをあけたぐらいで命を失う事はないのでビビらなくても大丈夫です。

で、YouTubeで流行ったのは「メスティンと固形燃料を使えば火加減を気にすることなくほとんど放置状態で米が炊けます」というような動画ですな。なるほど頭いいっすね。私もやってみたよ、部屋で。



炊飯中


お米を炊いております




ダイソーで約30gの固形燃料3個入りが100円で売られており、これを使うとちょうど米1合を放っておいてもいいかんじに炊くことができるのだそうです。なるほど、途中で火加減に注意しなくてもよいという意味で「半自動炊飯」ということか。火が消えたらタオルに包んでひっくりかえして蒸らすだけで炊き上がる。

私はフタにのせる重しのかわりにイワシ蒲焼の缶詰をのせました。ごはんを炊くついでにいい感じに温まって、そのまま手間いらずでイワシ蒲焼丼が完成するという展開であります。

いい感じに米は炊き上がったので速攻で食べてしまい肝心な写真を撮るのを忘れたよ。ごめんねごめんねー。

今回ダイソーで購入した偽エスビットならぬ「ちょこっとストーブ」はなかなかに優秀でありました。これがあればお湯を沸かしてコーヒーをいれたりする程度ならわざわざプリムスのシングルバーナーを持参しなくてもよいであろう。来年はアウトドアあそびを楽しめそうであります。

また、非常に素晴らしいことに折りたたんだ状態でメスティンの中に収納できるという絶妙なサイズでありました。効率よくパッキングできそうで、旅の計画がふくらみんぐ。

このようにして、冬休みをさっそく一人あそびでエンジョイしまくる私がいるのであった。家にひきこもって何やってんのよ?って言われそうだけどなんか楽しいので充分満足です。










#80
2024年(令和6年)12月31日(火)
「さらば2024年!反省などない」


いろいろありましたが2024年も終わります。とは言うものの、私はカトリックの暦で生きてる人間なのでクリスマスの準備期間である待降節に入った時点で既に新年モードに突入していますから、日本国籍でありつつ異教徒ゆえ感覚的にズレているといいますか、正直もう新しい年がスタートしております。

年越しにあたって1年を振り返って反省会をするとか、お正月を迎えたら改めて目標を立てるとか、本当は必要なんでしょうね。どうですかね?個人的には2年ぐらい前から思い立った時が常にスタート地点というふうに考えることにして、あまり反省もしないし目標も立てない方向性で生きていますが、ダメでしょうか。

そりゃあ確かに振り返れば反省することは多々あるわけですが、やらかしちゃった事はある意味しょうがないのであって、今さら過去を変えることは出来ないのであります。やりたいと思いながら出来なかったことはたくさんある。でもそれもある意味仕方がない面もあったというか、できないだけの理由があったわけでそれを今更グジグジ言ったところでどうすることもできない。

ある程度長期的な視点に立って人生を賭した目標を立てて、それに向けて具体的な作戦を一歩ずつ展開していくというのは大事だと思っています。でも何かのアクションを起こす最適なタイミングというのは自分でコントロール不能な場合の方が多いというか、むしろ思い通りに事は運ばないほうが普通ではないか。逆に思いがけない時に「よし、今が決断の時だ!」みたいな瞬間が来る、そういうパターンを味わった経験がいくつもあります。

毎日それなりに一生懸命暮らしていて、気がついたら今の状態に陥っているというのが本当の所であって、辛い思いをしている現状というのは何も自ら望んでこうなったワケではありません。年の初めにたとえばフルートでホニャララができるようになりたいと目標を立てたとしても、交通事故にまきこまれて左腕が思うように動かせなくなり楽器演奏がままならない身体になった私としては、ある意味「立てた目標のぶんだけ虚しさもデカい」みたいな気分を味わったので


立てた目標が具体的であればあるほど、不測の事態により叶わなかった時の精神的ダメージは大きい


という側面を強く訴えたいのであります。いずれモモ通でちゃんと書くつもりでいましたが私は左腕が不自由になったので右投げに転向するというきわめて具体的な目標を立てたのであります。草野球チームで中継ぎ投手として2イニング投げられるレベルを目指したのであった。しかし結論から言うと腰と股関節の状態があまりにも良くないので現在は主治医からスポーツを禁じられております。ピッチング練習はもちろんのこと、股関節の状態をこれ以上悪化させないようとにかく動かさないように(ストレッチみたいな動きすら厳禁)と命じられたのであった。グローブを買い、ボール投げもOKな公園まで探し当てて、投球フォームの習得に向けてあれこれ調べる段階まで行動をすすめていたにもかかわらず、あんまりな展開ではないか。

目標なんて立てても虚しいものだなと思ったのよ。

やりたいと思うことがパッとひらめいたら即動く、というほうがよい気がしているのであります。例えば今年ハーモニカを買いました。これまでやってきた楽器がことごとく両手を使って演奏するものばかりであり、左腕の自由を失ったとたんに音楽活動が止まってしまったので「片手でも保持して演奏できる楽器はないか」と考え、調べまくってレバー操作不要のクロマチックハーモニカ(トンボS-50)に行き着いたのであります。この楽器のおかげでどれだけ私の心が救われたか皆様には想像もつかないであろう。

ズーラシアに行かれなかった、などと反省してもあまり意味がないではないか。行きたいと思っていました。でもいろいろ事情があってタイミングよくズーラシアに行く機会に恵まれませんでした。これって反省する意味あります?ないですよね。「ホニャララすれば行けたはず」とか「ホゲホゲしたせいで行かれなかった」とか、言うだけ無駄じゃないですか。結果的にできなかったことを後からグジグジ言っても得るものは何もないです。年が明けてある日「あ、明日ちょっくらズーラシア行ってくるか!」みたいな時が来てサクッと行けちゃったりするかもしれません。そんなモンですよ。あまりギチギチに計画立てたりノルマのように期限を設定して自分自身を追い込んだりするのは良い結果につながらないと思う。

そもそも我々の毎日って何もかもが思い通りにいくモンじゃないですからね。予測もつかないところでアクシデントもある。ハプニングにも遭遇する。良いことも悪いことも突然やってくる。しょせん誰にもわからない未来のことを深く考えすぎて白髪を増やすのもどうかと思うようになったのよね、私としては。

そういう意味で特に2024年に入ってからの私はどちらかと言えば思いつきで行動してきた側面が強いです。計画性いっさい無し。思い立ったが吉日、ということでピコーンとひらめくアイデアが浮かんだら即行動に移る。そんなわけで先ほど書きましたように右投げに転向しようとしたりハーモニカを買ったりしたわけです。それ以外にも

・俳句をはじめる決意を固めて歳時記と一筆箋を買って持ち歩き始めた
・友人がかぶってるヘルメットが気に入ったので真似して同じのを買った
・自分の庭のような場所を増やそうと思って近所の公園をあちこち開拓した
・いきなりメスティンで米を炊いた

などなど、本能の赴くままに衝動的に行動をはじめていたのでありました。これにより何か重大な問題が発生したかというと、そういうのは全くない。右投げ転向のように計画が頓挫するものも一部ありましたが、全体として見れば結果は良好、充実の毎日が送れたのであります。

とはいえ私が歩んできた生き方は言い換えると「発作的・無計画人生」ということですから賛否両論あるでしょうねえ。もうちょっと計画的にやるべき、目標をしっかりと持つべき!みたいな思考回路の人が多数派であろう。

ただ私は反省はしないよ!!意味ないもん。反省はしない、というとちょっと誤解されそうなので言い換えると「無駄に過去を振り返らない」という事であります。済んだこと、起きた事実は変えられないのだから、むしろ大事なのは今この瞬間をどう生きるかですよ。これまでの経験上あえて断言しますが未来なんてどうせピンチの連続ですよ。私はピンチじゃなかった時はない。毎日がイザという時であります。たまたま今日は平穏無事でありました。だからこそ、明日は相当ヤバめなピンチが来る可能性がオオアリクイ。いや明日が来るという保証すらないのだから、今こうやってぬいぐるみを抱いてチューチューしている時間というのは実に貴いという解釈になるわけです。

ひとつだけ確実に言えることは、こんなワケのわからない私ですら見捨てずにいてくれる友人がいることに感謝しかない、という点に尽きます。ひとときを共に過ごして楽しい時間をわかちあえる人がいる、というのは本当にありがたいことです。大切な人をがっかりさせることがないよう、それだけは心に深く刻んで生きていきたいと思うのであった。

こうして、全く反省の色のない私の2024年が幕を閉じるのであった。来年につづく。










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