モモンガ通信2023年(第1期) ヴェノーヴァとかフルートとかオートバイとか・・・のどかさんの日常ヨタ話


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#1
2023年1月4日(水)
「モモンガ通信新年号2023(キーボードの話)」


モモンガウォッチャーの皆様、新年おめでとうございます。皆様にとって素晴らしい年でありますよう祈念しております。今年は卯年(うさぎ年)とのことで、思い出すのは子供の頃に飼っていたウサギであります。毎日ひたすら穴を掘り、脱走することに執念を燃やしていました。ヒモでつないでもヒモをかじりまくってブッちぎり、そしてまた脱走を試みるという「鋼鉄の意志」を曲げることなく一生を終えました。私もそんな一途な生き方を貫きたいと思います。



うさぎ

うさぎは可愛いなあ




ということで今年のモモ通第一号です。いきなりですがキーボードの話から始まります。当初は今年の目標とか真面目に書こうかなと思っていたけどそういう話って正直あんまりおもしろくないですよね。あと、ヘタに目標を立てると一年後に「ちゃんと達成したかどうか数値化して示せ」っていう話になったりするじゃん。黒い企業の「名ばかり人事評価制度」に縛られてるみたいでイヤですよ私は。そういう世界にメンタルを潰されて宇宙無職になっちゃったんだよこっちは。だからいきなりキーボードの話をするぐらいでイイんです。

今回とりあげるキーボードはパソコンで入力するデバイスではなく、鍵盤楽器のキーボードです。

私はギターから音楽演奏という娯楽の世界に入って今はフルートとヴェノーヴァをメインでやっています。ギターもまあ、触ります(←弾けよ)。あとはウクレレも持ってるけどこれはほぼ放置プレイです。ヤング時代から使っていたギターなら、音もコードフォームも身体が覚えている感じで今でも何とかイケます。しかし気がふれて精神病院送りになって以降は記憶力がヤバいレベルに低下しており、いくら繰り返しやってもウクレレのコードフォームを覚えられないのです。ギターから持ち替えると頭が混乱しちゃう。「悲惨」の一言です。ソプラノウクレレの音色は大好きなんですけどね。Gのコードをとっさに鳴らそうとするとCコードを鳴らしてしまう。どうしてもギターのフォームでしか反応できないので手の打ちようが無い。実に残念な話です。

とはいえフルートやヴェノーヴァはそもそも家で音が出せない(騒音問題で警察に通報された過去がある)。そのうえ管楽器では和音が出せない。これはコード進行を意識しながら行う作業(作曲とか)に支障が出ます。ギターもアコースティックギターは生音がうるさいので鳴らせない。事実上、エレキギターをヘッドホンでモニターしながら鳴らすという方法しか選択肢がない。

しかし私としてはもっと単純に音を出したいのであります。いちいちエレキギターをチューニングしてシールドを引っ張り出してアンプにつないでヘッドホンをつないで・・・とやってる間にさっき脳内でひらめいたメロディは消えてなくなるのであります。サッと出してすぐ音を出せる機械を手元に置いておきたい。

そして、より大事な点でありますが、音楽を学ぶ上で「音階を視覚的に理解できるツール」としては鍵盤が一番わかりやすいのであります。左から右に向かって音が高くなってゆくとか、半音の位置関係が黒鍵で瞬時にわかるとか、私のような野人には非常に理解しやすいインターフェイスを備えているのであります。

ということで、私はカシオのSA-46というミニキーボードを中古で安く入手して長らく使っていました。32ミニ鍵盤のおもちゃのようなキーボードです。もっともサイズが小さく手軽に使う事が出来、しかも価格が安くて信頼できるメーカーのちゃんとした製品といったらコレしかなかった。電池駆動できるしスライド式スイッチによりボリューム調整も可能。静かな音を出すことも可能で近所に迷惑をかけることなく存分に音楽に没頭できる素晴らしい道具でありました。


SA-46 Casiotone ミニキーボード(生産完了)
https://www.casio.com/jp/electronic-musical-instruments/product.SA-46/



SA-46

ボディは黄緑色でポップなデザインのキーボード




私には使いこなせないレベルの多機能っぷりで、音色やリズムパターンがたくさんプリセットされていたりドラムスの音まで鳴らせる機能があったりして正直私にとっては過剰スペックでした。それでもちゃんとした音程で音が出せる気軽な楽器という意味では唯一無二の存在です。愛用している人も多い「傑作機」ですな。


マジンガーZ CASIO keyboard sa-46(YouTube)







オーシャンゼリゼ ミニ鍵盤&ウクレレ casio sa-46 / music m's office(YouTube)





いい雰囲気、いい世界じゃないですか。ウクレレと電子キーボードで楽しむゆったりした時間。こういうふうに音楽を楽しめる人生は素晴らしいと思うよ。必死にチケット売りさばいてライブやって「オーディエンスとの一体感に陶酔する時代」は私の中では終焉を迎えて久しいわ。自分が楽しく演奏できればそれでもう充分ですよ。個人的にはフルートを背負ってオートバイに乗ってフラリと出掛けて、誰もいない静かな場所でひそやかに「ひとり音楽会」を楽しみながら余生を送りたいと思っています。

で、愛用してきたこのSA-46が随分前に壊れてしまい、私はキーボード難民になったのですよ。後継モデルとしてSA-50やSA-51というのが出ているものの、事実上値上げするためのモデルチェンジ品のようなモノで実売価格はなかなか高い。かつては「チプカシ」(チープなカシオの略)と呼ばれたカシオのスタンダードな腕時計が価格改定されてビンボ人には手の届かない高級ブランドになってしまったのと同様の事態が、カシオトーンの世界にも起こっていたのであります。

仕方なくスマホやタブレットに鍵盤アプリを入れてみたりしたのですが、どうもしっくりこない。液晶画面をタッチしても違和感しかないのよ。やっぱり自分には物理的な鍵盤が必要だと思うのであります。



スマホアプリ

スマホのキーボードアプリでは満足できない




そんなわけでしばらく悶々としていました。そうこうしている間にヤマハからPSS-A50というナカナカに面白そうなキーボードが発売されました。多機能っぷりがすごくて私には絶対に使いこなせないと分かっているのですが、作曲の道具として無限の可能性を秘めているかのように思われて欲しい気持ちがおさえきれません。


ヤマハ PSS-A50(公式)
https://jp.yamaha.com/products/musical_instruments/keyboards/portable_keyboards/pss-a50/index.html


公式サイトのキャッチフレーズが「クリエィティブなサウンドを持ち運べ!演奏から録音、音楽制作ツールとしても活用可能なミニキーボードです。」と謳っているわけですよ。曰く、高品質なサウンドと多彩な機能、タッチレスポンス付き鍵盤搭載。演奏から録音、音楽制作ツールとしても活用できるミニキーボード。パソコンと接続してうんちゃらかんちゃら的な世界ですって(←昭和のアナログ人間には正直、理解が追いつかない)。



PSS-A50



高機能だしデザインもいいし、こんなの持ってたら幸せだろうなァ




この製品が、半導体の不足や物流の問題などのせいなのか相当な品薄となっており実売価格はかなり高い状態で固まっています。基本的に何を買っても安いサウンドハウス(ミュージシャンにはおなじみの音楽関連の店)ですら11,400円です。さすがの私も、ちょいと音を出すための道具にそんな大金は出せない。なにしろこれまで使っていたSA-46は中古品を3千円で買って大切に使っていたのだ。

仕方がない。やはりカシオのSA-50で妥協しますか。6,580円。これよりも安くてマトモなポータブル鍵盤楽器はおそらく無いであろう。そう思いながらサウンドハウスでポチる決意を固め、ウェブブラウザを開いたのであります。すると、サウンドハウスのオリジナルブランドであるプレイテックからPTK050という32ミニ鍵盤のキーボードが販売されていて、税込4,180円だという。


PLAYTECH (プレイテック)PTK050 サウンドハウス公式サイト内の商品ページ
https://www.soundhouse.co.jp/products/detail/item/300759/


SA-46と同様、野人には使いこなせないレベルの多機能製品となっております。もっとこう、シンプルなポータブルピアノは無いですかね。まあ、カシオよりも安いというのはありがたい。ビンボ人に2,400円の差額はデカい。ああコレで良いではないか!と思いました。繰り返しますが何も本気で鍵盤の楽曲を演奏しようというのではなく、ちっちゃい音が出せるポータブル鍵盤が欲しいだけなのですよ私は。

ということで買っちゃいました。これでスマホアプリの液晶画面鍵盤という名の地獄から脱出できる。



PTK050

買っちまったイェ〜イ!プレイテックのミニキーボード




通販で入手した安物だけに不安感はハンパなく、ちゃんと全ての音が出るか割と本気でチェックしました。ハズレを引いたら速攻で返品交換依頼しなきゃですからね、必死です。全ての機能をチェックするのは無理でしたが普通に鳴らす分には問題が無いと判明。さいわい初期不良は無いようでホッとしました。

なお保管については何らかのケースにしまっておきたい所です。出しっぱなしでホコリをかぶるのはどうかと思います。イタリアのJUST1っていうモトクロス用のヘルメットに付属していた収納袋が幅的にちょうど良いので、このヘルメット袋に収納して保管しておくことにします。



JUST1ヘルメット袋

大きめのヘルメット袋がぴったりサイズだった




ちょっと待て!なんでモトクロス用のヘルメット袋がパッと出てくるんだよ!そもそもお前モトクロスやってたのか?っていうツッコミが来そうですがキニシナイ。今はやってない過去の話など最早どうでもいい事ですよ。大事なのは今この瞬間をどう生きるかですよ。オフロード用のヘルメットはオデコにひさしがついていて、アゴの部分も先端に向かって突き出ているので収納袋もオンロード用フルフェイスヘルメットの袋にくらべて大きいのだ。これがキーボードにちょうどいいサイズだった、それだけでヨイではないの。

せっかくなのでPTK050のレビューをお願い、と言われそうですがマジで私はただ単に音を鳴らしてるだけなので搭載されているはずの多彩な機能を全く使いこなしておらず、レビューのしようがないのであります。まったくもって恥ずかしい話であります。まあこういう物を買おうとしている層は鍵盤のタッチとか強弱の表現力とかに関してどうのこうのと言う人ではないでしょうから「たかが4千円程度のモノでガタガタ言わないの!」という言葉で締めくくりたいと思います。しょせん安物なのだから玉砕覚悟で黙って買って使い倒すだけなのだ。もともとアコースティック・ピアノを演奏していて、その代替として通用する本格的なデジタルピアノを買う層とは人間のヒエラルキー的に見て別の階層なのでありますから、いいからさっさと買っちゃいなYO!としか言いようがないのだった。値段相応の喜びはちゃんとあるから安心してポチられるがよい。

私レベルの「ギターを持たなければただの野蛮人」「ヘ音記号の楽譜が瞬時に読めなくてベースを挫折した低能」「プロになります、と言ってせっかく就職した会社を辞めて音楽活動にいそしみ、気づけばビンボ人になりさがったド阿呆」「それでもひとすじにロックな人生を貫きたい単細胞」というような方々に限定して言えば、超絶にオススメできます。間違いなくあなたの音楽生活を支える大切な相棒になってくれるでしょう。この値段で新品の電子キーボードが買えるというだけで嬉しいじゃないですか。大丈夫、買えばわかります。プレイテックおそるべし。

オススメ度(※音楽レベルの低い野蛮人限定):★★★★★










#2
2023年1月9日(月)
「Amazonのタブレット、Fire HD10(第7世代)の使いみち」


今日は導入部分でいきなり話が脱線します。タイトルと全然関係ない話からはじまるけどすぐ終わります。

去年ひっそりと引退した東京都交通局の車両、都営浅草線5300形はご存知でしょうか。私が常日頃愛用している都営浅草線で、1991年(平成3年)の春から営業運転を開始した列車で、30年以上にわたって活躍してきた往年の名選手であります。制御装置にVVVFインバータ方式を採用し、すさまじい爆音をとどろかせて走るその姿にシビれた鉄道マニアたちは「交通局の白い悪魔」と呼んでいました。


東京都交通局5300形電車(ウィキペディア)
https://ja.wikipedia.org/wiki/東京都交通局5300形電車


京急沿線の住民はこの車両がすさまじい音をたてて入線してくると「ああ今日はハズレか」と落胆したという話ですが本当でしょうか。

白いボディに赤と茶色のラインが入ったエレガントなカラーリングが魅力的でした。非常に洗練された美しい姿は東京都交通局の「看板娘」的存在として私をはじめとする熱烈ファンに深く愛されてきました。2018年(平成30年)6月に新型の5500形が登場し、東京オリンピックに向けて急速に入れ替えが進んだことによりアレヨ、アレヨという間に姿を見かけなくなり「お別れイベント」も行われないまま最後に残った5320編成も営業運転から引退したのであります。まったく話題にならず首都圏ニュースで取り上げられることもなく、静かに去っていったのでした。ひどいよ。

で、私が去年の終わりに交通事故でダウンしていた間に「5300形グッズ」が販売されていたらしい。駅にポスターが貼ってあったよ。



グッズ紹介ポスター

もう走ってないのに今更グッズ出してどうするんだよ!




個人的にはちょうど筆箱を新しくしたいと思っていたのでペンケース1,500円が欲しいような気もするのだが、冷静に考えると要らないような気もする。1,000円なら迷わず特攻しましたが1,500円はちょっと高いよなあ。と、ウダウダ悩んでいるのであります。

ということで無駄話はここまで。今日の本題に入ります。

私は2018年の年明けにAmazonのFire HD10というタブレット端末を購入しました。自炊した電子書籍を読むビューワとして使おうと思ったのがきっかけでありまして、購入当初は電子書籍を読むのはもちろん、Amazonでの買い物アプリを便利に使って満たされた日々を送りました。



Fire HD10

いわゆる「第7世代」とよばれる機種です







公式に掲載されていた紹介画像

当時としては最先端の高性能Fireタブレットでした




AmazonのFireシリーズはAndroid OSをAmazon専用にカスタマイズした独自OSを積んでいるのですが、第7世代はAndroidのバージョンとしては5.1.1「ロリポップ」をベースとしております。Androidとしてはほとんどのアプリがとうの昔にアップデートを打ち切っている古いバージョンです。

当然、Fireとしてもいよいよ古いモノ扱いになってきたらしく、随分前からAmazonショッピングアプリの対象外機種になってしまいました。Amazonが提供するサービスに特化した端末でありながらAmazonでの買い物ができないという、もはや何のために存在しているのかわからない状態になりさがっております。

私は動画を視聴するサブスクリプション・サービスとかは契約していないし興味もない、となると事実上出番はないですよね。絵を描いたりする趣味の人とか、コンピューターで作曲するミュージシャンとかがiPadを活用する例を耳にしますが、一般人にはタブレット端末ってあまり使いみちが無いような気がします。

タブレットの使いみち、みたいな感じでネット検索してもみんな同じようなネタを書いていて、どれも「自分には要らないなあ」っていう内容がほとんどです。もうあらためてFireタブレットを買い直す必要性は無いかな、などと思いながら、さてこの古いタブレットをどうすべえ(←多摩地区方言)という事になりました。

目が疲れるからわざわざ自炊して電子書籍を読むガッツはもはや無い。iPadみたいにオーディオインターフェイスを介し、エレキギターをつないで楽器演奏に活用することもできない。まさに持ち主に似たかのような無能っぷりがほとばしっています。売り払っても二束三文であろう。なんかいい使いみちはないだろうか。

で、すごく悩んだ末に行き着いたのが「これにiTunesの音楽ライブラリを収納して『ちょいデカiPod』として使えばいいんじゃないか?」という結論でした。皆様ご存知のようにAppleはiPodの販売を終えていて今やポータブルオーディオはハイレゾをうたうソニーWalkmanの天下となっております。私はハイレゾは要らないから普通にiPodの後継機として使えればそれでOK。

さいわい私のFire HD10はマイクロSDカードスロットを装備しており最大256GBに対応しております。私が今使っているiPod touch最終モデルですらストレージ容量は128GBですよ。だからこのタブレットに大容量マイクロSDカードをサクッと入れれば充分実用に耐えるのではないか?

しかし私はそんな大容量のマイクロSDカードなんて持ってはいないのだった。とりあえず手持ちのメモリーカードを漁ってみたらTOSHIBAの32GBが出てきた。32GBでは私の音楽ライブラリを収納するには全然足りないわ。奮発して256GBでも買ってみるか!と思ったらすごい値段するじゃないか。ということで、妥協の産物としてキオクシア(旧東芝)の128GBを購入しました。1,149円。



KIOXIA(キオクシア)支那語パッケージ

東芝も落ちぶれたもんだな







新旧マイクロSDカード

容量は4倍の128GBだよん




このインチキくさい青いマイクロSDカードを、Fire HD10のスロットにズバビッと差し込む。実際に試みたら写真だと裏返しだったよ。スロットも奥まっていて指で押し込むだけではきちんと刺さらなかった。



挿すべし!

これを使えば私の音楽ライブラリが全部収納できるYO




まあ大事なのはFire HD10に入れてから改めてフォーマットすることでしょうかね。音楽を聴くアプリとしてはMusicFolderPlayerのフリー版というのを使う事にしました。



セットアップ

音楽プレーヤーとして使えれば良いので余計なアプリは入れません







セットアップ

128GBのマイクロSDカードの実質容量は116GBですってよ




ここまで準備ができたら、つぎはコンピュータとFireタブレットをUSBケーブルでつないで、iTunesのフォルダをまるごとコピーします。うむ、全部のデータをコピーし終えるまでけっこう時間がかかりそうだゾ。



コピー中

あとは全てがコピーされるまで放置じゃ




まあ実際は1時間ちょっとで終わりました。けっこう高速で書き込みできるマイクロSDカードだったのは意外でしたな。ケチって安物を買ったのですがなかなかやるじゃないか、キオクシア。

さっそくBluetoothをオンにしてワイヤレスヘッドホンで聴いてみようじゃないの。



もふっとオオカミにヘッドホン

いや、君の耳の位置はそこじゃない







演奏中

おお!絶好調ですよ!!作戦は大成功




というわけで私の中の永遠のスター、Rick Springfieldのアルバム"Living In Oz"を聴いてました。知ってますかリック・スプリングフィールド。彼はミュージシャンとしてだけではなく俳優としてもキャリアを積んでいて、若い頃はSF作品「宇宙空母ギャラクティカ」のTVシリーズに出ていましたね。「ハイタイド探偵事務所」っていう作品で元警官で今は弟とサーフショップを経営しつつひそかに探偵稼業、という面白い役どころで主演、これがまた最高にかっこよくてさ、ヒロインのフリッツとの恋の行方も気になって楽しい作品でありました。1988年の"Rock Of Life"っていうアルバムに入ってる同じタイトルの曲がそこそこ有名なはずなのですが「知ってる!」って言ってくれる人に会ったことが無い。私にとっては青春のシンボルみたいな存在ですが最初のヒット曲"Jessie's Girl"が1981年とか言われるとちょっとビビるね。月日の経つのは早いものです。

何はともあれ、古いタブレットに音楽ライブラリを全曲収納プロジェクトは大成功であります。これはなかなか実用的で無駄のない使いみちではなかろうか、と自画自賛モードに突入するのであった。










#3
2023年1月13日(金)
「パソコンのキーボード交換」


年が明けてすぐ、ぐらいでしょうか。長年使ってきたパソコンのキーボードに異変が生じました。

右手小指で頻繁に使うEnterキーが、なんだか変です。奥にめり込んで、もとの高さまで戻っていない。押しっぱなしのような状態になっています。

しかしキー操作自体は押しっぱなしになっている訳ではなく、めり込んだ状態ですが画面上は問題がありません。そのうえで、Enterキーをかなり強めに押すとEnterとして動作する感じです。地味にストレスが溜まります。

いつから使っているのかを調べてみたら2017年の1月からでした。私は定期的に交換が必要な外付ハードディスクドライブをはじめとしてPCの周辺機器には導入年月をシールでペタッと貼っておく習慣がありますので、いつ買ったのか(接続したのか)がわかるようになっています。キーボードはキーにプリントされた文字がすでに消えかかっているレベルですから、充分すぎるほどに使ったと考えてヨイでしょう。

キーボードやマウスはしょせん消耗品ですし、料理人にとっての包丁みたいなものですから、潔く買い換えることに決めました。年明け早々痛い出費ですが仕方がありません。使い続けて無駄なストレスを貯め込む必要は全く無いです。とっとと新しくして気分よく使う方がいい。

しかし問題が発生しました。

私のパソコン本体がキーボードと同様、6年選手でありまして「いささか古い」のであります。結論から言うとUSBポートが4つしかないのです。

データ保管用&バックアップ用ということで外付のハードディスクドライブを2台つないでいるので、それでUSBポートが2つふさがります。あとはプリンタ用で1つ使ってきました(今はプリンタ不在)。残りのひとつは、ICレコーダーをつないだりスマホをつないだりと臨機応変に活用できるよう「ふだんは空きスロット」にしているのです。

パソコンに付属してきたのはUSBキーボードでしたが「いやいや接続するポートが足りないやん!」ということで、昔ながらのPS/2コネクタのキーボードを接続して使ってきました。PS/2コネクタは1987年、IBM社のコンピュータ製品「PS/2」で採用された由緒ある規格でのちにPC/AT互換機の標準仕様として広く普及したのであります。PS/2コネクタのキーボードのすごいところは「一度に同時押しするキーの数に制約が無い」のであります。理論上、いっせーのーせ!でキーを同時押しすれば全部の信号がコンピュータに伝わるのであります。USBキーボードは当初「同時押しは3個まで認識」とか「6個まで認識」というレベルだったので、キーボードを駆使するゲームマニアはUSBキーボードが進化する前はPS/2キーボード愛用者が多かったのだよ。

まあ私のパソコンはPS/2コネクタがあるという事から、かなり古いモデルということがバレるのであります。コロナ禍で「オンライン飲み会」なんていうのが流行ったけど、私のパソコンなんてヘッドセットも「緑のイヤホン端子とピンクのマイク端子」にぶっさすタイプですからね。しかもカメラが無いのでカメラを別途用意しないと顔が映らない。もはやスマホに負けるレベルですよ。



マイク&イヤホン端子

まだこの端子に対応するヘッドセットは売っているんでしょうかね?




何はともあれPS/2コネクタのキーボードを買おうとヨドバシ・ドット・コムを訪ねたのであります。案の定というか期待通りというか、今は有線ならUSBキーボード、むしろ主流はワイヤレスキーボードであって、PS/2コネクタの製品など絶滅危惧種でありました。まあ、売られているだけ良かったよ。予備を含めて2個買いました。



キーボード

2個あればあと5年は戦えるでしょう







PS/2コネクタ仕様

このコネクタ形状が大事よ




まあ今まで使っていたものと全く同じ機種なのでとりたてて騒ぐ事はありませんな。といっても、やっぱり新品はキーの感触が全然違うよ。押し心地が超気持ちいい。



新品開封

新品ってのはいいもんですねぇ







キーの状態

Enterキーがちゃんと作動する喜びですよ




ということで、さっそくパソコンの裏面を覗きながら古いキーボードを容赦なく外し、新しいキーボードに差し替える。あ、USBキーボードと違って電源を落とした状態で接続して、あらためて電源を入れ直さないとキーボードが認識されませんからご注意下され。まあ今じゃ必要もない豆知識ですな。

電源を入れて動作チェック。ばっちりですよ。嗚呼、新しいキーボードの心地よさ。こんなにも感触が違うのですな。やっぱり新品はいいね。実に、実に素晴らしい。こういう「消耗品」はさっさと交換するのがヨイというのが今日の結論ですな。いやマジで最高。



新キーボード

サンワサプライSKB-L1BKNは個人的にイチオシ




古いキーボードは容赦なく不燃ごみコーナーに直行ですわ。持っていてもなんの意味も無いですからね。これまでよく働いてくれた。ありがとう、そしてありがとう。










#4
2023年1月17日(火)
「いよいよ私も終活はじめ?アマチュア無線局の廃止」


昨年12月のモモ通で、今後オートバイのある生活を復活させるにあたり、出費を削るために最近はあまり活躍の場がない「お金のかかる趣味」をヤメるのもアリだな的な話をしておりました。


モモンガ通信2022年12月22日(木)#73
「二つ折りケータイで行こう!」
https://ezomomo.com/momo_j/2022/momo_j2022_4.html#73


去年は食料品や電気代、ガス代など多方面ですさまじい物価上昇がありました。音楽教室の月謝も上がった。この値上げ傾向は今後も続くようですし、政権はあからさまに増税するという方向性を示していますから、我々庶民(というか底辺民)は生活防衛のためにとにかく支出の見直しが急務となっております。で、上記のモモ通では契約している携帯電話回線のリストラと使用頻度の低いクレジットカードを解約した話を書きました。

このとき現時点でランニングコストが発生している物のうち、今後の人生で「もうヤメてもいいかな」「正直、要らないかな」と思う娯楽として以下の3つを挙げました。

(1)アマチュア無線局
(2)小型船舶免許
(3)オリジナルのドメイン

で、(2)の小型船舶免許は現時点で有効期間が令和7年(2025年)5月までとなっているのと、(3)のオリジナルドメインは令和10年(2028年)2月までということで「それまでは放置(現状維持)」ということに決めたのであります。

今日のテーマは(1)のアマチュア無線局ですよ。

私にとって「ラジオ局のコールサインを持っている」というのは子供の頃からの憧れであり「ジュリエット・ワン・ブラボー・パパ」という(※正式に名乗るともっと長い)フォネティックコードの文字列は私の分身のようなものだったから、これを廃止するというのは身を切られるような、ひとつのアイデンティティを失うような辛さを感じるのであった。

私はモールス信号による通信をやりたくて無線の世界に入ったのですが、きっかけは小学校の時の「電気クラブ」の顧問の先生が電鍵をマシンガンのような速度で操っている姿を見てシビレたからに他なりません。わかります?電鍵。英語だと"Telegraph key"です。昔の戦争映画とかに出てくる、モールス信号を出力するための装置です。



電鍵

トン・ツー・トン、ってやる装置ですな。GHDキーの電鍵は世界一!




装置をテーブルの上に置いて指で上からトツトツと叩くものだからズレて動いたりしないようにずっしり、どっしり、きっちりとした高精度のデバイスでありまして、見た目以上に重たいのと、上下の振り幅(ストローク)がけっこう短くて操作はかなり繊細さを要するというのが特徴ですかね。私の愛用品は重さが1.2kgぐらいあって超絶高精度の仕上がり、ガタツキとか全く無い高級品でした。こういうモノに2万円とか5万円とか躊躇なく注ぎ込んじゃうのが無線趣味の世界よ。

昔はこういう縦ぶれ型の電鍵が主流でしたが今はパドル式っていう横ぶれ型が普及していて「より高速で打てる」との話ですが不器用な私にはとても扱えるものではなかった。

よく経理の人が利き手でペンを持ち、反対の手で電卓を叩いたりするじゃないですか。あれと一緒で私は「右手にペンを持ち、左手で電鍵を打つ派」に属していました。

まあそうは言っても品川区の住宅街にひっそりと建つ長屋の1階に住んでいたらアマチュア無線なんて事実上不可能なのであります。無線通信は「イチに立地、ニにアンテナ、サン、シがなくてゴに無線機」という世界であり、とにかくいい場所に陣取って必要十分なアンテナをしっかりと建てて、それに良い無線機をつないでやっと満足に通信ができるという世界であります。周りに高層の建物が並びまくっている日陰にあるオンボロ長屋の、しかも1階ではアンテナの建てようがないのです。それゆえ今の住居に移ってからは無線局の免許は更新して電波利用料も支払っているけど全くオンエアしていないというのが実情です。

おまけに子供の頃は夢物語だった「携帯電話回線網」がもう日本中にはりめぐらされているのであります。単なる「もしもし」「はいはい」以上のことが、スマホひとつで出来ちゃう未来が実現しちゃっているのであります。

もうアマチュア無線にかじりついて続ける意味も必要性も無い。よし!やめよう、と決意が固まったのであります。

総務省の電波利用ホームページ(マスコットキャラクターはなかなか可愛い「電波りよう子ちゃん」だ)の、電子申請・届出システムを利用すればオンラインで無線局廃止手続きができるようです。


総務省 電波利用ホームページ(公式)
https://www.tele.soumu.go.jp/


まあ私は昭和の古い人間なので届出書類フォーマットをダウンロードして郵送手続しました。どうせ無線局免許状を送付(返納)しなくちゃいけないんだもん。一緒に送ったほうが話が早いわ。



廃止届

無線局の廃止に係る事項、に記入して郵送




黒い会社に「退職届」書いて上司に叩きつけて机を蹴って振り返りもせず外に出てすぐにタバコに火をつける、みたいなすがすがしさは無くて、なんとも寂しい気分だったわ。でも辞めると決めたらスパッと決めたい。それに無線局免許状はまたやりたくなったら再申請すればいいだけのことである。コールサインは変わっちゃうけど、その気になれば(仮に必要になれば)いつでも無線局は再開できると思えば気楽なものだ。無線局の免許はヤメても無線従事者免許は死ぬまで有効であります。

あと、これはオマケのような話になりますが、5年分の電波利用料を前納しているから未使用分は返金されるであろう。

郵送後、何日ぐらい経ったであろうか。忘れた頃に総務省関東総合通信局から封書が届いた。無事に無線局は廃止となったので、あとは電波利用料を返すから振込先の口座番号等を書いて返送してクレ、という内容であった。



届いた封書

返金分の振込先を記入する用紙と返信用封筒が入っていた




わざわざ返信用封筒まで用意してくれるなんて無駄に経費かけてるよね。再度、書類を提出してほぼ1ヶ月後ぐらいに電波利用料(未使用分)が振り込まれているのを確認しました。めでたし、めでたし。

電鍵やら無線機やらの機材はサラリとネットオークションに放出。まあ型は古いしとりたてて優れた機能があるでもなく、スペックもイマイチな機種ってことで大した金額にはならなかったですね。「雀の涙」っていう言葉もあるけど売上金はエゾモモンガのウンチ程度でしたよ。アマチュア無線なんて若い人は興味もないから、基本的に年寄だけが続けてる「先細りの趣味業界」なので仕方がないですね。昔からアマチュア無線やってる爺さんたちは金持ちが多くて私が使っていたのよりずっと高性能な無線機を当たり前に所有していますから、売れて換金できただけでヨシとしよう。

しかし、アマチュア無線はやめましたが私は今もなお無線機が大好きなのですよ。こんなふうに改まって言うと妙ですが携帯電話も無線機の一種ですからね。若き日の私がモービル・コンピューティングに人生を捧げ携帯電話に夢中になった理由もご理解いただけると思います。

無線機(←無線設備のざっくりした総称)のなかでも、送信機(トランスミッター)と受信機(レシーバー)が一体型になっている装置をトランシーバーといいます。私はこの、トランシーバーがことのほか好きなのですよ。なんででしょうね。もしかしてもしかすると柳沢慎吾ちゃんの警察ネタがツボにハマった世代だからですかね。知ってます?柳沢慎吾の「ひとり警察24時」っていう芸。タバコの箱を使った警察無線の真似が超ウケるやつ。警察官が無線機でしゃべる独特の早口専門用語&無線機の雑音と音割れの再現度が高すぎてもはや古典落語みたいになってるの。アレ大好きだったよ。

ちょっと話が脱線するけど私は昔からあまり「お笑い芸人」みたいなのが好きではなかった。寄席は連れて行ってもらっていたので落語やら講談やら漫談やらは馴染みがあり大好きでしたが、昭和時代に巻き起こった漫才ブームで出てきたツービートやザ・ぼんちみたいな新しい漫才コンビ系の笑いは苦手でした。逆に好きだったのは高田純次、ルー大柴、そして上記の柳沢慎吾。ヒロシです、東京都知事になった小池百合子がカタカナ語を多用してしゃべるので言っている内容がサッパリわからない、というのを見るに及んで、あらためてルー大柴がどれだけ凄かったのかを再認識したもん。

昔は無線が全てアナログ波だったから「広帯域受信機」っていうのを持ってると、航空無線や消防無線、鉄道無線が聴けたのよ。警察無線はいちはやく秘匿性の高いデジタル無線化をすすめていたものの、左翼の核マル派は警察のデジタル無線の復号(暗号化した通信をもとの音声にもどすこと)に成功していたということが明らかになったり、マニアが独自の回路とコンピューターを駆使して復号していたことが報じられたりして、慌てた警察はさらにすすんだデジタル通信技術を採用し入れ替えているのよ。どんな世界にも「マニア」はいるものですが、中には人より優れた技能を持ちながらそれを世の為人の為ではなく悪事に使う者もいるので厄介ですよね。科学を悪に使う者は許せませんよ。あ、もちろん私はそういう変な事はしないですからご安心くだされ。

という話をしてると「すすむ無線のデジタル化」という方面のネタを語り尽くしていない感じが残っちゃったので、次回もちょっとだけ無線ネタの話を続けさせてくだされ。



特小トランシーバー

次回は「特定小電力トランシーバー」についてちょっと話したいんだ




2011年7月に地上波のテレビ放送が「地デジ化」(アナログ放送からの完全移行による地上デジタルテレビ放送化)したのは記憶に新しいと思います。実は無線の世界でもデジタル化の波が押し寄せておりまして、電波法の改正により一部特定小電力トランシーバーを始めとしてアナログ無線機は2024年11月30日をもって廃止される事が決定し、デジタルに完全移行することが決まっています。皆様はお察しのことと思いますが、私はアナログ無線大好き派ということでもう完全に滅亡が確定している人種であります。そんな私の今後の無線生活について、語りたいと思います。

ということで、次回は読者が少なくなりそうですな。普通の人からしたら無線ネタなんて面白くもないであろう。まあ、できるだけわかりやすく短めに「どういう事が起こっているのか」ぐらいの解説はしたいと思います。










#5
2023年1月21日(土)
「無線の世界にも押し寄せるデジタル化の波と、今後の私の無線ライフ」


前回の続きで無線の話をしようと思っていますが「そんなネタは誰も興味が無い」と思いますので、面倒な部分はサラッと触れる位にして結論だけ皆様にお伝えしようと決めております。どうぞお付き合い下され。

電波は使える周波数帯の上限と下限があり、それを細分化して目的別に分けて使う「限られた資源」であります。船舶無線のように世界中で統一されている周波数帯もあれば、その国独自の基準で割り当てられた周波数帯もあります。ただ電波そのものは国境など関係なく飛んでゆくものなので、原爆2発を落とされ戦争に負けた日本は「使わせてもらえない周波数帯がある」「自由にルールを定めることができない」などの不利益をこうむりながらも、使える周波数帯をやりくりしながらテレビやラジオの放送をしたり警察や消防で無線を使ったり携帯電話に割り当てたり、たくさんの目的で活用しているわけです。

昔はアナログ無線しか無かったのですが、デジタル技術が進んで「より無駄がなく、効率よく電波を使える」デジタル無線が登場しました。アナログ無線ではどうしても「出したい周波数で電波を発射しても、誤差の範囲的な意味で無駄な電波も出てしまう」という問題がありました。この、無駄な電波を「スプリアス」といいます。デジタル無線は無駄を上手にカットする技術があるので圧倒的優位があります。またコンピュータを介して通信内容の信号を暗号化するなどアナログにはない利点が多く、当然ですが世の流れとしては「もうアナログやめて全部デジタルにしようZE」という話になりました。

2011年7月に地上波テレビ放送がアナログからデジタルに完全移行したのは覚えておられる方も多いでしょう。あれと同じ流れで、いわゆる無線通信の分野も2024年11月30日をもってアナログ無線機を完全廃止しようという事に決まりました。

アマチュア無線家としては愛用の無線機が2024年に使えなくなる可能性が出る、という新たな問題に直面したわけです。各メーカーが「2024年12月以降も使える製品」を自社サイトにて公表し、最新デジタル機種への買い替えを促している状況です。

所持しているアナログ無線は期日までに廃棄。必要に応じて停止や変更申請、デジタル無線機への買い替えなどを行わなければなりません。仮に2024年12月1日以降に使用してしまった場合、電波法違反として罰せられます。

電波法違反というのは普通に生きていると馴染みがないものですが、事と次第によっては「重要な放送や通信に妨害電波を出した」とみなされる為かなり罪は重いです。1年以下の懲役または100万円以下の罰金ですよ。アマチュア無線機を業務に使ったりとかマニアが無線機を改造してやらかしたりとか、その手の情報を日々チェックしていると違反者はけっこういるのであります。ここ数年問題になっているケースとしては、ネットオークションやAmazonで大陸製の格安トランシーバーを買ったら日本の電波法が定める要件から逸脱した「違法無線機」だったりして捕まる素人が後を絶たないのであります。知識のない人がネット通販とかで安易にトランシーバーを買うのは絶対に駄目です。懲役1年の実刑はマジでシャレになりません。

さてここからが今日の本題です。

上記のように、国をあげて無線のデジタル完全移行するといいながら、唯一アナログ波の規格が生き残ったジャンルがあります。無線従事者免許を必要としない「特定小電力トランシーバー」(略称:特小)と呼ばれるものです。

これはパチンコ屋など店舗スタッフ間の業務用連絡手段として使われたり、あるいは一般人がハイキングやスキーなどレジャー目的の野外活動で使ったりする「微弱な電波を用いるトランシーバー」であります。基本的に長距離通信には向きませんが使い方次第ではそこそこ便利な通信手段、という感じでしょうか。

すごくざっくり言うと「特定小電力トランシーバーはアナログ無線だけど厳しいスプリアス基準を満たす『今どきの機種』なら今後も従来通りに使ってヨイです」という超絶特例が認められたのであります。

これは非常に画期的なことでありまして、従来の特定小電力トランシーバーの代わりになると期待された「デジタル簡易無線」が登場し急速に普及したものの利用者が多すぎて年がら年中「空きチャンネル不足」で事実上使い物にならないという阿鼻叫喚が絶えない状況を、いわば「何もせずに乗り切れる」ということであります。

むろん古い特定小電力トランシーバーは基準を満たさずアウトです。映画「私をスキーに連れてって」世代が当時購入して後生大事に保管してきた特小は全滅です。各メーカーの公式サイトで2024年12月以降も使えるとしっかり記載のあるものが必須となります。私のメイン機であるアルインコDJ-PA20(黄色)は新スプリアス基準を満たして使用OKとなっています。嬉しいね!!



特定小電力トランシーバー

愛用のトランシーバーも黄色よ




以前は遠距離通信用と称してロングアンテナを搭載した別機種を所有したこともありましたが、しょせん特小ですからアマチュア無線みたいな運用を試みるとしても「いい立地」に出向かないと無理なのですよ。品川区にひきこもってる私が五反田のビル街にとりかこまれて電波をとばしたところでパチンコ屋の業務無線が聞こえる程度でしかない。

この写真の2機種はアンテナは折りたためる(特小はアンテナの取り外しが許可されていない)ので、色と形はかわいいし持ち運ぶのも便利だし、手放さずにいるのであります。



カラフルなラインナップ

並べると戦隊っぽくて可愛いじゃないの




なお余談ですが愛機DJ-PA20はモデルチェンジしDJ-PB20となり、かっこよさが増したのであります。充電池やスピーカーマイクなどアクセサリー類もDJ-PA20のものがそのまま継続使用できるのでこれも黄色を「予備機」として購入済であります。質実剛健の名機であり皆様には「買うならDJ-PB20がマジおすすめ」と声を大にして言いたいところだったのですが、生産終了となってしまいました。後継機のDJ-PB20Aシリーズをお買い求めください。


アルインコ(公式)
20ch 防沫型 特定小電力トランシーバー DJ-PB20Aシリーズ
https://www.alinco.co.jp/product/electron/detail/djpb20a.html


でも事実上値上げ商品ですし、もっと本体が小さくて電池も単三形1本で使えるDJ-P321が1万円ちょっとで買えますから悩ましいですね。なんにせよ特定小電力トランシーバーを買うなら断然アルインコがおすすめです。

私はDJ-PB20(白)の最後の1台がビックカメラで6,560円にて投げ売りされているのをゲットしました。



最後の1台

安すぎて笑いが止まらない




今の時代は生産終了のアナウンスがされた瞬間に販売価格をつり上げるネット通販ショップがほとんどですから、ヨドバシやビックの「最後の投げ売り」は貴重な買い物チャンスと言えると思います。パソコン用のマイク付ヘッドセットなんてエレコムの製品を238円で買ったわ。メーカー希望小売価格が1,925円で、ずっと1,000円ぐらいで売ってたんだよ。在庫が少なくなって最後の1個がヤケクソ特価になっていたのはマジ感謝ですよ。

ということで、アマチュア無線局は廃止、無線局免許状は返納して無線のウェブサイトも閉鎖、無線機あれこれを処分した私でありますが、ライセンスフリーラジオ局である「しながわAX66」のコールサインは今後も活かしておくつもりでおります。


ライセンスフリーラジオ(Wikipediaによる解説)
https://ja.wikipedia.org/wiki/ライセンスフリーラジオ



ツイッター

ということでツイッターアカウントを開設しました




しながわAX66 ツイッターアカウント
https://twitter.com/Shinagawa_AX66


まあ私の場合はこちら本家の工房ウェブサイトで「言いたい放題」していることもありますので、基本的にはツイッターでつぶやくことはしません。現時点では馴染みの楽器屋をフォローしてROMってるだけです。ツイッターなんてしょせん他人がつくったお仕着せのプラットフォームにすぎない。言いたい事があるなら自分のサイトで好きなようにしゃべるYO。

まあ無線関連でどこかに出かけて特小でオンエアするときは何かつぶやく日がくるかもしれないけど、基本的にはただの情報収集用アカウントなので皆様のご期待に沿うような「つぶやき」はありません。仮にウチのサーバがダウンして工房のウェブサイトが突然死したときとかに、緊急的に使う可能性はあります。

そんなわけで私の今後の無線ライフは特定小電力トランシーバーを使ったごく限られたものとなります。特小は無線局免許状の更新手続きも不要だし電波利用料も払わなくてよいから持ってても費用負担はゼロですから「お気に入りの黄色い無線機を机に置いておく」ぐらいで心が満たされるならそれでヨシとしたいと思います。

アナログ波は永遠に不滅です!!










#6
2023年1月25日(水)
「ヨコハマ鉄道模型フェスタ2023」


来月、2月4日(土)と5日(日)の2日間にわたって、横浜「みなとみらい」のランドマークホール・ランドマークプラザ5Fにて「ヨコハマ鉄道模型フェスタ2023」が開催されます。


ヨコハマ鉄道模型フェスタ(公式)
http://www.festa-yokohama.jp/


前にも少し話したことがあるかもしれないけど私は長く鉄道関係にいたのであります。しかし「日勤教育」で精神崩壊し廃人となり気づいた時は鉄格子のついた精神病院の中、という身の上なので、正直言って過去はあまり思い出したくはないのである。それに「もともとアニメの仕事してて鉄道に来た五反田のアイツ」っていうだけで秒で身バレするのは確実ですから詳しいネタも書きたくはない。

というわけであの業界は嫌だけど鉄道そのものは今でも好きなのであります。鉄道車両に罪は無いのであります。

もっと昔にさかのぼれば鉄道利用で「輪行」しながら自転車旅をしていましたからね。もう仕事としては関わりたくないけど鉄道は見るのも乗るのも好きですよ今でも。

鉄道模型も、さすがに自分ではやらないけれども眺めてるのは大好きです。もともとミニチュア系の類は大好物ですし。私の敬愛するミュージシャンのロッド・スチュワート卿も鉄道模型が趣味で広大な屋敷に線路を敷いてジオラマつくって走らせて楽しんでいるというではないか。集めるとキリがないからやらないだけで、私の机には国鉄特急色のキハ183系気動車(先頭車両)のNゲージが飾ってあります。ヘッドマークは「オホーツク」です。おかげでチラ見すればいつでも気分は網走よ。何しろ、エゾモモンガですから。

というわけで毎年開催されてる「ヨコハマ鉄道模型フェスタ」のチラシを駅でもらってきました。



チラシ(オモテ)

そういえば久しく「みなとみらい線」も乗ってないなあ







チラシ(ウラ)

小学生以下は保護者同伴で入場無料!




有料イベントでチケットはオンライン販売と書かれているけれどこのチラシには入場料が書いていないのはナンなのよ。ということで、帰宅して公式サイトを覗いてみました。

Nゲージ付入場券6,050円とか出ていて笑った。東急東横線の主力車両である5050系4000番台のQシート車両のNゲージが付くんですって。希少価値あるのかな?転売したら儲かるとか?いやいやそういうのはヤメましょう。そんなモンいらねえよ!っていう私みたいな人は一般入場券500円でよいとの事です。

そして重要なのは鉄道会社のマスコットキャラが登場するステージ時間がある、というポイントでしょうか。俄然興味が高まるわけですよ。



登場キャラクター

案内を公式サイトより引用




おお!「女子鉄アナウンサー」でおなじみの久野知美さんがステージのMCをするそうですぞ。久野知美さんといえば西武鉄道の特急「ラビュー」の車内の日本語アナウンス(自動放送の部分)も担当していて、鉄道系のイベントでひっぱりだこのハイレベルな鉄道マニアの女の子であります。このキャラクターショーを見るだけで500円の元は取れそうな気がするではないか。

しかし。しかしですな。

なんか登場キャラクターのメンツが少々物足りない感をにじませている気がするのは私だけであろうか。いや、たぶんみんなそう感じてると思う。横浜で開催するイベントなのに相鉄の「そうにゃん」も京急の「けいきゅん」も横浜市交通局の「はまりん」も居ないっていうのは、いくらなんでも寂しすぎるんじゃないか?


相模鉄道キャラクター そうにゃん(公式)
https://www.sounyan.jp/

京浜急行キャラクター けいきゅん(公式)
https://www.keikyu.co.jp/information/keikyun/

横浜市交通局キャラクター はまりん(公式Twitter)
https://twitter.com/hamarin4314040


特に最近は「はまりん」の活動が下火になってるというか存在感そのものが風前のともしび状態になっているので(諸々の事情により積極的に活動するほどの余裕が今の横浜市交通局に無いのであろうと薄々察している 涙)、個人的には「はまりんの復活劇」が見たいなと思う。なんで呼んでくれないんだよう。

ううむ。よりによって「そうにゃん」と「けいきゅん」という横浜のツートップが不在だなんて。たとえて言うなら「ロサンゼルスにてイーグルスがライブ開催!」って言いながらドン・ヘンリーとグレン・フライが来ないでステージやるようなものだよ。ひどいよ。

まあここでネチネチ言ってもしょうがない。それに、新型コロナの感染がこわくて人混みを極力避けてる私としては必然的に「欠席」ということになるのだよ。去年から身の周りの人がバタバタと新型コロナの餌食になって、みんな声をそろえて「マジ辛かった」と話しているのを耳にしているので安易に人混みに突入するのは躊躇してしまう。

鉄道模型は無理して見なくてもガマンできるから、ここはあまり深く考えず「欠席」ということにしてサラリとスルーしよう。新型コロナウイルスの感染状況を様子見しながらおとなしく過ごして体力を温存し、3月の「東京モーターサイクルショー」に全リソースを割くことにしよう。モーターサイクルショーだって感染状況次第ではキャンセルしなければなるまい。持病持ちの虚弱体質な人は本当に油断しちゃいけないよ。遊びに行くのはOKだけどなるべく人の少ない所を目的地にしないとマズい。新型コロナをあなどってはいけない。

ということで「ヨコハマ鉄道模型フェスタ2023」に行かれる方は私の分もおおいに楽しんで来てくだされ。



ホームで京急の車両を見送る

ああ京急乗りたいなあ!三浦半島行きたいなあ!











#7
2023年1月29日(日)
「キャッシュレス決済の乱立とかポイント付与サービスの増加がウザすぎて脱走ブレゲー」


ここ数年はスマホを用いたバーコード決済の「なんちゃらペイ」というのがたくさん登場して覇権を争っていますな。

「楽天経済圏」とか「PayPay経済圏」なんていう言葉も聞かれるようになりました。利用頻度に応じて還元されるポイントサービスを集中するといっそうお得ということで、決済方法にまつわる周辺サービスを一本化させて無駄なく賢く利用しませう!!みたいな感じで消費者を駆り立てているのであります。

私はこの、ポイントをチマチマ貯める系のサービスというのがどうにも性に合わないというか根本的に苦手で、そんなにガンガン買い物をするわけではないので「結果的に使われることなく無駄に消滅したポイント」というのが過去には圧倒的に多かったのであります。

たとえばスニーカーを買いにABCマートに行くわけですよ。そうするとスタンプカードがあって、スニーカーを一足買うとお店がスタンプをポンポンと押してくれるのです。で、台紙にスタンプが貯まったら凄いサービスが待ってます!というのだけれど、たいてい「スタンプカードの期限は1年以内」っていうのをクリアできなくて活用できたためしがないのであります。

結局気づけば近所のスーパーマーケットで付与されるポイントとヨドバシカメラのゴールドポイントぐらいしかマトモに利用していないのです。「ヨドバシはポイントがつく分だけ値段が高い」という人がいますが、ネット通販全盛の時代で実店舗がバタバタと消滅してゆく中で貴重な「現物を見てモノの比較ができる店舗」ということもあり、個人的にはツブれてしまっては困るので応援を兼ねてヨドバシを積極的に利用するのであります。あと、通販にありがちな「値段の安さで人をだます大陸製の粗悪な偽物を売りつけられることが無い」という絶対的な信頼感もあります。

「買い物は自分の生活で、仮に無くなったら困る店で買う」というのは私のポリシーですから、近所のスーパーとヨドバシは何が何でも利用する店のツートップであります。あとは


「しょせんポイントなんて水モノ」


っていう気持ちがあるので、チマチマとポイントを貯めるという行動は私の選択肢から外れております。

ずいぶん前に「初音ミク」の絵柄につられてファミリーマートでTポイントカードをつくったことがあった。リアルな私を知ってる人はよくご存じの事実ですが私は初音ミクが大好きなのです。しかし気が付いたらいつの間にやらTポイントっていうのがすでにあまり見かけないしTポイントを使える場所も随分と減ったように思うのですよ。

その後ヤフーカードというのをつくったとき、Tポイント利用カードを一本化するためにファミリーマートの初音ミクTポイントカードを解約。そうしたらこんどはヤフーカードがPayPayカードに強制移行することになりTポイントとの連携が消滅しました。近所のTSUTAYAもツブれてしまったから今更Tポイントカードなんて要らないから、とりあえず一時しのぎでスマホに「モバイルTポイント」っていうアプリを入れて残高100ポイントをサルベージしました。ヤフーカードはPayPayカードに強制移行するのに伴い解約しました。

で、このTポイントがマジで使いみち無いのよね。以前は「ヤフオク!」の決済に使えたけど今はそれも不可能になった。いちおう100ポイント残っていますが、結局どうすることもできないまま使用期限を迎えて消滅しそうです。しょせんポイントなど水モノですよ。



スマホTポイントアプリ

Tポイントの「終わってる感」は異常




私はスマホを一応持ってはいますが、通信速度の遅いMVNO回線の格安回線SIMを入れた古い端末でありますから、バーコード決済のたぐいはやらない(やりたくないし、興味もない)のであります。レジで支払い手続きのためにバーコードを表示しなければならぬ。そして高速データ回線でなければいつまでたっても必要なバーコードは表示されない。待たされる本人もレジ担当者もイライラ。後ろに並んでる人はもっとイライラ。今の時代、いつ誰に刺し殺されるか分からない世の中です。おそろしくてレジ前でバーコード表示待ちなんてできないよね。

話はかわりますが用事があって出かけて渋谷区に行ったら「ハチペイ」というのぼりを見かけました。渋谷と言えば忠犬ハチ公、ということでハチ公のかわいいマスコットが使われています。



ハチペイ

キャッシュレス決済システムをわざわざ新設したのか?




帰宅して調べてみたら渋谷区がかなり本気でデジタル地域通貨事業を行っていることがわかった。わざわざ専用のアプリまで開発しており、かけてる情熱がハンパないレベル。地域商店街の振興策として相当の予算をかけているのだろうなと察する。


デジタル地域通貨事業「ハチペイ」(渋谷区公式)
https://www.city.shibuya.tokyo.jp/jigyosha/syoko_rodo_soudan/chikitsuka.html


そう言われてみると品川区もなんか変な事やっていたなあ。さすがに地域通貨のオリジナルアプリは無かったけど。キャッシュレスのポイント還元事業をやりまーす!と広報に出ていた気がする。



品川区のキャッシュレス決済ポイント還元事業

調べてみたら瞬間芸で終わっていた




私は昭和脳なのでどうにも電気というエナルジーと通信回線というインフラを必須とするキャッシュレス決済システムというのが信用ならないな、と思ってしまう。電算の部署にいてサーバがダウンすると夜中も休日も関係なく容赦なく職場からスクランブル発進を命じられダッシュで呼び出されて復旧するまで罵詈雑言を浴びせられていた生活をしていた経験があるので、「決済を管理する根幹のサーバが落ちたら終了じゃないのか」と、不安になってしまうのであります。

先日はホームセンターに「ねじ」を買いに行ったらこれまた「コーナンPay」ののぼりがたっていて眩暈がしました。アナログなスタンプカードのサービスが消滅したと思ったらこんどはアッチの店、コッチの店で独自の決済システム導入というのがブームになってるみたいだ。勘弁してくださいよ。



コーナンペイ

そんなに頻繁にホームセンター利用する機会ないよ




このように「なんちゃらペイ」が乱立して決済方法が分散していくというのは本当に無駄でしかないよね。消費者の側からしたら「ナンにでも使える最強の電子決済方法がひとつあれば充分」ということではないのか。それこそ国策として「本気を出せば全世界で覇権をとれるような決済システム」をつくって(「日銀ペイ」とか?笑)、それで日本国債も買えるし医療費も払えるしコンビニから個人商店、果ては百貨店でも支払いができて郵便局もヤマトも佐川も支払い可能で自動車税のお支払いから公共交通機関やタクシーも乗れて、当然のようにネット通販もイケる、とかやれば良かったんじゃないの?本気でキャッシュレス決済を国のインフラとして整備する気があるならそれぐらい徹底してやれよ!と言いたい。今更遅いけど。

そして、これまた別の機会ではあったが、ある人が「QUOPay(クオペイ)」っていうのをプレゼントしてくれたんだけどこれもまた強烈でした。今も昔ももらって困るカードと言えばQUOカード、ですよ。中途半端な額面でどこでどう使い切ればいいのか分からないという罰ゲームのようなカード。あれの電子版らしい。

とりあえず仕方なくQUOPayアプリをスマホにインストールして、受け取った金額を登録して「スマホアプリ版のQUOカード」が手元に「湧いて出ちゃった」という状況ですよ。ただでさえ扱いに困るQUOカードのスマホ版とかいって、私としては絶望しかない。

使える店をネットで調べたらホームセンターの「コーナン」があったので助かった!と思いつつ店に行き工具を買おうとしたら「現金との併用はできません」と冷たく言われてガビーン。どうやって額面ピッタリ使い切れっていうんだよ。最悪じゃん何コレ糞が。

ふたたび帰宅しまたネットで使える店を調べたら100円ローソンと書いてあった。うちの近所にはないけど無理してでも使い切ってスッキリしたい。ということで古傷が痛む&去年の交通事故のダメージから癒えてない身体に鞭打って遠方の100円ローソンまで行ったのよ。

で、パンとか食料品とかを買い物かごにいれて、レジのねーちゃんに「QUOペイと現金の併用で払います」と言ったのね。そしたらねーちゃんが「ウチはQUOカードは使えません!!」と強固に主張するのよ。私は「機動戦士ガンダム00(ダブルオー)」の登場人物で超絶極悪人としかいいようのないアリー・アル・サーシェスというキャラクターの台詞ばりに


「ところがぎっちょん!QUOペイは100円ローソンで使えるのであります!」


と、語尾は「ケロロ軍曹」になっていたものの、鋼鉄の意志を曲げることなく相手に伝えたのであった。ハァ?うざい客だなという顔をしつつもレジのねーちゃんがスマホのバーコードを読み取ると無事に認識されて私は不足分を現金で支払い無事に脱出に成功したのでありました。ホッ。



QUOペイの残高ゼロ

ヨシ、見事に使い切って残高はゼロよ!




改めて考えると、いわゆるタッチ決済であれば私は関東近郊の私鉄やバス会社を中心に使われている「PASMO」で事足りているのであった。今はモバイルPASMOを使うようになってクレジットカードからのチャージも可能になったので、もう何の不便も無い。鉄道もバスももちろんのこと、ツーリング中のコンビニでのドリンク購入等ちょっとした買い物には充分。



モバイルPASMO

残高も利用履歴もすぐ確認できてクレカでチャージできるモバイルPASMOはマジ便利




JR東日本のSUICA(スイカ)だって、変な縄張り意識をもたずに規格を広く開放して日本全土に利用できるスポットを拡大していたらとっくの昔にタッチ決済分野で全国制覇できていたと思うよ。それこそ登場したタイミングを考えたらさっさと海外進出していたなら世界のスタンダードになるぐらいの実力はあったのではなかろうか。そう思うと日本人って本当に「長い目で見たビジネスチャンス」を活用するのがヘタクソですよね。消費者を自分のエリアに囲い込んでその中で目先の利益を上げる、っていう戦法に走りがちであります。そういうセコい戦略ではいずれTポイントと同じ運命をたどるのよ。

まあ今日の結論としては今後も「なんちゃらペイ」の乱立と競争は続く事でしょうが、根本的に低速通信の回線契約でスマホを使ってる私にはほとんど関係のない、意味のない話です。ポイント付与におどらされて無駄に買い物をする余裕も無い。ポイントを貯めて使うのは近所のスーパーマーケットとヨドバシカメラで充分。タッチ決済はモバイルPASMOひとつでこれも充分。その他有象無象の「なんちゃらペイ」からは距離を置いて、手元にあるお金だけをやりくりして日々シアワセに生きられたならそれでOKという事にしようと改めて思う次第であります。










#8
2023年2月2日(木)
「オートバイ用ヘルメットの寿命」


説得力というのは大事であります。同じ内容を発するにしても、それを語る人がいかなる人物かどうかで受け取る側の印象は大きく変わります。有言実行で明らかに成果をあげている人の言葉は皆の心に深く刻まれるのであります。



医師の放つ説得力

あえて顔写真をのせて効果絶大ですかね




この画像がネット上でとりあげられ盛り上がった時、見た時はさすがの私も顔がこんな感じになって複雑な気分になったよ。説得力が…



険しい表情の龍馬像

うむ(by龍馬)




さて今日の話題はオートバイに乗る時にかぶる「ヘルメット」の寿命ははたしてどれぐらなのか?という課題についてであります。ご存知のようにオートバイで転倒等の事故にあったとき、頭部を保護しダメージを軽減するための安全装備であります。

私は自転車競技用のヘルメットは12年ぐらい同じのを使っていました。レース公認のマークさえついていれば購入後何年たっていようが出場資格はクリアできちゃうのだから、スポンサー企業がついているわけでもないビンボ学生アマチュア選手がツール・ド・フランス出場選手よろしく最新のヘルメットをポンポン買い換えるはずがないのであります。

原付で使用していたヘルメットはなんだかんだで6年ちかくかぶっていたし、その後自動二輪の免許を取得するときに教習所に通っていた時から使用しているヘルメットはもう10年以上手元にある、という状態であります。

ヘルメットの内部には外部から強い衝撃を受けた時にダメージを吸収してツブれる衝撃吸収ライナー(発泡スチロール)が入っていますが、これが経年劣化すると役立たずになるという話であるから、いかに気を遣って保管し、ぶつけた事実も無く外見が綺麗であろうとも「いずれは安全装備として役に立たない日が来る」という真実は確実に存在します。

で、御託はいいから結論だけ教えてクレヨン、何年で寿命なの?という事で例えば日本の代表的なヘルメットメーカーである「Arai」や「SHOEI」のウェブサイトを見ると「3年」と謳っているのであります。というよりも基本、どのメーカーをみても「3年」となっています。

今はAraiやSHOEIのヘルメットなんて値段がすさまじく高いですから、6万8千円のヘルメットを3年で処分しろと言われると生きるのが辛くなってしまうという現象が発生します。

しかしこの、どのメーカーも口をそろえて「3年」と断言するのは根拠があって、要するに日本で販売され公道で使用できるヘルメットは「PSCマークまたはSGマーク」がついていることが必須であり、オートバイ乗車用ヘルメットのSGマーク賠償制度期間(SGマーク被害者救済制度の有効期限)が購入後3年です、と決まっているから言わば自動的に「じゃあヘルメットは3年で買い換えてクレ」となった訳です。単純ですね。


一般財団法人 製品安全協会(SGマークの管理団体)
https://www.sg-mark.org/


つまりは購入後3年過ぎたらあとは自己責任という事になります。しかし、これはあくまでも日本のSGマークに準じてメーカーが口をそろえている「タテマエ」であります。私はいくらなんでも大事に使ってるヘルメットがたかだか3年で駄目になるとは思えない。しかも「購入してから3年」というのがインチキくさいではないか。お店によっては仕入れたけど売れ残ってしまった「長期在庫品」があるかもしれないじゃん。ユーザーにとってより大事なのは「製造から何年使えるのか」をしっかり明言してくれることじゃないのか?

こういう「本当に知りたい事」というのはたいがい日本国内の情報をいくら探しても無駄なので、世界に誇る日本のトップブランド、天下のヘルメットメーカーであるAraiのEUのサイトを見てみましょう。


Home | Arai Helmet (EU) ※英語
https://www.araihelmet.eu/en/faq


ホラ、あった。ちゃんと書いてある。



Arai(EU)サイトの情報

プロダクト・インフォメーションの部分に記載がアリクイ!!




まあこんな画像を貼っても読む気もしないですからちょっと本文を拡大してみた。



本文

見つけたZE!(拡大しても読む気がしない)




これを結論だけ抜き出します。もう答えはマジでシンプルです。世界のモータースポーツ界で頂点に君臨するアライが言うのだから説得力は疑いようが無いレベルで本音トークが炸裂してます。



結論

英語の内容を芯だけ抜き出した結論




ずばり、ヘルメットの推奨交換時期(要するに寿命)は製造より7年、購入より5年とハッキリ書いてあります。細かい事には何かとうるさいEU圏でウソ偽りなく表明しているAraiの公式回答です。私は、このAraiがEUにおいて明言している内容を自分の判断基準とすることにしています。「製造より7年」これだけ覚えていればOKです。マトモなヘルメットなら、内側に製造した年月が書いてあるものです。書いてないものはハナから信用ならない糞製品ということで使用する価値も無い。

通常の条件にて使用&保管し、事故って頭部をヒットしない限りは製造から7年は使える。これを自分のモノサシにして、あとは使用頻度や経験則で「自己責任」においていつまで使うかを判断すれば他人がアレコレ何を言おうが知ったことではない。ありがとうArai。実績のあるメーカーが公式に開示している情報なら私は安心して信頼できますよ。

となると、私が免許取得して最初に使い今も大切に扱っている「オフロード用ヘルメット」はさすがにもう駄目だな、という判断になった。



オフメット

私がTDR80に乗っていた時のヘルメットよ







製造年月

2011年8月製造だって




TDR80ではあちこち出かけてオフロードもガンガン入って2ストのエンジンをぶん回して文字通り野山をかけめぐった訳ですが、派手にコケたり頭を打ったりはしていないのでヘルメットの外見も綺麗であります。内装も全部取り外せる構造ゆえ頻繁に洗っていたので、ボロボロ感は無い。

本来であれば去年ヘルメットを買う時に「買い替え」と称してこの古いヘルメットはお店に処分を頼むべきであった。だが当時は「オフメットは手放したくない」という気持ちもあったし電車でバイク用品店に出かけていたのでそんな計画は微塵も無かったのであります。

さて、どうやって処分しようか。私のいる品川区の公式を見たらヘルメットは「燃やすごみ」になってるんだけどマジかよ!!


資源・ごみ品目一覧表(品川区 公式)
https://www.city.shinagawa.tokyo.jp/PC/kankyo/kankyo-gomi/20191127174730.html


ごみといえばその昔フィルム写真をやっていた時は暗室系の現像やプリント作業でつかう薬品の処理が大変だった。使用済みの薬品をある程度貯めといて専門の処理業者に依頼するんだけど、当時住んでいたマンションはエレベーターがなくて部屋が4階ということで危険な薬品を1階までおろすのがマジで大変だった。

で、いろいろと考えた結果、上記の2011年製造のヘルメットを私はネットオークションに千円で出品したのであります。もちろん半分冗談ですよ。これで誰にも相手にされなかったら素直に捨てるつもりでいました。もちろんちゃんと説明文に製造年月も使用頻度等の詳細も嘘偽りなく書いて写真も載せて、あくまでも使用済みの中古品ですよと断ったうえでの出品です。いくらなんでもこんなモンはさすがに買う人はいないだろうと見守っていたら速攻で入札が来たばかりか謎の「競り合い」にまで発展し、最終的には2,000円(送料別)で落札されたのであります。

さすがの私もビビってしまい商品が手元に届いた途端にブチ切れる面倒な相手だったらイヤだなとおそるおそる発送したのですが取引は何事も無かったかのように終了。10年以上前に製造され、誰がどんなふうに扱ったのかもわからないような中古ヘルメットをまさか落札する人がこの世にいるとは…

ま、今回は「オートバイ用ヘルメットの寿命は製造から7年」という自分なりのモノサシが確定できただけでヨシとしたいと思います。Araiという信頼できるメーカーが説得力満点な回答をしてくれたおかげで安心して判断基準とすることができました。

この基準でいくと私のお気に入りだったSHOEIのQWEST(クエスト)っていうヘルメットがもう駄目な感じですが、絵柄がすごく気に入っている思い出深い品だから「記念品」みたいなモノとしてとっておこうと思います。クロスカブ試乗のときに入手した真夏用ヘルメット、リード工業のオープンフェイス型はまだイケそうです。後生大事にとっておくのは青春のSHOEIクエストだけにして、あとは「新しいのを買う際に古いのを処分」みたいな感じでサイクルをまわしていけばいいかな、と思います。

それにしても。せいぜい7年しか使えないと考えるともうArai、SHOEIの高級品は買えないなァ。OGK Kabutoも高くなってるし。今後は贅沢は言わずリード工業かコミネでいいんじゃないですかね的な気分になる私であります。どちらもオフロード用が無いのはちょっと辛いな。シールド付オフロード用ヘルメットは快適だから好きなのよねー。


リード工業(公式)
https://www.weblead.co.jp/

コミネ ヘルメット(公式)
https://www.komine.ac/product/category.php?cate=HELMET#HELMET


そういう次第でしばらくはオフロード用ヘルメット難民になりますが、そもそも論としてオフロードを走る予定など全く無いですから結論を急ぐ必要はありませんよね。










#9
2023年2月6日(月)
「プリンター購入」


今日のモモ通は短いよ。タイトルの通り、単なる購入の報告であります。

家で使っていたA3ノビ対応写真用プリンターが故障して、修理する資金もガッツも無くてしばらくはコンビニプリントでしのいでおりました。

楽譜の印刷ぐらいならコンビニプリントに抵抗はないですが、個人情報にかかわる内容やお金にかかわる内容の文書など、ある意味「重要機密満載なプライベート情報」をコンビニで印刷するのはちょっと怖い気がして結局印刷できず、不便を感じておりました。

もうデジタルカメラで写真を撮ることも無くなったし、わざわざ写真用のプリンターを修理して使うのも無駄ではないか?という結論に達したので、故障した機種はとっとと処分して代わりに安くてシンプルなプリンターを買う事にしました。

日常で使う分にはA4サイズで文書が出せればそれで充分です。スキャナー機能はあればあったで便利だけど無くても別にかまわない。プリンター本体が安ければそっちのほうを優先したい。とにかくA4の書類がサラッと印刷できればそれでいい。

というようなことを思いながら、ヨドバシ.comのサイトを開きました。プリンターって本体もデカいけどそれに輪をかけて箱がデカいのですよ。新宿で買って家まで持って帰るとか罰ゲームじゃないですか。だから普通にヨドバシの通販で買おうと思います。

さて、ヨドバシ.comで「値段の安い順」に並べてトップに出てきた機種がこれ。


キヤノン Canon インクジェットプリンター
PIXUS TS203
A4対応(写真用紙はL判、はがき、KGサイズのみ対応)
https://cweb.canon.jp/pixus/lineup/a4/ts203/



TS203

あっ、もうこれでいいじゃん的な雰囲気




ヨドバシ.comで4,950円。ちなみにその次に安い機種はエプソンのEW-052Aというスキャナー機能付の複合機で、7,480円。約2,500円の差額は大きいな。

さきほども言ったように個人的には文書の印刷さえできればヨイ。スキャナーは無くても構わない。安いに越したことは無い、となればおのずと結論が出るのであります。私は迷わずキヤノンのPIXUS TS203を注文しました。5千円でオツリが来るよ。

超絶爆速配送のヨドバシ・エクストリーム便が「ぁ」という間に届けてくれました。うちの近所ではヨドバシのバンや3輪スクーターをよく見かけるのでありますが、本当にカッコイイです。実にすごいサービスを展開していると思います。いつも幸せを運んでもらい感謝しかないです。ドライバーの皆様、本当に安全運転でお願いします。



ヨドバシのバン

すごいぞヨドバシ・エクストリーム!




さて届いた箱は案の定デカいであります。これを新宿から手に提げて持ち帰るエナルジーは私にはありません。ありがとうヨドバシ.com。開封してみると、それはそれはシンプルなプリンターが現れました。そうそう、こういうのでいいんだよ。

学生の頃、キヤノンのBJ-10vっていう機種が私の初プリンターであったけれど、ノートパソコンみたいな形状でなかなかオサレでありました。本体が8万円ぐらい(!)でオートシートフィーダ(給紙装置)が別売りだったよ。今じゃカラープリンター本体が5千円しないのだから、長生きして良かったと思うわ。

Wi-Fi接続みたいな高級装備は無いのでパソコンとUSBケーブルでつないで終了。面倒なセットアップ作業も特に必要なし。インクは黒インクのタンクとカラーインクのタンクが別になっていて2つのカートリッジを使用するタイプです。今どきの、いわゆる「プリンター本体は安く売ってインクカートリッジで儲けるビジネス」ということでインクカートリッジの値段はちょいと高め。それでも従来の写真用プリンターに較べれば安いので不満はありません。



キヤノン公式の画像

キヤノン公式サイトの画像を引用




何よりもこれまでA3ノビ対応のクッソでかいプリンターを使っていましたから、新しいプリンターのコンパクトさにシビレるのであります。上にぬいぐるみピラミッドを置くスペースはなくなってしまいましたが結果オーライです。なお従来はスマホからWi-Fi接続でダイレクトに印刷、とかいうハイテクが使えましたが今回の機種はそういうこざかしい技は使えません。まあ別にいいや。普通にケーブルで繋げばヨイだけですもんね。

そして、やはりというか当然ですけど家にプリンターがあるというのは便利なのであります。こんな事なら、無駄な抵抗はせずにさっさと買うべきであった。音も普通レベルで静か(昔のプリンターはマジでうるさかった)ですし、印刷速度も速いし、仕上がりも普通に満足です。紙送りのトラブルとかもありません。いたって普通。まったく無問題。値段の安いプリンターでしたがケチをつけるような欠点は無いです。実に良いです。めでたし、めでたし。

ちなみに写真印刷は「L判」と「KG判」(ほぼ、はがきサイズ)にしか対応していませんので、写真を高画質でA4サイズにプリントしたい人は絶対に買ってはいけません。あくまでも「多色刷りの文書を印刷する道具」と割り切れる人だけが買ってヨイ感じだと思います。

くれぐれも「安物買いの銭失い」にならないようお気をつけくださいマセマセ。


(ここから個人的メモ)

キヤノン TS203
商品コード:2319C001
型番:PIXUSTS203
JANコード:4549292096125

対応インクタンク
【大容量】BC-346XL(カラー)/BC-345XL(ブラック)
【標準容量】BC-346(カラー)/BC-345(ブラック)

以上ぅ!










#10
2023年2月10日(金)
「PC用キーボードの話ふたたび」


皆様は私が年明けにパソコン用キーボードを買い換えた話を書いたのを覚えておられるでありましょう。いまご覧いただいているページをちょいと上にスクロールすれば出てきます。つい先日のことであります。


モモ通 2023年1月13日(金)#3
「パソコンのキーボード交換」


私は古い規格であるPS/2コネクタ接続のキーボードを愛用しており、もはやその販売機種は絶滅寸前であわてて予備を含めて2個購入しておいた、という内容を報告いたしました。

さて。このたびちょっと買いたい物があったので通院のツイデに新宿のヨドバシカメラに寄りました。新型コロナのなんちゃら株が出るようになってから全然店舗に行く機会がなかったので、リアル店舗ではテンションが上がりましたよ。

せっかく来たツイデにパソコンのキーボードやマウスが売っているスペースを見てくることにしました。もはやPS/2コネクタ接続の製品は風前の灯火ですから、次はUSB接続とかワイヤレス接続なのかなぁ、と思いつつ様子を見に行ったわけですよ。

その昔まだ私がApple信者であった頃(私が働いていた頃のアニメ業界ではMacが主流であった)、BluetoothドングルをUSB端子に挿してワイヤレスキーボードを使ったりしたのですが、なんかレスポンスが悪いというか接続が途切れ途切れな感じで微妙にカクつく体感があって、これがどうにも苦手で「ワイヤレスは駄目だな」という結論に至ったのであります。

しかしあれから月日は過ぎ去っている訳で、いまどきの最新型をもってすればワイヤレス接続に起因する問題はクリアできている、という事も考えられる訳です。どうしても「最初の印象」というのは後々まで影響を与えるものです。車の変速機構のCVTも、私は「火の玉ジャスティ」が最初に搭載したECVTの走りがあまりにも糞すぎて悪いイメージが魂に刻み込まれてしまったため、最近の車が当たり前のようにCVTを採用しているのを(運転した経験もないのに)嫌だなあ、と先入観バリバリで見てしまうのであります。

ECVT(スバルジャスティ搭載) 公益社団法人 自動車技術会のサイトより引用
https://www.jsae.or.jp/autotech/8-7.php



富士重工製ECVT

先進メカでしたが扱いにくかったECVT




しかし、キーボード売り場でいきなり超絶に目を引く可愛い商品を発見しました。な、なんだこの可愛いデザインは!まさに胸キュンであります。



キーボードとマウス

最高にイカす!!




ロジクール K730PL POP KEYS ワイヤレスキーボード(ロジクール公式)
https://www.logicool.co.jp/ja-jp/products/keyboards/pop-keys-wireless-mechanical.920-010338.html


ということでなんと最先端をゆくワイヤレスキーボードであった。私のつかっている無骨な黒いキーボードとは大違いの、カラフルでラブリィなキーボードとなっております。しかもお揃いに丁度いいかんじにマウスやマットも用意されており、シャレオツなコーディネートが可能となっているという「女子供のハートを狙い撃ち」な製品ときたよ。



シャレオツに揃えた画像

ロジクール公式の画像を引用




女の弱点は世の中の全てのものを「カワイイか否か」で判断してしまうという単純な思考回路でありまして、ふたこと目には「可愛い!!」と叫びつつ全てを好き・嫌いで判断するという習慣から決して抜け出すことがないのであります。残念ながら私もご多分に漏れずカワイイとなればその瞬間に魂を抜かれて「骨抜き」にされてしまうのは言うまでもありません。

しかしですね、改まって言わせてもらえばキーボードやマウスというのは料理人にとっての「包丁」あるいはエンジニアにとっての「工具」みたいな物であり、見た目なんて二の次、三の次ですよ。実際に使い勝手が悪いとか、あからさまに駄目な製品だったりしたら目も当てられません。ここは気を静めつつ、商品に近づいてキーのタッチ感すなわち「押し心地」をチェックする訳ですよ。試しにキーを打てば良し悪しがおおよそは見当がつくのよね。



キーボード

肝心のキータッチはどうであろうか?




もう結論を言っちゃうけどすごく良かったであります。私の場合、先日買い直したサンワサプライのSKB-L1BKNっていうキーボードが事実上私のスタンダードであり「評価のモノサシ」となっているのですが、それよりもキータッチは断然に気持ちよかったですよ。見た目からつい、タイプライターのような打鍵感を期待したのですがそんな重たい感触ではなく、うるさい音も出さずにカタカタと気持ちよく打てたのであります。いいじゃないの。



マウスはユニバーサルデザイン

キーをカスタマイズできるみたいよ




マウスは左利きの人も違和感なく使えるユニバーサルデザインでしょうか。私はふだん右手に特化したデザインのものを使っているのでこういうシンプルなマウスは昔のワンボタンのMac用マウスを思い出してしみじみしましたよ。別に手の形にあわせて曲線を多用してフィット感を高める必要性ってあまり無いよね実際。だって記憶をたどれば学生時代はカクカクしたMacのマウスで充分コト足りてたじゃん。



昔のMac用マウス

当時「右クリック」は存在しなかった




ということで私はこの、カラフルでポップなデザインのキーボードとマウス、ついでにパープルのマットもお揃いで欲しくなってしまったのであります。まあ当然というか仕方が無いというか、完全に魂が「陥落」してしまったのだから仕方がない。もっと前にこの存在を知っていたら、無理してPS/2コネクタのキーボードを探す必要もなかったのかもしれない。

ただ大きな問題があった。ずばり、値段が高いのです。ヨドバシの価格を挙げてみますと次の通り。

・キーボード K730PL 12,100円
・マウス M370PL 4,400円
・デスクマット MP20PL 2,640円

「期間限定まとめ買い割引」と称してキーボードとマウスをセットで買うと16,000円になるとのことでしたが、私が先日買い直して現在使ってるキーボードが1,620円ですから、いわば価格は10倍であります。デスクマットも買ったら18,640円ですよ。いくら私が惚れたといっても10倍の金額を払ってキーボードを買うのはさすがに無理な相談ですよ。こっちはただでさえ「モバイルPASMO」を入れてるスマホがいいかげん古くなってバッテリーがヘタってきて、外出時にはなるべくスマホを使わないで帰宅するまで電池をもたせるという本末転倒な努力を積んでいるレベルなのだ。オシャレなキーボードとマウスごときに注ぎ込む資金があるなら先にスマホを新調したほうがいいに決まっています。でも大して使わないスマホなんぞを買うのも馬鹿馬鹿しくてイヤだ。こうなると無理してモバイルPASMOにするよりも、物理カードのままのPASMOを使っていた方が良かったんじゃないか?と思うよ。チャージがすさまじく面倒になるけどね。


モバイルPASMOサポート(公式)
Q. 携帯端末の電池が切れてしまった。
A. モバイルPASMOは、端末の電源がOFFまたは電源が完全に消耗された状態になると利用できません。

https://support.mobile.pasmo.jp/faq/show/176?category_id=12&site_domain=default


という次第で、シャレオツなキーボードとマウスを店頭で見かけたものの唇をかみしめて帰ってきた次第です。望むもの全てが手に入るとは限らないって事よ。あきらめろこ。



あきらめたキーボード

あー残念ナリ!!欲しかったYO!




まあ私にはサンワサプライの1,620円キーボードがお似合いって事でヨシとしようではないか。現時点では何の不自由もないのだ。少しは物欲を抑えるぐらいでちょうどいいと思って、我慢することにします。無念。










#11
2023年2月14日(火)
「ドレッドノート用のギターケース購入」


今日はギターケースのお話であります。

これまでギターをあれこれとっかえひっかえ買っては手放し、買っては手放しを繰り返してきましたが、一番最初のアコースティックギターだけは大事に持っています。

もともとはモモンガ兄が中学に入学した頃に親から買ってもらっていたギターで、メーカーは「ギターはモーリス」のCMでおなじみのモーリス製ドレッドノートであります。「モーリス持てばスーパースターも夢じゃない」っていうキャッチコピーは数多くのヤングの人生を狂わせたのであります。明日のスターを夢見て勉強そっちのけでギターの練習に打ち込み、挙句「プロになります」と宣言して会社をやめたりして、最終的にはスーパースターになれなかった多くの人がが死屍累々としていた現実に目を背けることはできない。



モーリスの広告

かまやつさんカッチョエエ




しかしどういう訳なのかモモンガ兄はさほどギターに熱中することは無く、むしろ私が触っている時間の方が長かったのである。そして私が「ギター教室に行きたい」ってモモンガ母に言ったら「いい先生がいるから習ってきなさい」ということになり


「いよいよ私も憧れの中島みゆきになれる!」


と固い決意で教室の門を叩いたらなんとクラシックギター教室であり、みんなが渋いクラシックギターでナイロン弦の音を響かせている中、ただひとりピックガードのついた金属弦ギターを持っている私は途方に暮れたのだった。初対面のとき先生がみせたビミョーな表情を忘れることは決してないであろう。

私はみんなと同じように足台に左足をのせてイスに座り、くびれのないドレッドノートをクラシックギターのフォームで構えるという苦行を強いられつつ「グリーンスリーブス」をやらされたのであります。しかもレッスン生は小学生ぐらいの年下の子供たちとその母親という構成。中学生は私だけ。もう完全に孤立してしまい居場所が無かった。マジで苦役でしたよ、あれは。

のちにこの話を友達に告白したら、似たような悲劇を味わった子がいて、バレーボールをやりたくて親に「バレーやりたい」って言ったら問答無用でバレエ教室に連れていかれたという破壊力満点な話をきかされて互いに慰め合ったものよ。

当時はギター用のクリップチューナーなんて便利な物は存在せず(あったのかもしれないけど素人は知る由も無かった)、教室で先生に調弦してもらって家で弾いているうちにチューニングが狂ってくるのであります。音叉で「ラ」の音を鳴らして5弦をチューンし、それを基準に残りの弦をセッティングするという方法が一般的であった。私にそんな器用な真似ができるはずがない。

そういうド素人のために「ピッチパイプ」という、歌口が6つ付いた笛があって、それぞれを吹くと各弦の音が出せるのでそれと同じに調弦するという方法があったが、これも音楽的才能に乏しい私には無理な相談であり、音が合ってるのか外れてるのか判別ができず(涙)結局は


かなりホンキートンクなチューニングの状態で練習する


という状況に陥り、いわゆる「チューニング不能病」に罹患して早死にしたのであった。だから数十年後、社会人になってからヤマハのギター教室に行き始めてクリップチューナーという存在を知ってマジで感激したものよ。クリップチューナーが中学時代に普及していたら、私の人生はだいぶ違うものになっていたと思う。

話がだいぶ脱線してしまったのですが、この「モモンガ兄のギターを事実上借りパクして現在に至る」というのが実情でありまして、モモンガ兄は何も思ってないどころかモモンガ母も「ノドカに買ってあげた」という認識でいるらしく、なんとも複雑な気持ちなのであります。

このギターは決して高価なモデルではありませんが(普通の家庭で親が中学生に買ってあげる価格帯)、いざ鳴らしてみるとけっこういい音が出て、ギターの先生から「譲ってクレ」と言われたレベルでありました。私は私でマーチンのD-18というギターが欲しくてならず、輸入総代理店で有名な楽器屋に行って自分のギターと弾き比べをしてみたところ、あからさまに私の持参したモーリスの方がいい音がするように感じられて結局マーチンはヤメにして帰宅した事があったのです。

イーグルスのコピーバンドをやっていたときの私のメイン楽器でありました。

さてこのモーリス、純正で付属するケースに問題がありました。いまどきのギタリストが背負っているクッション材をふんだんに使ったナイロン製のセミハードケースとか、プロのミュージシャンが手に提げているようなハードケースとか、そういう物からするとかなりランクの落ちる、いわゆる「チップボード・ケース」と呼ばれるものです。端的に言うとダンボールみたいな厚紙をギターを入れられる寸法・形状にカットして、その上に黒い合成皮革を貼っただけという超絶に貧弱・虚弱な安物ケースなのであります。中途半端に重たいし持ちにくいし、しかも古くなってくるとどんどんボロくなりみすぼらしさが増してゆく。うちに置いてある状態はまさに「最悪」と言えます。見た目がとにかく「悲惨」の一言です。

以前使っていたセミハードケースは酷使して破れたりホツレたりしてとっくの昔に捨ててしまい、その後はフラメンコ業界に転向したこともあってモーリスのドレッドノートはある意味放置プレイになっておりました。

しかし長期にわたるコロナ禍によって日本国内のフラメンコ業界が完全に崩壊したうえ、私は私で「残りの人生はやりたい事をやって悔いのない状態で天国に帰ろう」という気分になりフルートをはじめたことで宝物だったスペイン製の手工ギターをはじめ、出番の少ないギターをことごとく売り払いました。まあ正直言ってエレキが一本あればいいよね的な。ただ、やっぱり最初のモーリスだけはどうしても手元に残したかった。どうせ売っても二束三文なら、宝物として大事に持っておきたい。むしろ、これからはまた弾いてもヨイ。

ということで、出し入れするのに不快な思いをせず使えるようにケースを新調することにしました。いざとなったら演奏に出撃できるよう、保護性能もしっかりしてリュックのように背負えるセミハードケースが良いと思います。

ギターケースについてはちょっと目を離していた隙に聞いたことがないブランドがたくさん登場していたり、逆にかつて馴染みだった製品が消滅していたり、割と重度の浦島太郎状態でありました。フルートケースなどと違って製造メーカーもたくさんあるし値段もピンからキリまであります。一番いいのは実際に楽器を持参して店頭でケースにいい塩梅に入るかどうかチェックするという流れですが、そんなガッツはありません。とりあえずネット通販で適当に良さそうなドレッドノート用セミハードケースを探すことに決めて、楽器屋さんのサイトをぐるぐるふにふにしておりました。

ここで正直に本音を言えばあまり高いものは買いたくない。出費はできるだけ安く抑えたい。とりたてて急ぎでギターを担いで出かける予定など全く無いのだから当然の話なのであります。

で、見つけたのがレインボーのギターケース、RAINBOW DGB-141010Eというもの。ネット通販で過去にも利用したこともあるお店で2,970円で売られているのを見つけたのですよ。


RAINBOW ACOUSTIC GUITAR CASE ラインナップ(公式)
https://rainbowcase.jp/products/case/acoustic.html



ギターケース

まあ普通にありがちなケースですね




商品の詳細は店舗のウェブサイトに詳しく出ていますが、いずれ売り切れたらリンクも切れてしまうでしょう。いちおう貼っておきます。

chuya-online.com(チューヤオンライン。福岡県の楽器屋さん 有限会社プラグイン)
RAINBOW DGB-141010E アコースティックギター用ギグバッグ
https://www.chuya-online.com/products/93162/index.html


上記サイトにはケースの寸法(外寸だけでなく楽器本体を収納する内寸も)や仕様が詳しく書かれていたので大いに参考になりました。こういうショップは本当にありがたいと思います。曰く、(以下引用)


シンプルで扱いやすく丈夫である事。ギグバックに求められる性能、機能を凝縮し高いコストパフォーマンスを実現する、RAINBOWケース。

141010シリーズはRAINBOWケースの中でも最もお求めやすい価格帯のラインナップ。

背面には2本のショルダーストラップを配置しバックパックスタイルに対応。
側面の取っ手と、背面ショルダーストラップ上部の取っ手と合わせ3WAYでの持ち運びが可能です。

10mmのフォームパッドを採用し、安全性と機動性をバランスよく両立しています。

フロントには楽譜やアクセサリーの収納に便利な大型のポケットを装備。

バック1つでアクティブに活動するミュージシャンをサポートします。

DGB-141010E アコースティックギター用ギグバック

ドレッドノート(ウェスタン)タイプ、OOO(フォーク)タイプ、各種クラシックギターに対応します。

【内寸】
全長:約1070mm
ボディ上部幅:約315mm
ボディ下部幅:約410mm
厚み:約115mm
JANコード:4580343281558

(引用ここまで)


あーもうこれでいいじゃん的な感じであります。ちゃんとクッションが詰まっててそこそこ防御性能もありそうだし、寸法的にも大丈夫。島村楽器で2千円出して防御力ゼロのペランペランなソフトケースを買った過去を思えば、これほどちゃんとしたケースが送料込み2,970円というのは破格の安さであります。私はためらうことなく購入ボタンをクリックしたのであった。

というわけで福岡県のショップから発送されたギターケースが爆速で手元に届きました。宅配便業者さんってマジですごいよね。なんでこんなに速いんだ?っていうぐらいのスピードで届きますよね。しかも自分で電車や車に乗った場合の交通費を考えると料金が信じられないレベルで安いのだから驚きますよ。私なんて五反田(品川宿)を出発したらとりあえず初日は箱根の関所を越える前に1泊したいもん。箱根から駿府までがまた遠いのよね。



ケース到着

わーいギターケースが届いたよ




ギターケースにはRAINBOWの頭文字"R"の上の部分が弧を描く感じで7色の刺繍が入っております。レインボーと言えば私は問答無用で『愛の戦士レインボーマン』を連想するのであります。去年(2022年)はレインボーマンの放映開始から50周年ということで私は盛り上がりを期待したのでありますが、たぶん内容的に現代の「ご時世」的にはアウト判定なのでしょうね。全然話題にすら上がらなかったですもんね。何しろ敵は日本人を憎悪し日本国家の滅亡と日本人撲殲滅を企む組織「死ね死ね団」ですよ。挿入歌『死ね死ね団のテーマ』あたりは完全に今の放送禁止ラインを越えてるんでしょうね。でもあれ、歌うと気持ちいいのよね。

話が完全に脱線してるついでに言うと私はエンディングテーマの『あいつの名前はレインボーマン』が大好きです。「死ね死ね団」の視点から、あいつ(主人公のレインボーマンのこと)を殺せと歌うのですよ。名曲です。まあ確実に放送禁止レベルですけど。

主人公の青年ヤマトタケシはアマチュアレスリングの道を歩んでいて「もっと強くなりたい」との思いを胸にインドの山奥に住むダイバダッタを訪ね、苦しい修行をつむのですよ。そして行き着いた結論は「人間愛」の大切さであって、悪をこらしめるためにレインボーマンとなって戦う、というのだから素晴らしい。人間というのは、ただ強いだけじゃ駄目ってことですよ。愛ですよ、愛。



ブランドは虹ですよ

私も愛の戦士になろうと思ふ




話をギターケースに戻しますと、何の問題も無くドレッドノートがサラリと収納出来て大満足であります。ハードケースだといちいちギターストラップを外さないと駄目だったりしますが、今回購入したような「やわらかタイプ」なら多少の融通がききますからファスナーが閉まればそれでOKなのであります。ギターを収納して背負った感触も悪くないです。値段が安かったのであまり期待していなかったのですが、これはいい感じの三塁打ですよ。



ギター収納

わーいギターがしっかり入るよ!!




大きな収納ポケットもあるから予備の弦とかカポタストとかも余裕で入れておけます。使い勝手は良好です。ある程度クッション性能の高いケースを買おうとすると、店頭で探してもなかなか気に入ったものが見つからない事が多いし、それにモノによっては2万円とかする高額商品もあります。思い起こせばフラメンコやってた時なんてスペイン製の手工ギター140万円を収納するとなるとマトモなケースが欲しくなりチェロ用ケースで有名な「アコード」なんていうのを買っちゃって「全財産を背負って歩く人」状態になったりしてましたからね。たいして演奏が上手くも無いのにアホでしたよ私は。

イーグルスのコピーバンドやってた頃からドレッドノートタイプのギターケースには飛行機のカタチをした反射材マスコットをつけていたのであります。だいぶ前にスウェーデンだったかな?北欧のどこかの国の交通安全グッズで「グリミス」っていうのが流行ったの覚えてます?アレですよアレ。ソニープラザ(←当時)で買ったんだ。



グリミス

飛行機のカタチをした反射板マスコット




これまでのケースから、この飛行機グリミスを移植して無事セットアップ完了であります。これでいつでもギターを背負って出かけることができます。まあ、最近は全然弾いてないですけど。久しぶりに懐かしのギターを手にして時の移ろいをしみじみと感じたのであります。なお余談ですが私、ナイロン弦のギターは手慣れたモンなのですが金属弦のギターは弦交換が超絶にヘタクソなのよね。あの、ペグをまわして弦を巻き取る長さがうまく調整できない。巻きが足りないとか、逆に巻き過ぎとか必ずやらかします。ちゃんとテクニックがあるのでしょうけどいつも行き当たりばったりで巻くから上手く出来ないわ。アコギとエレキに関しては弦交換はいつまでたっても初心者レベルですよ。エレキもグレッチみたいなビグスビー搭載のギターなんて弦の張り方がわからない。フロイドローズも私には無理だと思う。ロック式トレモロユニットのギターでスムーズな弦交換をできるようになる前に私は寿命を迎えると思うよ。

ま、今日は何しろ新しいギターケースが「安くてヨイ品だった」ということでめでたし、めでたし。生きてると「いい事」もあるね、って思うのですよ。いいケースが買えた、それで充分シアワセですよ。










#12
2023年2月18日(土)
「四輪車のホイール大径化&タイヤのペッタンコ化について考える」


いきなりタイトルからは脱線気味に話をはじめますが私は合衆国の航空機メーカーではノースロップが大好きであります。1994年にグラマンと合併して現在はノースロップ・グラマンになってます。

創業者ジャック・ノースロップ氏の名にちなんだ社名ですが、歴史に名を刻む大成功をおさめた傑作機「F-5戦闘機(F-5Aフリーダムファイター、F-5EタイガーII)」「T-38練習機」「B-2爆撃機」がある陰で、幾度も軍のコンペで負けて(負けまくって)辛酸をなめていたのであります。その生涯を知るとよく途中で心が折れなかったと思うほどに負け続け人生にもかかわらず、不屈の闘志で事業を続けています。ノースロップ氏は全翼機の開発・実用化に執念を燃やし続けてついには合衆国空軍のステルス戦略爆撃機B-2「スピリット」の制式採用という歴史的偉業をなしとげたのですよ。

F-5なんて開発は1950年代、初飛行は1959年、改良を重ねたり練習機型のT-38に発展したりして西側陣営諸国の空を守り続け今なおバリバリ現役です。

採用されているゼネラル・エレクトリック社製のJ85というエンジンは推力重量比がきわめて高い(要するにちっちゃくて軽くて出力がデカい)のが特徴で、整備性がよく運用時間も長い優秀作。おどろくなかれ合衆国空軍はこのエンジンを2040年まで航空機で使い続ける計画ですよ。まさに長寿エンジンであります。

F-5戦闘機もT-38練習機も「ちっちゃくて軽くて抜群に運動性能が高く最新鋭機にも劣らない。そのうえ整備性がきわめて優れ運用コストが他の機体とくらべて圧倒的に安い」といいます。飛行中は収納し、離着陸で使う脚部(車輪がついてる部分)が頑丈で不整地でも離着陸が可能。装着可能な兵器も充実していて空中戦だけでなく対地攻撃にも使える。機体を現場に運んで5時間後には作戦任務に就いた、という実績もある。映画『トップガン』にも登場して、実際に軍では旧ソビエトのMiG-21戦闘機にみたてて「仮想敵機」の任務で活躍しているのです。欠点は「ちっちゃいから長距離は飛べない」ぐらいのもので、改良を重ねても利便性や経済性は受け継がれているというのだから見事というほかはない。まさに空の「スーパーカブ」ではないか。

と、いきなり話の導入部分からして相当脱線しているわけですが、そろそろ本題に入ろうと思います。

私は「コストパフォーマンス(費用対効果)」という言葉を頻繁に使う人があまり好きではない。というか、「コストパフォーマンス」を「コスパ」という略称で使う人が特に嫌い、というのが正しいところです。ふたこと目にはコスパ、コスパと連呼する人は十中八九、貧乏くさい人であります。「値段の割にモノが良い」という意味合いで用いる傾向があるようですが、私は自分の使用目的に対し60点の物を安く買うよりも多少値が張っても90点のものを買いたいと思う。要するに価値観の問題ですよ。

私が重視するのは「運用コスト」という考え方であります。経済学用語でいえば「ランニングコスト」の事です。多少値が張るとしても自分の使用目的に対して90点の評価を与えられる製品を気分よく使ったほうが結果的には大した損をすることもなく最終的に得られる満足度が高いのですよ。だから何事も、自分の目的を明確にして、その目的に対して90点レベルのハイスコアをたたき出すものを買うのが一番無駄がなく気分もいい、というのが私の主張です。

そしていよいよ話が今日のテーマ、車のタイヤについてなのであります。相変わらず前置きが長いな!


車の使用目的は人それぞれ違うのです。サーキットに持ち込んで競走をやりたい人と近所移動の足代わりに使う人では求めるものが根本的に違ってきます。雪国の人なら相応の走破性能を必要とすることもあるでしょう。家族みんなで乗る必要があれば多人数乗車が可能で後席の快適性も追求した大きい箱型の車が必要でしょう。都市部で宅配便の集配に使うなら小回りが利きたくさんの荷物をしっかり積める相応の貨物車が必要です。とにかく、目的は人それぞれというのが大前提であります。

でもふと思うのは、どうも最近の車が「過剰に高性能なタイヤ」をはいているように感じてしまうのですよ。私はちっちゃい車が好きで軽自動車ファンなので、まずはスズキとダイハツの公式サイトから現行モデルのタイヤサイズに関していくつかの例を引用しようと思います。


<スズキ>

アルト、ラパン、ワゴンR
155/65R14

スペーシアギア
155/65R14

ハスラー
165/60R15

エブリイ(貨物車)
145/80R12



<ダイハツ>

ムーヴ、ムーヴキャンバス、ミライース(上位グレード G、X)
155/65R14

ミライース(ベーシックグレード L、B)
155/70R13

タフト
165/65R15

アトレー、ハイゼットカーゴ(貨物車)
145/80R12


上記の通り、引用した時点で私はすでにビビるのであります。昔のアルトなんかだと

145/70R12

あたりが主流、さらに少しさかのぼると軽自動車は

135SR12

すなわち偏平率82パーセントとかが当たり前でありました。そもそもヘンペイリツってなんぞや?という人もおられると思いますが、「偏平率」はタイヤの幅に対する高さの割合のことを指します。通常であれば「偏平率70%」または「70(ナナマル)シリーズ」などと呼びます。数値が低くなるほど、幅の広い割に高さがないペッタンコなタイヤということになります。

余談ですが私の愛車であった三菱パジェロミニと、軽クロカン四駆の代表であるスズキジムニーのタイヤを見てみます。

パジェロミニ
175/80R15

現行ジムニー
175/80R16

このように、悪路の走破を想定したクロスカントリー系の四輪駆動車は偏平率の高いタイヤを装着するのが普通です。我々一般人にはあまり縁のないバスや大型トラックも偏平率をみるとおおよそ80パーセントぐらいです。

すごく雑な言い方ですが偏平率が高いほど乗り心地がフンワリやさしくなります。タイヤの接地面積も少ないため、燃費効率も良いです。これは逆に言うと加速減速をくりかえしつつギリギリの限界で戦う競走には向かない特性ですから、コーナーリングでの性能を上げるとかグリップを高めたいとかいう方向を目指すと、偏平率の低い方がより高性能ということになります。

かなり退屈な話になってきましたが、端的に言うと「別に公道でレースするわけでもないんだから私レベルの一般人は偏平率82パーセントの風船みたいなタイヤで充分じゃないか?」と思うわけです。

しかし上で現行の軽自動車のタイヤサイズを並べましたように、今はアルトですら14インチの巨大なホイールに偏平率65パーセントというかなりスポーティな幅広サイズ(155ミリ)タイヤを履いているのであります。偏平率でいうと、スーパーカーとして有名なランボルギーニ・カウンタックLP400よりもペッタンコ度合いの強いタイヤなのです。



カウンタック

夢のスーパーカー、カウンタックLP400




参考:ランボルギーニ・カウンタックLP400(市販モデル、1974年)のタイヤサイズ

フロント:205/70VR14
リヤ:215/70VR14

ちなみにメーカーはミシュラン製ですって。幅こそアルトより5cmも大きいものの、幅が前輪205mmで後輪215mm、偏平率70パーセントのラジアルタイヤ(R)で14インチのホイールサイズ(リム径)です。

なおホイール径を示すRの前のVとは何ぞや?というのが気になりますが、旧規格で速度カテゴリーを表していました。

・SR:180km/hというスピード(Speed)に対応するラジアル(Radial)タイヤ。
・HR:210km/hという速いスピード(High Speed)に対応するラジアルタイヤ。
・VR:240km/hというとても速いスピード(Very high speed)に対応するラジアルタイヤ。
・ZR:これ以上はありません(Z)のラジアルタイヤ。

またしても退屈な話になってきましたな。興味ある方はブリヂストンタイヤのサイトにある解説ページでも読んでみて下され。


タイヤのサイズについて タイヤサイズの確認方法や表示に関してご紹介します(ブリヂストンタイヤ公式)
https://tire.bridgestone.co.jp/about/knowledge/size/


要するにスーパーカー「カウンタック」ですら70タイヤ(ナナマルタイヤ)なのですよ。偏平率70パーセントですよ。ホイールのリム径は現行アルトと一緒。

現在、車のデザインは「ナマズ・アンコウ軍団」みたいな感じでボテッとした装甲車みたいなものばかりですが、昔の車はデザインが今と比べてはるかに繊細かつ細身だったのでホイール径が大きくない&偏平率の高いタイヤでも見た目が大変エレガントであります。



セレステ

画像だと見えにくいけど風船みたいなタイヤです




しかし今は「過剰ではないか」と思えるほど、低偏平(ロープロファイル)タイヤの採用がすすんでいます。ここにきて「都会派SUV」(←失笑)なんていう車種が流行り出して「なんちゃらクロス」とかいう名前で見た目だけ大径ホイールのペッタンコタイヤを装着して得意気に走り回る車が激増しております。例を挙げるとキリがないレベルなのでトヨタ車だけ引用。


<トヨタ>

カローラクロス HYBRID Z(E-Four)
225/50R18タイヤ(18インチのアルミホイール装備)

カローラクロス(下位グレード)
215/60R17タイヤ(17インチのアルミホイール装備)



カローラクロス

18インチ径の巨大ホイールとミニ四駆みたいなペッタンコタイヤが印象的




18インチで偏平率50パーセントって何!私がまず気になってしまうのはタイヤの値段です。これ、冬になって装着するスタッドレスタイヤは一体いくらするんだろうか?調べるのもおそろしいです。調子に乗って流行りの車を買ったはいいけどいざ冬を迎えてタイヤ屋に行って腰を抜かすのではなかろうか。

なんでこんなタイヤを履いているんだ?16インチのナナマルタイヤでは駄目なのか??

カローラクロスはあくまでもひとつの例なのですが、今はどれもこれもホイール大径化&タイヤのペッタンコ化が常態化しているのであります。みんな、こんな世界を本当に望んでいるのか?

タイヤ代の運用コストを考えたら私は絶対に選ばないし、乗りたくもない。

そもそもの話、タイヤの外径を変えずにホイールのリム径を大きくする「インチアップ」は一般的なドライバーにとって何のメリットがあるのだろうか?という素朴な疑問がわきあがります。

車輪の外径を変えずにホイール径を大きくすると必然的にタイヤの厚みが薄くなります。偏平率の低いタイヤが必要になります。今日の話の中心であるペッタンコタイヤですね。

昔は低偏平タイヤに規制がありました。偏平率60パーセントの60(ロクマル)タイヤが認可されたのは1983年。50タイヤと55タイヤが認可されたのは1988年。私の大好きな三菱スタリオンの全盛期ですよ(嬉)。

45タイヤが認可されたのは1994年。245/45R17とか今は普通になっています。私には一生縁のない車種ですが現行のレクサスLSは245/50R19なんていう組み合わせで、F SPORTというグレードに至ってはフロントが245/45RF20 99Y、リヤが275/40RF20 102Yランフラットタイヤなどという恐ろしいペッタンコタイヤを装着しています。ここまで凄いとタイヤの値段を調べようという気力すら無くなるレベル。



LS

見た目で脳がバグる。おそらく私はこの車に滑り止めチェーンを着けられない




繰り返して問いたい。運用コストを考えたうえで貴方は本当にこの車を欲しいですか?海は死にますか山は死にますか?

四輪車の場合、大径ホイールを採用することによりブレーキローターとキャリパーを大きくして、ブレーキの過熱を防いで効きをよくする効果があるのだろうな、というのはわかる。サーキットなどでコンマ1秒を競う世界なら、大いに意味があるだろうと思います。しかし「都会派SUV」の「なんちゃらクロス」(←失笑)を見かけて、ホイール内側に小径ブレーキローターやブレーキドラムが見えてしまうと「…やっちゃったねアニキ」っていう感じで何ともいえない「残念さ」がこみあげるのであります。貧相に見えて仕方ない惨状は「悲劇」としか言いようがない。

そもそもホイールを大きくしてもグリップが劇的に改善することはなく、むしろ重量が増えるだけです。性能面でプラスになる事はひとつもない。強いて言えばドレスアップ効果(すなわち「見た目」の改善)があるという事でしょうけどいくらタイヤをペタンコにしてもカウンタックのかっこよさには到底及ばない。今どきのずんぐり、むっくりした車のデザインのせいでホイールを大きくしないと見た目のバランスが悪いというのなら、根本的に車自体のコンセプトや設計、デザイン等最初の段階から狂っているのではないか?と私は言いたくなる。

言っちゃ悪いけど今の車が束になってかかってきても私の永遠の恋人、日産パルサー・エクサのかっこよさには到底およばない。足元に触れる事すらできないわ。



パルサー・エクサ

都会派SUVども、かかってこいや!




今日の結論として「運用コスト」という視点で車を選ぶ際にはタイヤの価格にも注目したいところです。端的に言えば普及率の高いタイヤの市場価格が一番安いということですよ。そう考えると私としては、もしも車を一台選ぶなら「軽バン」に乗りたいなと思います。ウチの近所のタイヤ屋さんでも軽貨物車用のスタッドレスタイヤ4本セットが超絶お買い得価格で売られているのよ。

逆に言うと特殊サイズタイヤの車を買ってしまうとタイヤ自体が高額だし選択肢が少なかったりと不便が多いですからね。私は性格が天邪鬼なのでつい「みんなと違ったものが欲しい」と思ってしまうのですが、運用コストを考えるとできれば消耗品を末永くそして安く入手できるものを選ぶのが大事。マイナー車に乗ってると補修部品が入手できなくなって維持管理も苦労しますからね。そういう意味では「多数派」に属している方が人生は楽です。

いずれペッタンコなタイヤが多数派になってナナマルタイヤが入手困難になったりするのだろうか。ヤダなあ。まあ今後の人生で四輪を買う事はないから関係ないか(涙)。おいおい、なんだか寂しい結論になっちゃったヨ。










#13
2023年2月22日(水)
「ひさびさのライブ鑑賞」


武漢肺炎が世界に拡大し、いわゆる「コロナ禍」となってから私自身の行動パターンも大幅に変貌を遂げました。

とりわけ影響を受けたのは音楽活動でしょうか。

私はここ10年(いや、もっとか?)はフォーク・ロック路線ギタリストからフラメンコ業界に転向して「魂のふるさと」スペイン・アンダルシア地方で盛んな舞踊音楽フラメンコの世界に没頭していたのでありました。

しかし新型コロナウイルスの感染拡大のあおりでフラメンコ業界は壊滅的な打撃を受け、ライブ活動がまったく行えないという事態に発展しました。フラメンコは「踊り手」と「ギター奏者」と「歌い手」がひとつになってくりひろげる世界でありますが、みんな揃って活動を封じられた格好でありました。

本場スペイン人の演者が出演していたような業界でも有名な店でも、スペイン人が帰国してしまうありさま。教室も閉鎖するところが続出。ああ、もうこの業界は駄目だなと本気で思いましたね。

何しろ感染して重篤な場合は死に至るというおそろしい病が流行っているわけですから、もう余生は本当にやりたいことだけやって悔いなく生きるのがいいな、と実感しました。私がここにきてギターを捨てて、幼少期よりずっと憧れていた楽器であるフルートに転向したのはそのせいであります。

新型コロナのせいでレッスンが中止となる期間もありましたが、細々とお稽古は続けていて今の私は音楽生活的には大変満たされているのであります。自分にはハナから無理だとあきらめていた楽器を今は一生懸命学んでいるわけですから、楽しいに決まっています。


「フルートは美人以外が吹いちゃ駄目だよなぁ」


っていう思い込みを自ら打ち砕いたという、この「社会に一石を投じる」という人生こそ価値があるのですよ。すみませんブサイクなデカ女がフルート吹いちゃって。みんなの期待を裏切るフルート奏者像を確立しただけでも、私が生まれてきた意味があるってモンよ。

という訳でひっそり、こっそりとフルートやヴェノーヴァを吹いて楽しんでいるわけですが、さすがにライブをやったり、あるいは見に行ったりということはありませんでした。何しろ新型コロナが蔓延中ですよ。閉鎖的空間にはできるだけ行きたくない。同じ理由で、美術館や映画館すら避けているのだ。人混みすら近づかないレベル。

もう余生はひとり演奏を楽しめればそれでイイや、ぐらいに思っていました。精神病んじゃってからバンマスの役割を果たす力もないし、体調の乱高下が激しいからそもそもバンド活動を継続していくのはつらい。

などと思っていた矢先、知り合いがライブに出演するということでお誘いをいただきました。もう3年ぐらい音楽ライブを見に行く喜びから遠ざかっており、生演奏のステージをたのしむ喜びに飢えていたので聴きに行ってきました。



ライブ案内

生バンドの演奏を楽しむチャンスだ!




ありがたいのは公演時間が昼、ということです。昼の12時半に開演。これならライブが終わってから明るいうちに自宅に帰り着くことができます。ここ数年で私は「夜盲」というのでしょうか、夜目が利かないというか、暗いところで目が見えないという状態に陥っており夜のお出かけはかなり困難というか危険な状態なのであります。日没後は巣にこもって扉の鍵をしっかりかけてぬいぐるみを抱いている生活しかできない。そいういう次第なので昼のライブというのは実にありがたい。

はじめてのスポットでしたが今はスマホ地図アプリのナビゲーション機能のおかげで迷わず到着。昔は、訪ねたことのない場所に行くというのはかなりの騒ぎであって、私が学生の頃は「ぴあMAP」なんていうのを毎年購入して主要駅周辺の地図をチェックして出かけたものであります。ネットなんてないから店の場所を調べるのはかなりの労力を必要としました。



ライブ会場

ライブを聴きに階段をおりてゆく、というのはシビれる状況ですな




さて私は開場時刻数分前に到着したのでありましたが店内はもうお客さんでいっぱいであります。なんとかヨイ席を確保してとりあえずホッとしたのであった。今回のライブは即日チケット完売だったレベルとのことで開演時刻には超満員でした。こういうときは指定席にしてクレってちょっと思ったヨ。

チケット代+オーダー制ということなので、今回は奮発して潤沢な資金を財布に入れてきたのだ。ふだん私は貧窮生活を送っているとはいえ「ここぞという時は惜しまず遊び倒す」という人生を貫いているので、楽しいお出かけDayに変にケチったりはしない。ランチタイムということもあり食事&ドリンクメニューからゴージャスなメニューを頼んでフィーバーしちゃうのであります。ああ、お金を使うという行為はなんと気持ちがよいのであろうか。

今日パァーッと使ったぶんは、明日からケチっておとなしく過ごせばよいだけの話であります。今日この時に最高の贅沢を堪能して、明日から粗食に耐えればいいだけです。そう、私はこうやってドドンと遊ぶために生まれてきたのだ!としみじみ思うよ。

そうこうしているうちに開演であります。イカしたナンバーで華やかにステージがはじまりました。職業病ではないけれど、私はギタリストだったのでついギター奏者の機材に目が行ってしまう。演奏はからきし駄目なくせに機材にはうるさい奴、という最悪のギタリストが私です。はい。まあ逆に言うとサクソフォンとかクラリネットとかフルートなんかは客席から見ても「どのメーカーのどのクラスのモデルか」はわからないのであります。ギターでもクラシックギターになると見た目での判別は非常に困難です。しかしエレキギターやエレキベースに関しては「見てわかる」要素が非常に大きいのですよ。お!ゴダンのエレガットだ!!さすがにいい音するなぁ、みたいな。だからすぐに物欲に直結するという側面は絶対に否定できないと思うよ。

そして思うのだよ。やっぱり演奏する曲や音楽の方向性に応じて「それにふさわしいルックスのギターが欲しいよね」と。お前は何本ギター買えば気が済むんだよって言われちゃうけどある意味仕方ない部分もあるのよ(自己弁護)。



ライブ

素敵な演奏が続く




今回は三部構成という豪華なプログラムで、一部ではプレイヤーの皆さんが様々な楽器に持ち替えたりして変幻自在の演奏を楽しませてくれました。第二部ではヴォーカルも参加してゴージャスなステージ。第三部は本業(?)のメイン楽器をテクニカルに奏でながらの超絶盛り上がりタイム。アンコールはヴォーカル再登場でノリノリのナンバーでオーディエンス大興奮、さいごはしっとりとした曲でたまらぬ余韻を残しつつライブは終わりました。

実に満ち足りたひとときでありました。

ちょっと個人的な話になりますが、私の作曲の作法というのは「あらかじめコード進行を決めて、それにメロディをのせていく」っていう手法であります。根っこがフォーク畑で育ってきたからどうしても「KeyはGで始まってCにいってD7を経てGに戻る」みたいなワンパターンから脱することができない。あとはもう海援隊の『あんたが大将』みたいに歌詞で勝負!笑いをとるのが第一!みたいなコミックバンド路線を突き進むしかできないという、あえて言えば「才能の限界」みたいなものを感じていたのであります。今回のライブではなんかそのあたりの「自分のぶちあたってる壁」的なものを強く認識させられるような、うまく表現のしようがない刺激を強く感じました。私もまだまだだな、と思いましたね。

何はともあれ久しぶりのライブ鑑賞でありました。冗談抜きに「職場でストレスに押しつぶされて精神病院送り」になってからは全然ライブに行くこともなかったですから、何年ぶりになるのかすら思い出せないレベルです。楽しいひと時を過ごせたのは実に嬉しい事でありました。私ももっとフルート練習しないとね。あとギターも。

暗くなる前に帰宅してマジ大満足ですよ。楽しかった余韻にひたりつつ夕食をとり、サラリと風呂に入って布団に直行。あとは安らかな眠りにつくだけであります。



フェネック

幸せにひたりながら夢の中におちてゆくのだ




思い出すのはヴォーカルの後ろでコーラスのように響いていたフルートの美しい音色がおりなす夢見心地の快感ですよ。ああ、そういう世界は今までの自分の音楽にはなかったなあ。いい世界を堪能したなあ。

「余生はソロ活動だけでいい」とか言っていた私ですが、こんなふうに素敵なライブを味わってくるとまた気が変わりますね。やっぱ気心の知れたメンバーと組んでやる音楽もいいな、と感じました。

あとは、私は富も名声も求めてはいないし歴史に名を刻みたいみたいな名誉欲もないけれど、死ぬまでに美しい曲をせめて一曲でいいから残したいなと思いました。死ぬときは無一文になっていてもいいから、楽譜を一枚残して主の御許に帰りたい。そんなことを思ったりしてました。


少年老い易く学成り難し
一寸の光陰軽んず可からず


とは、よく言ったものですよ。しみじみと痛感する今日この頃であります。人生なんてあっという間です。今このひとときを大切にしようと思います。










#14
2023年2月26日(日)
「モモンガ2023遠足イベント第一弾!『板橋こども動物園』を訪ねる」


昨年11月にまさかの交通事故に遭い、最悪の気分で年末年始をクリアしたのち、こんどは古傷の腰と股関節の痛みですっかり参っておりました。股関節炎については要するに「若い時に自転車競技やってて酷使した関節が経年劣化して痛みを引き起こしてる」ということで、薬飲んで安静にして症状が改善するのをひたすら待つ、という、もはやどうにもならない現状でありました。

すごく雑ないい方ですが人間の関節っていうのは消耗品な訳ですよ。酷使したパーツは命果てるより先に寿命がくる、というだけの話です。車やオートバイのように部品交換する訳にはいかないから、加齢とともに身体のアチコチが「弱いところから順にダメになってゆく」という事ですよ。不老不死ではない以上、誰もが等しく味わう人生の秋であります。

まあそんな次第でかなり滅入ってる日々を送っていたのですが、2月23日は天皇陛下が63歳のお誕生日を迎えられたということで晴れやかな気分でお祝いしたい気持ちもあり、誠にありがたい祝日ですから楽しくお出かけすることに決めておりました。

行きたい場所はたくさんあるのですが、今回はかねてから是非訪ねたいと思っていた東京都板橋区にある「板橋こども動物園」に行ってみることにしました。


東板橋公園 板橋こども動物園(公式)
https://itabashi-park-zoo.com/honen/


1975年に開園し、2020年にリニューアルオープンした板橋区の癒しスポットであります。猛獣や大型の動物はいませんが、モルモット、ウサギ、リクガメ、ミニチュアホース、ポニー、ヤギ、ヒツジといった親しみのある動物たちが暮らしており子供たちが「モルモットだっこ」や「ポニー乗馬体験」できる「優しいふれあいの空間」でありまして、地元の皆様から大いに愛されていると評判であります。都営地下鉄三田線の「板橋区役所前」駅で下車して股関節炎のオバサンがカメ速度で歩いて10分ほどという非常にアクセスの良い場所なのが魅力です。

余談ですけど板橋区は区役所が駅と文字通り直結していてマジ便利ですよね。私も仕事でイタバシストだった時代がありましたがいい所ですよ。悪意でけなす訳じゃないけどウチの隣の某Meguro区役所なんて、JR目黒駅からはクッソ遠いし目黒本町や原町(はらまち)あたりに住んでたら「どうやって役所に行ったらいいんだよ状態」ですよ。Meguro区Mitaなんて絵に描いたような住みにくい都会(駅が遠くて店が少なくて散歩してもクッソ面白くないエリア)ですよ。これ以上言うとMeguro原住民から袋叩きにされそうだからヤメておきますが、そんなMeguro区も街のみどころや観光スポット的な面では品川区の100倍は魅力的な街なのは間違いない。私の住んでる品川区がダサすぎる(弱すぎる)んだよなあ。ウルトラマンで東京湾に怪獣が現れたら真っ先に破壊されて終わる区ですよ品川は。

と、どうでもいい話になると長くなるのが私の悪い癖なので話を戻します。私は高原とか牧場とか大好きでヤギとかヒツジとかポニーとか心の底から愛していますから、久しぶりにカメラなんぞをひっぱり出したのであります。本当なら千葉県の「マザー牧場」とか行きたいけど自力で行ける手段も財力もないじゃん。五反田から都営地下鉄でヒツジに会いに行けるなら、そりゃもうカメラ出動ですよ。

と思ったらバッテリーが消耗しきっててカメラの電源が入らない。私はこの、充電池の管理っていうのが大嫌い。充電式のエレキものは十中八九、いざ使いたい時には電池切れですよ。



充電

フル充電まで6時間ぐらいかかるのよ




電池を入れたらカメラの日付もリセットされていたので設定からやりなおし。2008年のカメラですからね。「マイクロ」じゃない「フォーサーズ一眼レフ」ですよ。記憶媒体なんてSDカードじゃなくてxDピクチャーカードとコンパクトフラッシュカードのハイブリッドよ。奇人変人にはこういうアブノーマルなカメラがよく似合う。

ということで遠足の当日に話はとぶ。板橋区役所前駅で下車してすぐに「旧中山道 仲宿」に出る。こういうスポットは旅心をくすぐりますね。私はいわゆる「旧道」が好きな派閥に属していますからしみじみとするのです。



仲宿

海沿いをゆく東海道とは違う趣があります




案内板も出ているので迷う事もなく「こども動物園」に到着。駅からすぐ(10分程度)ですから股関節炎オバサンも安心。途中にコンビニがあるので温かいお茶を購入しました。水筒には水を入れてきたけど、ちょっと寒かったわ。



到着

動物のシルエットを活かしたシンボルがいい感じ




敷地面積はそれほど広くはありませんが、逆に「多摩動物公園」みたいに広大な敷地だと股関節炎オバサンは生きて帰ってこれないですから、むしろこの小規模感がホッとするのであります。向こうの方にヤギやヒツジの姿が見えるので心はおどる。ルンルン気分で園内に突入してゆきます。



にぎわう動物園

親子連れで大賑わいです!!




まずはモルモットを抱っこできるコーナーがあるので寄ってみます。まあ抱っこするのは子供たちでありまして、いくらなんでも私は列に並べないのであります。子供たちがお行儀よく順番に抱っこコーナーに入り、奥の席から座ってゆきます。そして各自膝の上にマットを置き、飼育スタッフさんがモルモットを抱えて子供たちの膝の上に一匹ずつ置いて行くのです。これが実に心和む風景でありました。



モルモットを手にした飼育員さん

飼育員さんの手にはまるまるとしたモルモットの姿が




「立ち上がったり持ち上げたりするとモルモットさんがびっくりしちゃうから、動かないで優しくなでてあげてねー!」

と呼びかける飼育員さん。子供たちはみんな小さな命を膝にのせて、そのぬくもりを掌の中に感じたのでありましょう。こうやって命の尊さを知るのですよ。人間は戦争やってる場合じゃないですよ本当に。

とかなんとか言いつつも私は飼育員さんが身につけている無線機がアルインコのDJ-P221であることをサラリと見つけて「なかなかいいトランシーバーをお使いですな」と言いたくなるマニア魂を隠すのに必死であったよ。これだからオタクはイヤなんだよ。

さてモルモットだっこを見てほのぼのしてきたので、いよいよ本命のヤギ&ヒツジコーナーに行ってみます。ちょうど「お散歩タイム」の最中だったので、柵の外に出て子供たちとふれあっておりました。おっかなびっくり近づいて、ヤギの背中をナデナデしたりする子供たちは実に楽しそうであります。私は大好きな「ケモノ臭」をかぎつつカメラでヤギやヒツジを撮っておりました。



ヤギさん

あたかも牧場に来たかのように心が高ぶるのですよ







ヤギさん

いろんな柄の子がいて、みんなかわいいぞ!!




おととしも去年も動物園には行ってないから、マジ3年ぶりぐらいの感激であります。やっぱ私は哺乳類が大好きなんだ。高原の牧場の風景が大好きなんだ。ヤギやヒツジやウシやウマがいるともうそれだけで最高にハッピーなんだ。こうして「けもの友達」に会えるというのは実に喜ばしい事であります。柵ごしではなく、こんなふうにお散歩タイムに動物と一緒に過ごせるのは本当にウレシイネ。飼育スタッフのみなさんがしっかり目を見張って安全対策に力を入れているので、ここは子供を連れて行っても(よほど子供が荒ぶった行動をしない限りは)安全にゆったりと動物を間近で見られる素敵な環境だと思いました。



ヤギさん

あらためて写真を見ると美しいなあヤギさん




ということで最初はヤギさんを見ていたわけですが向こうの方でヒツジたちがチラチラとこっちにアピールしている気配もする。私は子供の時にヒツジのぬいぐるみを買ってもらってたいそう大事にしていたのですよ。ヒツジ大好きなんだ。もっと言うとアウトドアウェア的にメリノウール至上主義者なんだ。こんどはヒツジの方に行ってみましょうかね。



向こうにヒツジ

ヤギを撮っていたらヒツジの姿がまぎれこんでくる




そういえば高校生の時にオーストラリアの農場で「ヒツジの毛刈りショー」を見に行ったっけ。いろんな種類のヒツジが一頭ずつあらわれて壇上に整列してゆくのが妙にラブリィだった。筋肉モリモリでプロレスラーみたいな屈強なアニキがヒツジをガシッ!と押さえつけて巨大なバリカンでモコモコの毛を刈ってゆくのよ。その手際が実に見事で、あっという間に一丁上がり!みたいな感じでさっきまで歩く毛布の塊みたいだったヒツジがスッポンポンにされて逃げてゆく、というのが最高に楽しかった。



ヒツジさん

ウールだよ!!かわいいなあ




それにしてもヒツジというのは本当におとなしい動物ですよね。海外の農場で牧羊犬がヒツジの群れを上手に追い立ててヒツジたちがメーメー言いながらもちゃんと集団で小屋に戻ってゆく映像とかあるじゃないですか。ああいうのを見るとヒツジえらい!牧羊犬マジえらい!!私ダメ人間!!!って痛感するよね。



おとなしいヒツジたち

あえて向きを逆にしているのか







横顔

それにしても、すごい毛量っすね




あと、どうでもいい話ですが久しぶりにデカいカメラを持ち出したら、それはそれでちょっと楽しかったです。なんかもう普段の生活ではメモ程度の写真ならスマホでぱぱっと撮って終了してしまうのよ。もう単体のスチルカメラを持ち歩く人なんて職業写真家かマニアかという世界よ。一般人はスマホで事足りる時代になっちゃいましたよね。スマホで撮れば画像データはクラウドに自動でバックアップされて帰宅したらもうパソコンのブラウザで見られちゃう的な事が当たり前になっています。それはそれで便利っちゃあ便利だけれども、こうやってファインダーを覗いて撮るのもなかなかヨイものですな、と改めて思ったりしたのよね。



ヒツジ

写真を撮る満足感を久しぶりに味わいました




そうこうしているうちに「ヤギさんヒツジさんお散歩タイム」は終了です。飼育員さんにうながされて動物たちは自分のスペースに戻ってゆきます。ちゃんと躾けられているというか、飼育員さんの言うことをよく聞くもんだなあ、と感激しながら動物たちを見送りました。



ヤギさん帰宅

また会おうねー!!




かなりの時間をヤギ&ヒツジ撮影で費やしました。いいかげん疲れてきた感じもあります。あとは隣で子供のポニー乗馬会をやっているから、その様子をちょっとだけ見させてもらって休憩しましょうかね。



ポニー乗馬

ポニーにまたがって一周、楽しいだろうなあ




まさに心なごむ情景であります。ポニーの背中にのった思い出は宝物として一生心に残るでしょうね。素晴らしいよ板橋区。こんな素敵な動物園があるなんて夢のようですよ。もちろん、世界中のいろいろな動物、珍しい動物が見られる立派な動物園も楽しいけれど、モルモットを膝にのせてナデナデできたりヤギやヒツジとお散歩できたりポニーの背中に乗せてもらえたりする動物園というのも愛に満ち溢れていていいなと思いました。期待していた以上に魅力的なスポットでありました。

やがて「ポニー乗馬会」の時間も終了となりました。仕事から解放されて広い柵の中をかけまわるポニーたち。子供を背に乗せた乗馬会の時のおとなしい姿とはまったく別次元の、元気に駆け回る姿が見られてこれも実によかったです。



ポニーの自由時間

みんな元気に駆け回る




そして動物らしい愛情表現たっぷりな姿などを写真に撮って私も大満足したのであります。かわいいなあ。



顔を近づける

心が通い合ってるみたいな




この一日の「遠足」をひと言に凝縮するとすれば、それはまぎれもなく「癒しの時間」でありました。人間、生きていれば苦しい事とか言いたい事とかいろいろある訳ですが、そういう面倒なアレコレを全て心の中から振り払って、かわいい動物たちのまなざしに優しい光を注いでもらって心地よいぬくもりをたくさん受け取って私は満ち足りた気分で帰途についたのでありました。



やさしい表情

素晴らしい休日を過ごせたのは君たちのおかげ




股関節炎的な意味でけっこう限界まで達したとはいえ、それほど無理をしたという訳でもなく駅に帰り着きました。駅から近い動物園ということでマジ助かる。あとは三田線に乗って、三田から浅草線に乗り換えればマイ・ホームタウン五反田はすぐそこよ。



三田線

帰りの列車は座れるといいな




帰りの三田線は混んでいて座れずガビーン。股関節が痛くて泣きそう。でも次の駅でけっこう多くの人が降りたのですぐに座ることができました。ありがてえ、ありがてえ。なんだかんだで動物園をあとにして約1時間後にはエゾモモンガの巣に帰宅ですから、近いですよ。いいスポットを開拓できて良かったです。おそらく板橋区民の皆様は当たり前にご存知の動物園なのでしょうが、他のエリアに住んでいる人にはあまり知られていないのではなかろうか。ヤギさん&ヒツジさんが好きな人にはおすすめの動物園です。

さて、今回の教訓としては股関節炎をなんとかしないと来月の東京モーターサイクルショー2023の会場を歩くのはちょっと不安な感じという事でしょうかね。股関節は湿布も貼れない(どう貼っても寝てる間にはがれる)ので本当にどうしたらいいのかワカランですよ。当面は無理しないようにして快復を待とうと思います。










#15
2023年3月2日(木)
「トヨタ・パッソ」


私はちっちゃい乗り物が好きなので車に乗るなら軽自動車がヨイ!という流派に属しています。最近は世界市場基準で全幅のデカい車が文字通り「ハバをきかせて」いますが、言っちゃあナンだけど日本の道路は狭いのよ。駐車場だって古くからある、昔の基準でつくられてる場所だと「5ナンバーサイズ」を想定していて幅のある車を停めるとドアが開けられないぐらいキツキツだったりします。

昔はクラウンだって5ナンバーサイズだったのにね。今はあえて5ナンバーサイズを貫いている車種はホンのわずかに限られています。小さい車に乗りたい層はこぞって軽自動車に移行している感じでしょうか。

軽自動車でパワーを出そうとするとターボチャージャー搭載モデルを選ぶ、というのが定番のようです。4名乗車で高速道路に乗るとターボ車じゃないと辛い、みたいな話はよく聞きます。しかし正直に告白しちゃうけど私はターボ車が苦手なのだ。スポーティモデルといえばターボ装着!という風潮が全盛期の1980年代あたりは


「ドッカンターボ」


などという言葉があって、文字通りアクセルを踏んでかすかなタイムラグの後にターボチャージャーがドカンと強烈に効いて突き押されるようなチカラが発生するという現象がありました。私は妙義山の下りで人生初ターボを体験し想像を絶する恐怖を味わい、以来ターボ車は断固No!なのです。コーナーリングの途中でターボが効いてくると想定しているライン取りができない。あわててアクセルをゆるめてもすでに効いてるターボチャージャーの回転は止まらない。ということで涙目どころの騒ぎじゃなかった。ターボ車の挙動はマジでヤバい、これはいつか死ぬな、と思いました。

今どきはダウンサイジングターボが主流でレスポンスも良く、昔のようなドッカンターボは無いと考えてよい、とか言われても一度味わった恐怖心はそう簡単にぬぐいきれるものではない。どちらかといえばやはり自然吸気がいいのです。いわゆるNA(ノーマルアスピレーション)エンジン、これに限る。自然吸気エンジンの、アクセル操作に対するあの素直なレスポンスが最良であります。非力でもいいの。自分の思い通りのアクセル操作に直結したかのように反応する、という絶対的安心感が重要なの。

さて。自然吸気エンジンがいいよね、っていう前提に立つと、必然的に「排気量は大きい方が正義」という結論につながってゆきます。軽自動車の660ccエンジンで自然吸気(まあ今どきの車はたいていDOHCという超絶ハイテクですが)だとどうしても非力、高速道路ではエンジンをぶん回して必死に走行というのを避けられません。走れるけれど余裕はない。軽ならターボ付がいい、という言い分も理解できる。

でも660ccのターボ付エンジンを選ぶぐらいなら、1000ccの自然吸気エンジンの方がいいんじゃないの?というふうに思う訳です。要するに「じゃじゃ馬ターボ車より、大排気量で素直なエンジン特性の車のほうが運転しやすそうじゃん」っていう話よ。まあ1000ccになると軽自動車の枠から外れちゃうので税金その他の金額が大きく変わってきますが、車体がコンパクトで運転しやすい車ならそれはそれでアリ!ということよね。

実際プライベートで乗ってた愛車のパジェロミニ(ターボ無し)と仕事で乗ってたカルタスを比べると高速走行時の動力性能は雲泥の差があった。もう20年以上前の話ですが、やっぱりリッターカーは違うな!!排気量340ccの差は大きいな、って思ったもん。

この思考をつきつめてゆくと、むかしバカにしていた「8気筒OHVエンジン(排気量4000cc)のコンパクトカー(3速オートマチック)」なんていうのをつくっていたアメ車が実は正しいんじゃないか?という気がしてくるのであります。

まあ排気量4000ccOHVエンジンのアメ車は極端な例ですが、排気量さえ大きくすれば「底力」が増すという事実は疑いようが無いのであります。

となると、ちっちゃい車好きとしてはにわかに「リッターカー」というのが気になりはじめるのであります。かつてはいろいろ魅力的な車種があったじゃん。なんといっても代表格はダイハツ・シャレードですよ。日産マーチは最初はリッターカーでしたよね。スズキ・カルタスにスバルのジャスティ。みんな上位のスポーティモデルは排気量が1.2リットルとか1.3リットルになっちゃうのだけど、ベースグレードはリッターカーでした。今でもあるのかな、リッターカー。ということで下記のような条件で現行の車を探してみました。

・いわゆるリッターカー(排気量1000ccクラス)
・エンジンは自然吸気(過給機はだめ)
・駆動方式はFF(個人的好みで)

調べてみるとほとんど存在しないことが発覚。ターボチャージャー付の車はあるけど、純粋に上の条件に合うのはトヨタ・パッソとダイハツ・ブーンだけだった。


トヨタ パッソ(公式)
https://toyota.jp/passo/



パッソ(前)

自分ならこのブルーかな







パッソ(後)

Cピラーの黒いパーツがダサすぎて絶望する




この車、ただ単にトヨタのエンブレムをつけてるだけで本家はダイハツ製(つまりパッソもブーンも事実上おなじ車)みたいです。かつてダイハツの「ストーリア」をトヨタが「デュエット」という名で販売していたような感じでしょうか。「ストーリア」は私たちの世代的には一時代を築いた「シャレード」の後継車ですから、まあ「シャレードの系譜の最新モデルがトヨタのエンブレム付で買える」って考えればある意味オイシイのかもしれない。


本家 ダイハツ ブーン(公式)
https://www.daihatsu.co.jp/lineup/boon/


とりあえず話はパッソにしようじゃないか。実は調べていて「あれ?この車、近所に乗ってる人がいたような気がする」と思って買い物の帰りにチラ見しにいっちゃったよ。なんか見るからにチープな造りがアリアリと感じられるショボめの車でしたが、車なんてのはカラダを運転席にねじ込んだら見た目なんてどうでもいいんです。何が素晴らしいって、エンジンですよ。カタログスペックを見てみましょう。


1KR-FE
直列3気筒DOHC12バルブ

DOHC 12バルブ EFI VVT-i
排気量:0.996L
内径×行程:71.0×83.9(mm)
ボアピッチ:78mm
圧縮比:12.5

出力 51kW(69PS)/6,000rpm

トルク
92Nm(9.4kgm)/4,400rpm


ちなみにVVT-iはトヨタの「連続可変バルブタイミング機構」の呼称。

たかだかリッターカー級の実用エンジン、レギュラーガソリン仕様で圧縮比12.5なんて随分気合いが入ってるじゃないか。カタログ上の数値を見て物事の良し悪しを決めつける私レベルの素人が想像しただけでもモリモリと力が湧いてきそうな圧縮比の高さ。

私はいまだに最高出力をキロワットで言われるとピンと来ないという昭和脳なので、換算して「69馬力」と言われてはじめて凄さがわかるのであります。過給機なしのリッターカーが69馬力ってかなりの化け物ですよ。

軽自動車がターボチャージャーを装着して64馬力!(本来ならもっと出せるけど自主規制)とか考えると1000ccクラスで69馬力だなんて余裕の塊に思えてきます。

三気筒←エンジンとして理想的
NAのツインカムで4バルブ←個人的嗜好で理想的
圧縮比が高い←私レベルの素人スペック莫迦が歓喜

これは是非ともマニュアルシフトで乗りたかった(涙)。なんでよりによってCVTだけなんだよぉ。


ということで「もしもパッソを買うなら〜♪」と思いながらWEB見積なんぞを楽しんでみる。


メーカーオプションで下記を選択。

・スペアタイヤ(応急用) 11,000円
・リバース連動間欠リヤワイパー 14,300円



パッソ(後)

こうやって値段は跳ね上がってゆく




あれ?フェンダーミラーが選べないんですけどどういう事ですか。もしかしてオプション設定ナシって事ですか。何やっちゃってるのよトヨタさん。こっちはドアミラーなんて外車みたいなシャレオツな装備は付けたくないのよ。JPNタクシーの部品でいいから、あれ付けられるようにして下さいよ。チッ。

まあフェンダーミラーはあきらめるとして、パンタグラフジャッキとスペアタイヤは必須であります。なんか最近の車は「パンク修理キット」を標準装備にしてテンパータイヤを積まない風潮ですよね。冗談を言っちゃいけないよ。いつでもどこでもすぐにロードサービスが来てくれると思ったら大間違いよ。

経験で語りますがタイヤの側面が破損した場合はパンク修理キットごときでは対処できません。しかもパンク修理キットは使用期限が短いというか経年劣化が早くて3年ぐらいで薬剤が使い物にならなくなってしまう。テンパータイヤは定期的に空気圧をチェックしておけば8年ぐらいは余裕で使えます。余談ですがスズキのワゴンRはテンパータイヤをメーカーオプションで装備すると荷室がフラットになりません!とか注意書きがあって莫迦じゃないかと思った。袋に入れて荷室に置いとくから心配スンナ。

ちょっと脱線するけど昔、スバル・レオーネのボンネットをあけたらエンジンの上にスペアタイヤが積んであって衝撃を受けたわ。水平対向エンジンおそるべし。

とにかく予備のテンパータイヤは万一の事態に備えて必要です。となると当然、パンタグラフジャッキもセットで要るのです。これは個人的に絶対に譲れない装備であります。チューブタイヤのオートバイなんてパンクしたらその場でノックアウトよ。四輪のいいところは荷室にスペアタイヤとジャッキを置いておけばタイヤがひとつヤラれても自力で復帰・脱出できるところよ。オートバイでスペアタイヤを持ち歩くなんてまず無理ですから。ベスパだけですよ。あれ?ジャッキは別売りなのかな?ディーラーオプションですか?

あとリヤワイパー。雨の日に駐車場とかでバックするときにあるのと無いのとでは大違いです。絶対についていた方がいい装備です。パジェロミニはリヤワイパーが標準装備で感激でしたよ。後方視界マジ大事。

ってことで上記セットで車両価格は130万300円ですってよ。これに諸費用が加わると考えるとなかなかの買い物ですな。ホイールに装着されてる激ダサいホイールキャップは要らないんで未装着にしてもらって1万円安くなりませんかね?(←こんな値切り方する奴はたぶん世界で私ひとりでしょう)



見積りシミュレーション結果

正直、高価ですな!




また脱線するけど私はこのホイールキャップっていうのが大嫌いなのですよ。道端に外れたのが落ちてたりするのを見かけると本当に情けない気分になります。「鉄チン至上主義者」「鉄チン原理主義者」の私はキャップをつけるなんてダサすぎて絶対に無理。ホイールといったら黒い鉄チンが最高ですよ。フェンダーミラーに黒い鉄チンのオシャレでイカした車に乗りたいなァ。



ライフツーリング

できれば、こういうのが良いのよ




いまどきの車は「衝突安全性」ばかり追求し過ぎて装甲車みたいになってるけど根本的に間違ってると思う。地区でも屈指のバカ高校出身の私がもっている物理の知識ですら、


「車対車の衝突においては重量比が一番モノを言う」


ことぐらいわかっているのである。いくら頑丈に作ろうとしょせん大型トラックには敵わないのです。最新のプリウスに乗っていようとも、横から突っ込まれたら終わりよ。程度の差こそあれ乗用車なんてみんな「走る棺桶」である事に変わりはありません。悪あがきしても無駄です。そんなことより、軽くて視界がよく運動性の高い車をつくったほうが加速にすぐれブレーキ性能も上がるし燃費も向上するってもんよ。安全性の強化をうたって頑丈なボディ構造ばかり追い求め、エレキ仕掛けの自動ブレーキ装置なんていうハイテクメカをモリモリ載せてゆくのは発想としてズレてると思うよ。肥大化するばかりの車は日本の国土に合ってません。日本の道は狭いんです。基本にたちかえって、バランスのいいサイズの車をつくって欲しいものであります。

ということで今回は「トヨタ・パッソ」に着目してみましたが、現在においては「リッターカー」というジャンルも死滅しているという実情を知り寂しさでいっぱいです。マニュアルシフトの車もどんどん無くなってゆくし、ますます今どきの車がどうでもよくなってきました。心の底から乗りたいと思えるようなトキメキの車が見つからない、子供の頃、こんな21世紀を待ち望んではいなかったよ。四輪の世界を見ると、ああオートバイの世界はまだマシなのだなと思えてきます。値段はともかくとして普通にマニュアルシフトのオートバイが売られていますからね。

ううむ。心の底から欲しくなるような四輪が無いですねぇ。パッソもこれほどの金額を出してまで買いたくなるほどの魅力は感じられない。つまらない車が増えたのは何故なのでしょうか。過去の私の悪行の報いとか何かでしょうか。マニュアルシフトで車の運転を楽しみたい人はみんな何を選んでいるのですか。マツダのロードスターですか?私の中ではトヨタのカローラアクシオとカローラフィールダーが「最後の希望」になっちゃってるんですけど大丈夫でしょうか。5ナンバーサイズで排気量1500cc、175/65R15のタイヤに鉄チンはいてるマニュアルシフトのセダンとステーションワゴン。フィールダーならダークブルーメタリックが選べます。この2車種がなくなったらマジで日本の自動車文化は本格的に終わりだと思います、ハイ。










#16
2023年3月6日(月)
「軽自動車よりも小さい車の規格『ミニカー』登録したホンダ製3輪原付の話」


今日の話はミニカーであります。子供が遊ぶ車のおもちゃ、あるいはマニアがコレクションして楽しむミニチュアモデルではなくて、日本では軽自動車よりもさらに小さい超小型自動車の規格の一つであります。

ミニカーとは道路交通法において総排気量20ccを超え50cc以下又は定格出力0.25kWを超え0.6kW以下の原動機を有する普通自動車をいう。道路運送車両法においては自動車でなく原動機付自転車として扱われる、というふうに定められています。

過去にはタケオカ自動車工芸の「アビー」や光岡自動車の「MC1」などが存在しましたが、排ガス規制が厳しくなり2ストロークエンジンが殲滅させられたことにより事実上滅亡しました。



光岡MC1

光岡MC1はこんな感じの1人乗り乗用車




運転には普通自動車運転免許が必要です。法定速度は60km/h。高速道路や自動車専用道路は走れません。私は「変な乗り物」が大好きなのでこういう妙ちくりんな車に食い付いてしまうのですが、原付と同じ2スト50ccのエンジンはかなりハイパワーだったことを考慮しても公道で普通の車やバス、トラック等に混じって走行するのはかなり無茶な感じがしますね。

さて、そんな「事実上過去のモノ」となったミニカーですが、最近は宅配ピザでよく使われる屋根付三輪原付を改造してミニカー登録した車両をよく見かけるようになりました。一見すると普通の宅配ピザ三輪車ですが、ミニカー用の水色のナンバープレートを装着しているので区別ができます。



ミニカー登録した三輪原付

ナンバープレートが水色




これは一体どういう理屈なのだろうか?というのが気になって、ちょっと調べてみました。

ものすごくざっくり言うと、改造して「原付」の区分を逸脱して「ミニカー」のカテゴリーに分類されるよう、リヤタイヤの輪距(車輪と車輪の間隔)を広げるためのスペーサーをはさんで車輪を取り付けているとのことです。

もう少し具体的に書きましょう。ホンダの三輪原付には「ジャイロキャノピー」「ジャイロUP」「ジャイロX」といった車種があります。これらのリヤタイヤの輪距が500mm以上あれば原付のカテゴリーを離れミニカーの扱いとなります。よって、40mmのスペーサーを購入し後輪取り付けの際にそれを挟んで車輪を外側に張り出すように改造すればミニカー登録条件をクリアできる、というわけです。

ここで、原付をミニカー登録するメリットとデメリットを考えてみます。

(1)ヘルメット着用義務無し
ヘルメットの着用義務が無くなります。

(2)二段階右折不要
ミニカーの場合は普通自動車と同じように右折が可能となります。
ちなみに50cc以下の原付は、信号のある3車線道路を右折する時は、二段階右折が義務付けられています。

(3)最高制限速度が時速60kmになる
原付の時速30km縛りから解放されるので、速度制限のない道路などで他の車が時速60kmで走っている所を流れに合わせて走れるようになります。


もちろんデメリットもあります。

(1)ミニカー登録者の運転には普通自動車運転免許が必要
自動二輪免許、原付免許では運転できなくなります。

(2)税金が上がる
原付の軽自動車税は年額2,000円なのに対し、ミニカー登録では年額3,700円になります。

(3)原付のノーヘル運転と勘違いされて警官に止められる
警官はナンバープレートを確認しないと原付と見分けがつかないので当然です。

(4)法規上は自動車として扱われる
交通違反をした場合は車としての扱いがなされます。駐車禁止などはガンガン取り締まりの対象になります。厳密に言うと駐輪場やオートバイ置き場に置くのはアウトという判定ですね。余談ですが三輪車はエンジンを切って一方通行の道を逆方向に押し歩きするのも不可になります。(※自動二輪ならエンジンを切って押し歩けば歩行者扱い)


さあ、どうでしょうか?私は当初「水色のナンバープレート、なかなかオシャレでいいね!」「みんなと違うっていうアピールしまくれるじゃん!」という軽い気持ちでアレコレ調べてみたのですが、自動二輪免許を持っている人間からすると全くメリットが無いのですよね。

そもそも、駆動輪にワイドトレッド化のスペーサーをかませるなんて、素人が考えても走行性能が悪化しそうで危険に思われます。「個人の印象ではなく理屈で証明しろ」と言われると困るのですが、スペーサーをはさんだら定期的にネジの締まりをチェックし、増し締めしながら使う状況を強いられるだろうと思います。ましてや粗悪な精度で造られたスペーサーを駆動輪にハメるなどというのは走行中に思わぬアクシデントを引き起こしそうです。「野生のカン」的にヤバさを感じます。

しかも、ここが一番のデメリットだと思いますが、そのような改造をしたら普通のバイク屋さんではメンテナンスを断られてしまいます。何しろメーカー(ホンダ)の想定外のことをしている訳ですから、「うちはバイク屋だから改造して車として登録した車両の面倒はみませんよ」って言われたら終了です。家の近くに頼れるジャイロミニカー専門のカスタムショップでもあるなら話は別ですが、そうでない人が安易に改造しミニカー登録するのはかなりの冒険だと思います。

それに軽自動車税だって、普通に110cc〜125ccクラスのオートバイを買ったほうが安いし、動力性能もはるかに高い。

原付50cc 年額2,000円
原付90cc超〜125cc 年額2,400円
ミニカー50cc 年額3,700円(ホンダ・ジャイロ改造)



わざわざ改造する意味ないね?

自動二輪免許所持者には無意味な改造だワォーン




ということで結論。

自動二輪の免許を持っている人にはミニカー登録三輪車は事実上メリットがひとつも無いです。ミニカー登録で利便性が向上するのは「自動車免許は持っているけど二輪免許は持っていない人」だけです。

あと、いくら法律上はヘルメット着用義務がなくなるとはいえ実際にノーヘルで乗るのは自殺行為です。ヘルメットがどれだけ大事であるか、ライダーなら当たり前に理解しています。私なんてむしろ公道で四輪に乗る時もラリーストみたいにヘルメットかぶりたいわ。運転席のダーリンとお揃いでかぶったらドライブデートでも世界ラリー選手権気分が味わえそうじゃん。超絶テクニックのラリードライバー、カルロス・サインツの相棒(コ・ドライバー)、ルイス・モヤになりきって助手席でノートめくりながらスペイン語でマシンガントークしたいです!!(←すみません変な奴で。憧れるポイントが少しおかしい)



四輪用ヘルメット

あこがれのArai四輪用ヘルメット




意表をついて「水色ナンバーの車」を入手する計画は白紙撤回いたします。ちょっと面白そうだと興味をもってみたけどミニカー登録って思ったほど魅力が無かったのがいささか残念であります。










#17
2023年3月10日(金)
「スマホ依存のモバイルPASMO(交通系ICカードアプリ)と物理カードで悩む」


今日は交通系ICカード乗車券の話です。私は関東民なのでJR東日本のSuica、私鉄はPASMOということになります。北海道ではJR北海道のKitacaにエゾモモンガのキャラクターが描かれているらしいね。いいなあ。国鉄を分割民営化したばっかりに無駄にサービスが分かれてしまって残念だよ。私もエゾモモンガが描かれたカードを使いたかった。


JR北海道 Kitaca(公式)
https://www.jrhokkaido.co.jp/kitaca/index.html


さて、私は通話用は4Gケータイ(二つ折りの携帯電話)、メールチェックだの路線検索だの地図アプリだのを使う用にはスマホを使用、という2台体制を原則としております。

今つかってる二つ折りケータイの「通話かけ放題プラン」は税込&ユニバーサルサービス料込で1,652円です。普及し始めた頃の携帯電話料金ってすさまじく高額でしたからそれを思えば夢のように安く思われます。機種は古いですが通話にしか使わないので全く不便はありません。

スマホは月額552円で200円分の通話料と500MBのデータ通信がセットになったプランを契約しています。いわゆる格安SIMと呼ばれるタイプの回線ですが、私は外出先で動画を見るような習慣もないし「なんとかペイ」と名乗るバーコード決済をやらないので使用目的には充分な契約です。

ただですね、問題はスマホ本体ですよ。私は台湾のホンハイ傘下になったシャープのAQUOS sense2という機種(たしか2019年のはじめ頃、発売されたばかりの新製品を購入)を愛用していますが、これが4年経ってあからさまにバッテリーがヘタってきました。

私自身はいわゆる「年がら年中スマホとにらめっこしてる人」ではないので、たとえば電車に乗って移動する時間にスマホをいじってヒマつぶしするような習慣はありません。友達と遊びに行く約束をして合流するまでの間にLINEでメッセージのやりとりをする、という程度の事はやります。で、出掛けた先でスマホのカメラで写真をパシャパシャ撮って友達とLINEで共有して盛り上がる、という感じで使います。で、PASMOで電車に乗って帰宅というのがいつものパターン。自分自身ではスマホの電池をそれほど酷使しているという意識はありません。

しかしここ数ヶ月で目に見えてバッテリーが弱ってきました。朝100パーセントで家を出て、駅の改札でモバイルPASMOで出入りして、特にスマホをいじってる訳でもないのに午後1時半に帰宅するともう電池が70パーセントぐらいに減っているのです。それゆえ友達と丸一日の予定で遊びに行ってLINEでやりとりしたりスマホで写真撮ってケタケタ笑ったりしていると冗談抜きに


「家に帰り着くまで、モバイルPASMOが使えるだけの電池が残っているだろうか?」


と焦るのであります。何しろモバイルPASMOの公式サイトで、はっきりと「端末の電源が完全に消耗された状態になると利用できません」と言っているのだ。だからPASMOが使えなくなる事態を避けるために外出先ではなるべくスマホの操作を控える、などという本末転倒な状態に陥っております。


モバイルPASMOサポート(公式)
Q.携帯端末の電池が切れてしまった。


A.回答

モバイルPASMOは、端末の電源がOFFまたは電源が完全に消耗された状態になると利用できません。鉄道やバスをご利用中に端末の電源が切れてしまった場合は、駅の係員やバスの乗務員にお申し出のうえ、以下の通りご対応ください。

【鉄道のご利用時】
1. 乗車区間の運賃を現金で精算
2. 鉄道をご利用の場合は、後に端末の電源がONになった状態で、駅の係員へ改札入場時のデータ消去の申し出 (※1)

※1 鉄道をご利用中に端末の電源が切れても、改札を出る前に再充電または電源をONにすれば、改札入場の記録は消えずに残っているため、そのまま自動改札機をお通りいただけます。

【バスのご利用時】
1. 運賃前払い方式の場合はそのまま降車いただけます(乗車時にお支払いが完了しているため)
2. 運賃後払い方式の場合、乗務員にお申し出の上、乗車区間の運賃を現金で精算


これが普通のICカード(物理的なカード)のPASMOだったらハナから電池は要らないわけですよ。PASMOごときでスマホの電池残量を気にするという妙なストレスに縛られるのが馬鹿馬鹿しくなってきました。



モバイルPASMO

超絶便利なアプリだけどスマホの電池が弱ってくるとPASMOに束縛された生活になります




モバイルPASMO利用をやめて、通常のICカードPASMOに戻そうかな?

しかしICカードはICカードでチャージが面倒くさいのであります。モバイルPASMOの最大のメリットは、クレジットカードを登録しておくと「必要な時に必要な金額をいつでもどこでもチャージできる」という利便性の高さです。しかもアプリ上でチャージ残高も確認できるので快適です。逆に言うとICカードでは「今現在、残高がいくらあるのかすら分からない」「残高が減ったらチャージできるスポットを探さなければならない」という別のストレスに縛られることになります。



ICカードPASMO

ICカードPASMOは電池は要らないけど面倒が多い




「そんな君にオートチャージサービスがあるゾ!」

と聞きつけて、なんだそれ?と調べてみた訳ですよ。PASMOとクレジットカードが「一身一体」となり、駅の改札を出入りする際に残高が設定額を下回ると自動的にクレジットカードから指定した額をチャージするという仕組みらしい。クレジットカードは対応するものが決まっておりナンでもOKというわけではない。また、駅の改札では自動的にチャージされるけどバス乗車や店舗での会計に使ったときはチャージされないなどという発狂仕様であります。却って使いにくいのではないか?という謎のアイテムであります。でもただの物理的カードよりはマシかもしれない。

私は品川区五反田マンということで都営地下鉄系のクレジットカードがあったらいいなと思ったら無かった。そりゃそうだ。東京都がクレカを発行しているはずはないよね。

となると必然的に第二候補、東急池上線ユーザー的に「TOKYU CARD」の情報収集に入ったのですが、PASMO機能を搭載したクレジットカードを新たに作らねばならず、これが年会費1,100円とかなりのブルジョワジー仕様でありまして私はいきなり出鼻をくじかれたのであった。そのうえ


※一部、オートチャージできない駅があります。
(東急線では、五反田駅のJR改札口、世田谷線)


などと書かれており五反田マンはピンポイントで駄目出しされてるじゃん!!という悲劇に見舞われて袋小路にブチあたった次第ヨ。ちなみにJR東日本のSuicaでオートチャージをやろうとすると「VIEWカード」を作らなければならず、VIEWカードは審査が厳しいともっぱらの評判であり「頭がおかしい無職」の私が入手するのは無理であろう。オートチャージ作戦はあきらめた方がよさそうだ。

友達に相談してみたところ、4年も使ったのならそろそろスマホを買い換えるのが一番いいんじゃないの?と言われて終了。機能的には不満が無いのに買い換えるのもちょっと勿体ない気がする。アンパンマン頭部のようにバッテリーだけ替えれば息を吹き返すのだ。スマホも二つ折りケータイみたいにバッテリーパックを簡単に交換できればいいのにね。

ちなみにネット通販などでは「自分で交換するバッテリーパック(互換品)」なんていうのが売られていますが、リチウムイオン充電池は超絶に危険なものという認識の私としてはとてもじゃないけどメーカー不詳の大陸製電池パックなんてDIYで交換する勇気は無いのであります。火事にでもなったらマジで責任とれない。

とりあえず結論としてはもうしばらく踏ん張ってみて、ICカードのPASMOを改めてつくるか、スマホを買い換えるかのどちらかにしようと思っています。利便性の高さを考えたらモバイルPASMOが明らかに優位であるからスマホを新調するのがベストな選択肢ですが、いまどきのスマホは値段が高いですから悩ましいです。

身の周りには「カードは持ってるけど実際には全く使ってないもの」がけっこうあります。たとえばクロネコヤマトのnanaco。ヤフーオークションをはじめるときに強制的に作らされたものだけど一回も使ったことが無い。



nanaco

裏にはヤフーのID書かれているけど使ったことがない




カードケースの中をチェックしていたら近所の商店街、武蔵小山パルムの「パルムカード」が出てきて使用期限は2009年2月で切れていた(笑)。商店街の店舗ではクレジット機能も使えるポイントカードなんだけど更新手続きをしないまま今日まで過ごしてしまった、というすさまじい真実であります。


武蔵小山商店街パルム(公式)
http://www.musashikoyama-palm.com/


今じゃカードのデザインも全く違う。しかも仕様が大幅に変更しており、現在はマスターカードのクレジット機能を持つタイプと、プリペイド式で支払いに使えるカードの二種類になっているではないか。私としてはもうクレカは要らないので、商店街の公式キャラクター(ビーバーのパルくんとパムちゃん)のパルくんが描かれたプリペイドマネー機能付のポイントカードに作り直してもらおうと思いました。



パルム ポイント&マネーカード

ポイントを貯めるのは苦手なんだけど、カードのデザインは可愛いじゃん!作ろう




武蔵小山に用事があるツイデに商店街に寄り、パルム公式カウンターでカードの再発行(?)手続きをしてもらいました。カウンターのお姉ちゃんにおそるおそる古いカードを出しつつ「新しいカードを作り直したい」と申し出たのであります。

古いカードがクレジット機能付だったのでマスターカードのクレカをつくるよう強く勧められたのですが、丁重にお断りしてポイント&プリペイドマネーカードをつくってきました。審査も要らないからその場でサラリと発行してもらって勝利宣言ですよ。2009年2月で切れたカードは回収してもらいました。



パルムカード

よっしゃぁ!作ってきたよ




ちなみにパルムカードもスマホアプリで使えばプリペイドのチャージ残高がすぐわかる、とかいろいろあるみたいですがもうスマホ依存の生活はイヤなのでこのまま物理的カードでポイントを貯めるだけ、という方向で生きていこうと思います。どうせポイントも時効で消滅、とかいう未来が見えるもん。チャージするのはPASMOだけで充分。タッチ決済のたぐいはPASMOオンリーにして、あとは「いつもニコニコ現金払い」で乗り切りたいと思います。

本当に面倒くさい世の中になってきたなあ。










#18
2023年3月14日(火)
「ペンケースで悩む」


前回のモモ通にて武蔵小山商店街(東京都品川区)に行ってポイントカードを作りなおしてきた話を書いたのですが、その日のさいごに起こった出来事ならびにその結末を赤裸々に告白しようと思うのであります。

商店街でアレコレ用事を済ませ、最後に駅ビルに寄ったのですよ。

その昔「東急目蒲線」(目黒駅〜蒲田駅)だった頃からこの界隈を縄張りとしている私としてはですね、地上の駅で3両編成のオンボロ列車がチンタラと入線してくるのを待っていた日々を昨日のことのように覚えているのであります。ナンなら私の幼少期には緑色の電車(エアコン無し)でしたからね。池上線(五反田駅〜蒲田駅)と双璧をなす、品川区&大田区のローカル線ですよ。

それが今は「目黒線」と名乗り南は多摩川から蒲田までの区間を容赦なく切り捨てて武蔵小杉まで延伸し(現在は日吉まで運行され、まもなく18日から相鉄線との相互乗り入れが決まっている)、北は都営三田線および東京メトロ南北線&埼玉高速鉄道と相互乗り入れするという「サナギマンからイナズマン」どころではない超絶レベルの大変身を遂げているのであります。出世したな、お前。

武蔵小山駅なんて地下化された上に急行列車の待ち合わせまでするほどに規模が大きくなりました。安全対策として設置されたホームドアをはじめとして駅の色は「黄色」が割り当てられていることもあり、黄色好きな私としてはかなり盛り上がるスポットになっております。地上には駅ビルまで建ってしまった。駅周辺の再開発も猛烈に加速しなんとタワマンまで出現する始末。あの武蔵小山が!信じられない。

そんな駅ビルには雑貨屋さんの"Bleu Bleuet(ブルーブルーエ)"が入っておりまして、私はこの店を覗くのが数少ない楽しみのひとつとなっております。店舗は日本中にありますので皆さまお馴染みかもしれません。


Bleu Bleuet(ブルーブルーエ)公式
https://www.bleubleuet.jp/shop/default.aspx


そもそも品川区五反田民としては

・五反田東急スクエア店
・阪急大井町ガーデン店
・エトモ武蔵小山店(←今回寄った店)
・アトレ大森店
・東急プラザ蒲田店

と、ブルーブルーエは行動範囲内に5店舗もあるのです。以前は目黒のアトレにもあったはずなのだが、ちょっと目を離した隙に無くなった模様。ネット通販も便利ですが、こういう事もありますから買い物はなるべく「なくなったら自分が困る実店舗で買う」というのを私は大切にしたいと思うのであります。

で、店内をぐるりと周回している途中に気になるモノを発見。なんでしょうね。自分好みのアイテムって他の売り物に埋もれていても金色の光を放っているかのように目立ち、目にとまるのです。


【BESTEVERワイルドアニマルペンケース】
世界一幸せな動物 クオッカ Quokka
http://www.bestever.jp/shopdetail/000000001793/



ペンケースその1

ベストエバージャパン公式サイトより画像を引用







ペンケースその2

背中のファスナーをあけると胴体がペンケースになっているのだぁ




なんと!オーストラリアに住む「世界一しあわせな動物」と呼ばれるクオッカワラビーのペンケースであります。クオッカちゃんは日本では埼玉県こども動物自然公園で見ることができるとのことで、私もぜひ一度訪ねてみたいスポットであります。

かつて目黒のブルーブルーエでクオッカのぬいぐるみを購入し、モモンガ母の手を経由して今は姪っ子のものとなっています。可愛いのよクオッカ!!

ということでペンケースをしばらく手に取ってしげしげと眺めていたのであります。うむ、これは欲しいゾ。

ですが私はだいぶ前に「ぬいぐるみはエゾモモンガとミナミコアリクイもしくはオオアリクイだけしか買わない」とマイルールを設定していたはずなのであります。なにしろ、ぬいぐるみ物欲のリミッターをカットして欲しいものを片っ端から入手、という人生になってから部屋が完全にぬいぐるみ置き場になってしまっているのだ。

ぬいぐるみは集めるとキリがないからもうこれ以上は買わない、と決めたはずが「もふっとオオカミ」に魂を抜かれて以来「なし崩し」的にマイルールを破るのが当たり前の無法状態になってしまったのです。正直に言って、もふっとオオカミは今じぶんの部屋に何体あるのか分からない(もう数えるのをヤメてしまった)という惨状であります。その後は内緒で「くったりシベリアンハスキー」を買い毎晩抱いて寝ているし、こんどは「むっちりグレートピレニーズウルトラBIG」に手を出すタイミングをうかがっている始末。放っておくと私はぬいぐるみに寝床を奪われるダメ人間なのであります。

ゆえに、まあペンケースとはいえ事実上「ぬいぐるみ」と変わらないシロモノを増やすのはちょっとヤメておこうかと思って売り場に戻し、買わないで帰宅したのでありました。偉いぞ!!

しかし。帰宅してから激しい後悔の念に襲われたのであります。ネットで「クオッカ ペンケース」などと検索して上記サイトにたどりつき、アアやっぱり買って来ればよかったと胸をかきむしったのでした。そもそも私はしばらく前にペンケースを新調したばかりであり今は新しいペンケースを買う必要性はゼロです。でもクオッカのペンケースなんてそうそう製品化されるものではありません。

その昔カロラータというメーカーのオオカミのぬいぐるみを横浜そごうで購入し、みんなから「それ犬じゃね?」とバカにされながらも可愛がっていたのですが、あまりにも可愛いのでもうひとつ買おうと思っているうちに市場から消えてしまったという悲劇を私は味わっているのであります。

大好きなぬいぐるみ作家、落合けいこさんの「やまね工房」のエゾモモンガのモンちゃんが私の宝物であり、私の分身であります。しかし「やまね工房」のぬいぐるみも縫製を担っていた工場が廃業したのにともない卸販売終了となり、全国のファンが涙したのであります。もう買いたくても買えないのです。

なくなってからでは遅いのです。買えるうちに買っておく、というのは鉄の掟であります。

そう思うと布団の中で目を閉じてもクオッカのペンケースが空を飛ぶのであります。もしかしたら私が店に置いて帰ったあのあと、誰かが買ってしまったかもしれない。ダメだ、やっぱり買っておきたい。

あれは「ぬいぐるみ」じゃなくて「ペンケース」だから「ぬいぐるみの新規購入を禁じるマイルール」に抵触するわけでもない(断言)という謎の理論武装が整ったのであります。ルールというのは必ず抜け道があるってもんよ。法学者なんて理屈をこねくりまわして日本国憲法の解釈をめぐって互いの主張を曲げないではないか。屁理屈でも理屈は理屈なのだよ。

買う、と決めると話は早い。「もう売れちゃったんじゃないか症候群」みたいなものは心を締め付ける訳ですが、それはもう考えても仕方がない。暗闇でカッと目を見開いて、買うぞ買うぞ、明日さっそく店に出向いてまっしぐらに買いに走ろう。もし売れてしまっていたら、その時はあきらめよう。そう思うとだいぶ気持ちは楽になり、私もようやく興奮から覚めて眠りについたのであります。

翌日、猛ダッシュで武蔵小山に舞い戻ったのは言うまでもない。



ペンケースその3

買ってきちゃった!!




店に着いてわき目もふらずクオッカに向けて猛ダッシュですよ。ふだん股関節が痛くて痛くてどうしようもないのですが、ナンなんでしょうねあの底力は。ペンケースは無事に(?)売れ残っており、私はそれをガシッとつかんでレジに直行ですよ。サラリとお会計してお持ち帰り。気分爽快。



ペンケースその4

まあ事実上ぬいぐるみ扱いなんですけどね




とりあえず背中のファスナーをあけてフルートの練習の時に持ち歩いてるメトロノーム、チューナー、ICレコーダーを入れておいたわ。


「これは断じてぬいぐるみではなく、音楽グッズ収納ポーチなのです」


と胸を張って言える状態にしたのであります。頭いいよねワタシ。不幸な人は誰もいない、素晴らしい結末じゃないですか。無罪。

以上、世界一しあわせな動物クオッカのペンケースのおかげで、世界一しあわせになった私のお話でありました。めでたし、めでたし。










#19
2023年3月18日(土)
「外出中にヘッドホンを使うときは無線接続がいいよね」


今日はヘッドホン&イヤホンネタで話をしようと思います。昨年12月29日のモモ通にて書きましたように、私は「耳は繊細で修理のきかない消耗品」という認識でありまして、将来いわゆる「ヘッドホン難聴」になってツラい思いをしないで済むように使用時間はなるべく短くするよう心掛けています。


モモンガ通信 2022年12月29日(木)#75
「ヘッドホンのイヤーパッド交換」
https://ezomomo.com/momo_j/2022/momo_j2022_4.html#75


なにしろ部屋でフルートの音を出そうものなら近所の人が騒音を警察に通報し苦情が来るレベルの長屋に住んでいるため、部屋でスピーカーを鳴らして音楽を聴くのもはばかられるのです。電子楽器(キーボード)を使う時やエレキギターを手にする時はヘッドホン装着が事実上不可避でありますから、なんだかんだ言っても使用頻度はそれなりにあるのです。

ということでヘッドホンやイヤホンはいくつか持っているのですが、スマホにiTunesのライブラリの一部を入れていることもあり、これをたまには外で聴きたくなる時もアリクイです。

で、数年前まで愛用していたソニーのノイズキャンセリングイヤホン(Bluetoothでワイヤレス接続できるもの)が部屋のどこかにあるだろうという事で、あれをもう一度使おう!と思って丸一日かけて部屋中を探したのでありました。

結論から言うと見つかりませんでした。

文字通り部屋をひっくり返すぐらいの勢いで片っ端から漁ったのですが出てこない。愛用していた当時、地下鉄で通勤していたのですよ。地下鉄の車内はガタガタと凄まじい走行音でしたが、ノイズキャンセリング機能の威力は絶大でリラックスして音楽を聴く事ができました。働いていた頃、と思うとずいぶん昔の話になります(涙)。かなり充電池がヘタっていて毎日充電していました。ひょっとしたら捨てちゃったのかもしれない。うん、なんか捨てた記憶があるような気もする。

仮に手元に残していたとしてももう古すぎてダメかもしれないな、ということでキッパリあきらめることにしました。

ちなみに部屋じゅうを探していたら懐かしいBluetoothワイヤレスイヤホンマイクを発掘しました。携帯電話の普及とともに車の運転中の通話に起因する交通事故が増加して、取り締まりの対象となりこのようなイヤホンマイクが用いられるようになったのでした。



イヤホンマイク

落下防止用のフックを耳にかけて装着していました




まだ使えるのかな?と思って充電して、4GケータイにBluetooth接続したら使えました。まあコレもバッテリーが相当ヘタっている感じだし、そもそも今は車の運転もしないから出番は無いかな。



音楽再生

4GケータイにプリンストールされてるLISMO(←懐かしい!)で音楽も聴けたYO!片耳だけど




これ以外手元にあるのはみんな有線ヘッドホンですよ。愛用品は音楽鑑賞で使ってるのも楽器用もみんな有線ヘッドホンばっかり。ざっくり言って「音質にこだわる」とどうしても有線を使いたくなっちゃうのだ。

でも外出先で隙間時間に音楽を聴くのなら断然ワイヤレスがいいよね。さらに希望を言わせてもらうとアクティブ・ノイズ・キャンセリング機構がついていてほしい。いわゆるANCヘッドホンですよ。普通のヘッドホンやイヤホンでは、地下鉄に乗っている時には相当音量を上げないと曲が聞こえないし、そうなると耳がダメージを受けてしまう。

有線のノイズキャンセリングヘッドホンなら一個持ってるんだ。Bluetooth接続のイヤホンのノイズキャンセリング効果にモーレツに感激して、有線のモノも使ってみようと思ってわざわざ買ったのであります。単四形乾電池1本で動作する廉価機種を買ったのですがノイズキャンセル機能は大したことがなかった。ソニー製と言えども上位モデルを買わないとダメなのよね。



ソニーの有線ヘッドホン

これも随分古いヘッドホンなんだよう




有線ですから普通にスマホのイヤホンジャックに挿せば使えるのであります。私はスマホにiTunesライブラリの一部を入れているので、サラリと好きな曲を選んで聴くことができます。カセットテープをガチャン!とセットしてレコードから録音した音源を聴き、A面が終わるとオートリバース機能で自動的にB面が再生される時代はもう忘却の彼方ですよ。



音楽再生中

「はたしてスティーヴン・スティルスとニール・ヤングは仲が良いのか悪いのか」と思いをはせる私であった




ちょっと話が脱線するけど私はリッチー・フューレイとジム・メッシーナ(※どちらもミュージシャンの名前です)が好きなのよ。もともとは「イーグルスが好き」っていうのがスタート地点なのですが、必然的に「ポコ」(っていう名のカントリー・ロックバンド)を聴くようになって、そのルーツをたどっていくなかで「バッファロー・スプリングフィールド」までさかのぼってしまった次第です。

去年、映画『トップガン マーヴェリック』が話題になりました。私は1986年の前作『トップガン』しか見てませんが、当時ケニー・ロギンスが唄う映画のテーマ曲"Danger Zone"は空前のヒットとなりました。私はケニー・ロギンスといえば「ロギンス&メッシーナ」名義で、ジム・メッシーナとのデュオで「プー横町の家」「ダニーの歌」みたいな素朴でぬくもりのあるフォーク調の可愛い曲を歌うイメージが強かったので、露骨に商業ロックに転向したように思って「裏切ったなケニー・ロギンス!おのれ!」というような複雑な心境でしたね。

とはいえ"Danger Zone"は80年代を象徴する名曲だというのに異存は有りません。まずベースが突入し間髪を入れずにエレキギターのリフが炸裂するイントロは映画の世界観にピッタリでした。これは蛇足ですが私自身は商業ロック(産業ロック)と呼ばれるポップ&メロディアスな大衆受けを狙ったロックは大好きなのですよ。没後300年で改めて評価されるよりも、生前に売れてスターダムを駆け上がり時代の寵児となるほうがミュージシャン的には嬉しいですからね。世の中には「一発屋」にさえなれないまま鳴かず飛ばずで埋もれ消えていくミュージシャンの屍が文字通り星の数ほど存在しているのだ。売れ線ロックをやって実際にヒットさせるのは凄い事です。

というような話に脱線すると止まらないので音楽の話はホドホドにしておきましょう。何はともあれこのヘッドホン(しょぼいノイズ・キャンセリング機能つき)があれば外出先でも音楽三昧できるって事ですよ。



ヘッドホンとスマホ

とりあえず音楽は聴けるぞ




しかしですねえ。これ有線なんですよねえ。外では無線接続したいですよねえ。コードは煩わしいのよ。コードごときに束縛されずに自由に生きたいのよ。そもそも有線ヘッドホンの利点は「高音質」で「遅延がない」点ですが、どちらも外出先では不要な性能です。どうせデジタル技術で圧縮されたmp3データの音源を走行音の激しい地下鉄に乗ってる最中に聴くだけなので、音質の良し悪しなど論じるだけムダであります。

どうせならBluetooth接続のワイヤレスヘッドホンを使いたいよなあ。できればANC(アクティブ・ノイズ・キャンセリング)機能がついていて欲しいよなあ。ANCワイヤレスっていったらソニーだよなあ。最新鋭の上位機種を使ったらシアワセになれるだろうなあ。

ずいぶん前から「完全ワイヤレスイヤホン」とでも呼ぶのでしょうか、左右がケーブルでつながっておらず完全に別個になっていてそれぞれを両耳に挿してBluetooth接続で使う非常に小粒なイヤホンが大流行してますよね。私はアレは無理だ。ポロリポロリと落としまくりそうであります。電車待ちのホームでポロリとやって線路に落ちたらどうするのだ。できればオーバーヘッド型、もしくは左右がつながっていて片方がポロリと耳から外れてももう片方のおかげで落下を防げるようなイヤホンでワイヤレスというのが理想ですよ。

人生の大半を在宅で過ごしマトモに外出予定が入るのは通院だけ、という私ですから「そんなヘッドホン、いつ使うのよ?」と自らに問いかけずにいられないのが実情ですが、まあネットでリサーチするだけならタダですからね。ソニーのヘッドホンがいくら位するのかちょっと調べるだけ調べてみようかな。

このあと私を激しい衝撃が襲い、思わぬ展開をみせることになろうとは、予想もしていなかったのであります。(つづく)










#20
2023年3月22日(水)
「ANC(アクティブ・ノイズ・キャンセリング)機能といったらソニーよね」


前回のモモ通では「ワイヤレスANCヘッドホン」が欲しくなってしまい、極秘任務としてリサーチを開始したところまで話しました。

昨今では「ハイレゾ音源」(高分解音質・高解像度音質)なるものが登場して、音楽配信サービスやそれに対応したプレーヤー等が販売されていますが私はアレは「他人が珍重するのを否定はしないが自分は不要」という認識でおります。端的に言って良質の音源を鑑賞する環境がないのよ。騒音問題でフルートを吹けばご近所の誰かが警察に通報しウチにおまわりさんが駆け付けるような住環境ですから、音楽を気持ちよく鳴らしたくても鳴らせない。設備投資に大金を投じるだけの満足感を味わう環境がないんだ。

いきなりですが私は個人的に「オーディオテクニカ信奉者」であります。日本が誇る音響機器・映像機器メーカーとして応援したい気持ちもありつい肩入れしてしまいます。有線のATH-S100っていうヘッドホンがすごい気に入っているのよ。

しかしANC(アクティブ・ノイズ・キャンセリング)機能に関して言えば問答無用でソニーがナンバーワンだと思っております。実体験をもとに断言しております。とはいえ10年前の時点が私の中の最新情報なのは否定はしないです。ひょっとしたら今は他のメーカーも技術が向上してソニーが絶対王者ではないのかもしれないけれど、2023年3月時点でネット情報収集した限りにおいてはソニーのワイヤレスノイズキャンセリングステレオヘッドセットのフラッグシップモデル、WH-1000XM5の評判が高いのは事実であります。ほら、やっぱりソニーでしょ。


ソニー WH-1000XM5(公式)
https://www.sony.jp/headphone/products/WH-1000XM5/



WH-1000XM5

キャッチコピー:「新世代」の静けさで、音楽は深化する。




まあここでサラッと毒を吐いちゃうけど、逆に言うともうソニーの技術が世界の最先端を行ってるのってヘッドホン&イヤホンぐらいしか無いですよね。今のソニーなんて本業はマネーゲーム(損害保険とか銀行とか)じゃん。斬新な製品を世に送り出して誰も想像しなかった新しい生活や文化をつくっていく、っていう企業では無くなったよ。

話をWH-1000XM5に戻すと、評判はヨイですが値段もすごいです。ソニーストア価格が59,400円。ヨドバシカメラでは57,650円。凄まじいほどに高額であります。5万円台後半ですよ!こっちは別にオーディオマニアって訳じゃないからヘッドホンごときに軽く出せる金額ではない。ましてやたまに外出する時に使おうと思っている程度なんだから、こんな上等品は買えませんよ。

そして案の定というか恒例行事ではありますが、ソニーのラインナップは「下位モデルは露骨にスペックを落として極端に差別化を行う」という作法にのっとっており、予算を落とすとスットコドッコイな製品しか買えないという地獄を味わうのだった。

今は他のメーカーからもANCヘッドホンは販売されているので、何もクソニー(←失礼!)にこだわらずに他メーカーの製品について調べてみるのもいいかもしれないな、と思いました。私の好きなオーディオテクニカからもANCヘッドホンは売られているし。こればっかりは実物を手に取って試してみないと判断ができない。ヨドバシの店舗に自分のiPodを持ち込んで試聴行脚しようかな。でもわざわざ新宿まで行くのも面倒くさいんだよなあ。(←山手線にわずか15分乗る事すら億劫なダメっ子どうぶつ)

などと思いながらAmazonでワイヤレスイヤホンを検索してみる。相変わらず大陸製のインチキくさい製品のオンパレードであります。「マーケットプレイス」とかいうシステムは魔境ですよ。

ノイズ・キャンセリング・システムを諦めて、ただのBluetooth接続ワイヤレスイヤホンにしてしまえば「モモンガのおこづかい」でもサラッと買えちゃいそうなのよねえ。どうせ外出中にちょこっと使う程度、と考えたら余計なお金をかける必要がない気もするし。



ワイヤレスイヤホン


外出用と割り切るなら、こんなので我慢すれば?




そもそも電車で出かける時にオーバーヘッドタイプのデカいヘッドホンなんて邪魔でしかないのだから、普通にインナーイヤー型のイヤホンを持ち歩く方が楽ではないか。この画像のJVC HA-FX27BTなんてあからさまに安物っぽい見た目で性能もショボそうだけど、値段がたったの1,683円ですよ。まごうことなき「名ばかりJVC」「大陸製品にJVCのマークをつけただけ」の下等製品であろうが、どうせ私の外出予定は「通院」しかないのだからこれで充分ではないか?余談ですがちゃんとマイクがついていてハンズフリー通話もできるってよ。

という具合に「外出時はノイズキャンセリング機能が必須」という本来の前提条件を忘れて激しく脱線し「Amazonで売られている怪しいヘッドホンさがしタイム」へと移行してゆく私であった。「ピンクじゃなくて黄色はないのか黄色は!!」みたいな。よし、こうなったら意地でも黄色いヘッドホンorイヤホンを探すぞ!とかいって、完全に目的がふっとんでおります。一番ダメなパターンですよ。

そして魔境のAmazon、さすがです。私の期待に応えてくれる「絶対に地雷なやつ」を見事に登場させてくれました。



あやしいヘッドホン

出たよ、あからさまにヤバい奴




謎に安い大陸製品ならではの「ちょっと違和感のあるフォント」「不自然な日本語による文章」そしてなによりも素晴らしいのが「製品名がやたら長文(にもかかわらずメーカーと製品型番は記載なし)」という、まごうことなきメイド・イン・中共のゴミクズっぷりが爆発しておりまして、私のハートを射抜いて魂をわしづかみ状態です。



怪しさ全開のヘッドホン

だめだ笑いが止まらない







カラーバリエーション


「呼吸式」のひと言で私の笑い袋が崩壊




出たよ無駄に光るやつ。「消灯設定にしても電源を入れ直すと設定がリセットされてまた光っちゃいます」とか、手に取るように分かってしまうんだよなあ。そのうえカラーバリエーションも4色展開、私の好きな&今どき全く流行していないパステルカラーじゃないですか。どの色も魅力的だけど実物はショボい、というのも容易に想像がつく。やっぱ海軍が空母を三隻も持ってる国はやることが違うわ。

ということで私は中共による「色仕掛け」にひっかかってしまい、これは地雷だと解っていながら貴重なおこづかいを注ぎ込んでこの実に馬鹿馬鹿しいヘッドホン(黄色)を買ってしまったのであります。先日、長期にわたってオークションに出品していたもののまったく見向きもされず放置プレイとなっていたカメラレンズ用マウントアダプターがなぜか落札された為、臨時収入がありちょっとだけ気分が大きくなっていたのであります。

届いた後の話は次回につづきます。結果は果たして?










#21
2023年3月26日(日)
「大陸製のあやしい黄色ヘッドホンの顛末」


前回の続きで今日もヘッドホンの話です。Amazonでみつけた「絶対ヤバいやつ」を購入してしまった私はその後どうなったのか、というオチを書きます。

結論を先に言っちゃうと案の定、実物は激ダサ&糞チープで残念な仕上がり。しかもBluetooth接続はできるけど、実際に使っちゃうとデムパホー違反が発生するというヤバめな輸入品です。端的に言って無線接続したらアウトな製品です。しかし意外な機能がついていて最終的に逆転満塁ホームランで勝利という非常に喜ばしい結末でありました。


主な仕様

規格:Bluetooth5.0
プロファイル:HFP、HSP、AVRCP、A2DP
電源入力:DC 5V/80mA
連続通話時間:約12時間
連続音楽再生時間:約10時間
スタンバイ:約250時間
充電時間:約2.5時間
質量:約350g
電池容量:内蔵充電式リチウムイオン250mA電池
再生周波数帯域:20Hz〜20,000Hz
到達距離:見通し最長約40M(障害物なし)
搬送波周波数:2.402GHz - 2.480GHz
ひずみ率:1%以下(1kHz)


とはいえAmazonでの出品タイトル(商品名)をそのまま転載すると


Bluetooth ヘッドホン ワイヤレスヘッドホン 密閉型 重低音 オーバーイヤーヘッドホン マイク付き 折りたたみ RGB LED付き 有線 無線 両用 可愛い ギフト 彼女 誕生日 プレゼント ヘッドフォン Bluetooth 5.0 (イエロー)


となっており「メーカーも型番も書いていない謎の長文」であります。普通に「Yanhaitech SITOAT-B39 Bluetooth5.0ヘッドホン(イエロー)」と書けばいいのに、上記のように長々と書きなぐる意味が解りません。大きなお世話かもしれないけど率直に言って彼女の誕生日に贈ったらダメなやつだと思う。まあ最大の問題点は製品説明欄に「技適マーク認証済み商品」と謳っているにもかかわらず・・・



技適認証済



で、そのマァクは何処に表示されているんだい?




もうこの時点で、話題をそらさずにいられないのであります。察してくだされ。あまりそのへんを激しくつっこむとデムパに関するホーリツ関連で問題が生じるばかりか、某国のスパイに目をつけられて命を狙われたり、拉致・監禁されて共産党の「思想矯正施設」にブチこまれるかもしれません。ゆえに皆さんにはこちらの商品はオススメはしません。というか断じて買ってはいけません。こういう代物がAmazon倉庫から出庫・配送されるんだからやっぱり「Amazonの闇」は深いと思う。法律違反も「知らなかったから」では済まされないぞ。

箱はかなり厚手の紙を使用してしっかり造られております。外見はちゃんとしてるンです。大陸からボロボロの梱包で直送される激安商品とはひと味違いました。



箱

箱「だけ」はちゃんとしている(でも技適マァクは無い)




さっそく開梱してみると、折りたたまれたヘッドホン本体、収納ポーチ、microUSBコネクタの充電ケーブル、有線で使用するときのステレオケーブル、取扱説明書(書かれている日本語はわりとマトモ)が一式入っていました。変な日本語の取説を読むのを楽しみにしていたのでちょっと寂しい。



ヘッドホン

折りたたみ部分は明らかに貧弱、曲げのばしを繰り返したら3日で折れそうな品質




折りたたんでポーチに収納すれば持ち運びも便利!と言いたいところですがヒンジ部分(ちょうつがいの部分)は素人が見ても「ガンプラの関節のほうがはるかに優秀」という感じです。あまり質の良くなさそうなプラスチック部品が使用され、あからさまに耐久性が低そうです。このような「可動部分の耐久性」に関しての意識のありようが日本人と明らかに別次元なのですよね。ヘッドバンドが折れたらその時点で試合終了ですから、おりたたみ機構を過信せず細心の注意を払って丁寧に扱うのが長持ちさせる秘訣でしょうな。

ちょっと話はそれるけど中共海軍はここ数年すさまじいスピードで空母を建造しており、すでに3隻目の「福建」が進水し実戦配備を目前にしております。最新式の電磁カタパルトを装備していると聞き、私は「は?電源はどうすんの?」と疑問を持った次第です。

決して中共をあなどるわけではないけれど、私が去年購入した腕時計や今回入手したヘッドホンの品質を見るかぎり空母「福建」だろうが戦闘機「J-35」だろうが絶対に大したことは無いと思う。どうせ「海外の技術をパクる」「スペックを盛る」「中間業者がケチって安い材料をこっそり使う」みたいなかんじで設計通りに造られていない粗悪品が量産されるに決まっている。航空自衛隊のF-2戦闘機が93式空対艦誘導爆弾を4発お見舞いすれば東シナ海のもくずと化すのは間違いない。

まあ、そうは言っても連中の科学技術向上は目を見張るものがあるので油断は禁物ですけどネ。

話をヘッドホンに戻しましょう。色は黄色(YELLOW)ということで選んだのですが、この黄色がかなりビミョーな色味です。私の好きな黄色は「絵の具の黄色を絞り出した瞬間そのもの」の明快なあの色なのですが、このヘッドホンの色はちょっとオレンジ系の色味を含んだパステル系中間色です。スカッと気持ちいい黄色ではありません。モヤモヤします。



独特のパステルイエロー

スマホカバー&らいおん君のたてがみのほうが綺麗な黄色




まあ色として分類すれば「黄色系」ということでヨシとしましょう。細かい事ばかり気にしていると白髪が増えます。さっそく電源を入れてみるとバッテリーがすっからかん状態でウンともスンともいわない。説明書には「最初は3時間充電してください」とある。microUSBケーブルを挿入し充電開始。雑な部分が赤ランプ点灯。しばし待て、ということですな。



充電完了

ランプが青になったら充電完了!マイク穴から光がモレてるよ




ボタン類は突起がデカいので私のように指先が鈍感などうぶつでも手探りで操作はやりやすい。最近の高級機種にありがちな、押しボタンと本体に段差が全く無く、いざヘッドホンを装着してしまうとどこにスイッチがあるのかわからなくなってしまうタイプよりはこのぐらい凹凸がハッキリしている方が操作しやすくて好感がもてます。

車のエアコンやオーディオなんかも最近のタッチ式とかは手探り操作ができなくて、一瞬視線を向けないと望む操作ができない。昔のダイヤル&突起のあるレバー式&ボタン式のほうが操作性は上なのだ。

今は何もかもがタッチパネル操作が主流だけど、「レバーの倒れている方向」や「押し込まれてるスイッチ」で現時点のセッティングが目視又は手探りで瞬時にわかる機構のほうがインターフェース的にはすぐれていると個人的には思う。あとランプ類に関していえば、赤い点滅シグナルは「非常のサイン」で正常動作は「緑」に光って欲しい、というのも私のゆずれないこだわりです。バックライトがオレンジ、みたいな中途半端な色づかいはマジやめていただきたい。車やオートバイのインパネが液晶表示で青や白なのも、どうも落ち着かない。

ひとまずスマホとBluetooth接続して音楽を聴いたり電話をとったりしてみた。そう、マイクが搭載されていて通話もできちゃうのである。電話がかかってくると音楽が止まって呼び出し音が割り込んでくる。スイッチを一回押すと電話をとることができる。どうやら問題なく動作しており「初期不良のハズレを引いてガビーン」という最悪の事態は回避できた風味。よかった。ネット通販で返品交換とか面倒ですもんね。ただ、繰り返しになりますがこれ技適マァクが箱にも製品にも書かれていないので(以下略)。

ちなみに使用中は耳を覆ってる円形部分の外側が七色の輪っかで光ってしまうのでありますが、案の定設定を「光らない」にセットしても電源を入れ直すとまた点灯する設定にリセットされているという超絶アホ仕様なので、気にしないで使うことにする。何しろ装着している本人はヘッドホンがあやしく光っているのが見えないのであります。周りの人は鬱陶しいだろうけど、仕方がない。

あと気になるのは「音質」と言いたいところですが、しょせんBluetooth接続ですし安物ヘッドホンですからタカが知れています。そもそも聴く音源データ自体がmp3ファイルですし。オーディオは細かい事にこだわるとキリがない世界です。良い音質を求めるなら有線しかありませんし、そもそも圧縮音源のmp3ファイルで音質を語るのは言語道断でしょう。ということで音質は全く期待していなかったのですが、いい意味で裏切られました。かなり低音を強調した心地よいサウンドであります。しつこく言いますがmp3音源をBluetoothで無線接続してる時点で音質など二の次なのであります。これならいいじゃん、という程度。接続は安定しているし不快なノイズもないし、不満は全くありません。頼む、ちゃんと技適認証を取得して出直してきてクレ。



オオカミのぬいぐるみに装着

いや、君の耳はそこじゃない




さて冒頭でも触れました通り、このヘッドホンには意外な機能が付いており衝撃を受けたのであります。その機能だけで私は大感激で最高に満足なのです。今日の話のさいごにその点を紹介したいと思います。

なんと!このヘッドホンにはmicroSDカードスロットがついており、microSDカードに収納したmp3音声データ(音楽データ)が再生可能という「音楽プレーヤー機能」を装備していたのでありました。

要するに音楽データ(※ただしファイル形式はmp3に限る)をmicroSDカードにコピーしておけば、別にスマホやiPodのようなプレーヤーとBluetooth接続しなくてもヘッドホン単体で音楽が聴けちゃうのであります。これって結構スゴい事ではないかい?



microSDカードスロット

カード入れるだけでミュージックが自動再生よ




これは実に画期的なことでありまして、「お気に入りのプレイリスト」ごとにmicroSDを数枚準備しておいてそれを外出時に携行すれば、その昔カセットテープをとっかえ、ひっかえしてウォークマンで音楽を聴いていたような音楽生活が取り戻せるってことですよ。

今ではもはや使いみちがなくなった古いmicroSDカード(容量512MBとか1GBとか)を活用すれば、持ち歩くだけでいつでもどこでも自分の世界に没頭できるのであります。

むろんヘッドホンには曲を検索する機能など無いので「順番に再生するだけ」なのですが、だからこそ大容量のカードに大量の曲を入れるのではなく「お気に入りのアルバムを1枚のmicroSDに入れておく」ぐらいにしておけばむしろ利便性が向上するのであります。

私はアーティストごとに10曲〜20曲程度の「プレイリスト」をつくり、それを各1枚のmicroSDカードに入れて、数枚のカードをケースに入れて持ち歩く作戦を行うことにしました。

まずは「いしだあゆみ」のカードを作成。このmicroSDカードをヘッドホンに挿入すればいきなり『ブルーライトヨコハマ』が流れるという寸法ですよ。そんなかんじで「新沼謙治」(※オートバイレーサーのニール・マッケンジーではない)と「太田裕美」のカードをとりあえずつくってみた。

というわけで、当初はアクティブ・ノイズ・キャンセリング機能のついたヘッドホンかイヤホンが欲しいと思っていたプロジェクト、途中で路線変更となりノイズ・キャンセリング機能はなくてもいいから黄色いヘッドホンを購入する作戦は


ヘッドホン型のmp3プレーヤーを入手


という、予想もしなかった奇想天外な結末で幕を閉じたのであります。これは大変な事態ですよ。想像してみてくだされ。頭のおかしい女が黄色いヘッドホンを七色に光らせて電車に揺られて精神病院に行くんだよ。もはやホラーとしか言いようがないではないか。誰がこんな21世紀を予期したであろうか。



ヘッドホンの使い過ぎに注意しよう

私の大好きなフルムーンちゃん!




「箱根湯本駅で七色に光る黄色いヘッドホンして恍惚としている怪しいエゾモモンガがいた」とかいって速攻で身バレ・特定される可能性が高まってしまったので気をつけようと思います。なんにせよ今回の3回にわたるヘッドホン&イヤホンネタで私が一番言いたい結論はですね、


「戦いとは、いつも二手三手先を考えて行うものだ」


ということですよ(←どこがだよ)。 以上!










#22
2023年3月30日(木)
「ダブルラジカセと『勝負カセットテープ』の時代」


前回までのモモ通で「外出時に快適に使えるANC(アクティブ・ノイズ・キャンセリング)機能付ヘッドホンが欲しい」という所から出発して最終的には「ヘッドホン型のmp3ミュージックプレーヤー(ANC機能ナシ)を入手」という予想外のオチに墜落したという近況を語ったのであります。

ヘッドホンにmicroSDスロットがあり音楽データを収納したカードをサラリと入れれば即、音楽が聴けてしまうという謎機能搭載で私は歓喜したのでありました。お気に入りのアーティストごとにmicroSDカードを用意しておいて、その時の気分で選びヘッドホンにセットすればゴキゲンな音楽鑑賞タイムとなる訳ですから


「ねえ、ちょっと稲垣潤一の『1969の片想い』をかけてよ」


っていう発作的な音楽欲求を瞬時に叶えてくれるのであります。実に、実に画期的であります。曲の頭出し(スキップ)もボタン操作ひとつで瞬時に可能ですから、10〜20曲ぐらいのプレイリストから聴きたい曲を探し出すのもワケないのであります。今更何を言い出すんだと言われそうですが何しろこちらはレコードとカセットテープで青春時代を送った世代なのだから、テープを早送りしたり巻き戻ししたりせずに「聴きたい曲を瞬時にプレイ」というのは今なお感動がほとばしってしまうのですよ。



カセットテープ

時代が変わってメディアも変わる




中学に入学した時に親にSuper頼み込んでAIWAのダブルラジカセを買ってもらったのであった。サンヨーの「おしゃれなテレコ U4」が爆発的ヒットとなったのち、競合他社がマネしてカラフルで横長デザインのラジカセを次々にリリースしていた頃であります。画期的なダブルカセットが登場し「倍速ダビング」などという超絶テクノロジーが搭載されたダブルラジカセを入手したことで、思春期の音楽生活を存分に堪能したのであります。

数本あるカセットテープから気に入った曲だけあつめた「自分のお気に入りベスト」のテープを作ることが可能になったのです。アーティストが出すベスト盤でいいじゃないか、と言われそうですが私のようなヒネクレ者だと「このベスト盤には私の好きな曲である〇〇と△△が収録されていない」といった不満を抱くことが多く、またシングルカットされたA面の有名曲よりも誰も知らないB面の曲の方がお気に入りであるとかいうような事態も多発するので「マイ・ベスト盤」づくりにかける執念と情熱はハンパではなかったのですよ。

そして高校生になると友達との音楽ネタ話の交換もいっそう活発になり「はやり歌は知っていて当たり前」という前提のもと、自分がどれだけディープな世界を知っているかを相手にアピールする合戦状態のようになったのであります。端的に言うなら洋楽なら「ビートルズ」と「ストーンズ」は一般教養レベルで「ひととおり聴いて無いと会話にならない」状態であり、流行の歌(洋楽・邦楽とわず)をしっかり聴き逃さないように食らいつく一方で人知れずオールディーズを学んだり「ザ・フー」マニアの友人に負けないようにと「キンクス」のアルバムに手を出して自爆したり、とにかくいろいろなミュージシャンを片っ端から聴いてみるといった日々に明け暮れたのであります。

やがて車の免許を取得する年齢になるとこんどは「カーオーディオで鳴らすカセットテープ選び」に熱を上げる時代が来るのでありました。カセットテープが10本収納できる手提げ型のケースを愛用し、今日は何のテープを持って出かけようかと楽しく悩むのは幸せなひとときでありました。

ちょっと脱線してカーオーディオの話をします。

1985年に登場した7代目・日産スカイラインでは「5連カセットチェンジャー」が用意されていたのです。5本のカセットテープをあらかじめカートリッジに仕込んでおくと、コンソール操作だけで聴きたいテープを選択しドライブ中の車内で鳴らすことができた。当時としては画期的な最先端をゆく夢の機械であった。



カセットチェンジャー

日産スカイラインの高級装備




あと三菱デリカ・スターワゴンのカーオーディオにはマイク接続端子(標準フォンジャック)がついており、マイクを挿せば演奏中の曲にあわせて唄えてしまうというカラオケ機能(?)が付いていたんだよ。おりしも冬のレジャーと言えばスキーが大流行していた時代ですから当時のヤングは4WDのデリカで苗場へと向かったのであります。

で、いよいよ本題な訳ですが、年齢もそれなりになってくると「車でデート」をはじめるわけですよ。1991年にトヨタから「サイノス(CYNOS)」という名のクーペが登場しました。この車のCMキャッチコピーが「友達以上、恋人未満。」というもので、まだ正式に付き合ってるという訳じゃないけど互いに気になる親しい間柄、っていう微妙な距離感をうまい具合に表現して我々の世代のハートをあおったのよ。

相手に自分の気持ちをなんとなく伝えるために恋心をつづった曲をセレクトした、いわば「勝負カセットテープ」をデートに持って行ったのであります。まちがってもフラれて沈む曲とか三角関係で負ける曲とかは持って行かないのです。「好き」という思い、それだけ込めて持っていくのですよ。自分から告(コク)るガッツは無い→相手に察してほしい的な期待を胸にカセットテープを鳴らす。サッカーでいえば間接フリーキックみたいな感じですかね。今ではもう考えられない行動ですね。

このまま話を続けると最終的に私が玉砕するシーンまで語る展開になりそうなので、いささか強引ではあるけれど今回入手したヘッドホンに話を絡めようと思います。

カセットテープのサイズを思えばmicroSDカードなんて奇跡的な小ささであります。外出先で震える指で取り扱い、地面に落としたら二度と見つからないレベルです。外で出し入れするのははっきり言って「危険」です。



サイズ比較

テープやレコードが物理的に回転して音楽が鳴るのは理解できるけどデジタルデータが音で再生される理屈が理解できない昭和世代




ちなみに私が愛用しているmicroSDカードケースは「名刺入れ」サイズで二層構造となっており、全部で24枚のmicroSDカードを収納することができます。カセットテープ24本を携帯して電車に乗るなんていうのは事実上不可能ですから無敵感はハンパないです。「ちょっと稲垣潤一の『思い出のビーチクラブ』かけてほしいなァ」と感じたら、このケースからサラリと「稲垣潤一microSDカード」を取り出してヘッドホンに挿せば心は1987年当時に戻りますよ。最高ぅ。



名刺サイズのmicroSDカードケース

24枚あれば今の気分にジャストフィットな曲が必ずあるものよ




それこそ「スラッシュ・メタルからしあわせ演歌まで」邦楽、洋楽とわず男性ヴォーカルも女性ヴォーカルも網羅して選りすぐりの音楽ライブラリ(を収録したmicroSDカード)がいつでも手元にある喜びですよ。このヘッドホンをスマホとBluetooth接続することはせず単体のミュージックプレーヤーとして使っている限り「技適のマァクが(以下略)」という問題でデムパ法に抵触することもない。マジ良かった。安心して外で使えるよ。そういう意味では意表をついて掘り出し物を見つけたと思います。ネット検索で「ヘッドホン一体型 mp3プレーヤー」といった用語で商品探ししても見つからない製品ですもん。



ヘッドホン装着

ごきげんなオオカミのウルちゃん(いや、君の耳はそこじゃない)




というわけで、謎な展開をみせつつ「またムダなものを買ってしまった…のか?」と思わせる崖っぷちからオドロキのどんでん返しで最終的にハッピィになることができました!という話よ。こんど電車に乗る時に(※特に走行音の激しい地下鉄で)実際に使ってみて最終的に評価をしたいと思っていますが、2千円ちょっとの価格でこれだけ大騒ぎして喜べたのだからすでに充分満足ですよ。

自分の年齢を考えると「もうこれ以上余計な物を買って部屋をガラクタだらけにする生活はヤメておけ」と言いたいところですが、私はやっぱり「愉快なモノに囲まれることが日々を喜びで満たす」っていう時代の価値観から脱却できないわ。昨今は「ミニマリスト」と称して何も持たない生活を送る人もいるけど、まるっきり物欲が無くなったらソレはソレで虚しいような気がしてしまうのよね(←出たよ昭和時代の価値観の押し付け)。

何も高級ブランド品や高額商品を買えば即シアワセ、と言ってる訳じゃないのよ。私も相当な底辺生活だけど「分相応」のレベルで(限られた所持金の範囲内で)物欲をこねくりまわしつつアレやコレやのお買い物をしながら楽しく過ごせればそれでヨシ!って事ですよ。それこそ、ぬいぐるみにヘッドホンをつけてその姿を写真撮ってる時間は天国を先取りしているかのような楽しい時間ですよワタシ的には。アホな事やってるなぁ、とは思うけどアホでいいじゃん。邪(よこしま)な考えを抱き悪事をはたらき他人に危害をおよぼし日本社会を混乱させるような悪人にくらべたら、私なんて人畜無害よ。

なんて言っているウチに3月も終わるね。4月から私を待ち受けているものは果たして何か。(来月につづく)























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