レンタルスクーターでゆく静岡・安倍奥

〜春の露天風呂を満喫し、ワタシ的恐怖スポットの「大谷崩れ」を堪能する〜

2015年10月23日





ここで紹介するエピソードは2013年3月の出来事です。当時すでに自分のオートバイを持っていた訳ですが、そんな中であえて「新幹線とレンタルバイクを組み合わせた旅をしよう」と企てました。今更感もありますが「忘れ得ぬ旅」となったので、ここで紹介する次第であります。

私が学業を終えて最初に就職した会社の赴任先が静岡でありました。あれから月日は流れ・・・当時の友人達(会社の同僚、取引先の担当者)と久しぶりに会うことになり、「まさかバイクで行くわけにもいかないなーオシャレしたいし。やっぱり新幹線だなー」などと考えていました。しかし、友人達と会うのは夜の部。朝イチで静岡入りすれば丸々1日がフリーになります。これを遊び倒さなきゃもったいない。

最初は思い出の中の懐かしいお店巡りでもしようかな、ぐらいに考えていたのですが、現地でレンタルバイクを借りて奥静の露天風呂(※静岡在住時によく通った口坂本温泉)に行くのはどうか?と思いつきました。お店巡りするよりもバイク温泉旅のほうがずっと楽しいに決まっています。孤独好きな私は「ひとりツーリング派」ですが、人恋しくなる頃には友人達との約束が待っている、と思えば一粒で二度おいしい感じもします。

調べてみると静岡市葵区南安倍に「BRSバイクレンタル静岡」さんというお店があり、125ccのスクーターなら4,000円で借りられます(当日返却)。24時間(1泊)でも5,000円。安っ!!さっそく予約手配しました。ちなみに、読者の皆様はたぶんバイクに乗らないであろうという前提であえて書きますが、バイクのレンタルはとても高いのです。レンタカーの方が遥かに安い。「そんなバカな!」と思うかもしれませんが需要と供給を考えれば自明の事。パイのちいさいレンタルバイク市場が安く済むワケがない。私がバイクを買う前によく利用していた近所のレンタル屋さんでは125ccクラスなら8時間で5,000円、250ccクラスを借りると9,900円します。ニッポンレンタカーで小型車を借りたほうが安いという。

さて当日(2013年3月9日土曜日)の朝、私は品川駅から新幹線「ひかり」に乗って静岡を目指しました。富士川を渡り「ここは静岡テンジンヤ」の看板が目に入ってくると懐かしさがこみ上げてきます。あっという間に静岡駅に到着。

駅のコインロッカーに荷物を預け、バイク乗り装備(ヘルメット、グローブ、膝・すね用プロテクター)を持ち温泉入浴グッヅを入れたリュックを背負いレンタルバイク屋さんに歩いてゆく。記憶していた以上にお店までの距離は歩き出がありお店に着くのが予定よりも10分ほど遅れてしまいました。書類記入などの手続きをして9:45、いよいよツーリング開始であります。

ショップのご主人が「市営の温泉?どこだったか、もう廃業して取り壊したよ」などと恐ろしいことを仰る。え?口坂本温泉ですかと尋ねると梅ヶ島温泉なのか口坂本温泉なのか判然としません。もし口坂本がアウトだったら梅ヶ島を目指せばいいや、ぐらいに考えます。

借りたのはアクシストリート。ヤマハの125ccスクーターであります。今日一日、よろしくネ。ヘルメット、グローブ、膝&すねのプロテクターを装着していざ、走り出す。



9:45出発。旅のお供はヤマハ・AXIS Treet。アクシストリート。アクシスって枢軸って意味もあるよね?それだけでシビレる。この平凡なスクーターがいい走りをするのよ。

アクシス トリート



今回のコースは静岡駅前から県道27号(井川湖御幸線)を北上し、口坂本温泉を目指します。ここは私が静岡にいたときにしょっちゅう通った温泉です。なんの予定もない週末に自転車でふらっとゆくのに丁度よい距離なのです。

静岡にいた当時は市営の温泉が3箇所ありました。ひとつが静岡市の北のはずれ、安倍峠の手前にある梅ヶ島温泉。もうひとつが井川湖の手前にあり、露天風呂もあって一番のお気に入りの口坂本温泉(今回の目的地)。もうひとつは藁科川をさかのぼった途中にある湯ノ島温泉。あのころその存在を知って、3つとも自転車で真っ先に訪ねてみました。梅ヶ島は自分のウエスタン東京の実家の風景にソックリすぎて愕然とした記憶があります。湯ノ島温泉は設備が新しくてヨイのですが露天風呂がないのがツマラン。ちなみにワタシの好きな口坂本温泉には近くに「木の子」という名の喫茶店がありここで飲むコーヒーが格別なのであります。だから今回は口坂本温泉の露天風呂につかって「木の子」でランチしようという作戦なのです。我ながらいいプラン、であります。まずは安倍川にそって気持ちよく走る。俵沢を過ぎたあたりからもう懐かしくて泣きそうな「私の好きだった風景」がひろがる。





茶畑!!

茶畑のなかのスクーター



安倍奥の印象は「急峻な山の地形と茶畑」であります。よく手入れされて整然と並ぶ茶畑って「こんもりした形状」が美しくて思わずダイブしたくなるりますが触れるとけっこう固くて痛いンだぜ(←ダイブはしていない)。安倍奥や川根の茶畑の風景が本当に大好きでした。久しぶりだなぁ、静岡に帰ってきたなぁ、としみじみする。







安倍街道 のほほん、ノンビリ旅

葵区長妻田にて



県道27号「井川湖御幸線」をゆく。私この道だーい好き。そして誰も居ない道はワタシの貸しきり状態であります。スピードも出さずに、あえてゆっくり走ったりする。こういう旅が好きなのよ。ゆったりとニッポンの風景を味わうのが本当に好き。しかしスクーターはギヤ・チェンジの手間もなく運転自体は右手のスロットル操作のみということで実にヒマ、であります。フルフェイス・ヘルメットの内側はすでに「走るカラオケ状態」となってきました。ここだけの話、バイク旅には演歌がよく合うのですよ。アクシストリートはこれといって変わった装備もない、平凡なスクーターではありますが、足元のステップまわりがゆったりしていること、そしてハンドル下、フロントパネル内側のポケットが実に使いやすい(地図やカメラを放り込んでおける)ことがポイント高し。実用の道具として考えるとスクーターって本当にいいよね。








11:15 口坂本温泉到着

温泉の入口



静岡の中心から約35km、口坂本温泉に到着しました。おーやってるやってる。ってことは、レンタルバイク屋のご主人が言っていた「取り壊された温泉」は梅ヶ島に違いない(確信)。何はともあれ、今日はここ、口坂本温泉の露天風呂を堪能するのだ!受付にゆくと「あら若い人が珍しい!」と言われてしまった。残念ながらピチピチ・ギャルってほどの若さでもないんだけど・・・と思いつつ風呂に入ると納得。おばあちゃんしか居ない。たしかに34歳は今日の最年少だわ。さっそく中に入り、いざ露天風呂へ。3月半ばの、まだ肌寒い初春の風景をみながら浸かる湯は最高のひとことです。いやあ、人生っていいもんだなあ(しみじみ)。






入浴後のリラックス・タイム

YAMAHA TDR80




風呂上がりのポカリスエットたいむ。これがまた美味しいのですよ。乾いた身体にしみ入る感じ。気持ちいいナァ、と座敷でくつろぐ。手前に写ってる黒い物体はコミネのニーシン(膝・すね)プロテクターであります。そう、何をかくそう私もコミネウーマン。コミネというのはバイク用品メーカーの名前でありまして、値段が安くて機能性は十分なウェアやグッズを製造販売しています。ナンなら「コミネマン」でググっていただければ、熱烈なコミネファンがいかに多いかがわかっていただけるかと思います。スクーターでプロテクターかよ?と馬鹿にする人もいるかもしれませんがバイクの危険度は形も排気量も関係ありません。時速30キロのスクーターでも当たり所が悪ければ大怪我、ヘタすりゃ死ぬのよ。それに万一、怪我をして仕事に穴を開けるというのは社会人としてヤバい。だから過剰かもしれないけどバイクに乗るときのプロテクターは大事、であります。プロテクターの横にちょっと写ってる携帯電話は当時愛用していたNokiaのNM705i。サンシャイン国際水族館(当時)のオウオウアシカ・ストラップ付。ちっちゃいストレート端末、デザインとしてはノキアの最高傑作との誉れも高い携帯電話でありした。今見ると何もかもが懐かしいわ。

さて、くつろいでいたワタクシ。案の定、温泉のあとは身体がビミョーにダルくなっていて、これからの運転が少々億劫にも感じられる。かつて自転車で来ていた時もそうだったなあ。「アー帰るの面倒くさい」「明日仕事行きたくない」みたいなことを思ったりしちゃうのよねん。とはいえいつまでもそんな事いってられないから、意を決して出発するのでありました。










喫茶店「木の子」は思い出の中に

YAMAHA TDR80




悲しいことに、かつて温泉の横にあった喫茶店「木の子」は閉店していました。すでに廃墟になっていて、ものすごいショック。「木の子」の記憶は、青春の思い出の中でいまも輝いています。というか、ここで食事するつもりだったので急きょ作戦変更。とりあえずこのあとは、取り壊されたであろう梅ヶ島温泉まで行ってみよう。途中に「真富士の里」というパーキングエリアがあるから、そこで昼食だな。そして梅ヶ島まで行くのなら、私の大好きな「大谷崩れ」を見て帰ろうではないか。12:30、口坂本温泉を出発しました。








私は舗装林道が大好物

口坂本周辺




私の大好物はスピードが出せる高速道路でもなければ、ビーナスラインのようなワインディングでもない。声を大にして言いたい。私が好きなのは舗装林道であります!!車ではすれ違うのも苦労するような、道幅の狭い舗装林道を、ゆったりのんびり走るのが大好きなのです。だから排気量の小さいオートバイが好きなのよ。






赤い幟(のぼり)には「よく来たなあ」と書いてある

口坂本周辺2




こういう道が大好き。わかるかなぁ。わっかんねえだろうなぁ。舗装林道、広域農道、そういうのがたまらく大好物。オートバイで走るのに好きな道を三つ挙げよ、といわれたら、まず山梨県のクリスタルライン。それから千葉県の嶺岡中央林道。そして埼玉県の奥武蔵グリーンライン。もう、ヨダレが出そうです。






しみじみと昼下がり

奥静の道には風情があった




そうそう、この風景。かつて静岡在住時は自転車で走った道を、のんびりスクーターで走る。私はふだんマニュアル変速のスポーティなオートバイに乗っているわけですが、こういう道はスクーターが合いますね。スクーターには独特の生活感があって、風景にとけこむ感じがします。






奥静の風景は・・・

YAMAHA TDR80




奥静の魅力はなんといっても急峻な山のカタチが身近にせまってくる迫力と、その合間に見える茶畑の風景。静岡の思い出、というと真っ先に浮かぶのがソレであります。そして今回久しぶりに訪ねた静岡は、相変わらず、期待通りに、奥静の風景そのものでありました(当たり前)。






スクーターのカタチ

YAMAHA TDR80




アクシストリート。トリート。ジョグ125って感じ。とりたてて目立つ長所はないけれど、逆に短所らしい短所が全くない。フルフェイスヘルメットが入るメットインだし、エンジン始動用のキックも付いている。生活の一部にこういうシンプルな乗り物があったらいいな、と思います。私だったらフロントにカゴもつけちゃうかも。学生時代、50ccのスクーター(ホンダの初代Dio)に乗っていましたが、みんなに馬鹿にされながらもカゴをつけて便利に使っていました。スーパーでお買い物して、それをそのままサクッとカゴに入れる。実に頼れる相棒でありました。さてこのトリート、ブリヂストンなどいろいろステッカーが貼られていましたが、フロントにデカデカと「味の素」が貼られているのが妙に可笑しかったです。






やりきれないほどの悲しさを胸に

YAMAHA TDR80




すさまじい孤独感。オートバイ旅の魅力、それは孤独な時間にあります。リアルのどかをご存知の方は私が自由と孤独を愛するスナフキン系女子だということをわかってくださっている事でしょう。オートバイで遠乗りに出かけて、何がいいって、独りの時間をじっくり味わえる事であります。人間は一人で生きられるモンじゃないけれど、だからこそ、時々は独りになってしみじみと人間の優しさについて考えるのがヨイのだ。「寂しさ」と「悲しさ」は私の心の友であります。私の心の拠り所といってもよい。そして、何時間も孤独な時間を過ごし、しみじみと「寂しさ」と「悲しさ」を味わうことで、ふたたび街に帰るわたしは人間が一層いとおしく、やさしくなるのです。











13:25 真富士の里P.A.に到着、ちょっと遅めの昼食

YAMAHA TDR80




安倍街道(県道27号井川湖御幸線)をひたすら下り、油島からこんどは県道29号線、梅ヶ島街道に入る。これを北上した果てにあるのが、第二の目的地「梅ヶ島」であります。いいかげん空腹(それでも自転車と違ってスクーターなら右手操作だけで前に進むのだ!!素晴らしい)をおぼえていたことろで無事に「真富士の里」パーキングエリアに到着。何はともあれ昼食ですよ。山菜蕎麦を注文。この、旅先で独りでとる食事というのも私が好きなもののひとつ。旅人になった気分がますます高まるのです。ちなみにお客さんは何組かいましたが、ライダーは私しかいませんでした。静岡在住のライダーは安倍奥には来ないのかな?安倍奥の道は物足りないのかな?蕎麦を食べつつ、けっこう時間がおしているような気がしてきた。先を急ごう。











14:10 梅ヶ島梅園に到着 梅はいいなあ

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14:10梅ヶ島の梅園に着きました。私、梅の花って大好き。まだ寒いうちに小さく咲く花は凛として美しい。ここでしばしの休息。相変わらず誰もいません。貸しきり状態です。それだけでも「今回の旅は成功だった」と思えてくるほど、私はひとり旅が好きなのです。











スクーターのススメ

YAMAHA TDR80




14時を過ぎて、だいぶ日陰がふえてきました。寂しい道をとぼとぼとゆく。静かです。スクーターのエンジンの音だけが聞こえる。

モモンガウオッチャーの皆様には是非、スクーターに乗る楽しさを知っていただきたいところであります。本当は「バイクのススメ」なんだけど、オートバイなんて危なくてうるさくてしょーもない乗り物、ぐらいにしか思っていない「ライダー以外の人」に、その魅力を伝えることは難しい。乗ると楽しいよ、と声を大にして言ったところで「ふーん。でも危ないからいいです」という返事が返ってくるのがオチであります。

そこでスクーターですよ。映画「ローマの休日」を思い出していただきたい。別に二人乗りがヨイ、というのではないのです。エンジンのついた小さな乗り物で、街を自由自在に動けるたのしさ。運転操作に難しいところはありません。右手でアクセル操作、そして両手でブレーキ(車種によっては足で後ろブレーキを踏むのもあるけれど、一般的ではありません)。自転車のようにこぐ事もなく、エンジンの力で前に加速してゆく感覚はとても不思議な気持ちよさがあります。車種にもよりますがシート下にはヘルメットも入るトランクルームがあり、ちょっとした荷物を運ぶこともできます。スーパーやコンビニへの買い物に使うもヨシ。足代わりとして実に便利!なうえに、ナンなら今回の私のように旅に出ることもできます。遠乗りはとても楽しいですよ。オートマチック車限定の小型自動二輪免許なら、それほど苦労することなく取得できるでしょう。そしてスクーターは、かけがえのない伴侶となってくれること請け合いです。











安倍奥の風景(切り立った山が迫ってくる)

YAMAHA TDR80




写真ではうまく伝わらないですが、切り立った山が間近に迫る風景は、何度でも繰り返しますが、実に魅力的です。安倍川がいかにすさまじい激流であるか、を垣間見させてくれます。











14:30 梅ヶ島到着

YAMAHA TDR80




到着しました、梅ヶ島温泉です。というか温泉跡地です。かつてはこの赤い橋を渡った先に、市営の温泉がありました。いまは取り壊され「おゆのふるさと公園」になっていました。温泉の風景もまた、私の思い出の中に消えてゆきました。返す返すも残念なことですが、静岡に住んでいた当時私には「写真を撮る」という習慣がありませんでした。だから当時をしのんだところで記憶をたぐりよせる術がない。写真の本質は「過去を懐かしむこと」だと思っているので、今回は迷わずパチリ。この風景さえ、いずれは懐かしい「画」になるのだから。











めざせ!! 大谷崩れ(おおやくずれ)

YAMAHA TDR80




今回の旅のハイライト。はじめて訪ねたときにあまりのオソロシさに戦慄した「大谷崩れ」を見に行きます。「崩れ」って何?という方もおられるでしょうが、たとえば富士山の「大沢崩れ」というのがありますでしょう。富士山の西面にある大規模な侵食谷。あんなふうに山の斜面の「地盤の弱いところ」が崩れている状態であります。日本には「三大崩れ」というのがあり、そのひとつが安倍奥にある「おおやくずれ」なのであります。はじめて訪ねたのは1997年の晩秋でした。もうネ、下から見上げるだけで足がすくむ「崩れ」の光景に息をのんだのであります。「くしゅん」とここでくしゃみをしただけで真上の岩土がガラガラと崩れてきそうな、もう、ギリギリのバランスでようやく保っているような光景。あそこは、死ぬまでにもう一度見たいと思っていたのです。今回はまさに再訪のチャンス!

夕方の友人との待ち合わせ時間が気になってきましたが今回「大谷崩れ」を見なければ一生後悔する、と思ったので焦り気味でスクーターを走らせる。急げ急げ。











大谷崩れは思い出の中に

YAMAHA TDR80




14時54分、大谷崩れに到着。久しぶりに見上げてみれば、砂防工事がバッチリ功を奏して以前ほどの「くしゃみ一発で崩落」という雰囲気はなくなっていました。春のおだやかな風の中で、なんだかとっても静かな風景。こんなもんだっけ?と拍子抜けしたほどであります。もちろん崩れ落ちる岩肌はやはり「地盤のモロさ」を露骨に垣間見させてくれるのですが、以前の恐怖感はどこへやら。私はしばし佇みつつ、「崩れって、いいなァ」などと独り言をつぶやいた次第。かつて見たおそろしい光景は記憶の中に消滅し、マイルドな崩れの風景が私のココロに上書き保存されたのでありました。

さて。時計を見ればもう15時10分。ぐずぐずしてはいられません。17時までにレンタルスクーターを返却し、18時には友人と合流しなければならないのです。ということで、大谷崩れに満足した私はスクーターに戻り、静岡シティを目指すべくエンジンを起動しました。











雪が残ってるよ!!

YAMAHA TDR80




今回、大谷崩れを訪ねるのに「難所」としてたちはだかったのが「雪が残ってるゾーン」でありました。日当たりが悪くてタイヤの跡の部分は凍っていたよ。ヘルメットの中で「ひぇ〜」と情けない声を上げつつ慎重にスクーターを走らせました。両脚を広げていつでも地面に足をつけるようにし、ヤジロベエのようにバランスをとりつつクリア。自分のスポーティなバイクだったらコケていたかもしれない。おそろしや。

雪の難所を通り過ぎればあとは道一本。さあ、街に帰ろう。











わが愛しの奥静よ、さらば!!

YAMAHA TDR80




もときた道をひきかえし、16時半をまわる頃には静岡の街に帰ってきました。ガソリンスタンドに寄り給油。やはり4ストの125ccスクーターは燃費がよくて、1リッターで40km以上は走ったかんじ。16:45にはレンタルバイク屋さんに帰還しました。本日の走行距離は148.1km。無事に旅を終えたことでわきおくる安堵感。お店のご主人にお礼を言い、別れを告げました。ここからがヤバいぞ!!ダッシュで駅に戻り荷物を出してホテルにチェックインして着替えて友人と会うのだ。私は夕方の静岡の街をモモンガ顔の小走り状態でありました。

ありがとう奥静。ありがとうアクシストリート。本当にいいスクーターでした。おばあちゃんになったらバイク人生の「上がりバイク」として乗りたいスクーターであります。











おまけ ありがとう静岡!!また来るからね!!

YAMAHA TDR80




夕方、静岡在住時に知り合った友人と合流して女子会。おいしい料理をいただきながら、夜遅くまでたくさんおしゃべりしました。宿泊したのは静岡グランドホテル中島屋。老舗ホテルであります。静岡に済んでいたころ、ここのロビーをよく待ち合わせ場所にしたものでした。一度泊まってみたかったのよねん。翌日は元同僚と3人でドライブ。アリクイ好きの私のために日本平動物園オオアリクイ接待という素晴らしいメニューを用意してくれました。おいしいもの食べて、たくさんおしゃべりして、本当に楽しいひと時でした。お土産にキットカット田丸屋本店わさびスペシャルを頂戴し、名残を惜しみつつ新幹線に乗り帰途に着きました。

そんなわけで、レンタルスクーターを使った静岡旅も無事終了。大谷崩れ手前ではまさかの雪ゾーンもありましたが無事故無違反で帰ってこれて本当によかった。ありがとう静岡のミナサン!また行きたいな。







※使用カメラ:iPhone 5

(2015年10月23日 記)





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