横浜画夢2004


(2004年10月2日)



離れていても

覚めることのない

画のような夢










1.風紋




夜毎

風に吹かれて

心の片隅に

描かれる模様を

見ていたい










2.天使




ものをうつくしく透き通るようなかんじにさせる

後ろから当たった照明の

白い空気の中に

天使はおられる










3.感情とその奥




感情と

その奥にあるもの

私と

その奥にあるもの










4.深夜零時




少女は音楽会の夢を見る

美しく着飾って

有名な音楽家の演奏をききにゆくのだ



夜はゆっくりと更けてゆく



やさしい笑顔をうかべたまま

少女は寝返りをうつ










5.飛べないモモンガ




飛べなくなったモモンガが

巣の中でまるくなっている



とても静かな夜

雪はしんしんと降り続ける



大好きな木の実を胸に抱いて

モモンガは神様の夢を見る










6.忘れ物




忘れ物をしてきたよ

あの店の

窓際のテーブルの下に

きっとある

ああ

とりにゆきたい

マドリードの

あの店へ










7.あたたかな



 
あなたが

いつもと同じように

なんだかとても穏やかにギターを弾く

その音色のあたたかさが

私を

ふわ ふわと つつむ










8.秋




秋のやさしい橙(だいだい)色のなかに

わたしは入ってしまいたい










9.距離




遠ければ

遠い程

なお

つのる

かなしみ










10.覚えていないぐらい昔




年代物の機械や

古そうな道具類をみると

私はとても嬉しくなる



過ぎ去った佳き日々の

楽しい物語を

私に聞かせてくれるような心地がする



なんともかわいい

古いものたち










11.みことば




わたしは、世の光です。

わたしに従う者は、決してやみの中を歩むことがなく、

いのちの光を持つのです。


(ヨハネ8・12)









12.車輪




願わくば

ころころと

軽やかに廻れ

もっと

明るく廻れ

私の

運命の

車輪










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