モモンガ通信2024年(第4期) ヴェノーヴァとかフルートとかオートバイとか・・・のどかさんの日常ヨタ話


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#60
2024年(令和6年)10月2日(水)
「霊名の祝い日(自分で自分にプレゼント)」


本日10月2日はカトリック教会の定める「守護の天使の記念日」すなわち私の洗礼名の由来となった日ですので「年に一度、盛大にお祝いする日」というわけです。人は生まれたその時からひとりに一人ずつ「守護の天使(Guardian Angel)」がついていて、人間の目には見えなくとも生涯にわたり片時も離れることなく共にいてくださるのだとカトリック教会は教えています。

私みたいな駄目人間を担当することになってしまった天使は実に気の毒といいますか、同じ仕事をするなら「もうちょっとマシな人間を守護する役目を担いたかった」と天使も本音では思っているかもしれません。ま、そのあたりは神の采配によるものですから私と私の守護天使は「腐れ縁」みたいな感じでこれからもずっと一緒にコンビるわけです。

私がホンの出来心で悪い道に足を踏み入れようとする時というのは、いわば悪魔が私を誘惑している状態であります。私の天使は悪魔を追い払おうと必死に戦わなければなりません。美しい天使の顔によもや傷をつけてしまうような事があったらお詫びのしようもありませんから、そういう事態が起こらぬように私自身が常日頃より心を引き締めて悪魔に付け入る隙を与えないよう努めなければならないのであります。

と、少しばかり真面目な前置きをしつつ、ここからはいつもの調子で吉田兼好の『徒然草』ばりに思いつきで私のモモ通を綴ってゆきたいと思います。

めでたい日は自分にプレゼントをしてしまう、という悪癖から卒業しようと思うのですが何かひとつぐらいは気晴らしになる買い物をしたいですよね。去年は洗礼を受けて20周年!とかいって割と盛大に自分への贈り物をしてしまい「その後の分割払いで涙する」みたいな状況が長く続いたのだった。なので今年は高額なものを買うのはヤメよう。そもそも春にスマホを落下で壊滅させたり夏にはPCが天に帰ってしまったりと災難が続いているので、正直お金もないのであった。出せても予算は4千円が上限だな、とかいったらそれこそ「ぬいぐるみ」をひとつ買って終わりですよ。もうちょっとひと工夫して何かいつもと違うものを入手したいよね。

ということで結論を先に言ってしまうと、モトクロスジャージを買いました。

この時点でいきなり何の話なのか解らずネタについてこられない読者が続出しそうなので順を追って説明したいと思います。

モトクロスというのはオフロード用のオートバイで定められた悪路のコースを走るレース競技であります。何をかくそう私はこのオフロード系の「文化」が大好きなのです。個人的には1990年代半ばにスーパークロスにどハマりしていました。スタジアムのような場所に人工的に悪路の周回コースをつくって、そこをオートバイで競走するというけっこうブッとんだレース競技であります。そんなアホなことをやらかすのはやはりというか当然、頭のネジが2〜3本は抜けてるアメリカ合衆国の連中でありますが、なんと日本でも神宮球場にコースをつくって世界のトップレーサーが走ったりしたのです。今では考えられません。

私はジェレミー・マクグラスという選手の天才的な走りにすっかり夢中になりました。

ほかの選手とくらべて、一人だけ別の次元にいるかのようにフワフワと柔らかいフォームでオートバイを操り、流れるような、滑るような圧倒的スピードで加速し、ほかの選手を魔術のように抜き去ってサクッと優勝してしまうのです。

YouTubeを見ると当時の映像なんかが普通にアップされているので驚きます。やっぱりマクグラス選手の走りは一人だけ次元が違います。



Jeremy McGrath's Year Of Domination





今の日本ではどういう訳かオフロード用オートバイは人気がありません。昔はそれなりにオフローダーがいたのですが、メーカーが販売する車種が減ったからオフ車人口が減ったのか、それともオフ車乗りが減ったからメーカーが販売をやめたのか、どっちが先なのかは謎ですがとにかくオフ車は絶滅危惧種です。競技用の車両は売ってるけど、保安部品がついてナンバープレートを取得して公道を走れるオフロードタイプをまともに売ってるのはホンダだけ、という草木も生えない状況になっています。


当然、「ナップス」とか「2りんかん」といったオートバイ用品店に行ってもオフロード用のウェアやブーツはほとんど店頭にありません。私の行動範囲においては実店舗でオフロード用品を割と本気で取り扱いしているのは「ラフ&ロード」だけです。「ラフ&ロード川崎店」は東急東横線・東急目黒線の元住吉駅から歩いてすぐ、という最高の立地ですから東急沿線民の私にとってはなくてはならないお店であります。

そして「でもなんで、わざわざオフロード用のウェアであるモトクロスジャージなんて買うのか?」という点についてはずばり


オフロード系のウェアは派手だから好き


という一言で結論が出てしまうのです。アパレル業界全域をひろく見渡してごらんなさい。普通に派手な服というのが最近は減ってますから、オフロード系の突き抜けたデザインは私に残された地上の最後の希望みたいなものです。派手な服を着ると気持ちが明るくなるのですよ。それだけで幸せなのですよ。

さて、オフロード用品にもいろいろなブランドがあります。FOX(フォックス)とかTHOR(ソア)とか個人的にはみんな大好物なのですが、有名どころのひとつにSHIFT(シフト)というのがあります。昔からあるブランドですが、ちょっと目を離した隙にいつのまにかロゴが変わっていました。



新旧ロゴ


かつてのロゴと現行のロゴ




過去も現在もSHIFTの "S" をデザインしているのは明らかなのですが、いかんせん、現在のロゴマークは我々日本人にはカタカナの「ラ」にしか見えないのであります。「ラ」って書かれたら普通に「ラーメン」とか連想してしまうのです。なんかちょっとダサいな、昔のロゴのほうがよかったな、と私は正直思っていました。この「ラ」が胸にデカデカと描かれているのとか普通に売ってるんですもん。正直キツいっすよね。

と言いながら、なんと!私はこのたびSHIFTのモトクロスジャージを買ってきたのであります。



ジャージ(前)


買ったのはこちらのデザイン




ちなみに今回掲載している画像は「ウェビック」というオートバイ用品販売サイトにて使われている画像をお借りしております。正式な型番がわかれば純正部品も買えたりする非常にありがたいサイトです。ほかにも自動二輪業界の最新情報やイベント関連のアナウンスなど、内容盛りだくさんです。そんなウェビックの公式サイトはこちらね。


ウェビック(公式)
https://www.webike.net/


モトクロスジャージ、こんなん なんぼあっても良いですからねえ、とミルクボーイの漫才のようなことを言いたくなってしまうのであります。このビミョーに緑っぽい青とか蛍光っぽい黄緑とか、私の好きなカラーリングですよ。



ジャージ(後)


背中は白ですな




胸にデカデカと「ラ」が描かれているわけでもないですし、肩の部分には普通に "SHIFT" と綴られています。問題は肘の部分ですね。見えますね、「ラ」の字が。私が今回購入を決意したのは、この肘の部分に全てがあります。次の画像を見ていただきたい。心して見ていただきたい。このモトクロスジャージを着用し、腕組をしている状態です。



腕組


ムラムラ・・・なん・・・だと?!




やだあ、どう見てもカタカナで「ムラムラ」って読めるじゃないですか!!

これ凄くないですか。腕を組むだけで「そのようなお気持ちを表明できる」というタエなる仕様がデザインされているモトクロスジャージですよ。まさか合衆国のSHIFTのために起用されたデザイナーが日本でこのような評価を受けることになるとは想像もしていなかったでありましょう。今回のモモ通を書くにあたって「SHIFT ムラムラ」とかで必死にネット検索しましたが2024年10月2日現在においてこのウェアにムラムラした人はただの一人も存在していないようです。つまり今日このモモ通を読んでしまった皆様は、まさにこの瞬間にSHIFTのモトクロスジャージでムラムラすることが可能だということを証明した最初の日本人グループとして強い絆で結ばれたのであります。これを私が着なきゃ誰が着るんだって感じですよ。ということで購入したというのが最大のニュースですよ。

かくして2024年の霊名の祝日、自分へのプレゼントとしてSHIFTの「ムラムラジャージ」を晴れて入手してニヨニヨが止まらない、という報告をして今日のモモ通は終わりを告げるのでありました。

まだまだ我々には伸びしろがあるな、というのが率直な気持ちです。今回のモトクロスジャージもひとつの例ですけど、これからの人生で思わぬ所で思わぬ衝撃的な出会いがたくさんあるに違いありません。世の中にはまだまだ無限の可能性があって、こういうセンセーショナルな感激にむせび泣くチャンスはきっといくらでもある事でしょう。希望を捨ててはいけないな、と思いました。

しかし「ムラムラ」っていうワード自体が生活の一部に登場したのは何十年ぶりって感じですよ。あー人生って楽しいっすね。

完。










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